53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:43:28.12 ID: JWVQIrmj0

川д川「わん、わん」

(,,゚Д゚)「ニャーゴルァ。ニャーゴルァ」

川д川「……変な鳴き声の犬だなあ……」

 

第三話「貞子、それ犬やない。猫や」

 

 

54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:44:54.00 ID: JWVQIrmj0

川д川「あ……しぃさんお疲れ様です」

(*゚ー゚)「あら、貞子ちゃんその猫どうしたの?」

川д川(猫だったんだ……)

川д川「庭で鳴いてたから……拾ってきたんです」

(*゚ー゚)「ふぅん……可愛いね」

川*д川「ね」

(*゚ー゚)「でも飼うのは無理かもよ。あの人、動物嫌いだから」

川;д川「……頑張ります」

(,,゚Д゚)「ニャーゴルァ」

貞子は考えた。
この猫を城で飼うにはどうすれば良いのか。

 

 

55 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:45:57.87 ID: JWVQIrmj0

川д川「……相談しようそうしよう……」

人任せだった。

 

 

 

56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:48:43.09 ID: JWVQIrmj0

川д川「あ、ハイン……」

从 ゚∀从「お、その猫どうしたんだ?」

川д川「拾ってきた……飼いたいんだけど、どうしよう」

从 ゚∀从「別に良いんじゃねえのか? 自己責任ってことで」

川д川「オサム様が許してくれないかも……」

从 ゚∀从「何? じゃあ俺がガツンと言ってきてやるから……」

川;д川「はわわわ……大丈夫。こっちで何とかする」

从 ゚∀从「ん? そうか。まあ頑張れよ」

川;д川「……頑張る」

(,,゚Д゚)「ゴルァ」

 

 

 

57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:49:54.62 ID: JWVQIrmj0

貞子は猫を持って、オサムがいる寝室へと向かった。

【+  】「ZZZzzz……」

川д川「あの……オサム様」

【+  】「ん? どったの?」

川д川「猫を飼いたいんですけど……よろしいでしょうか」

【+  】「なにぃぃぃ!?」

オサムは棺桶から飛び出してきた。
そのままの勢いで三、四回前転し、びしっとポーズを決めて言った。

(;゚"_ゞ゚)「駄目駄目駄目! 猫とかありえないから!」

川;д川「ええ……なんてアクティブな拒否……」

 

 

59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:51:13.87 ID: JWVQIrmj0

(;゚"_ゞ゚)「猫とかところ構わずおしっこするし毛が落ちるし……とにかく駄目!」

(,,゚Д゚)「ニャーゴルァ……」

川;д川「ごるぁ……」

(;゚"_ゞ゚)「そんな寂しそうな声出してもダメー! 元の場所に戻してらっしゃい!」

 

貞子は仕方なく、庭に猫を放してやった。

(,,゚Д゚)「ゴルァ……」

川д川「ごめんね……」

(,,;Д;)「ゴルゥルァ……」

川;д;川「うう……何その変な鳴き声……私も寂しいよお……」

貞子と猫は抱き合い、別れを惜しむように鼻をくっつけあっていた。

 

 

 

60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:51:58.26 ID: JWVQIrmj0

その光景を、オサムは上階のバルコニーから見ていた。

(;゚"_ゞ゚)「言い過ぎたかな……でも動物だけは駄目なんだ……すまない」

生来の動物嫌いは、そうそう直せるものではない。
貞子に悪いと思いながらも、オサムにはどうすることも出来なかった。

しかしこの時、貞子以外のメイドたちはある作戦を計画していた。

 

 

61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:52:59.30 ID: JWVQIrmj0

次の日。

('、`*川「オサム様」

( ゚"_ゞ゚)「どうした」

('、`*川「イタチを拾ってきました。飼ってもいいですか?」

イタチ「フゥゥゥ……シャー!」

ペニサスの腕の中に、赤い目と真っ白な毛並みを持ったイタチが収まっていた。

(;゚"_ゞ゚)「それイタチ? 怖っ。赤い目のイタチなんていたんだ……」

('、`*川「ノロイと名付けました」

(;゚"_ゞ゚)「名前も怖っ! ど、動物は駄目だ! そんな気味の悪いイタチ早く捨ててらっしゃい!」

イタチ「シャーシャー!」

(メ゚"_ゞ゚)「ぐへえ! は、早くぅぅ!」

('、`*川「わかりました」

 

 

63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:54:06.25 ID: JWVQIrmj0

その次の日。

ξ゚听)ξ「オサム様!」

(メ゚"_ゞ゚)「何だ」

ξ゚听)ξ「虎を拾ってきました」

(メ;゚"_ゞ゚)「えええええ!? 何処から!?」

ξ゚听)ξ「しまじろうと名付けました」

(メ゚"_ゞ゚)「いや、名前とか聞いてないけど……」

虎「ガルルルルル……」

(メ;゚"_ゞ゚)「ひぃぃぃぃ! 超怖っ! ヨダレ垂らしまくり!」

虎「うがあああああ!」

(メ゚メ_ゞ゚)「ぐへえ! 早く捨ててこい! 喰われる! 喰われる!」

ξ゚听)ξ「はーいわかりました」

 

 

65 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:55:41.55 ID: JWVQIrmj0

またまた次の日。

(メ゚メ_ゞ゚)「嫌な予感がする……」

∬´_ゝ`) 「オサム様」

(メ゚メ_ゞ゚)「……どうしたの」

∬´_ゝ`) 「北極グマ拾ってきました」

(メ;゚メ_ゞ゚)「捨てて! 捨ててきて!」

北極グマ「ゴオオオオオオオ!」

(メ;゚メ_ゞ゚)「でけええええ!」

メイドたちは次から次へと動物を拾ってきては、オサムのところへ持っていった。
その度にオサムの体の傷は増えていった。

 

 

68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:57:19.13 ID: JWVQIrmj0

そして、ハインが巨大水槽にシロナガスクジラを入れて持ってきた、次の日のこと。
台所で洗い物をしていた貞子のところへ、ミセリがやってきた。

ミセ*゚ー゚)リ「ねえ、貞子ちゃん」

川д川「あ、はい」

ミセ*゚ー゚)リ「あの猫、今なら飼えるかもよ?」

川;д川「え、本当ですか……!? え、あの……何でそのことを……?」

ミセ*゚ー゚)リ「えへへ、内緒ー。洗い物は私がやっておくから、行ってきなさい」

川д川「は、はい……!」

 

 

70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:58:11.71 ID: JWVQIrmj0

貞子は庭に行き、大きな声でゴルァゴルァと叫んだ。
するとあの鳴き声の変な猫が、草むらの影からのそのそとやってきた。

(,,゚Д゚)「ゴロニャンゴルァ」

川д川「こっちにいらっしゃい」

(,*ーДー)「ゴロゴロ……」

貞子が顎を撫でると、猫は気持ちよさそうに喉を鳴らした。

川;д川「大丈夫かな……」

不安でいっぱいだったが、ミセリのことを信じ、猫を抱きかかえオサムの元へ向かった。

 

 

71 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:59:13.03 ID: JWVQIrmj0

川д川「オサム様」

(メメ゚メメメ゚)「ひぃ! 今日は何を持ってきたんだ!」

川;д川「あ、あの……この前の猫なんですけど……」

(,,゚Д゚)「ゴルァ……」

(メメ゚メメメ゚)「え? 猫? ただの?」

川;д川「ど……どうしても飼いたいんです……やっぱり、駄目でしょうか……」

(メメ゚メメメ゚)「……」

オサムは少し考えたが、やがて諦めたように言った。

 

 

72 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:59:51.40 ID: JWVQIrmj0

(メメ゚メメメ゚)「まあ、猫くらいならいいよ」

川*д川「え!? 本当ですか!」

(,*゚Д゚)「ゴルァ! ゴルァ!」

川д*川「良かったね!」

(,*ーДー)「ニャァン……ゴルァ」

 

こうして、ドラキュラ城にまた一人、家族が増えたとさ。

 

 

 

73 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 17:00:22.60 ID: JWVQIrmj0

 

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74 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 17:01:10.11 ID: JWVQIrmj0

(*゚ー゚)「……最初から意地はらなければ良かったのに」

(メメ゚メメメ゚)「何のことだ?」

(*゚ー゚)「知ってたんでしょ? 全部」

(メメ゚メメメ゚)「さあ? 何のことだか」

(*゚ー゚)「ふふ。意地っ張りー。そういうとこも、好きですよ」

(メメ゚メメメ゚)「そりゃどうも」

バルコニーから見える夜空に、一筋の流れ星が流れた。
手すりにもたれながら、二人はそのままずっと、並んで夜空を見上げていた。

 

第三話「貞子、それ犬やない。猫や」 完

 

 

76 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 17:02:15.55 ID: JWVQIrmj0

さぁ〜て次回の「【+  】ゞ゚)棺桶死オサムのようです」は

第四話「ハイン、生理が来なくなる」
第五話「嘘つきを捜せ」
第六話「サイボーグ横堀 推参」

の三本です。お楽しみに!

 

質問があれば受け付けています。

 

 

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