16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 18:53:51 ID: Mmg+G16Z0

 

第2話「ようこそ!昔々の『二人の出会い』へ!」

 

ここは、ビップの町外れにある、バーボンハウス。
炭鉱で栄えるこの街の男手を、お酒という名で支えているお店の一つである。

ここのマスター、ショボンと、ロマネスクは同級生。
なんでも話し合った仲ということで、行きつけにしていた。

 

 

17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 18:54:38 ID: Mmg+G16Z0

( ФωФ)「こんばんはー」
(´・ω・`)「やあ。ようこそ『バーボンハウス』へ……って、ロマネスクじゃないか」

少ししょぼくれた顔の男が、皿を拭きながら出迎えてくれる、アットホームなお店。
ソッチの男達にもマスターは大人気で、連日大盛況だ。

( ФωФ)「今日は、助手を連れてきたんだ」
(*゚∀゚)「こんばんはー」

(´・ω・`)「あっ、ツーちゃん久しぶりだね。こんばんは、『バーボンハウス』へようこそ」

(´・ω・`)「とりあえず、テキーラでもいっとく?」
( ФωФ)「僕はそんなキツいの飲めないし、ツーちゃんは15歳だから無理無理かたつむりだよ。
とりあえず、今日は疲れたからパインジュースを」

(*゚∀゚)「先輩は何にもしてないでしょ!!あ、あたしはウーロン茶ください」

(´・ω・`)「はーい。じゃあ、適当に料理も作るね」

 

 

18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 18:55:20 ID: Mmg+G16Z0

間接照明と、男達の明るい声で、空間が作り出されていく。
ロマネスクとツー。二人カウンターへと座り、グラスをかち合わせた。

( ФωФ)「今日は、お疲れ様です」
(*゚∀゚)「お疲れ様でした」

なんだかんだで、仲のいい二人。
ロマネスク、28歳。ツー、15歳。

年の離れた凸凹コンビの、ささやかな打ち上げが始まった。

( ФωФ)「そういえば、明後日で僕達の何でも屋、開業一周年ですよ!」

(*゚∀゚)「え!もうそんなになるんですかぁ……」
( ФωФ)「早いものです。この街に帰ってきてから一年ちょっと、もうお仕事を少ないながら貰える様になったんですからね」

 

 

 

19 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 18:56:04 ID: Mmg+G16Z0

(*゚∀゚)「本当ですよね……。あたしもあの頃は若かったなぁ」

( ФωФ)「そうですよね。あの頃は肌もみずみずしくてむしゃぶりつきたかったですね!」
(*゚∀゚)「よし、何か他に言うことは?」

( ФωФ)「……お皿とかは、あの……お金かかってくるんで……割らないようにしてください……」

(Фω#"@+:)「原型留めてますかー?」
(*゚∀゚)「そんなことばっかり言ってるからですよ!!」

(´・ω・`)「それにしても、君達が一緒にお仕事始める、なんて言いだしたときはビックリしたけどね」

( ФωФ)「そうですよね。僕自身もびっくりしましたよ」
(*゚∀゚)「なんというか、巡り会わせというか……」

 

 

 

20 名前: そろそろおサルさん怖いので減速 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 18:57:49 ID: Mmg+G16Z0

(´・ω・`)「そういえば、君達がどこで知り合ったとか聞いてないな。
よかったら聞かせてよ、そのグラスサービスするからさ」

にぎやかな店内に、溶けた氷の鳴る音が響く。
少しツーの方を見ると、ロマネスクは話し始めた……。

( ФωФ)「そうですね。僕達が出会ったのは、そもそもこの1年前じゃなかったんです」

僕達が出会ったのは、今から10年前。

ツーさんがまだ5歳の頃です。
私は、この炭鉱の町、ビップを離れて学業に励んでいる頃でした。

当時18歳の僕は、このガイドラインという町の図書館で、住み込みで働いていました。
夢は売るほどあったけど、お金は無い僕には、住み込みで働かせてくれるし、
勉強も出来るこの図書館は天国のようなものでした。

そして、その図書館へと頻繁に出入りされていたのが、ツーのお父さん。
ギコ教授だったんです。

 

 

22 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 19:00:14 ID: Mmg+G16Z0

(,,゚Д゚)「お。今日も元気に勤務中かね?ロマネスク君」
( ФωФ)「あっ、こんにちはギコ教授。今日みたいな過ごしやすい日は手早く仕事を終わらせるのがいいかと思いまして」

(,,゚Д゚)「ソレはいいことだ……あれ、君に言いたいことがあったんだが……えっと……」

ギコ教授は、このガイドラインの中央に建造された、国立ガイドライン大学の名誉教授。
いわば教授の教授でした。

(,,゚Д゚)「ああ!!そうだそうだ思い出した!君に、子守を頼みたいんだよ」

( ФωФ)「……子守?」

(,,゚Д゚)「いやぁ、恥ずかしながら、第2子がしぃの中にできたらしいんだよ。
それで、もう入院するって言い出してね。そんで私も、明日からの1週間地方へ講義に出なくちゃいけないんだ」

 

 

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 19:02:27 ID: Mmg+G16Z0

( ФωФ)「そうなんですか!おめでとうございます!!」

(,,゚Д゚)「いやいや、ありがとう。そこで、なんだが……。
君にその1週間、ツーの子守を頼もうかと思ってるんだ。もちろん、お礼はするよ」

( ФωФ)「僕はいいんですが……奥様はいいとおっしゃってるんですか?」

(,,゚Д゚)「問題ない問題ない!私が普段君の事をしぃに話しているからね。また病室にでも顔を出してやってくれ」
( ФωФ)「それなら……喜んで受けさせていただきます!!」

(,,゚Д゚)「そうかそうか!ありがとうロマネスク君!!
じゃあまた明日、出先へ行く前につれてくるからよろしく頼むよ!!」

そういって、ギコ教授は僕の肩をポン、と叩くと本を何冊か借りて持っていきました。
それが、ツーさんとの出会いの、きっかけ、でしょうか。

 

 

 

25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 19:03:53 ID: Mmg+G16Z0

(*゚∀゚)「あたしはその頃、小さくてあまり覚えてないんですよね」

(´・ω・`)「へー。ギコ教授って、今噂の遺伝子なんちゃら学の人だよね?」
( ФωФ)「そうそうそれです。ツーさんのお父さんは、非常に立派な人なんです」

(*゚∀゚)「私が言うのもなんですけど、早く続きを教えてくださいよ!」

( ФωФ)「しょうがない!!しょうがないなぁもう!!全くしょうがない!!」

(*゚∀゚)「……何が不満だよ」
(´・ω・`)「本当に仲がいいね、君達」

 

 

 

27 名前: >>26訂正 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 19:10:11 ID: Mmg+G16Z0

( ФωФ)「そして、次の日になってギコさんが連れてきたのは、
今とは大違いで、小さくて、かわいらしい子でした。僕も18歳ながr……。」

空を切り裂くような素早さ!!
まるでダムを決壊させる水のような力強さ!!
二つを兼ね備えた拳が!!

ロマネスクを!!

襲った!!!

(´・ω・`)(何だろう……あの16連コンボ)

(#゚∀゚)「余計な事いってんじゃねええ!!!」
(#)ω(#)「ふぁいひん、うでをあげまひたね(最近、腕を上げましたね)」

 

 

28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 19:11:34 ID: Mmg+G16Z0

……気を取り直して。
最初に見たときは、お二人に似て、かわいらしい子だな、と素直に思いました。

( ФωФ)「よろしくね。ツーちゃん」

(*゚ー゚)「えっと……おせ、おせわになります!よろしくおねがいします!」
( ФωФ)「すごい礼儀正しくていい子ですね!」

(,,゚Д゚)「そこらへんはしぃに似てるのかもしれないな。じゃあ、よろしく頼むよ」
( ФωФ)「はい。安心して行ってきてください」

 

( ФωФ)「ツーちゃん、僕はロマネスクって言います。よろしくね」

(*゚ー゚)「おーう!よろしくーなっ!」

 

(;ФωФ)「……え?」

―――
――

 

 

29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 19:12:41 ID: Mmg+G16Z0

( ФωФ)「と、まあこんなところでしょうか。
その1週間は、ツーさんに振り回されながらもなんとか貞操は守りきりました」

(´・ω・`)「その守りきった貞操僕にくれてもいいんだけどね」

(;ФωФ)「ま、ままままあその貞操なんてのは冗談ですが、
ツーさんは5歳にして経済白書を笑いながら読む女の子で、賢い子なんだなぁと思いましたね」

(*゚∀゚)「今でも十分賢いじゃないですか。こうやって先輩の右腕なんですから」

( ФωФ)「ソウデスネ。ツーサンガイナイトコノナンデモヤハナリタチマセンカラ!」

(*゚∀゚)(何だろう。ムカつくなぁ……)
(´・ω・`)「まあ、今日はそんな思い出話に浸りながら、楽しくお食事してってよ。今日のお勧めはオッサンのお刺身だよ」

( ФωФ)「ありがとうショボン。いやー持つべきものは友達ですね!」
(*゚∀゚)「……らしくない言葉ですね」

 

 

30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/08(日) 19:14:35 ID: Mmg+G16Z0

( ФωФ)「はは!そんな事言わないで……ほら、グラスを」
(*゚∀゚)「まあ、いっか」

グラスをもう一度合わせる。
キラキラ輝くランプ灯のように、はかなくグラス越しに二人を映した。

 

( ФωФ)「そう……。この時は、明日に大きなトラブルが、何でも屋のドアをくぐって来ることも知らなかったのだ……!!!!」
(*゚∀゚)「誰に言ってんだよ」

 

第2話「ようこそ!昔々の『二人の出会い』へ!」 完

 

 

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