47 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:32:05.61 ID: 4cYfmL+Y0

オカマ!
何と甘美な響きであろうか!

男でも無く、女でも無い。
そう、決して分類は出来ない美の極致。

それこそがオカマである!

この物語は、オカマに魅せられた吸血鬼の、戦いの歴史だ!

第二十話「( ゚"_ゞ゚)オカマバーでトップを目指せ!」

 

 

50 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:38:22.23 ID: 4cYfmL+Y0
               
从*゚_ゞ゚)「いらっしゃいませぇ。今日も良いお酒揃ってますよぉ」

彼の名前は棺桶死オサム。
歴とした吸血鬼だ。

しかし髪を結わえ、化粧をした姿にかつての面影は無い。
そう、彼はオカマとして生まれ変わったのだ!
現在はシップボードのオカマバー、クリムゾンで働いている。
決してサークル名では無い!

(*゚ー゚)「こんばんわ。遊びに来たわよ」

彼女の名前はしぃ。
実年齢んん歳の元吸血鬼ハンターである。

从*゚_ゞ゚)「あらぁしぃちゃん。待ってたのよ。何作ろうか?」

(*゚ー゚)「アレキサンダーお願い」

从*゚_ゞ゚)「待ってて。すぐ出すから」

 

 

52 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:39:42.30 ID: 4cYfmL+Y0
                 
ここで何故オサムがオカマバーで働いているか、簡単に説明しよう。

そもそも旅の目的は、復活したとある吸血鬼を討伐する事である。
それには海を渡り、サロン大国へ行かなければならない。

彼らはシップボードから発つ航路を使うつもりだった。
しかし海を荒らす海賊たちのせいで、サロン行きの船が立ち往生していたのだ。

陸路もあるが、船で行くよりも何十倍も時間がかかる。
さー大変!というところで、何とオカマバーのママが船を出してくれると申し出てきたのだ。

 

ママ「お酒を仕入れないといけないから、どうしても船は出さないといけないのよ」

( ゚"_ゞ゚)「私たちも乗せていってくれるのか?」

ママ「いいわよ。何か困ってるみたいだし。でも一つ条件があるわ」

( ゚"_ゞ゚)「?」

その条件というのが、バーで店員として働き、2000G稼ぐというものであった!
これには流石のオサムもためらった。だってオカマバーですから!

 

54 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:41:50.17 ID: 4cYfmL+Y0
             
オサムは丁重に断ろうとした。
しかし……。

(*゚ー゚)「やります」

( ;゚"_ゞ゚)「えぇ!?」

ママ「本当? 助かるわー」

( ;゚"_ゞ゚)「いやいやいや、働くのは私なんだぞ!?」

(*゚ー゚)「やらせます」

ママ「助かるわー」

( ゚"_ゞ゚)「何という……」

そんなこんなで、オサムが働く事になってしまったのだ!
オサムは渋々承諾し、髪をピンで留め、しぃに化粧を施される。
すると彼の外見、そして内面に、ある変化が起こった!

 

55 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:43:33.94 ID: 4cYfmL+Y0
   
 before      after
( ゚"_ゞ゚)  →  从*゚_ゞ゚)

从*゚_ゞ゚)「こ、これが私なのか……美しい……」

 

鏡に映った自分の姿に、ほのかに顔を染めるオサム!
その姿を見て、しぃは背筋が凍ったという!

(*゚−゚)(新世界を見たか……)

 

この日からオサムの華麗なオカマライフが始まった!

 

57 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:45:06.64 ID: 4cYfmL+Y0
        
客「あ、君新しく入った子?」

从*゚_ゞ゚)「は、はい」

客「へー可愛いね」

从*゚_ゞ゚)「ありがとうございます」

出だしは順調。それもそもはずだ。元々顔立ちは整っている。
化粧のおかげで男とは思えぬ色気も出てきた。

固定客がつきはじめ、仕事が軌道に乗り始めた頃。
オサムにとって初めての体験が襲う。新人いびりである。

川*@∀@)「ちょっとあんたぁ。最近調子に乗ってない?」

从;゚_ゞ゚)「そ、そんな事は……」

ξ*´ー`)「少しばかり人気が出たからって調子に乗らないでくれるかしら?」

从;゚_ゞ゚)「はい……」

 

60 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:47:09.48 ID: 4cYfmL+Y0
               
これには数百年の時を生きたオサムも戸惑った!
陰湿ないじめにやる気をそがれ、接客も満足に出来なくなる。

ああこのまま私は潰されてしまうのだろうか。
欠けた月が自身の心の痛みと同期し、思わず弱音が出てしまう。

从*゚_ゞ゚)「はぁ……私もう駄目かな……」

ママ「何やってるのオサム子ちゃん」

从*゚_ゞ゚)「ママ……!」

そんな時、支えになってくれたのは店のママだった。
いつも優しく見守ってくれた彼女は、オサムの様子を心配し、そっと慰めの言葉をかけてくれた。
ママの為にも頑張らなくては。そう考えたオサムは、今まで以上に仕事に励んだ。

 

从*゚_ゞ゚)「やだーお尻触らないでよー」

客「はっはっは。違うんだ。悪いのはこの右手なんだよ」

从*゚_ゞ゚)「もぅ、客さんったらぁ」

 

62 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:49:16.70 ID: 4cYfmL+Y0
             
オサムの努力は実を結び、たった三週間でナンバーツーの座を奪取。
これには他のオカマたちもオサムを認めざるを得なかった。

ただ一人、ナンバーワンの座を意のままにしていたオカマを除いて。
彼女は自分の客を奪われたのだと勘違いし、オサムに嫉妬の心を抱いていた。
店の中でも必要最低限の会話しかしない二人は、ママの悩みの種でもあった。

そんな矢先、ある事件が起こる。

ヤクザA「うらぁヤクザじゃあ! どこから見てもヤクザじゃあ!」

ママ「な、何なのよあんたたち!」

ヤクザB「シャバ代払ってもらおうかあ! わしらヤクザじゃけんのう!」

ヤクザC「悔しいのう! 悔しいのう!」

強面の筋者たちが店に乱入してくる。客は逃げだし、オカマたちは隅で震えている。
ママだけは毅然な態度で対応していたが、気が短いヤクザは、とうとうママに手を上げた!

ヤクザB「くらえ、ヤクザパンチ!」

ママ「きゃっ!」

从;゚_ゞ゚)「ママ!」

 

65 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:51:32.12 ID: 4cYfmL+Y0
           
悲鳴と共に、ママの体がゆっくりと崩れていく。
床に倒れる寸前に、オサムが体を支えた。

从;゚_ゞ゚)「ママ! しっかりして!」

ママ「うう……逃げて……オサム子ちゃん……」

从#゚_ゞ゚)「よくもママを……!」

ヤクザA「なんだぁ! 文句あんのかオカマ野郎!」

从#゚_ゞ゚)「オカマを舐めるな小僧……」

ぐったりしているママを他のオカマに預け、オサムは臨戦態勢に入る。
敵は三人。相当喧嘩慣れしているらしく、オサムがただ者では無いとわかっているようだ。

しかしオサムの前ではただの喧嘩屋は素人同然。
風を切る速さで三人の間を通り抜け、一瞬にして後ろを取った。

オサムのスピードにまだ誰も反応出来ていない。
その無防備な背中に、鉄の爪と相違ない強度をもつ指を突き刺す。
短い悲鳴と共に、ヤクザBが目を剥き、崩れ落ちた。

 

66 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:54:12.30 ID: 4cYfmL+Y0
            
ヤクザA「くそ、囲め!」

ヤクザC「なんてスピードだ! ただのオカマじゃねえ。凄いオカマだ!」

懐からドスを取りだした二人は、オサムを挟み撃ちにして襲いかかる。
オサムは左右から繰り出されたドスの一撃を、体を捻り両手ではじき返した

その回転を殺さぬまま、鋭い回し蹴りでヤクザAの顔面を捉える。
まともに攻撃を受けたヤクザAは、空中で半回転し床に激突した。

残ったヤクザCは、震える手でドスを握り、オサムを睨み付ける。

ヤクザC「ぐ……つええ……!」

从#゚_ゞ゚)「命乞いなら聞いてやる。本当に聞くだけだがな」

ヤクザC「俺はヤクザだ! 退かぬ! 媚びぬ! 省み……」

セリフの途中で、オサムの掌底が胸部にめり込んだ。
ヤクザCは呼吸困難を起こし、顔が紫色になっていく。
何か言いたげに口をぱくぱくさせながら、力なくその場に倒れた。

 

70 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:56:34.67 ID: 4cYfmL+Y0
             
川*@∀@)「オサム子ちゃんすごぉい!」

ξ*´ー`)「それカラテってやつ? かっこいい!」

从*゚_ゞ゚)「ありがと……」

はしゃぐオカマたちの後ろから、オサムの事をじっと見ているオカマがいた。
犬猿の仲である、ナンバーワンのオカマであった。

J( 'ー`)し「ふ……負けたわオサム子」

从*゚_ゞ゚)「ナンバーワンさん……」

J( 'ー`)し「いいえ、私はもうただのオカマ。ナンバーワンは貴方よ」

从*゚_ゞ゚)「……!」

オサムの前に、元ナンバーワンの手が差し出される。
彼女の笑顔に答えるように、オサムも優しい笑みを浮かべながら、その手を握りかえした。

こうして、オサムは店のナンバーワンとなった。
あの日を境に、ヤクザたちはオサムのファンとなり、店の常連になる。
オサムはクリムゾンの看板娘と噂されるまでになった。

 

72 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 20:58:49.59 ID: 4cYfmL+Y0
                
ああ、しかし時は無情かな。2000Gが貯まり、別れの時がやってきた。
出航の日、オサムとしぃの見送りの為に、港に店のオカマたちが集まっていた。

ママ「寂しくなるわね」

( ゚"_ゞ゚)「この国に帰ってきた時は、必ず店に寄るよ」

ママ「ふふ。歓迎するわ」

J( 'ー`)し「じゃあねオサム子。忘れないでよ。貴方は私の永遠のライバルなんだから」

( ゚"_ゞ゚)「忘れるものか。今度来るときまでに、腕を磨いておくんだな」

J( 'ー`)し「生意気言うようになったじゃない」

ヤクザA「うぉーんオサム子さーん!」

ヤクザB「俺たち……俺たちずっと待ってますから……!」

ヤクザC「ひっく……泣いて……泣いてなんかねぇよ……!」

( ゚"_ゞ゚)「じゃあなお前ら。もう人に迷惑かけるなよ」

 

76 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 21:01:01.09 ID: 4cYfmL+Y0
               
船に乗り込む時、オサムは後ろを振り返らなかった。
振り返ってしまえば、決意が滲んでしまう気がしたからだ。

帆が上がり、船がゆったりと動き出す。
船尾に立ち、遠ざかっていくシップボードを、オサムはじっと見つめていた。

たった数週間の滞在だったが、忘れられない思い出となった。
数百年の時を生きたオサムの記憶に、あの街が永遠に刻まれるのだ。

( ゚"_ゞ゚)「必ず……必ず帰ってくる」

眩しい陽光が海面に反射し、きらきらと輝いている。
体に吹き付ける潮風が、目を潤まし、視界を滲ませた。

 

 

 

(*゚ー゚)(何なの……この話……)

 

第二十話「( ゚"_ゞ゚)オカマバーでトップを目指せ!」  完

 

 

77 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 21:03:00.78 ID: 4cYfmL+Y0
         
【今日の(,,゚Д゚)】

我が輩は猫である。名前はまだ無い。

この前ハインさんが、俺に名前をつけようと言い出した。
いい加減名前が“猫”じゃ呼びにくいそうだ。
そして名前を募集した所、こんな案が出た。

・ミィちゃん
・猫太郎
・ヘルカイザーG
・アルミニウムガリウムヒ素
・サイボーグシロちゃん

 

(,,゚Д゚)(……)

とりあえず、鈴木だけボコっておこう。

 

 

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