22 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:28:51.33 ID: JWVQIrmj0

雷が轟き、空には暗雲がかかっていた。
オサムの住むドラキュラ城の前に、一人の女がいた。

川 ゚ -゚) 「ここか……」

背中に弓と矢、腰に剣を携えて、彼女は険しい表情で城を見上げた。

川 ゚ -゚) 「……コンタクトつけ忘れた」

よく見えなかった。

 

第二話「ドラキュラハンターがやってきた」

 

 

23 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:29:35.14 ID: JWVQIrmj0

予備のコンタクトを装備したクーは、城の中を当ても無く徘徊していた。

川 ゚ -゚) 「オサムは何処にいるんだ……」

広いドラキュラ城の中で、クーはさっそく迷子になっていた。

川 ゚ -゚) (ここには囚われている女たちがいるはずだ……なんとか助けなくては……)

女の敵、ドラキュラオサム。
彼を退治することは、クーの幼少の頃からの夢だった。

 

 

 

25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:30:29.23 ID: JWVQIrmj0

川 ゚ -゚) 「……! 人の声!」

部屋の中から聞こえてきた人の声に、彼女は腰の剣を引き抜き、戦闘態勢を取った。
よく見るとドアの隙間から光が漏れている。

川;゚ -゚) 「……」

ドアを隔てて、女の叫び声が聞こえる。
果たして中で行われている惨劇を見て、自分は理性を保てるだろうかと、クーは心配だった。

緊張で震える手を鎮め、ドアに手をかけると、一気に押し開けた。

 

 

 

27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:31:07.19 ID: JWVQIrmj0

 

('、`*川「革命ー!」

(;゚"_ゞ゚)「ひいい!」

从 ゚∀从「よーし! でかしたペニサス!」

(;゚"_ゞ゚)「うう……負け確定ではないか……」

(*゚ー゚)「オサム様はカードゲームが弱すぎです」

∬´_ゝ`) 「うふふ。今度部屋にいらっしゃい。私が手取り足取り教えてアゲル」

( ゚"_ゞ゚)「大富豪なのに手取り足取りはいらないでしょ……」

 

川 ゚ -゚)「……だ……」

川#。 -゚)「大富豪て!」

理性を保てなかった。

 

 

 

30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:33:13.81 ID: JWVQIrmj0

川#゚ -゚) 「ちょっとちょっと! 何をやっている!」

( ゚"_ゞ゚)「どなた?」

川 ゚ -゚) 「お前に名乗る名は無い! クーだ!」

川;д川(名乗った!)

川 ゚ -゚) 「私はドラキュラハンターだ。この城にいる女たちを救いにきた!」

( ゚"_ゞ゚)゚∀从*゚ー゚)*゚ー゚)リ゚听)ξ∬´_ゝ`) 川д川('、`*川「……」

( ゚"_ゞ゚)「やっぱりオセロしない?」

(*゚ー゚)「将棋がいいなー」

川#゚ -゚) 「ちょ、ちょっちょっちょっ、ちょ待てやお前ら! ちょ待てー!」

 

 

 

32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:34:35.30 ID: JWVQIrmj0

('、`*川「何でしょう」

川#゚ -゚) 「君たちは今置かれている状況がわかっているのか!」

(*゚ー゚)「革命で逆転中」

(;゚"_ゞ゚)「そうなんだ……オサム超ピンチ」

川#゚ -゚)「ちがあああああああう! そこにいる男はドラキュラなんだぞ!」

ミセ*゚ー゚)リ「あら、そうだったんですか」

( ゚"_ゞ゚)「いやいや、君が知らないのはおかしいでしょ」

川;゚ -゚) 「その男は女の血を吸って生きてるんだ! 血を吸われる前に早く逃げるんだ!」

 

 

 

37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:35:55.15 ID: JWVQIrmj0

ξ゚听)ξ「そういえば、今週はまだ誰の血も吸ってませんよね?」

( ゚"_ゞ゚)「ああ、そうだな。今日あたり誰かの血をもらわないと」

从 ゚∀从「俺の吸えよ! 俺の!」

( ゚"_ゞ゚)「君は先週吸ったじゃないか……」

川;゚ -゚) (な……なんだこのアウェイな感じは……まるで私がすごく浮いているようだ……)

浮いていた。

 

 

 

40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:36:48.62 ID: JWVQIrmj0

川;゚ -゚) 「く……ならばお前を倒すまでだオサム!」

( ゚"_ゞ゚)「ん?」

クーは剣を構え、オサムに向かって猛然と突進していった。

カキン――!

川;゚ -゚) 「何!?」

オサムは素手で剣をたたき割った。

( ゚"_ゞ゚)「最近の子供は危ないな……」

川;゚ -゚) (素手で剣を……化け物め! それと私はもう十六だ! 大人だ!)

 

 

 

41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:37:51.29 ID: JWVQIrmj0

剣が無くなると、クーは背中の弓を取りだし、構えた。

川;゚ -゚) 「くらえ! 銀の矢だ!」

从;゚∀从川д;川「銀の矢!」

銀の矢とは、不死身のドラキュラを倒せる唯一の武器と言われているものだ。

从;゚∀从「オサム! 逃げろ!」

川;д川「オサム様……!」

(*゚ー゚)「大丈夫だよ、二人とも」

从;゚∀从川д川「え?」

川#゚ -゚) 「死ねええ!」

 

 

 

42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:38:48.76 ID: JWVQIrmj0

放たれた銀の矢は、オサムに向かって真っ直ぐに飛んだ。

パシ

川 ゚ -゚) 「え」

从 ゚∀从川д川「あ」

( ゚"_ゞ゚)「銀の矢を撃たれるなんて久しぶりだな」

オサムは指だけで矢を受け止めた。
平然とした顔で、ぽいっとその場に捨てる。

川; - ) (か……勝てない……私には……)

崩れ落ちるクーに、しぃは優しい口調で言った。

 

 

43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:39:19.18 ID: JWVQIrmj0

(*゚ー゚)「さっさと家に帰れ、グズが」

言っている内容は、すごく優しくなかった。

 

 

 

45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:40:29.79 ID: JWVQIrmj0

川  - ) 「う……」

川 ;-;) 「うわあああん!」

( ゚"_ゞ゚)「ああ……泣いちゃったよ」

クーはしばらく泣きやまなかった。
その間大富豪は再開され、オサムが五連敗ほどした時に、彼女はようやく泣きやんだ。

川;゚ -゚) 「私はまたやってくる! 次こそは必ず討ち取るからな、オサム!」

( ゚"_ゞ゚)「ああ、待ってるぞ」

川;゚ -゚)「ぐ……じゃあな!」

クーは部屋から飛び出した。
動揺していて、城を出るまでに八回転んだ。

 

 

46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/27(火) 16:41:06.32 ID: JWVQIrmj0

川 ゚ -゚)(あれがオサム……か。想像していたのと随分違うな……)

初めて対峙したドラキュラの顔を、彼女はしかと心に焼き付ける。
思い出すと、なんだかお腹のあたりがしくしくするような、妙な感じがした。

――待ってるぞ……。

川 ゚ -゚)(……)

それが初恋だと気付くのは、もう少し、後の話。

 

第二話「ドラキュラハンターがやってきた」 完

 

 

 

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