90 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:27:45 ID: d7zpVHaf0
今日、ショボンに飲みに行こうと誘われた
理由は『私はいつも冷静沈着だから酔わせて意外な一面を見てみたい』から
……いつも、か
ショボンに言わせれば、私はいつもと変わらず冷静沈着らしい
なら彼女と行動してからの1年間、私は何も変わってないのだろう
贖罪の方法を探して早1年
私はいつになったら彼女に謝る事ができるのだろうか?
川 ゚ -゚) 〜狼9〜
92 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:32:45 ID: d7zpVHaf0
クレーター群。
今となってはそう呼ばれただけでどこを指すのかすぐ理解できる。
3年前、ここで暴動があった。
その時VIPはvipperや研究所で作られた兵器などを用いて暴徒と交戦した。
暴徒は銃器や重火器などを使って抗戦するもvipperや兵器を止める事はできなかった。
元より暴徒たちはvipperに抗う手段はなかったのだ。
だいたい火力が違いすぎる。
vipperが扱っていた兵器は様々だった。
猛毒ガスや火炎放射機。
兵力を上げるためのクローン兵やサイボーグ兵。
超能力者や魔法使い、ゴジラまでもが投入されたと聞くがおそらくはデマだろう……どこのSFだ?
……そしてvipperのサポートをする戦闘支援AI端末。
故に暴徒は皆殺しにされたと聞く。
その激しい虐殺行為がこの地区一帯を更地にしてしまったのだ。
93 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:35:38 ID: d7zpVHaf0
その爪痕はクレーターという形でもこの場所に残している。
故にクレーター群と呼ばれている。
川 ゚ -゚)「……懐かしいな」
COOLが初めて使われた日も3年前だった。
遠隔操作で端末に指令を送ってCOOLはvipperのサポートをした。
『探査』で地雷や武装した者を感知し、『対遠距離射撃・砲撃』でvipperを守った。
そして最後は『神罰』を使い、周りの者たちを皆殺しにした。
川 ゚ -゚)「まあ、その影響で端末は壊れてしまうがな」
思わず呟く。
『神罰』の威力は『鉄槌』のはるか上を行く。
そのため端末自身が耐え切れなかったのだ。
まあ、もともと『神罰』は自爆システムみたいなものだから、端末が壊れるのは想定の範囲内だったが。
一応、今でも『神罰』は使える。
なんとかこの体でも耐えられるように威力も少し抑えるよう改良した。
しかし、それでも反動が大きいことが予想されるので、今後あまり使いたくないものだ。
私は数あるクレーターの1つを見ながらそう思った。
94 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:38:11 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)「しかし、ジョルジュはどこにいるのだろう」
この辺一帯は更地にもかかわらず、ジョルジュの姿が見えない。
現在の時刻は21時27分。
待ち合わせは22時だからまだ早かったかな?
川 ゚ -゚)「む?」
『探査』で動いている金属を感知する。
反応した場所を目で確認する……そこには一際大きく深いクレーターがあった。
おそらくこの反応はジョルジュのものだろう。
川 ゚ -゚)「さて、どんな話をするのだろうか?」
私はそのクレーターの中に入っていった。
川 ゚ -゚)「む?」
果たしてジョルジュはそこにいた。
そして、その隣には見知らぬ女性もいた。
髪は白く、顔色も白く、目のくまが際立っていた。
どこかの病院から抜け出してきたのか?
年は大体20前後だろうか?
从 ゚∀从「……」
96 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:40:43 ID: d7zpVHaf0
とりあえず白髪女は無視するとしよう。
川 ゚ -゚)「やあ、随分早いな」
_
( ゚∀゚)「お互い様さ。約束の時間はまだのはずだけど……まあいい。クーも来たことだし話を始めよう。
ちなみにこいつはハインリッヒ高岡。ハインって呼んでやってくれ」
川 ゚ -゚)「把握した。あとキミたちの身分を教えてくれると嬉しいのだが」
_
( ゚∀゚)「警察って言わなかったか?」
川 ゚ -゚)「それは嘘だろう?」
_
( ゚∀゚)「……」
ジョルジュは沈黙する。
やっぱりか。
_
( ゚∀゚)「どうしても言わないと駄目か?」
川 ゚ -゚)「……別に言いたくないなら言わなくていい」
_
( ゚∀゚)「助かる」
教えてもらえたら嬉しいが別に聞いても意味のないことだろうしな。
聞いても聞かなくても私のとる行動は2つだけ。
放置か殺すかだけなんだし。
99 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:44:14 ID: d7zpVHaf0
_
( ゚∀゚)「じゃあここに呼び出した要件を言わせてもらうか。
単刀直入に言う。俺たちの仲間にならないか?」
川 ゚ -゚)「単刀直入すぎて意味が分からない。順を追って話せ」
_
( ゚∀゚)「あー、すまんな。お前vipperと喧嘩してるんだってな?」
川 ゚ -゚)「まあ、不可抗力でだがな」
_
( ゚∀゚)「俺は……いや、俺たちはVIPのやり方に強い反感を覚えている。
そんなわけで同士を勧誘しに来たんだ」
同士、というのは私のことか?
考え事をしてる間にジョルジュは話し続ける。
_
( ゚∀゚)「俺らのVIPへの不満はピークに達している。時期を見極めて反旗を翻すつもりだ」
川 ゚ -゚)「……」
_
( ゚∀゚)「vipperと戦って返り討ちにしたお前の実力は高く見ている。だから協力してほしい」
101 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:47:59 ID: d7zpVHaf0
なるほど、話は分かった。
その話を聞いて私はジョルジュに答える。
川 ゚ -゚)「それはできない」
_
(;゚∀゚)「……理由を聞かせてもらおうか」
ジョルジュは戸惑っている様子だ。
おそらくは私が素直に仲間になると思っていたのだろう。
誘いを断った理由を話す。
川 ゚ -゚)「私の望みは、生きたい……ただそれのみだ。キミのいう協力とやらは私に戦えということだろう?そういうことなら協力はできない」
_
(;゚∀゚)「……」
川 ゚ -゚)「生きたいと願ってる者に戦場に赴け、というのは私の行動理念にない。他を当たれ」
もう話すことはない。
私は2人に背を向ける。
さてと、家に帰るかな……いや、大家に怒鳴られにいくのか………………はぁ。
从 ゚∀从「ちょーっと待ってくれないか?」
104 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:50:18 ID: d7zpVHaf0
帰ろうとする私に白髪の女性、ハインが呼び止めた。
どうしたのだろうと思い、振り返る。
从 ゚∀从「敵の敵は味方じゃないんだよ。このまま立ち去ろうとするなら遠慮なくヤっちまうぜ?オレたちの目的を知られてしまったからな」
_
(;゚∀゚)「ちょ、おま……」
川 ゚ -゚)「……」
ふむ、正論だな。
情報という物はどこから漏れるか分からない。
故に漏れる箇所を見つけ、修理するのは当然といえよう。
しかし私とて簡単にやられてやるわけにはいかない。
クールに対処させてもらうか。
…………カウントダウン開始、残り30秒。
川 ゚ -゚)「そういうことなら致し方ない。キミらを倒すしかないな」
_
(;゚∀゚)「ちょ……」
从 ゚∀从「くくく……ジョルジュ、下がってろ」
105 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:52:33 ID: d7zpVHaf0
ハインは太ももから内反りのナイフを2本取り出す。
そうして2本のナイフをそれぞれ1本ずつ握り、こちらを見ながら構える。
しかしこの動作に余裕が見られたのは私の気のせいではない。
私が武装するのを待っているのだろうか、ハインは構えたにもかかわらず攻撃してくる様子を見せない。
一応私の太ももにも銃を隠し持っているのだが、3mという距離では撃つ前に切られるだろう。
まあ銃を使うよりはこちらのほうを使うがな。
从 ゚∀从「さて、準備はいいか?」
間抜けめ。
川 ゚ -゚)「……残り10秒」
从 ゚∀从「は?」
川 ゚ -゚)「………5、4、3、……上位項目『COOL』実行」
108 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:55:23 ID: d7zpVHaf0
上位項目『COOL』を実行後、間を置かずに『対遠距離射撃・砲撃』の項を開き実行。
その瞬間、私の体を電流が奔る。
ハインはそんな私の様子に驚いたみたいだ。
从;゚∀从「お前……何者だ?」
思わず聞いた、という感じだな。
その問いに私は答える。
川 ゚ -゚)「……狼さ」
そう答えて私はハインに手の平を向ける。
その様子に何か感じたのだろうか、ハインは急速で後ろに飛び跳ねて回避しようとするがもう遅い。
私はハインとの距離を詰めて、彼女の胸に手の平を宛て、電流を流し込んだ。
从;゚∀从「がっ!!!!」
飛び跳ねた勢いに電撃のショックが加わり、ハインは約20mほど吹っ飛んだ。
その後、ピクピク痙攣していたがやがて治まり、遂には動かなくなった。
从 ∀从「……」
109 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 22:58:01 ID: d7zpVHaf0
_
(;゚∀゚)「……」
その様子を見ていたジョルジュは唖然としていた。
この様子なら戦うまでもないな。
川 ゚ -゚)「さて、次はキミの番だが……今後私に関わらないと誓うなら見逃そう」
_
(;゚∀゚)「ッ!!」
ジョルジュは脅しておけばいいだろう。
私に関わったらあの白髪女のようになる、というデモンストレーションを見せた後だ。
ジョルジュはハインが戦うとき驚いてたのだから、今回の戦いはハインの暴走に違いないだろう。
ならばこの男が今後、復讐のために牙をむくことはないはず。
仮に牙をむいてきたとしても全て叩き折ってや……る?
川;゚ -゚)「何?」
_
(;゚∀゚)「あれ?」
私とジョルジュはお互い同じ場所を見つめてしまった。
その場所にはもぞもぞと動く影があった。
从 ;∀从「げほっげほっ!!うへぇ、効いたぜクソッタレ。あーあ、涙まで出やがる。最近涙腺がゆるくなったんかねぇ?」
111 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:00:47 ID: d7zpVHaf0
ちょっと待て。
私はたしかに心臓に向けて電撃を放ったぞ。
あの距離じゃ回避はできないし、奇跡的に生きてたとしてもすぐ立ち上がることなどできないはずだが?
从 ゚∀从「ふぅ、ホントに何者なんだよお前は」
川;゚ -゚)「それは私の科白だ。何であれだけの電流を浴びて生きてるのだ?」
从 ゚∀从「あー?」
ハインは私とジョルジュを見てる。
私はジョルジュの表情を覘いてみた。
彼もハインの様子に驚いてるみたいだった……知らなかったのか?
从 ゚∀从「……チッ!なんかおかしな空気になっちまったから説明してやんよ」
戦闘中だというのに……しかも先ほど心臓めがけて電撃を喰らわせたのに随分余裕だな。
まあいいや、説明を聞けば疑問も解消させるだろうし聞いてみるか。
从 ゚∀从「オレは昔、とても貧乏でな、ストリートチルドレンしてたんだ。
そんなオレにVIPのお偉いさんが声をかけてきたんだよ、最新医学の臨床実験の試験体になってみないかってな。
昔のオレは幼稚でな、誰かのために成って金も貰えるなら、と思って首を縦に振ったよ」
_
(;゚∀゚)「……」
川;゚ -゚)「……まさか」
112 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:03:07 ID: d7zpVHaf0
从 ゚∀从「そのまさかだよ。
オレは研究員どもに体中を弄繰り回された。
医学のためじゃねえ。不死身の兵力のための人体実験だったわけだ。
その実験の成功例はオレ1人のみ。様々な薬品を投与されたり、治癒力を量るために拷問も受けたりした。
おかげで無限1up人生さ。アリガトVIPクソヤロウだね」
_
(;゚∀゚)「それがお前の力か」
从 ゚∀从「ジョルジュ大正解ー☆
まあそんなわけで研究所を脱走してジョルジュたちに匿ってもらってるんだ。
そしていつかはVIPのお偉いさんをぶっ殺すのがオレの夢さ。
死なない生に生きる意味なんざないからな、こんな体にした奴らをぶっ殺さなきゃ気がすまねえ。
……こんな体にした研究員も、それを指示したVIPの頭もな!」
川;゚ -゚)「なるほど、それがキミの行動理念か」
从 ゚∀从「そうさ。……さてと、次はお前の番だぜ。お前は何者だ?説明してもらうぜ」
114 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:05:36 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)「ふむ、私だけ話さないのはフェアじゃないな」
そうして私は説明した。
学習型戦闘支援総合AIの1つ、『COOL』を作り出し、自我を与えたこと。
それを周囲に危険視され、殺されかけたこと。
そして、クーと『COOL』が生き残る為に同化したこと。
川 ゚ -゚)「だから私の望みは、生きたい……ただそれのみなのだ」
実は他にも望みはあるが、それも生きてないと実現できないのであえて説明しなかった。
2人は驚きの表情を隠さず私を見つめてる。
やがて、ジョルジュは口を開いた。
_
(;゚∀゚)「サイボーグに不死身人間かよ……なんてびっくり人間なんだてめーらは」
川 ゚ -゚)从#゚∀从「一緒にするな!」
_
(;゚∀゚)「ごめんなさい」
こんな不気味人間と一緒にされたらたまったもんじゃない。
なのに今、ハインとハモってしまった。
ちょっぴりヘコむ。
まあいい、気を取り直してこの後どうするか考えないとな。
115 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:08:28 ID: d7zpVHaf0
さて……。
从 ゚∀从「さあて」
む?
ハインはどうするか考えたのか?
まあ大体のところはどうするか理解してるが。
从 ゚∀从「さっきのやられた分は倍返ししないとな!」
川;゚ -゚)「っ!!」
やはりか。
何となく分かってはいたがそういう行動をとられると心臓に悪い。
『対遠距離射撃・砲撃』が効かないなら『鉄槌』でやるか?
川;゚ -゚)(しかし、今日ショボンに世話になったばかりだしなぁ)
さすがに1日で2回世話になるのは申し訳ないと思うので、『鉄槌』は使用しない方向で考える。
となると……これか。
私は太ももから銃を取り出し、私に特攻を仕掛けてるハインに向ける。
川 ゚ -゚)(5mまで近づいてきたら電撃を。5m以上離れてたら銃で威嚇を。……それでバテるのを待つか)
ハインはその不死身性を利用して真っ直ぐ私の方に向ってくる。
頭を狙えばとりあえずダウンさせることはできるが、腕で頭をガードしてるためうまく狙えない。
ふむ……なら胴体かな。
118 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:10:58 ID: d7zpVHaf0
3発発砲する。
いずれも命中。
それでもハインは怯まず特攻してくる。
あと12m。
さらに5発発砲。
今度は手足を狙った。
両腕に2発、右足に2発命中。
多少バランスを崩したがすぐに体勢を立て直し、こちらに向かって来る。
あと7m。
そろそろ発砲するのをやめて電撃を与えるタイミングを図る。
さて、もう1度くら…………え?
119 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:13:26 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)「む?」
从 ゚∀从「これは」
_
(;゚∀゚)「…?どうした?」
半径50m内で動く金属類を感知した。
しかも数が多い。
ハインも異変に気づいて止まったみたいなので、私は彼女の追撃はないと判断し、感知した方角を見つめた。
ジョルジュは気づいてないみたいだった。
ニブチンめ。
从 ゚∀从「あー……シラけちまったよ」
ふむ、これはハインにも予想外なのだろう。
ならば意見を求めてみるのも悪くないな。
123 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:15:55 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)「どうするのだ?この反応は間違いなく武装してる者の反応だぞ。おそらくはvipperだろう」
_
(;゚∀゚)「なっ?!」
从 ゚∀从「……」
む?
動く金属類が他の方角からも来てるのか。
从 ゚∀从「足音が静かな上に多くて判別しきれねえな。クー、数はどのくらいだ?」
川 ゚ -゚)「おおよそ100だな。……見事に囲まれてるから逃げようがないぞ」
从 ゚∀从「しょうがねえな……ジョルジュ!ここはクーと共闘戦線を張る!!お前もタマがついてるんならグズグズしてないで準備しろ!!」
_
(;゚∀゚)「全力で把握した!!」
124 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:18:17 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)「……私も戦うのか?」
できれば戦いたくないな。
牙をむかれたら叩きのめすのが私の主義だが、ハインが頑張れば私が出張るまでもない気がするんだが。
だって生きたいんだし……だからあまり戦いたくないんだし。
从#゚∀从「ふざけた事抜かしてんじゃねーぞサイボーグ!!」
あ、ちょっとカチンときた。
川 ゚ -゚)「……サイボーグ言うな女版土管工」
从#゚∀从「あー?喧嘩売ってンのか?今なら大人買いするぞクソロボコップ!!」
_
(;゚∀゚)「お前らいいかげんにしろよ……」
ジョルジュは私たちの間に入って言った。
彼は戦闘準備を終えたようだな。
川 ゚ -゚)「ん?……ほう、キミもP226を使ってるのか」
_
( ゚∀゚)「ああ、これが一番扱いやすいんでな」
从#゚∀从「……何、同志見つけたりって顔してんだ2人とも」
川 ゚ -゚)「っと、おしゃべりはここまでのようだな。来るぞ」
从#゚∀从「おしゃべりしてた奴がいうな!」
126 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:20:34 ID: d7zpVHaf0
クレーターの外からこちらを覗き込む顔があった。
( ∵)「……『COOL』確認…………それと何故か『エンジェル』がいるぞ……」
( ∵)( ∵)( ∵)( ∵)「ナ、ナンダッテー!!」
从;゚∀从「ちょwwwwwお前らクローンしすぎwwwwwww」
あまりの奇怪さにハインは思わず叫んでた。
まあ、私はそういうのを見慣れてるから別に驚かないがな。
それよりも、先ほどvipperは何といった?
川 ゚ -゚)「……『エンジェル』?」
たしかにそう言ったよな?
『エンジェル』といえばたしか……3年前に活躍した超能力者のコードネームじゃなかったか?
まあ私は超能力者なんぞ信じてないからその情報はデマだと思ってたが、何故その名がvipperの口から漏れたのだ?
从;゚∀从「あー、それ、オレの元コードネーム」
納得した。
しかし、特殊な人間だということは分かるがこういうのを超能力者って呼べるのか?
しかも天使って……あまりにも合わなすぎだ。
128 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:23:16 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)「天使っていうよりは悪魔だな」
思わず言ってしまった。
だがハインは気にする様子も見せずに答える。
从 ゚∀从「……否定はせんよ。それよりこの戦闘が終わったらさっきの続きだ」
はい?
川 ゚ -゚)「……キミたちは私を味方につけたかったんじゃないのか?」
从 ゚∀从「あたぼーよ!だから首を横に振ってる限り襲い続けるぜ!!」
なんとも呆れてしまった。
川;゚ -゚)「何て横暴な奴なんだ、キミは」
思わずツっこんでしまった。
132 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:26:10 ID: d7zpVHaf0
( ∵)「くっ!どうする!?」
( ∵)「慌てるな!1人増えたところでどうってことない!!作戦通りにいけ!!!」
説明しよう。
ただいま交わされた会話は、( ∵)A(仮名)と( ∵)B(仮名)による会話だ。
クローンだと区別できないから正直困る。
( ∵)「『エンジェル』といっても所詮は人間。恐るるに足りん!」
( ∵)「そうだ!『エンジェル』が加わったからといって私たちが失敗していいわけではないのだからな!!」
今の会話は( ∵)C(仮名)と( ∵)D(仮名)によるもの。
まったく、説明するのも疲れる。
……ところで私は誰に説明しているのだ?
そんな中、ぼそりとハインは言った。
从 ∀从「……『エンジェル』っていうな」
134 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:28:31 ID: d7zpVHaf0
从 ∀从「オレはその呼び名が大嫌いなんだよ。もし過去の自分が現れたらブッ殺したいほどにな!!」
ハインはvipperの大軍……というより大群に特攻を仕掛ける。
从#゚∀从「今はそんな過去の天使を呪い殺したい。そう願ってる悪魔……それがオレだからな!!」
なるほどな。
そう思う気持ちは分からなくはない。
しかしその戦い方はいささか危ない気がする。
死なないにしても動けなくなったら研究所に送られるんじゃないか?
川 ゚ ー゚)「仕方ないか。助太刀してやるぞハイン」
从#゚∀从「んな分かりきったこと今更言うな女シュワルツェネッガー!!
早くこいつらをブッ殺しやがれ!!」
川 ゚ -゚)「……」
一体いつ頃からハインの頭の中で、私が戦うことが決まっていたのだろうか?
なんかすっごく損した気分になった。
135 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:31:03 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)「やれやれ」
ともあれ現状を確認する。
・実行してる項目は『金属探知』『対遠距離射撃・砲撃』『COOL』……上位項目により本体稼働率81,1321%
・現在私たちが立っている場所は大型クレーターの底
・そのクレーターの周りをvipper×100が包囲している。
・ジョルジュは今、私の傍にいて……おや?変装してる?いつの間に?
・ハインは特攻もとい暴走。馬鹿に付ける薬はない。
川 ゚ -゚)「で、何故変装を?」
_
( ゚∋゚)「俺はお前らみたいなビックリ人間じゃねえんだし顔を知られたら困るんだよ」
ああ、納得した。
137 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:34:06 ID: d7zpVHaf0
しかし私たちの立ち位置は非常にまずい。
私たちはクレーターの底にいてvipperはクレーターの周りにいる。
このままだと上から集中攻撃を受ける。
弾丸程度ならなんとかできるが、重火器による集中砲火や有毒ガスなんか使われたらたまったものじゃない。
素早く動けるように『軍格闘術』の項を実行しし、ジョルジュに言う。
川 ゚ -゚)「とりあえずこのクレーターの外に出るぞ」
_
(;゚∋゚)「どう考えても集中砲火です本当に(ry」
川 ゚ -゚)「安心しろ。何とか守ってやる」
_
(;゚∋゚)「……男として立つ瀬ない言葉をくれてありがとよ」
しかしこの状況では『鉄槌』を使うことも考えなくてはならんな。
すまんなショボン、また世話になるかもしれん。
138 名前: 9話 ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 07/09/07(金) 23:36:48 ID: d7zpVHaf0
川 ゚ -゚)の性能
C0.『金属探知』……これで動く金属(弾丸や武装した者)を感知。射程は50m。
『COOL』実行中なら最大500mまで射程を伸ばすことができる。
C1.『対遠距離射撃・砲撃』……電磁場を用いて飛来する金属の軌道を逸らす。『COOL』実行中なら電撃で迎撃することも。
C2.『軍格闘術』……筋肉(主に義手・義足の人工筋肉)に電流を流すことによる肉体活性、またデータバンクから瞬時に戦闘知識を引き出す。
『COOL』実行中でも性能はあまり変わらず。
C3.『COOL』……体内にあるCOOL本体の稼働率を80%ほどにする項目(普段は20%以下)
100%にできなくもないが、すぐに熱で脳がやられてしまうため少し抑えている。
80%でも熱で影響が出るが10分程度なら内蔵冷却装置で何とかやっていける。
C4.『鉄槌』……複合項目。『対遠距離射撃・砲撃』『軍格闘術』を組み合わせ、義手または義足に電流を奔らせる。
『COOL』実行中のみ可。
高電圧のため使用後はボロボロになるが、威力は絶大。レールガンの真似事もできる。
C5.『神罰』……??????????
C6.『徴収』……??????????