3 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:37:15.27 ID: mcvLzBDR0
月が煌々と輝く夜に、月光を受けて青白く浮かび上がる少女の人影が一つ。
目の前にそびえ立つ城を見上げて、その少女――ドラキュラハンタークーは、言った。
川 ゚ -゚)「今期のアニメは、みなみけが一番」
……えー今のは何だろうか。
独り言だろうか。
ナレーターの私も、よくわからないところだ。
第七話「ドラキュラハンターがまたやってきた」
4 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:38:22.70 ID: mcvLzBDR0
川 ゚ー゚)「ふはは! 私、参上!」
ダイニングで昼食(夜食)を食べていたオサムたちの所へ、颯爽とクーが乗り込んできた。
剣を片手に構え、三週間考えた決めポーズ(昔のジャンプの表紙的なアレ)で派手に登場する。
从 ゚∀从「それで、二人は何歳なんすか?」
∬´_ゝ`) 「二人とも今年で二十歳よ」
ミセ*゚ー゚)リ「弟さんってどういう人なんですか?」
∬´_ゝ`) 「うーん……上は頭はいいんだけど、ちょっと駄目な子ね。下はすごくしっかりしてるわ」
ξ゚ー゚)ξ「私も弟が欲しかったなー。姉さんが羨ましいです」
しかし誰一人顔を向けることなく、談笑は続けられていた。
川 ゚ -゚)(……無視された……ナチュラルに無視された……死にたい……)
5 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:39:44.70 ID: mcvLzBDR0
クーはしばらく扉の前で呆然としていた。
帰る訳にもいかず、ただ手をもじもじさせている。
それから昼食が終わり、それぞれ自分の食器を台所へ運び始めた。
扉の前にいるクーの横を通り、全く無反応に過ぎ去っていく人々を、クーはただ寂しそうな目で見つめていた。
川 ゚ -゚)(もう駄目だ……何か今日は駄目だ……出直そう……)
諦めて帰ろうとした、その時だった。
(//‰ ゚)「アレ? 貴方 オ客サン デスカ?」
川 ゚ -゚)「!」
テーブルの片付けをしていた横堀が反応してくれたのだ。
7 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:42:09.13 ID: mcvLzBDR0
川*゚ー゚)「ふ……ふははは! 聞いて驚け見て笑え! ドラキュラハンターのクー様さ!」
从 ゚∀从「あーあ……横堀。こういう時は反応しちゃ駄目なんだぞ」
(//‰ ゚)「スイマセン」
川;゚ -゚)「知ってて無視してたのか! すごい連携だなお前ら!」
もはやスルーする訳にもいかないオサムたちは、仕方なくクーに付き合うことにした。
8 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:43:51.70 ID: mcvLzBDR0
( ゚"_ゞ゚)「久しぶりだな」
川 ゚ー゚)「今日こそは成敗してくれるぞドラキュラオサム!」
クーは背中のケースを取りだし、中から弓と矢を取りだした。
するとケースの中から、鼻が曲がりそうな異臭が漂ってきた。
(;゚"_ゞ゚)「くさ! 何だそれ!?」
川 ゚ー゚)「聞いて驚け見て笑え!」
(;゚"_ゞ゚)「好きなのかそのフレーズ!?」
川 ゚ー゚)「お前を倒す為に作ってきた新兵器、《ニンニクの矢》だ!」
異臭の原因は矢の先端に付けられたニンニクと、全体にたっぷりと付けられたニンニクエキスだった。
9 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:45:59.36 ID: mcvLzBDR0
川;゚ -゚)「くっさ! ドラキュラの弱点であるこれはくっさ! 受け止めることなんて出来なくっさ!」
('、`*川「セリフ言えてないよ」
川;゚ -゚)「さあ観念しろオサムっさ! 年貢の納めどっさ!」
川д川「セリフ言えてないよ」
川;゚ -゚)「……言えてる!」
どうでも良かった。
川;゚ -゚)(早く使わないと私がやられそうだ……)
川;゚ー゚)「くらえ! クラッシュニンニ……ニンニククラッシュ!」
( ゚"_ゞ゚)「セリフ言えてないよ」
13 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:54:07.47 ID: mcvLzBDR0
スパンッ――!
( ゚"_ゞ゚) ←――3===
上の素晴らしいAAで完璧に理解してもらえたと思うが、クーは矢を放った。
( ゚"_ゞ゚)(……避けるしかないか)
オサムは余裕を持って矢を躱したが、それを見てクーは笑っていた。
彼女にはまだ新しい必殺技があったのだ。
川 ゚ -゚)「流石だオサム。だが……」
川 ゚ー゚)「これは避けられるかな!?」
(;゚"_ゞ゚)「!」
16 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:55:40.27 ID: mcvLzBDR0
スパパパンッ!
ヒィィィィィィィ ←――3===
(;゚"_ゞ゚) ←――3===
←――3===
今まで見たことも無いような素晴らしい出来のAAで一瞬で把握したと思うが、クーは矢を三本同時に放った。
複数の矢を放つのはかなり高等な技術が必要である。
この数週間でクーは修行をしていたのだ。
(;゚"_ゞ゚)「……やむを得ん。使わせてもらうぞ」
ニンニクは大の苦手なので、触れて弾くわけにはいかない。
そこでオサムは奥の手として普段は絶対に使わない技を繰り出した。
( ゚"_ゞ゚)「出でよ! 我がしもべたちよ!」
川 ゚ -゚)「!?」
17 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:56:40.55 ID: mcvLzBDR0
オサムがマントを翻す。
するとマントの影から数十匹のコウモリが飛び出し、矢を弾いた。
川;゚ -゚)「な……そんな技も持っていたとは!」
「三本程度なら、どうってことはない」
川;゚ -゚)(……! 消えた!?)
コウモリたちが消えると、コウモリの影で見えなくなっていたオサムも消えていた。
クーが驚愕の表情を見せていた時には、オサムはクーの後ろに回っていたのだ。
( ゚"_ゞ゚)「……私は昔、矢を十本同時に放つ奴と戦ったこともあるんだよ」
川;゚ -゚)「し、しまっ……!」
トン――!
18 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:57:17.15 ID: mcvLzBDR0
背後をとられたクーは、オサムの手刀を首にくらい、意識を奪われた。
从;゚∀从(こ……この人たまにすげえな……)
川*д川(格好いい……)
ミセ*゚ー゚)リ(素敵だわ……)
∬*´_ゝ`) (犯したい……)
メイドたちは顔を紅潮させて、オサムに見入っていた。
19 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:57:47.86 ID: mcvLzBDR0
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川 - )「……」
川 ゚ -゚)「は……!」
クーが目を覚ますと、ドラキュラ城の(割と)近くにある山村の宿屋の中だった。
既に夜が明けていて、窓から眩しい朝日が差している。
20 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 16:58:36.69 ID: mcvLzBDR0
そして窓の近くに、大きな籠を背負った男が一人、朝日を受けてそこに立っていた。
(´・ω・`) 「体調はどうですか」
川 ゚ -゚)「……ここは……?」
(´・ω・`) 「小さな村の、小さな宿屋ですよ」
川 ゚ -゚)「あんたは……医者か?」
(´・ω・`) 「いいえ……ただの薬売りです」
川 ゚ -゚)「どうして私がここに……」
(´・ω・`) 「さあ……どうしてでしょうね」
「では、私はもう行かなければならないので」と言って、その男はさっさと部屋を出て行った。
22 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/17(月) 17:01:10.08 ID: mcvLzBDR0
川 ゚ -゚)(……また負けたか)
落ち込むクーは、オサムがあの時言っていたことを思い出した。
――わいは昔、矢を十本同時に放つ奴と戦ったこともあるさかい
川 ゚ -゚)「矢を十本……上には上がいるということか」
眩しい朝日に、再びあの男と対決することをクーは誓う。
それは彼女の正義の為。
それは彼女の野望の為。
それは……。
川*゚ -゚)(……頭がぼーっとする……風邪かな……?)
彼女の、初恋の為に――。
第七話「ドラキュラハンターがまたやってきた」 完