36 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:15:00.13 ID:uLdJTTrj0
第3話「くせぇーッ!こいつぁ『下水道イカ』のようです!」
みなさん、またお会いしましたね。
ツーです。
あ、結局先輩が言ってたトラブルは何もありませんでした。
でも私、今下水道にいます。
え?なんでいるかって?
それは……。
(#*゚∀゚)「こんな仕事をとってくる奴がいるからぁぁぁぁぁ!!!」
(;ФωФ)「ど、どうしたんですかいきなり」
37 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:16:50.40 ID:uLdJTTrj0
(*゚∀゚)「……ほんとにもう。なんで毎回こんな仕事ばかりとってくるんですかぁ?」
( ФωФ)「いえいえツーさん!お仕事を頂けるだけありがたいものですよ!」
(*゚∀゚)「それにしても下水道を荒らしてる正体不明生物の駆除……なんて」
( ФωФ)「かっこいいでしょー!!」
(#)ωФ)「こ、拳じゃなくて……グレッチで優しくぶって……」
(#*゚∀゚)「どこのマゾ歌手だよ」
( ФωФ)「まあまあそう言わないで……」
――――
―――
――
( ´∀`)「いやー。お待たせして申し訳ないモナ!
どうしてもハニーが離したくない、なーんていっちゃうもんで困ってたんだモナ」
( ФωФ)「おつかれさまでしたー☆」
(;´∀`)「ちょ!!ちょっと!!冗談だモナ!!!
待たせて申し訳ありません!!!申し訳ありませんぅぅぅぅ!!!」
( ФωФ)「冗談です。それで、今回のご依頼はどういったものですか?VIP水道局局員モナーさん」
( ´∀`)「いやいや、申し訳ないモナ。今回はですね、
少し水道局全体に影響が及びそうな出来事なんでアレなんですが……」
39 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:18:06.67 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「アレ?」
( ´∀`)「ロマネスクさんは、
巨大イカが下水道一帯を縄張りにして住み着いている、
なんて事信じますかモナ?」
(;ФωФ)「い……イカですか?あの足が10本で常時触手プレイな……」
( ´∀`)「そうですモナ。
正常位でも触手プレイ……
かはどうかはわからないけどソレですモナ」
そういうと、モナーは写真を数枚取り出しロマネスクへと見せた。
そこには、蒸気が飛び出しているはずのパイプから白い何かが覗いている写真。
下水道の地下を撮影したかと思われる、暗闇の中に黄色い眼光が光っている写真などがあった。
(;ФωФ)「これは……えっと、出口はさっきの扉を出て左でしたっけ?」
(;´∀`)「帰らないでモナ!!!」
(;ФωФ)「いや……あのトイレですよ。
ちょっと家のトイレじゃないとダメなんで……ほら、
その……家の鍵を閉めておかないと厳しいじゃないですか?」
(;´∀`)「な、何を言ってるかはわからないけどとりあえず帰りたいのは伝わったモナ」
40 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:20:27.81 ID:uLdJTTrj0
(;´∀`)「それに、こんな危険なお仕事を頼むのも何でも屋さんくらいにしかできないんだモナ!!」
( ФωФ)「……!!何でも屋にしかできない!!!」
( ´∀`)「(あ、わかりやす)そして、ロマネスクさんと見込んでの事ですし……」
( ФωФ)「私と見込んで!!!」
( ´∀`)「(もう一押し!!)それに、今回が成功すれば、
水道局ではお墨付きになること間違いないですモナ!
トラブルは全て何でも屋に解決していただけたらいいかな、なんて思ってるんだモナ!?」
( ФωФ)「お墨付き……全て何でも屋に解決……!!」
( ´∀`)「どうですかモナ!?やっていただけますかモナ!?」
(;ФωФ)「えっと……出口はどこでしたっけ?」
(;´∀`)「ここまで言わしてソレは無いモナ……」
41 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:21:39.15 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「冗談ですよ。冗談」
(;´∀`)「絶対本気だったモナ……。
えっと、言い忘れてたんですけど、報酬はコチラ、200万マホになります」
( ФωФ)「そんなに多くいただけるという事は、やはり難しいお仕事……。
わかりました。では、1週間ほどの調査をしてから行動へ移ります」
( ´∀`)「お願いしますモナ」
――――
―――
――
( ФωФ)「……という訳ですよ」
(;*゚∀゚)「まあ!なんて説明口調……って、200万マホですか!?」
( ФωФ)「そうですよ、ツーさん。過去最高額です」
44 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:23:04.57 ID:uLdJTTrj0
最高額……。
そうだよね、今まで10万マホ超えた仕事無かったものね。
先輩も気合はいってるし、頑張って……みようかな。
(*゚∀゚)「よし!お金の為、というわけじゃないですけど、頑張りましょうか!」
(;ФωФ)「そうですその意気ですよツーさ……ってうわぁ!!」
ロマネスク達が暗い下水道をライトを照らして歩いていると、
なにやら足場にヌルヌルとした液体がついていた。
(;*゚∀゚)「おえぇ……。これ何かの体液……?」
(;ФωФ)「危うく転んでしまう所でしたよ。これ……やはり巨大イカでしょうか?」
ゴム手袋を背中のリュックから取り出し、装着して液体を掬う。
魚類特有のぬるぬる……といったところだろうか。
(;ФωФ)「うわぁ!!すっごい滑る!!ツーさん!すっごい滑るよ!!」
(;*゚∀゚)「何回も言わなくてもわかってますよ……それ、試合見てて可哀想でしたけど」
(;ФωФ)「それに……。この臭い」
45 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:24:30.65 ID:uLdJTTrj0
(*゚∀゚)「え?こんなドブの臭いしかしませんよ?
……って、くさっ!!意識したらイカくさっ!!」
( ФωФ)「幸か不幸か鼻はいいんですよね……。やはり、魚っぽい臭いはします」
(*゚∀゚)「じゃあ、この近くにその巨大イカが?」
( ФωФ)「いるかも……しれませんね。探し始めて初日、ビンゴですよツーさん。さあ、伏せてくださいよ」
(*゚∀゚)「……え?」
そういうと、ガス缶のようなものをとりだし、放り投げるロマネスク。
ピンク色の煙幕が発生し、下水道を覆っていった。
( ФωФ)(ツーさん!これつけて!!これ!!)
(#*゚∀゚)(先に渡せよボンクラ野郎!!!!!)
( ФωФ)(ごめりんこー)
46 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:27:26.61 ID:uLdJTTrj0
煙が晴れる頃には、どこか遠くで響く地響きと、
下水に頭を突っ込んで某墓村のように痙攣しているロマネスクがいた。
ツーは、すぐにライトをその地響きの方向へ向ける。
(;*゚∀゚)「で……でか……」
目の前に映ったのは、大きな一本の足。
下水で黒く汚れていて、一見動く生ごみのポリ袋のようであった。
ウネウネ動くソレは苦しがっているようで、ロマネスクの投げた謎が多い煙幕が効いたことが見て伺えた。
(*゚∀゚)「先輩!!何してるんですか!追いますよ!!」
(;ФωФ)「下水にシュートしたのに!?シュートしたのにそれなの!!?ねえ!?」
(;*゚∀゚)「あっ!!どんどん下がっていきますよ!!」
マンホールの隙間からさす日光をまばらに浴びて、後退していくイカっぽい足。
あの大きさがあと10本、そして本体があると想像して、ツーはゾッとしてしまった。
48 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:28:54.94 ID:uLdJTTrj0
(;*゚∀゚)「私これからショボンさんの所のイカのフリッター食べられないかも……」
( ФωФ)「あのイカは何を食べてるのか気になりますが……
逃がしはしません……よ!!追いましょう!!狙うは本体のみです!!」
(*゚∀゚)「り……了解!!」
ライトをツーに任せ、ロマネスクは走った。
(;*゚∀゚)「先輩!!右!!右!!」
( ФωФ)「え?」
気づいたときには、ロマネスクはパイプから飛び出したもう一本の足によって、
壁へたたきつけられていた。重い音が下水道に響く。
(;ФωФ)「おっほぉ!!?」
(;*゚∀゚)「せ、先輩!!」
すぐさま駆け寄るツー。
ロマネスクは脇を傷めたのか、その場でうずくまっている。
うねうねとこちらを確かめるように近寄ってきている足を見て、ツーは前へと飛び出した。
(;*゚∀゚)「え……?先輩!!」
49 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:29:49.83 ID:uLdJTTrj0
問いかけるが、咳をしていて声にならないようだ。
見る見るうち、ツーの目に、涙が溜まっていった。
(*;∀;)「……ちょっと!!!先輩になにすんのよ!!!
食べたいなら、私を先に食べてからにしてよぉぉ!!!」
両手を広げ、威嚇するツー。
それにかまう様子も無く近寄ってくる足。
こんなところで終わりたくない……!!
そう、ツーは考えていた。
『ツー……さん』
(*;∀;)「……先輩!!じっとしてて!!」
(;ФωФ)「じっともしていられません……。
何とかしないと…………できませんし」
50 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:30:48.50 ID:uLdJTTrj0
(*ぅ∀;)「え……?」
私を守ろうとして……?
(#ФωФ)「こんなところで……
倒れるわけにはいかないんです……!!」
私なら平気だから……!!
止めて……先輩!!
(#ФωФ)「この前ショボンに通販で仕入れてもらった……
○○ホールも使ってないのにぃぃぃ!!!!死んでたまるかぁぁぁぁ!!!」
(* ∀ )「――」
(#ФωФ)「喰らえ!!捨禁武術奥義(しゃきんぶじゅつおうぎ)!!!」
(#ФωФ)「回し蹴りぃぃぃぃ!!!!」
勢いよく、イカの足へとジャンプする。
体の中心を軸に回転力を加えた、強力な一撃をお見舞いした。
51 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:31:47.99 ID:uLdJTTrj0
(*゚∀゚)(……別に奥義じゃないけど、まあいっか、今ツッコむと調子のりそうだし……)
回し蹴りを喰らったイカの足は、ぐったりとその場へへたれ込む。
足場へと着地したロマネスクはフラフラしながら、壁へもたれかかった。
(;ФωФ)b「はぁっ……!!はぁっ……!!
大丈夫、心配しないで、僕は大丈夫です。
ツーさんこそ大丈夫ですか?あなたの体のほうがだいz……って」
(*゚∀゚)「……」
(;ФωФ)「心配とかするところ……なんですけど」
(*゚∀゚)「いや、早く先へ行きましょう」
(;ФωФ)「えっと……脇とか痛くて、頑張って一歩を踏み出してフラフラなんですが……」
(*゚∀゚)「いや、早く行かないと逃げられますよ?」
(;ФωФ)「……すいませんでした」
52 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:35:34.81 ID:uLdJTTrj0
二人は、ジメジメとした下水道を、どっちの方向へ進んでいるのかもわからずに進む。
(*゚∀゚)「……大分移動した気がするんですけど……」
( ФωФ)「……そうですねぇ。ここは大体どの辺なのでしょうか?」
どこも同じ通路が続く下水道。
迷ったかもしれない、といった不安がツーによぎった。
(*゚∀゚)「……迷って出られなくなる、なーんてことはないですよね?」
( ФωФ)「え?マンホールから出るから迷うことなんか無いじゃないですか」
(;*゚∀゚)「……知ってましたよ!!」
そして、ロマネスクが足を止め、真っ直ぐ前を指差す。
その先には、少し広めの貯水槽のような空間があり、大きなイカの本体が陣取っていた。
53 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:36:17.15 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「……いましたよ」
(*゚∀゚)「……きもちわるぅ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ふたつの目をギョロギョロ。
10本の足をウネウネ。
表面はヌルヌル。
ああ……。
なぜあなたはイカなの?
タコならよかったのに……。
でもその願いは叶わない。
叶わないったら叶わない。
〜〜ツーの手記より抜粋〜〜
( ФωФ)「どうすればいいか、そうツーさんは思っていますね?」
(*゚∀゚)「そりゃあ思いますよぉ……。何か作戦があるんですか?」
( ФωФ)「ふふふ……。無ければこのような強引な方法は取りません!!」
54 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:39:28.35 ID:uLdJTTrj0
( ФωФ)「遠く離れた地……そこには、イカを丸々焼いて食べ物にする、イカ焼きというものがあるそうです。
そもそも、私達の地域では足の部分しか食べませんが……。そこで私は考えました!!
30秒ほど真剣に考えて思いついたのです!!そう、それはまるごとあいつを焼いてやればいい……。
そう、イカ焼きのごとく!!海の使い魔であるあいつをまる☆やきにしてやればいいのです……」
(*゚∀゚)「……。長い説明ありがとうございます。
ですが、周りをよくご覧になってください。もう、足、足、足、足。足だらけでございます。
何が言いたいかと言いますと、先輩は死んでしまえ、ということです」
( ФωФ)「あら、あなたも落ち着いた批評、ありがとうございます。
ところで、この前発売された、ジャスミン尿茶、お飲みになられました?非常にふk……」
(#*゚∀゚)「いーからどーにかしろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
(;ФωФ)「ノリツッコミですか!!ノリツッコミなんですねぇぇぇ!!」
(;*゚∀゚)「ひぃぃぃ!!こっちきてますってばぁぁぁ!!!!」
忍び寄るかのごとく複数本の足が二人へ迫る。
じりじりと近寄る足の恐怖に、ツーはロマネスクにしがみついた。
56 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:44:05.33 ID:uLdJTTrj0
(;ФωФ)「ちょ、ちょっとしがみつかれたら出すもの出せないですって!!」
(;*゚∀゚)「そ……!!それでも怖いものは怖いですよぉぉぉ!!!」
ああもう夢に出る。
今晩絶対夢に出るよぉこれぇ……。
(;ФωФ)「……よし、準備できました。目と耳を閉じて伏せてくださいね」
(*゚∀゚)「……え?デジャブ?」
ガチャガチャと大きな音を立てて、ロマネスクがくみ上げたのは、火炎放射器。
脚立のようなものを立て、イカへと向けると、大きく叫んだ。
(ー●ω●)「えっと……。なんだっけ、あの……あれだ。お……。まあいいや、なんちゃらは消毒だぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
(;*ー∀ー)「何か目を開けたくないけど、多分それ汚物だよ!!!汚物だよ!!!」
大きな炎が巨大イカを包み、じりじりと焼き尽くしていく。
抵抗を見せる足も、次第にぐったりとしていき、動きが止まった。
( ФωФ)「……ふぅ。もういいですよ!ツーさん」
(*゚∀゚)「……丸ごと焼いたんですか……」
( ФωФ)「これぞイカヤキ!異国の食べ物です!!」
(*゚∀゚)「……すごい!!!先輩すごいですよぉ!!」
と、喜んでいるツーに、ある衝撃が走る。
58 名前:作者 ◆Cy/9gwA.RE :2007/07/16(月) 18:54:39.14 ID:uLdJTTrj0
(*゚∀゚)「……?」
( ФωФ)「どうしました?」
(;*゚∀゚)「……くさっ!なにこの空間くさぁっ!!!」
( ФωФ)「ああ。焼いたからですかね?」
(;*゚∀゚)「シャレにならないよ!!臭い!!!臭いぃぃぃぃ!!!!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
あなたの香りは、どこか海を思い出せました。
あなたの香りは、深い深いものでした。
あなたは、自分の香りに耐えられるのかしら?
私は、今日もそれを考えながら生きています。
ああ、イカリング、イカリング。
〜〜ツーの手記より抜粋〜〜〜
(;ФωФ)「じゃ、じゃあ早く出ましょうか!もうちょっと褒めてくれてもよかったのにぃぃ!!!」
(;*゚∀゚)「は……早く出口を……!!」
59 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :2007/07/16(月) 18:55:04.85 ID:uLdJTTrj0
と、まあなんとか先輩がイカを倒してくれたのですが、この話にはまだ少し続きがあったんです。
私達が、水道局へ報告へ行って、巨大イカを撤収してもらった後の話なんですが、
後日、私達『浪漫堂』へ、とある電話がかかってきたんです。
( ФωФ)「ツーさんツーさん!!お仕事の依頼があるから、ってこの前のモンジョビさんから連絡が入ってますよ!!」
(*゚∀゚)「ああ、あの子猫のですよね?」
( ФωФ)「内容はですね、飼っていたイカが逃げた!捕まえてほしい!!だそうです、これは無理ですよねー☆」
(*゚∀゚)「無理無理ー☆ってか焼いちゃったしぃー☆」
(;ФωФ)「……どうしましょう、本当に」
(;*゚∀゚)「ど、どうしましょうかねぇ……ははははは……」
(;ФωФ)「……お断り、しておきます……」
(;*゚∀゚)「そ、それがいいですよ……知らぬが仏ってやつです」
お金はもらえたけど、なにやら色々惜しいお仕事になりました……。
はぁ……。
疲れたぁぁぁぁ!!!!!!
第3話「くせぇーッ!こいつぁ『下水道イカ』のようです!」 完