63 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:03:50.91 ID:uLdJTTrj0
はぁっ……!はぁっ……!!
足が痛い。
もうこれ以上走れないよ……っ!!
これ以上走ると……!!!
ノハ#゚听)「燃えてくんだよおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
第4話「恐怖!ショボンと『年頃の女の子』のようです!」
64 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:04:51.63 ID:uLdJTTrj0
目的はないけどおおおおおお!!!!
とりあえず走るんだあああああああああ!!!!!!!
ノハ#゚听)「うおおおお!!!!???って曲がれねええええ!!!!!!!!」
ボスッ。
あ……あれ?
壁にぶつかると思ったのに……。
(´・ω・`)「大丈夫?」
ノパ听)「え……えっと……」
男……?
厚い胸板……太い声……高い身長……。
間違いない、男だ。
ノハ;゚听)「だだだ、大丈夫です!!!あああありがとうございます!!」
(´・ω・`)「何がありがとうかわからないけど、どういたしまして」
ノパ听)「えっと……お名前は……?」
(´・ω・`)「え?僕?ショボンだけど……」
66 名前:>>65訂正 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:07:18.06 ID:uLdJTTrj0
この人なら……。
私を受け止めてくれたこの人なら……。
ノパ听)「私、スナオ・ヒートと申します。不束者ですが、よろしくお願いします」
(;´・ω・`)「……へ?」
少し謎な少女ヒートと、ショボンが偶然であったその頃。
浪漫堂の二人は、旅行のパンフレットを開いていました。
( ФωФ)「お!!どうですかココ!!
ラウンジ共和国!!中々綺麗な山の景観じゃないですかぁ!!」
(*゚∀゚)「えー?山よりやっぱり海ですよ海!!
ここ数年……海になんて行ってないし、
ましてやプールでさえビップにはないんですから……」
( ФωФ)「そういえばそうですよね、このビップでは水はそんな娯楽のために使うほどの余裕は無いですし……」
(*゚∀゚)「でしょ?だから、海にしましょうよ!ほら……このニューソク海岸とかどうです?」
( ФωФ)「ニューソク海岸ですか……いいですねぇ。
一度行ったことがあるんですが、あそこの女性はみんな優しくしてくれましてですね、
僕とジョル……すいませんでした」
(*゚∀゚)「……学習しましたね」
67 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:08:47.52 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「あそこなら大学時代の友人もいますし、旅行も安くつきますね」
(*゚∀゚)「浮いた分は美味しいご飯にまわして下さいよ!?」
( ФωФ)「もちろん!美味しい鉄道弁当が楽しみでしょうがないですぅぅぅ!!!」
(*゚∀゚)「……お刺身、バーベキュー、カキ氷……うふふふふ……」
そして……。
(;´・ω・`)「その……不束者って?」
ノパ听)「え?結婚してくださるんじゃないんですか?」
(;´・ω・`)「えええ!?い、意味が!!意味がわからんばい!!わからんばい!!!」
ノパ听)「私を……受け止めてくれたじゃないですか?」
この子……。
なんかちょっとおかしいよ?あれ?あれれ?
メンヘ○?
いや……それにしては少しアレな気が……。
はぁ……。トラブルな臭いがしてしょうがないよ……。
(´・ω・`)「う、受け止めたけど……、それは角を曲がったら突然いたからで……」
ノパ听)「でも!!私を受け止めてくれた事に変わりはありません!!」
68 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:13:16.78 ID:uLdJTTrj0
徐々にヒートアップしてきてない?
これ……やばくない?
僕まだ28歳だし……。
30までは身を固める気は……というか女だと身が固マラ……げふんげふん!!
(;´・ω・`)「ちょ……ちょっと落ち着こう落ち着こう!!」
ノパ听)「誰が落ち着けようものですか!!!
今!!私の結婚相手が決まったのです!!
そう!!あなたです!!ショボンさん!!」
(´・ω・`)「勘弁してください……」
ノパ听)「?」
(´;ω;`)「勘弁してくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!!!」
ショボンは、走った。
別に待っていない友の為に。
息が切れようとも……。そう、セリヌ○ティウス……。
ノパ听)「ま、待って!!!」
71 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:23:46.49 ID:uLdJTTrj0
(´;ω;`)「待ってて!!セリヌン○ィウス!!!」
ノハ#゚听)「待って……待てぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ふたりーは〜
風のように〜
流れ〜 愛し〜
時には〜
ぶつかり〜
愛を〜
確かめん〜
〜〜ショボン『男の愛の歌』〜〜〜〜
(´;ω;`)「男がいい!!男がいいぃぃぃ!!!」
ノハ#゚听)「まああああてえええええええ!!!!!!!」
誰が、この二人が後にベストジーニストを受賞することを予想したであろうか――。
そう、今は誰も知らない……。
72 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:25:19.25 ID:uLdJTTrj0
そして。
(´;ω;`)「……なんとか、なんとかバーボンハウスに着いた……」
ノハ;゚听)「ど……どこ行ったの!!マイダーリン!!!」
ガタガタと震える手を押さえながら、ボディービルダー雑誌『MUKI2』に目をやる。
徐々に震えは収まった。
(´・ω・`)「……落ち着く……。やっぱりKANさんの上腕筋は素敵だぁ。
ささ、あの悪夢は忘れてお店の準備しなきゃ……」
ショボンの経営するバーボンハウスは、店長のショボンの他に、アルバイトが1人いる。
その1人も忙しい合間を縫ってきているので、お店に顔を出すことは余り無いのだが、
ショボンも一人で賄えるほどのお店の大きさなので余り気にしていないようだ。
ジリリリリン……。
黒時計が鳴ったので、ショボンは受話器を取る。
電話の相手は、そのアルバイトの一人、モララーであった。
73 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:31:39.88 ID:uLdJTTrj0
( ・∀・)『おはようございますショボンさん!』
(´・ω・`)『ああ、おはよう。モララー君』
このモララー。
雑誌記者の見習いをしていて、ビップ新聞社に住み込みで働いている合間にショボンのバーボンハウスの手伝いをしている。
( ・∀・)『今日忙しそうならお手伝いにいきましょうか?』
(´・ω・`)『うん……そうだね。今日は魚の仕度が多いしお願いしようかな』
( ・∀・)『わかりました!じゃあそっちに行きますね!!』
(´・ω・`)『はーい。よろしく』
ガチャリ。
(´・ω・`)「うんうん。相変わらずモララー君はナイス好青年だね。あと3年の我慢我慢」
さあ、ちゃっちゃと済ませちゃおう。
昨日炭鉱で新しい脈が出たらしいし、今日くらいまでぶっ通しだろう。
疲れてる人たちを癒すのが僕の役目だ。
そうこうしている内に、バーボンハウスの開店時間。
モララー君も手伝ってくれたし、準備万端。
さて、最初のお客さんは……。
74 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:33:50.12 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「こんばんはー」
(´・ω・`)「ああロマネスク。いらっしゃい『バーボンハウス』へようこそ」
( ・∀・)「お久しぶりです!!ロマネスクさん!!」
( ФωФ)「ああモララー君。お久しぶり!」
(´・ω・`)「まあまあ挨拶はその辺に。カウンターに座りなよ。今日は一人?」
( ФωФ)「今日は一人じゃないよ」
(´・ω・`)「ん?ツーちゃんでも後から来るの?」
( ФωФ)「いや、今日はツーさんは用事があるから行けないらしいんです。それで、一人で来ようとしたら……」
嫌な予感がしたんだよね、うん。
もう、このときから冷や汗が背中とか額とかにふつふつと……。
(;´・ω・`)「……先、聞きたくないなぁ……」
( ФωФ)「途中でショボンを探してるって、大声で叫んで走ってる女の子がいてさ」
(;´゜ω゜`)「び……び……!!」
77 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:37:53.97 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「だから、ここまで連れてきたんだ」
ノパ听)「やっと会えましたね……ショボンさん……」
(;´゜ω゜`)「ビンゴぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!」
(;・∀・)「ビンゴ!?」
ノハ;゚听)「インコ!?」
( ФωФ)「渡る世間!?」
(;´゜ω゜`)「ひっ……ひひひひひひひヒートさんでしたっけ!!!?」
ノハ*゚听)「そんな……妻なんだから、ヒート、って呼び捨てにしてください……」
(;´゜ω゜`)「か、勘弁して……」
(;・∀・)(あの二人どんな関係なんですか……)
(;ФωФ)(いや、全く知らないんだけど、面白そうでしょ?)
( ・∀・)(……それもそうですね。今日働きにきててよかったー)
78 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:39:06.67 ID:uLdJTTrj0
(;´・ω・`)「ととととにかく落ち着いて!!僕達はまだであって数時間しか経ってないんだ!!
そんなすぐに結婚なんて決めたら、親御さんだって悲しむよ!?」
ノパ听)「心配ありません!!その数時間で親からの了承を得てきました!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ノパ听)<結婚するね。
ノハ父゚Э゚)川母゚听)<おっけー。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(;´・ω・`)「かっるぅ!!!」
ノパ听)「という訳で、18歳とまだまだ未熟な私ですが、末長く幸せにしてください!!!」
( ФωФ)「おっ!ヒートさん勢いがいいですね!式には呼んでくださいよ!?」
ノパ听)「もちろんお呼びさせていただきます!!親切に教えてくれたのですから!!」
(;´゜ω゜`)「ロマネスク何言ってんだよぉぉぉぉ!!!!!!」
( ・∀・)「まあまあショボンさん。28歳といえば、いい結婚適齢期じゃないですか。
これを逃すとチャンスは無いかもしれませんよー?ヒートさんかわいいじゃないですか」
ノパ听)「では、早速明日にでも婚姻届を提出に行きましょう……?」
(´;ω;`)「……展開が速いよ……」
ショボンが突っ伏したカウンターには、涙であろう塩水が溢れ、もうなんかすごいことになっていた。
82 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:43:28.26 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「……とまぁ楽しいので止めませんでしたが、おふざけはこのくらいにしてですね」
ノパ听)「?」
( ФωФ)「ヒートさん!あなたは誰とでも結婚してもいいのでしょうか!!」
ノパ听)「!!」
( ФωФ)「人生は一度きり……。そう、過ちを犯せばもう戻れない、
リセットができるゲームなどとは全く違うものなのです。
その一方通行の人生を、この数時間で決めてもいいのでしょうか!?
結婚といえば、人生における大きな出来事のうちの一つ!この結婚という一方通行の分かれ道……。
それを軽々しく決める事は、少しおかしく感じませんか!?」
ノパ听)「……!!」
(´;ω;`)「ロマネスク……」
( ФωФ)「そしてヒートさん。あなたはお美しい。その容姿、そして心意気があれば、
こんなに強引に結婚を迫らずとも、男なんかイチコロにできるはずです。そんなに焦らなくてもいいんですよ……?」
ノパ听)「焦らなくても……」
( ФωФ)「そう。焦らなくても、あなたには魅力があるのです。だから……」
(´・ω・`)(GJ!!!!)
83 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:44:10.65 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「恋人から始めたらどっすか」
85 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 19:46:18.54 ID:uLdJTTrj0
(;´゜ω゜`)「バカやろおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
( ・∀・)b(GJです!!!)
ノパ听)「……そうですよね!!まずは恋人から……!!お願いします!ショボンさん!!」
( ФωФ)「お似合いっすよふたり、お似合いっすよ」
( ・∀・)「お似合いです!!」
(;´゜ω゜`)「た……助けて……男分が欲しい……成分が……ホルモンが……」
( ФωФ)「先輩この店から自分とモララー出て行くんでぇ、お楽しみ?っつーの?ちょっとハリキっちゃってくださいよぉ」
( ・∀・)「くださいよぉ」
ノハ*゚听)「そんな……気を利かさなくても……」
(´;ω;`)「貞操が……」
( ФωФ)「じゃ、失礼しゃーす!」
( ・∀・)「しゃーす!」
(´・ω・`)「あぁ……本気なんだ……」
ノハ*゚听)「準備は……できてますから……」
バーボンハウスのドアに”CLOSED”と書かれた看板が掲げられ、店の灯が消える。
ショボンが、翌日浪漫堂を訪ねてきた時には、ひどく痩せこけていたという……。
第4話「恐怖!ショボンと『年頃の女の子』のようです!」