1 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:17:53.97 ID: OxvhuWix0

 

【+  】ゞ゚)「どうでもいいけど、この状態の私実は第一話でしか出てないんだよね」

 

 

 

2 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:21:08.46 ID: OxvhuWix0

(  _ゝ )「ククク……ここにオサムがいるのだな……」

( <_  )「ああ……間違い無い」

城の錠前をピッキングしながら、男が呟いた言葉に短く言葉を返した、もう一人の男。
二人は顔がよく似ていて、口の端を持ち上げる特徴的な笑顔もそっくりだった。

(  _ゝ )「奴の驚いた顔が目に浮かぶぜ……顔見たこと無いけど」

( <_  )「ところで、言いたいことがあるんだ……」

男は真顔に戻ると、もったいぶった口調で言った。
もう一人の男は怪訝そうな顔を浮かべ、男の言葉を待った。

(´<_` )「……俺ら顔隠してもバレバレじゃね?」

(;´_ゝ`)「ば、馬鹿……初登場なんだから雰囲気作らないと……てああ顔出てる!」

 

第十話「あの兄弟がやってきた」

 

 

3 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:23:03.33 ID: OxvhuWix0

川д川「潮の匂いに包まれながら〜♪ 砂に埋もれて眠りたい〜♪」

お気に入りの歌を歌いながら、廊下の窓ふきに専念している貞子。
歌に集中していて、自分のすぐ傍まで近づいていた二人の男に気がつかなかった。

川д川「亡くした後でしみじみ知った〜♪ あなたの愛の大きさを〜♪」

( *´_ゝ`)「おほぅ! 美少女ハケーン!」

(´<_` )「兄者、時に落ち着け。そのノリ懐かしいぞ」

川;д川「ふぇ!? だ、誰ですか!」

( ´_ゝ`)「大丈夫だ。怪しい者ではない」

川;д川(説得力ないよぉ……)

 

 

5 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:24:25.19 ID: OxvhuWix0

困惑している貞子は、持っていた濡れ新聞を握りしめぷるぷる震えている。

(´<_` )「お嬢さん。つかぬことを尋ねるが、俺たちに似た女を知らないか?」

川;д川「……?」

( ´_ゝ`)「胸がどかーんと出てる女だ」

川д川。○( ( ´_ゝ`) →  ∬´_ゝ`)「Fカップ万歳」 )

川;д川「あ、ひょっとして……姉者さんのことですか……?」

(;´_ゝ`)「それだ! どこにいる!?」

川;д川「ひゃわ!」

 

 

7 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:25:59.47 ID: OxvhuWix0

いきりなり肩を掴まれ揺さぶられた貞子は、目をまわして今にも倒れそうになる。

(;´_ゝ`)「その女は何処なんだ! あぁもう可愛いなちくしょう彼氏とかいるの!?」

川;д川「やぁめぇてぇ〜」

突然ナンパを始めた兄者に、目でも突いてやろうかと弟者が構えた時、廊下の先からミセリとしぃがやってきた。

ミセ*゚ー゚)リ「あれ? お客さん……」

(*゚ー゚)「には見えないわね」

(´<_`* )「おっほぅ! ロリっ娘ktkr!」

( ´_ゝ`)「落ち着け愚弟。それはさっき俺がやった」

 

10 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:27:35.30 ID: OxvhuWix0

ようやく解放された貞子は、泣きながらミセリの胸に飛び込んだ。

川;д;川「うぅ……」

ミセ*゚ー゚)リ「よしよし。怪我は無い?」

( ´_ゝ`)「安心しろ。俺は女を傷つけるような真似はしない」

(*゚ー゚)「ミセリちゃん。貞子ちゃんを連れてオサム様のところへ行って」

ミセ*゚ー゚)リ「え……しぃさんはどうするんですか?」

(*゚ー゚)「私が話をつけておくから」

 

 

13 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:28:57.55 ID: OxvhuWix0

ぽきぽきと指を鳴らしながら、目の前の二人組を見据えるしぃを見て、ミセリは神に祈ったことがある。

ミセ;゚ー゚)リ(どうかしぃさんが人殺しになりませんように……)

不安は抱えつつも、ミセリはひとまず貞子を連れて、その場を離れた。

――十分後。

(;゚"_ゞ゚)「で、俺が連れてこられたわけだが」

オサムは城に暴漢が入ったと言われ、ミセリたちと一緒に急いでかけつけた。
しかしそこで見たのは、廊下に正座している二人の男だった。

((;;)_ゝ`)「あ……はい……いや違います……僕は変態とかじゃないです……」

(メ<_`;;:)「すいません……こんな鼻しててすいません……いつもまとめサイトに迷惑かけてます……」

 

 

15 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:31:04.97 ID: OxvhuWix0

最終ラウンドまでもつれこんだボクサーの様な顔で、二人は目の前のしぃに必死に許しを請う。
仁王立ちで睨み付けるしぃは、オサムたちでさえ恐怖で金縛りにするほど怖かった。

(*゚−゚)「で、一体何しにきたの?」

((;;)_ゝ`)「えっと……僕たちの姉がここにいると聞いたもので……」

(メ<_`;;:)「見合い話が持ち上がってるし、そろそろ家に帰ってきて欲しいなと伝えに……」

(*゚−゚)「姉? あ……」

( ゚"_ゞ゚)「そういえばお前らに似てる奴が……」

ミセ*゚ー゚)リ「え……ひょっとして……」

(*゚ー゚)。○( ∬´_ゝ`) 「しぃさんは肩がこらなそうでいいですね」 )

( ゚"_ゞ゚)。○( ∬´_ゝ`) 「今度女体盛りでも、いかが?」 )

ミセ*゚ー゚)リ。○( ∬´_ゝ`) 「あーセックスしたい」 )

 

 

17 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:32:57.45 ID: OxvhuWix0

考えていることは微妙に違うが、思い浮かべている人物は同じであった。

( ゚"_ゞ゚)「ひょっとして、姉者のことか?」

(´<_` )「うむ、その通りだ」

( ´_ゝ`)「次のレスで傷が治ってるなんて、流石だよな俺ら」

(*゚ー゚)「メイドの身内なら先に言いなさい。そしたら歓迎してあげたのに」

(´<_` )「アンクルホールドされてる時に、必死に叫んでましたが……」

(*゚ー゚)「ああ、ごめんなさい。聞いてなかった」

( ´_ゝ`)「アルゼンチンバックブリーカーの最中に、俺も叫んでましたけど……」

(*゚ー゚)「それはあえて無視した」

(;´_ゝ`)「何故!?」

 

18 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:35:04.12 ID: OxvhuWix0

とりあえず事が落ち着いたので、二人は談話室で姉者と会わせてもらえることになった。
数分後、エプロン姿の姉者が談話室に入ってくると、開口一番兄者は叫んだ。

(;´_ゝ`)「姉者! 頼むから家に帰ってきてくれ!」

∬;´_ゝ`) 「な、何よいきなり……せっかく久しぶりに会ったのに、初めの一言がそれなの?」

(´<_` )「俺からもお願いだ。毎日見合いの手紙とか、姉者目当ての奴が家に来るんだ」

(;´_ゝ`)「このままでは母者がいつか人を殺してしまう」

∬;´_ゝ`) 「そんなこと言われてもね……」

( ´_ゝ`)「頼む! この通りだ!」

∬´_ゝ`) 「その荒ぶる鷹のポーズでお願いされれば、私の気が変わるとでも……?」

 

 

20 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:37:36.78 ID: OxvhuWix0

進展しない話し合いを見かねて、オサムたちも話に加わった。

( ゚"_ゞ゚)「家族の人が心配してるなら、一度家に帰った方がいいんじゃないか?」

从 ゚∀从「そうっすよ。またここに戻ってくればいいんだから」

( ´_ゝ`)「そうだそうだ、もっと言ってやれ!」

(*゚ー(;´_ゝ`)「すいません……ちょっと調子こきました……」

ξ゚听)ξ「どうして、家に帰りたがらないんですか?」

∬´_ゝ`) 「うーん……どうしてっていうか……」

姉者は目元を緩めて、少し照れくさそうに言った。

 

 

23 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:39:28.20 ID: OxvhuWix0

∬´_ゝ`) 「私はね。オサム様や、しぃさんや、ツンちゃんやミセリちゃんや貞子ちゃん」

∬´_ゝ`) 「ハインちゃんや横堀の事が好きなの。みんないい人たちばかりで、すごく楽しいのよ」

(;´_ゝ`)「で……でも……」

∬´_ゝ`) 「私だって、いつかはこの城を出るわ。でもそれまで、自由にさせて欲しいの」

(´<_` )「いつかって、いつのことだ?」

∬´_ゝ`) 「……」

( ゚"_ゞ゚)「……ん?」

∬´_ゝ`) 「……ふふ。諦めがつくまで……かな」

全員の視線が、オサムと姉者を行ったり来たりしている。
オサム以外にはその諦めの意味がわかったようだ。

 

 

24 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:41:01.41 ID: OxvhuWix0

( ゚"_ゞ゚)「?」

∬´_ゝ`) 「だから……」

( ´_ゝ`)「わかったよ姉者……みなまで言うな」

(´<_` )「母者には、俺らから言っておいてやるよ」

∬´_ゝ`) 「……ありがとう」

姉者は二人を抱き寄せると、その豊満な胸に二人の顔を沈み込ませた。

(;´_ゝ`)「や、やめれええ!」

(´<_`;)「溺れるぅぅ!」

∬´_ゝ`) 「姉弟のスキンシップよ。我慢なさい」

 

 

25 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:42:49.81 ID: OxvhuWix0

普段は見せない、子供のような表情で笑う姉者は、とても生き生きして見えた。
嫌がっている素振りを見せる兄者と弟者も、その表情はどこか嬉しそうだ。

しかしそれとは対照的に、部屋の隅で暗い顔をしている一人と一匹がいた。

('、`*川「……」

(,,゚Д゚)「……」

――私はね。オサム様や、しぃさんや、ツンちゃんやミセリちゃんや貞子ちゃん
――ハインちゃんや横堀の事が好きなの。みんないい人たちばかりで、すごく楽しいのよ

 

 

28 名前: ◆CnIkSHJTGA Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 23:44:11.67 ID: OxvhuWix0

('、`*川「……ふんだ……悲しくなんか無いもん……」

(,,゚Д゚)「……ゴルァ……ニャゴルゥア……」

訳:今日は……飲もうぜ……。

家族の絆が深まったこの日、全く別のところで種族の越えた絆が生まれた。

 

第十話「あの兄弟がやってきた」 完

 

 

 

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