55 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:31:14 ID: aLHETqQM0

 

('A`)「俺は……俺は!!!ここまで支えてくれた人皆の、期待に答えなきゃいけない」

 

爆炎。
空を包む、青い光。
まるでそこは、外宇宙かと思ってしまうほど、美しく、そして不思議な空間であった。

機関『ウヲノメ』を窮地に追いやったドクオ達。
だが、その『ウヲノメ』のバックには、巨大な悪が大きく口をにやけさせ、たたずんでいたのだ。

傷つき、倒れていく友。
一人、また一人……。

大切な人を守ろう。
そう誓った者達に、守られて今生きている自分。

 

その、大きな自己嫌悪に身を制されながらも、目の前の巨悪に立ち向かう。

 

 

57 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:32:06 ID: aLHETqQM0

 

( ФωФ)「小僧――。まだ銀河大帝である我輩に、歯向かうか」

銀河大帝ロマネスクに立ち向かおうとしている。

この、悲しい能力を。
この、もう一人の自分を。

見つめ、葛藤し――。

その手に握れ。

('A`)「――変身!!!!」

 

第9話「決戦!ドクオ対『銀河大帝』のようです!」

 

 

60 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:33:58 ID: aLHETqQM0

また一つ。
遠くでガス爆発のような、緑色の波動が巻き起こる。

宇宙が――。
銀河が、また一つ死んだのだ。
今、目の前にいる大帝の手によって。

ドクオの耳には、その爆発音が、救えなかったその銀河中の人々の悲鳴に聞こえていた。
負の力のスーツを身に纏い、仮面で顔を隠した顔は、涙が頬を伝い、くしゃくしゃになっている。

自分の非力さが、また。
また、胸にズキンと響き、二度と取れないほど深い傷へと変化する。
今の自分を動かしているのは、愛したあいつの、共に戦ってきた"金"との、約束だけ。

イ月 ーノi、『私との……約束。守れ……よ…な…』

どしゃぶりの雨にかき消されそうだった、あの細く、か弱い声をその耳にバックさせる。
歯を食いしばり、目前の敵であるロマネスクをキッと睨んだ。

 

 

63 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:35:47 ID: aLHETqQM0

( ∵W∵)『ロマネスクゥーッ!!!!!!!!』

足を大きく曲げ、その反動で勢いよく飛び出す――。
ロマネスクはその憎たらしい笑みを曲げずに。

そのまま。

ドクオから光の速さで繰り出された右拳を受け止めた。
ズシン。
重く、大きく太い音が周囲に響き渡る。

( ∵W∵)『んなろぉぉぉ!!!!!』
( ФωФ)「所詮、マイナスアバターなどその程度」

グリン。
ドクオの肩がそう音を上げると、体がその音についていくかのように、
回転し、ドクオは一瞬にして世界を一回転させた。動転し、腕を持たれたまま身動きがとれないでいると……。

( ФωФ)「我が超銀河の力の、足元にも及ぶまい」

 

 

64 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:37:51 ID: aLHETqQM0

強烈な膝蹴りが、ドクオの顔面に直撃する。
頭部に大きな衝撃が伝わり、そのままドクオは吹き飛んでしまった。

( ∵W∵)『……ッ!!!』
( ФωФ)「何とか言えばどうだ?黙ってばかりでは、わかるものも……わからんというものだ」

大きく両手を広げるロマネスク。
ドクオはすぐに、その両手の先に強力なエネルギーを感知した。
中空で回転すると、背中から勢いよく噴射する。

あの技――、前に一度見たことがある。
両手から二つの光球を放ち、目標を爆砕するのだ。
あれ以上、チャージさせるわけにはいかない。

( ∵W∵)『マイナスアバターウェポン1st!!その姿を――見せろォォッ!!!』

ドクオの両手に、超合金『ヴィプクロメタリウム』で作られた、メリケンサックが現れる。
手に装着されると、ドクオはグッと力強く握る。

 

 

68 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:40:34 ID: aLHETqQM0

( ∵W∵)『もう一度ォッ!!!!その力をォォッ!!!俺に!!!俺にィィィ!!!』

錐もみ状態で宙を舞い、ロマネスクのはるか上空へとその体を持っていく。
ロマネスクも、宙にいるドクオを見上げ、その手に溜めているエネルギーを、一つに纏めた。

( ФωФ)「フハハハハッ!!!まずは最初の力比べと行こうかァ!!!小僧!!!」
( ∵W∵)『喰らえェェェェェェッ!!!!!』

 

まるで、ビッグバンが起きたかのような。
楕円系の、光の輪が連なった爆発が、周辺に巻き起こる。

( ФωФ)「お前は正義のヒーローなどにはなれはしない!!!なぜだかわかるかぁ!!?」
( ∵W∵)「ぐ……うぉぉぉ!!!!!」

( ФωФ)「お前に宿るその力はぁ!!!正義を守る為に造られたものなどでは無いィィ!!!!」

ロマネスクの放った光弾に、突っ込むような形になったドクオ。

爆発は間を置いて収束。

その光の輪の中心――。
男が二人、そこにはいた。

 

 

69 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:41:55 ID: aLHETqQM0

(;ФωФ)「な、何……?」

銀河大帝ロマネスク。
2850年のその長い人生において、初めて膝をつく。

地に、膝をつく。
砕かれ、消し飛ばされた足場の欠片に、である。

ロマネスクの光弾は、紛れも無くドクオの拳よりも、全てにおいて強かった。
だがドクオの鋼拳は、確かに、ロマネスクの光弾を貫き、そのまま本体を霞めている。

致命傷では無い。
致命傷では無いが、今、確実にロマネスクの中にある何かを破壊した。

超魔公金で造られた鎧の端を貫き、ロマネスクの背後でその拳を掲げる様子は、
一瞬ではあるが、ドクオの勝利を思わせたのだ。

 

 

71 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:43:04 ID: aLHETqQM0

( ∵W∵)『……ッ。はぁ…はぁ…。その力比べ。何回戦まであるんだ?』

全身傷だらけになりながらも、ロマネスクを挑発するドクオ。

(#ФωФ)「……おのれ!!!!我輩を愚弄するか!!!!!」

ドクオの周囲を、紫色の炎が包み込む。
胸の部分で腕を十字にすると、ロマネスクの眼前に刀が現れた。
スラリと延びた刀身。

一太刀で、何人の首を刈り落としてしまうのであろうか。
ドクオの身丈程あるその刀に、炎が集まり、鳴動を始める。

( ФωФ)「この音色を聞かせるのも、小僧。お前が始めてだ」

炎が刀身に、染み込む。
溶け込むという表現ではなく、染み込むという表現が正しくみえた。

バックステップで、少しロマネスクと距離をとるドクオ。

( ФωФ)「――啼け。我が炎刀『獄樹』よ」
( ∵W∵)『……ッ』

ロマネスクが刀を、前に突き出すように構える。

 

 

72 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:43:46 ID: aLHETqQM0

( ФωФ)「前に、出てこれまい。お前の頭の中には、今一歩踏み出せば死ぬであろう。
        という考えが頭の中を、ぐぅるぐぅると回っているはずだ」

そう。ロマネスクの言うとおりであった。
ドクオには、今1mmでも前に出ようものなら、その身を焼き尽くされると考えていた。
何か、何かある。
不安、そして、懐疑心が胸を埋め尽くそうとしていた。

燃えてなくなってしまいそうに暑いその身と、目の前に構える大きな力で、挟まれたようなその感覚。

だが――。

だが。そのような感覚に、負けてなどいられないのだ。
今、一歩も踏み出せないような男に世界が守れるか?

守れるわけも無い。
己の保身を第一に考える男だったからこそ、これほどの犠牲を出してしまった。
愛する人をなくしてしまった。
信頼できる友をなくしてしまった。

目からとめどなく流れる涙は、その長い刀から放たれる熱気ですぐに乾く。
人間。そう、簡単には変われない。

 

――だけど、今変わらないでいつ変われというんだ。

 

 

73 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:44:23 ID: aLHETqQM0

宇宙空間に浮かぶ足場を、一歩。踏み出す。
前に出した右足に、もう迷いは無い。
ドクオは、ニヤリと微笑む。

恐怖に打ちひしがれている自分は、もうそこにはいないのだ。

死は恐れない。
痛みも恐れない。
悲しみも恐れない。

だから――。

( ФωФ)「その一歩、後悔させてやろう!!!喰らい尽くせ!!『獄樹』よ!!」

一太刀振るうロマネスク。
すると、刀身からとてつもない速さで炎が飛び出した。
渦を巻き、ドクオのその喉を掻っ切ろうと不気味な声をあげながら。

一本……。
二本。

次々と、炎の渦がドクオへと飛び込んでいく。
ドクオは、避けようともしなかった。
何か、確信した何かがあったから。

熱風が宇宙を覆いつくそうとせんばかりに、その行き場を探す。
真っ赤に燃えるその炎の固まりは、完全にドクオを補足、その体を燃やし尽くそうとした。
小さな炎の渦が起こり、その勢いはしばらくは止む事は無かった。

だが……。

 

 

74 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:45:38 ID: aLHETqQM0

(#ФωФ)「……またしても、またしても貴様は……!!!」

その、ロマネスクの瞳に映った光景は、信じがたいもの。

( ∵W∵)『ロマネスク。銀河大帝のその炎。頂いた!!!!』

右腕に炎を取り込んだドクオが、今まさにこちらに炎を向けたたずんでいたのだ。
親指、人差し指……と、順々に指を折り曲げていく。

炎の色が、徐々に、青く、輝き始める。

( ∵W∵)『さァ……!!!決着を着けるぞ!!!』

( ФωФ)「ふっ……。よくもまぁここまで我輩をコケにしたものだ。
       よかろう!!全力を持って相手をしてやる!!!
       お前の事を、もう小僧とは呼ばん!!かかってこい!息子よ!!!」

 

 

75 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:46:37 ID: aLHETqQM0

宇宙の――。
いや、銀河の収束が始まる。

二人の力が、激突しようと、鳴動を。
魂の、カウントダウンを始める。

 

君は、新たな銀河の誕生を目にするだろう――。

――――
―――
――

('A`)「……っていう夢を見たんですよ、先輩。どうすか?ラノベの賞とか狙えますかね?」

 

( ´∀`)「……半休やるから、病院行って来いモナ」
('A`)「……」

第9話「決戦!ドクオ対『銀河大帝』のようです!」 終わり!!

 

 

79 名前: ◆Cy/9gwA.RE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 00:48:40 ID: aLHETqQM0

えー以上で本日の投下は終わりです。
長々と支援してくださったかたありがとうございます。

あーっと

 

※本作品に出てくる登場人物は、他作品の登場人物と一切関係ございません。※

 

これやっとかないと後でフルボッコにされちゃうよ

まあというわけで質問感想等あればどうぞ!!

 

89 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 01:06:16 ID: aLHETqQM0

あと、最後に少し真面目な事を

この作品で挑戦したいのは、AAを使ったボケ、ツッコミ。
他作品のパロディ等の、あまり今までやったことの無い物です。
地の文を抜いて見たり、AAを多用したり等ですね、色々変則的に造ってるので、
どうぞ嫌いにならずに読んでやってください。

ではおやすみなさいみなさん

 

 

 

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