41 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 16:58:31 ID: wlAYTtEz0

 

 

 

 

 

狼の中で生きると言った赤頭巾はもうどこにもいません

 

 

 

川 ゚ -゚) 〜赤頭巾6〜

 

 

43 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:02:26 ID: wlAYTtEz0

飛来する石つぶて。
それを『衝撃』で粉砕する。

川 ゚ -゚)「先ほどから石を飛ばすだけで芸がないぞ?」

lw´‐ _‐ノv「芸がなくても効率がいい。貴方はただ防ぐだけ。
       ならば、私はこのまま狙い続ければいいだけ」

川;゚ -゚)「むぅ…」

たしかに。
このままではいずれやられる。
『衝撃』を何とか合わせて相殺している。

が、石つぶては銃弾並の速度で向かってくるからやりにくい。
『音響』の使用は慣れてないところがあるので、なおのことだ。
実際、かなりギリギリのところで『音響』で感知して防御している。
先ほどなんか、少しでも反応するのが遅れたら私の胸に石がめり込んでたろう。
もしかしたら風穴ができてたかも……穴あきチーズにでもするつもりか?

lw´‐ _‐ノv「端末命令……項目『扇』21%実行、『造』59%、『束』20%実行」

川;゚ -゚)「む」

またかよ。

 

 

45 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:05:21 ID: wlAYTtEz0

『音響』と勘でなんとか石つぶてに『衝撃』を合わせる。
そうして対処できたらすぐに距離を詰める。
ともかくダメージを与えないことには倒せない。
走った勢いを殺さずにSURREALに飛び蹴りを実行、ついでに『衝撃』も実行。

しかし、

川;゚ -゚)「……むぅ」

lw´‐ _‐ノv「何度繰り返しても無駄だってば。そろそろ諦めたら?」

川;゚ -゚)「できればキミの方が諦めてくれると助かるんだが」

lw´‐ _‐ノv「不可」

ですよね。

SURREALとの距離が全然縮まらない。
いくら詰めようとしても例の瞬間移動ですぐ逃げられるからだ。
まるで幻を追っているようだ。
さて、どうしよう?

 

 

46 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:08:05 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)「……」

lw´‐ _‐ノv「どうしたの?」

川 ゚ -゚)「どうやってキミを倒そうかと考えてたんだよ」

lw´‐ _‐ノv「……質問したそうな顔してたから空気読んで質問したのに……貴方もひどい奴だ」

空気読むなよ。
とは思ったものの、実際SURREALに聞きたいことがあるので聞いてみることにする。

川 ゚ -゚)「そうだな。質問したいことはある。
     キミはどんなことが得意なAIなんだ?
     それとキミは一体、どんなマニュアルを使うんだ?」

lw´‐ _‐ノv「ふむ」

SURREALは腕組をして私の質問を聞いてた。
そして口を開く。

lw´‐ _‐ノv「どこまでも受動的なのが私たち、機械の本質……。
       いいよ。貴方の質問に答えてあげる」

 

 

47 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:11:04 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「私が得意なのは防衛。私が敷いた端末の陣に侵入してきた者の迎撃が主な活動。
       今回、出張ってきたのはKURUUがやられて、残りの戦闘支援AIたる私が貴方を捕まえる任に就いたから。
       ぶっちゃけ出張るのは慣れてないけど頑張る」

川 ゚ -゚)「……」

ぶっちゃけ頑張らないでほしい。
心の中で呟く。
しかし防衛が得意なのか。
その割には攻撃力ありすぎな気がするのだが。

lw´‐ _‐ノv「そして私の使うマニュアルは全て……」

 

lw´‐ _‐ノv「気流、気体を操るものだよ」

 

 

48 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:14:03 ID: wlAYTtEz0

川;゚ -゚)「はぁ?」

lw´‐ _‐ノv「分からない?
       石を飛ばすのも私が移動するのも気体を操ってやっているんだよ。
       気圧を操って物体と物体の間だけに真空のトンネルを作れば、一瞬で距離をゼロにできるし石ころも飛ばすことができる。
       ……理解できた?」

川 ゚ -゚)「……」

川 ゚ -゚)「理解できない、な」

lw´‐ _‐ノv「どこら辺が理解できない?」

川 ゚ -゚)「真空のトンネルのくだりが。
     大体真空なんてものを作っても、大気圧ですぐ消える。
     真空のトンネルを作っても対象間以外の方向から大気圧で押し潰されて消えるのだから、瞬間移動や物を飛ばすのは無理だろ?」

lw´‐ _‐ノv「……押し潰されないから真空のトンネルなんだよ。
       そもそも何も加工してないただの真空だけでそんなことができると思ったの?」

川 ゚ -゚)「む?」

 

 

49 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:17:03 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「……具体的に説明する。
       『扇』は空気の流れを操る項目……気圧調整にも使える。真空トンネルを作るのに必要な項目その1。
       『造』は特定の素粒子を作り出す項目……真空トンネルを作るのに必要な項目その2。
       『束』は『造』で出来た素粒子を電磁性の結界で固める項目……真空トンネルを作るのに必要な項目その3」

lw´‐ _‐ノv「『造』→『束』の流れで特定の素粒子を固めると立体映像みたいになる。
       人はそれを“力場”って言ってる」

川;゚ -゚)「ちょ、力場ってそれは……」

要はスタンドのような力のある映像ってことだよな?
そして空気を操って攻撃、か。
そんなやつが相手なのか。

思った。
こいつはジョーカーじゃないのかと。

 

 

51 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:20:04 ID: wlAYTtEz0

SURREALの説明は続く。

lw´‐ _‐ノv「で、力場をボールみたいな膜に形作る。
       『束』で強めに固めると薄い膜を作り出せる……半透明なので薄く作ると相手に気付かれにくくてグッド。
       そして膜に小さな穴を開けて、膜の内部にある空気を『扇』で全て外に出す……穴を閉じれば真空トンネルの出来上がり。
       真空トンネルが出来たら対象に近づけて再び膜に穴を開ける。
       そうすると対象は真空トンネルに吸い込まれる。
       ……これが瞬間移動や石つぶての原理だよ」

川;゚ -゚)「いやはや、力場まで使えるとは驚いた。まさかスタンド使いを相手にしてたとはな」

lw´‐ _‐ノv「……力場を使ってスタンドっぽい物を作り出すことはできるよ。
       ただ、相応の素粒子を作り出さなければならない。
       今回は時間がかかるからしないだけ。
       作ろうと思えば体長100mの怪獣を作り出すのも不可能じゃない」

川;゚ -゚)「……」

皮肉を言ったつもりなんだがな。
皮肉を皮肉と思えない人には…………いや、考えるのはよそう。

 

 

52 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:23:05 ID: wlAYTtEz0

川;゚ -゚)「はぁ……大した超能力者だよ、キミは」

これも皮肉。
まあ、凄い力を使えるのだから超能力者で合っているがな。
そういう風に言えば私やハインやSURREALだけではなく、vipperの一部も超能力者になってしまうが。
私ほどではないにしても、特定の機械を体に埋め込めば小規模の炎くらい出せる奴もいるだろうし。

lw´‐ _‐ノv「それほどでもない。
       さて、それでは再開といこうか」

川;゚ -゚)「む」

いつでも『衝撃』を実行できるよう構える。
SURREALの能力も分かったところで対処も考えながら石つぶてを防がないといけない。
やれやれ。

川;゚ -゚)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

川;゚ -゚)「……」

lw´‐ _‐ノv「……」

 

川;゚ -゚)「……??」

しかしいつまで経っても石つぶてが飛んでこない。どうした?

 

 

53 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:26:06 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「……んー、もうてっとり早く終わらせようかな?」

川 ゚ -゚)「何だと?」

ちょっぴりムカついた。
今までの戦闘はSURREALにとって遊びのようなものだったのか?

lw´‐ _‐ノv「遊んでないよ」

川;゚ -゚)「空気読むなよ」

lw´‐ _‐ノv「だが断る。
       説明するけど……石つぶてぶつけまくれば、いずれ戦闘不能になると思っていた。
       でも貴方はKURUUの『衝撃』を使ってるよね?……どうコピーしたか知らないけど。
       ならば物理的な攻撃だけじゃ予想していた以上に長引く」

川 ゚ -゚)「……」

ご丁寧に説明してくれてる…………勝手に喋らせとけばいいか。
その間にSURREALをどう倒すかシミュレート。




……………。

思いつかない。
上手く接近できれば何とか出来るんだが……こいつに接近できるか?

 

 

54 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:29:46 ID: wlAYTtEz0

川;゚ -゚)「うーむ」

思わず唸ってしまう。
遠距離系の項目もないわけではないが、おそらく避けられるのがオチだ。第一、遠距離系はあまり威力もなかったりする。
近距離系の項目の方が破壊力があっていろいろやり易いのだが、近づけてくれない。
八方塞がりだ。

とりあえず当たって砕けろだ。
本当に砕けないことを祈っておこう。

しかし、SURREALもお喋りだな。
まだ説明してるよ。
聞いてないから、もう話さなくてもいいのに……………………………………………………………………………………ん?

 

川 ゚ -゚)「もしかして」

今ならSURREALをフルボッコ出来るんじゃね?

 

 

55 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:32:03 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「つまり、ΔU=Q−W であって……」

川  ー ) ニヤリ

特殊項目『徴収』スタンバイ。
……K項目『衝撃』実行。
SURREALに向かって加速する。

lw´‐ _‐ノv「で、実際のところ完璧な断熱圧縮って出来ないんだけどね」

川  ー )「壊れるまで喋り続けてろ」

SURREALにどんどん近付く。
もうちょいで『徴収』の射程距離だ。

lw´‐ _‐ノv「やっと来たか」

……え?

lw´‐ _‐ノv「端末命令……『霊』100%実行」

川;゚ -゚)「!!」

何かまずい気がした。
でも『衝撃』で加速してる最中なわけで、そんな状態だから避けられるわけないわけで。

―――――私は光に包まれた。

 

 

57 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:35:09 ID: wlAYTtEz0

 

 

 

 

lw´‐ _‐ノv「……」

lw´‐ _‐ノv「……断熱圧縮って知ってる?」

lw´‐ _‐ノv「外部に熱のやり取りなしで気体が圧縮されることをいうんだけど、この断熱圧縮には面白い特性があってね。
       熱のやり取りなしで圧縮すると、圧縮した気体は温度が上がるんだよ。
       やりようによっては発火出来るほどにね」

lw´‐ _‐ノv「とりあえず、今クーの倒れてる辺りを中心に半径100m程度の空気を圧縮してみました。」

lw´‐ _‐ノv「熱と圧力にやられた気分はどうですか?COOL」

 

川  - )「……ッ…」

lw´‐ _‐ノv「……何か喋りなよ……本当に空気読めない子だね」

 

 

58 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:37:45 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「……」

川  - )「…………ゼェ……」

lw´‐ _‐ノv「……」

川  - )「……ゼェ……ッ…ゼェ………」

lw´‐ _‐ノv「喋れないならKURUUのマニュアル使うとかあるでしょ……」

川  - )「!」

 

川  - )「****、**a---………あー、テステス、マイクテス。あー、あー↑あー↓……おkおk」

lw´‐ _‐ノv「うん、壊れてなくて何よりだ」

目的は真逆だが、それには同意する。
しかし……イツツ……呼吸をするだけで体中が痛い。
体の所々にある火傷が風に染みてこれまた痛い。
胸も苦しい……肺に穴が開いてなければいいな。

 

 

59 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:41:13 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「ところで動ける?」

川  - )「動けない、な」

lw´‐ _‐ノv「そかそか。それは良き哉」

SURREALがうつ伏せに倒れてる私に近づいてくる。
私のメインユニットを回収するためだ。

非常にまずい状況になった。
SURREALの攻撃で今の私はボロボロ。
さらにいえば打開策もなし。
このまま『衝撃』で対抗してもジリ貧。
近づいてきたら『徴収』を実行したいが、おそらく逃げられるのがオチだろう。
最終手段の自爆でもしてみるか?本当はやりたくないのだが……ここはもう諦めるしかないだろう。
私に残された作戦は1つだけ。せめてもの意地で周囲を巻き込んで自爆するしか……

 

……ん?

 

 

61 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:44:03 ID: wlAYTtEz0

川  - )(……ちょっと待て)

ある可能性が頭に浮かんだ。
考えを整理するために、もう1度SURREALの言葉を思い出せ。
こいつは何と言ってた?

      「私が得意なのは防衛。私が敷いた端末の陣に侵入してきた者の迎撃が主な活動。
       今回、出張ってきたのはKURUUがやられて、残りの戦闘支援AIたる私が貴方を捕まえる任に就いたから。
       ぶっちゃけ出張るのは慣れてないけど頑張る」

      「……力場を使ってスタンドっぽい物を作り出すことはできるよ。
       ただ、相応の素粒子を作り出さなければならない。
       今回は時間がかかるからしないだけ。
       作ろうと思えば体長100mの怪獣を作り出すのも不可能じゃない」

SURREALの言葉を思い出しながら1つの仮説を立てる。
もし、私の仮説通りだとしたら……賭けてみる価値はある。

川  - )「……」

川  ー )ニヤリ

lw´‐ _‐ノv「ん?」

 

 

62 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:47:50 ID: wlAYTtEz0

COOL稼働率を80,1212%→100%へ移行
COOL稼働率99,9899%まで確認

川  - )「……COOL全ユニット展開開始」

うつ伏せのまま、反撃の準備をする。
体の中からギチギチと音が鳴る。次いで背中が盛り上がる。
最低でも40%展開しないと話にならない。
迅速に作業しなければ。

lw´‐ _‐ノv「……まだ戦う気?端末命令『霊』100%実k「『対遠距離射撃・砲撃』実行」川  - )

lw´‐ _‐ノv「……あれ?」

先ほどの断熱圧縮が起こらない。
SURREALは不思議がっているようだ。
やれやれ。

川  - )「『束』とやらは力場の基となる素粒子を電磁性の結界とやらで固める項目だったよな?
     断熱圧縮もその『束』で固めた力場の膜を迅速に縮小することで、力場内の空気が縮小されて起きていると考えたんだが。
     その膜が電磁性の結界で固めるのなら、その結界を乱してやればいい」

lw´‐ _‐ノv「そんなこと……出来る筈が」

川  ー )「私を誰だと思ってる?」

lw´‐ _‐ノv「む」

 

 

63 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:50:49 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「……なるほど。電気を操ることなら誰にも負けないというわけか、COOL」

その通りだ。
他の事柄ならともかく、こと電気関係の操作にかけてはCOOLの名において負けるわけにはいかない。
キミは電磁性の結界なんぞ操ってないで空気でも読んでろ。

/ 展開率8,7999%

lw´‐ _‐ノv「でも……『束』がかき消されるのは『対遠距離射撃・砲撃』の届く範囲までだね。
       射程外からの狙撃には対処できまい」

川  - )「……」

lw´‐ _‐ノv「図星みたいだね。端末命令……項目『扇』19%実行、『造』59%、『束』22%実行」

石つぶてが飛来してくる。
『対遠距離射撃・砲撃』射程外から飛ばしてるのに正確に私を狙うのは流石という他ない。
石つぶては綺麗に『衝撃』で迎撃する。

/ 展開率27,2341%

骨の代わりをしているCOOLが外に出てきて背中が盛り上がる。
放電針も出てきた。
しかし、まだ展開しないと使えない。

 

 

64 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:53:18 ID: wlAYTtEz0

lw´‐ _‐ノv「……背中が盛り上がって的がでかくなったね」

川  - )「!」

『音響』で向かってくる石つぶての音を聞いた。
咄嗟に背中の方に『衝撃』をし、頭を両腕で庇う。
果たして石つぶては私の腕に刺さった。
腕は折れ、衝撃で頭が揺れる。

lw´‐ _‐ノv「しかし、体内に収納してるCOOLが外に出てるということは中身がスカスカになってるんだよね?
       内臓とか大丈夫?石が当たっても破裂しない?」

またも石つぶての音。
背中に『衝撃』を向ける。
結果は腕に刺さる石つぶてだった。

 

……何か腹立たしい。
ここまでやってくれたお礼に、キミに素敵なプレゼントをあげよう。

/ 展開率41,1950%

 

 

65 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:56:14 ID: wlAYTtEz0

『金属探知』『対遠距離射撃・砲撃』『音響』『衝撃』解除。
Compound Operation On List System……起動。
マニュアルC1、トリプルロック……『対遠距離射撃・砲撃』の3重展開確認。

 

 

川  - )「――――――――――――複合項目『神罰』実行」

 

 

 

 

……シャットダウン。

 

 

67 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 17:59:10 ID: wlAYTtEz0

 

 

川  - )

川 ゚ -゚)パチッ

川;゚ -゚)「………ぅぇぇ」

数秒程、意識が飛んでた。
周囲に高圧電流を放電したためCOOLが一時的に落ちたか、電流から脳を守りきることができずにショートしたか……?
どちらのせいなのか今の私には分からないが……おかげで気持ち悪い。
心拍が乱れてるのでCOOLで電気信号のコントロールをし、乱れを直す。
そして展開したCOOLをある程度元の状態に戻す。
一応骨の役割もしてるからある程度戻さないと臓器がやばい。

/ 展開率41,1950% → 20%に設定

           ・
           ・
           ・

/ 19,9992%までの縮小確認

COOL稼働率を99,9899%→80,1001%へ移行

 

 

69 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:02:11 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)「……よっこらせっくす」

立ち上がろうとする。
が、足が上手く動かず再び地面とキスする。

川 ゚ -゚)「?」

目を向けると右足がおかしな方向に曲がっていた。
……感電による骨折か。
まあ、私の手足は痛みを感じないので気にしないことにした。
四肢に力を入れてみる……今のところ右足だけで済んだみたいだ。
とりあえず右足に注意して立ち上がる。

川 ゚ -゚)「……40%も展開しててよかった」

思わず呟く。
ちなみに胴体部の骨折がないのは、骨代わりのCOOLを展開してアソビを作った&動作稼働個所を増やしておいたからだ。
おかげでこうして何とか動ける。本当に自爆しなくてよかったよ。

川 ゚ -゚)「ふむ」

体の状態を確認したあとは周囲の確認。
『神罰』の放電で半径500〜700m内の草木、家々のあちこちから煙が出ている。
そして、

lw´‐ _‐ノv「いやぁ、びっくりしたよ」

私の最大攻撃項目を間近で食らいながらピンピンしてるSURREAL。

 

 

70 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:05:03 ID: wlAYTtEz0

川;゚ -゚)「……」

lw´‐ _‐ノv「あー、貴方もびっくりしてる?
       実は私の周りに気圧の低い層を作ったんだよ。
       空気は絶縁体だけど気圧を低くすると逆に電気を通しやすくなるんだよ。
       私を気圧の高い層で覆って、その周りをボールを覆うネットのように気圧の低い層で固めれば、低い層に電流は集中するわけ。
       しかも高圧電流だから尚更気圧の低い層に集中するんだよ」

川 ゚ -゚)「……」

lw´‐ _‐ノv「さて、あんなに電気を撒き散らした後だ。
       もう蓄えてた電力も残り僅かだろう?
       万策尽きたなCOOL」

川 ゚ -゚)「……」

lw´‐ _‐ノv「うなじにメインユニットあるんだっけ?
       なら首から下は要らないね。
       ……ばいばい、COOL」

川  - )「……」

 

 

71 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:08:05 ID: wlAYTtEz0

 

lw´‐ _‐ノv「端末命令……項目『扇』21%実行、『造』59%、『束』20%実行」

 

 

 

 

 

 

lw´‐ _‐ノv「……………あれ?」

 

 

73 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:11:54 ID: wlAYTtEz0

いくら待っても石つぶては来ない。
項目を実行したはずのSURREALは不思議に思ってるのか首を傾げてる。
私は口を開く。

川  - )「どうした?攻撃してこないのか?」

lw´‐ _‐ノv「……」

川  ー )「……なるほどな」

 

川 ゚ ー゚)「どうやら賭けは成功したみたいだな」

lw´‐ _‐ノv「……貴方、まさか」

 

川 ゚ ー゚)「そうだよ。『神罰』を実行したのはキミの端末を破壊するためだよ」

 

 

75 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:14:05 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)「キミの言葉を思い出したんだ。
     キミは“端末の陣に侵入してきた者を迎撃する”と言ってた。
     ここで何故、陣を敷くのか考えたんだ。
     理由は物量作戦以外考えられないがな」

川 ゚ -゚)「そしてキミは“スタンドっぽいものを作り出すのは時間がかかるから今回はしない”とも言った。
     端末の陣を敷いて力場の基となる素粒子を沢山作り出せるのにも関わらず“時間がかかる”とな。
     そこで私は思ったんだ。
     もしかしてキミ1機だけでは生成する素粒子量は少ないんじゃないか、と」

川 ゚ -゚)「……死を覚悟して周りを巻き込んで自爆しようと思ったときに閃いたんだ。
     私の考えが外れているかもしれないとも思った。
     だが、このままでは私はやられてしまうし、せっかく広範囲射程の攻撃項目を持っているんだ。
     だから賭けてみたんだ」

川 ゚ -゚)「結果はキミが攻撃を仕掛けてこなかったことで理解できた。
     『神罰』を食らってピンピンしてるのを見て失敗したかと思ったが……『束』で頑張ったのか?
     だから気圧の低い状態を維持できたわけか」

lw´‐ _‐ノv「……」

 

 

76 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:17:04 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)「素粒子生成がほとんど出来ない今、瞬間移動もできないし石も飛ばせない……キミの負けは決定した。
     さて、どうする?」

lw´‐ _‐ノv「……せっかく全力で『束』をやって電撃を受け流したのに……ビクビクッ」

川 ゚ -゚)「……」

SURREALはそういうだけでこちらに向かおうとも逃げ出そうともしない。
ただ、その場で棒立ちになっているだけだ。

川 ゚ -゚)「何も行動を起こさないのか?」

lw´‐ _‐ノv「いや、今の私じゃ貴方に負けるでしょう。
       私たちの強さはマニュアルの強さなんだし。
       満身創痍の貴方に五体満足の私が向かっても歯が立たないよ。
       逃げるにしても逃げ切れるとも思えないし」

川 ゚ -゚)「そうか」

左足に『衝撃』を実行してSURREALに向かう。
そのままの勢いでタックル。
SURREALは倒れ、私はSURREALの上に乗る。

 

…………特殊項目『徴収』実行

 

 

77 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:20:14 ID: wlAYTtEz0

……
…………
…………………

川 ゚ -゚)「……ん。ついでに電力も吸い取らせてもらった。悪く思うなよ」

lw´ _ ノv「       ……ビクビクッ 」

川 ゚ -゚)「どれどれ?」

SURREALから得たS項目を確認する。

・『見』
・『扇』
・『造』
・『束』
・『霊』

結構多いな。
試しに使ってみた。

川 ゚ -゚)「S項目『造』実行」

川 ゚ -゚)「……」

 

川;゚ -゚)「素粒子生成出来てる手ごたえがないのだが……」

 

 

79 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:23:03 ID: wlAYTtEz0

まあ、オリジナルでも端末に頼らなきゃいけないほどだ。
こんなものだろう。
とりあえず使ってみて分かったことが1つ。

川;゚ -゚)「SURREALのマニュアル……扱いづらいな……」

『造』は実戦的じゃない。
故に『造』の後で使う『束』『霊』も使えないと判断する。
実質、使えるのは2つだけ。

……うわぁ。

川;゚ -゚)「…………まあ、気にしたら負けだな」

とりあえずハインと合流するか。
おっと、その前にやることがあった。

川 ゚ -゚)「『衝撃』実行」

lw´ ..,,,, メメタァ

 

 

80 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:26:17 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)「さて」

川 ゚ -゚)「……ハイン。いるんだろ?」

 

从 ゚∀从「おうよ」

川 ゚ -゚)「どこあたりから見てた?」

从;゚∀从「……『神罰』使うあたりから」

川;゚ -゚)「……わざわざ間近で見ようとしなくてもいいのに」

从;゚∀从「ほっとけ!」

川 ゚ -゚)「で、vipperは何とか……出来てないな、気配的に考えて。それじゃあ包囲から抜け出す方法でも見つけたのか?」

从 ゚∀从「一応は」

川 ゚ -゚)「そうか。ちょっと肩を貸してくれ。こう見えて結構やられたんだ」

从;゚∀从「てか、まるっきり死人だぜ?目・耳・鼻から血が出てるし体も黒焦げだし」

川 ゚ -゚)「ああ、だから今すぐにでもショボンに会いたいんだ。早くバーボンハウスに行こう」

从 ゚∀从「おk」

 

 

82 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:29:06 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)「で、どうやって包囲網を脱出するんだ?」

从 ゚∀从「車で」

川 ゚ -゚)「……」

从 ゚∀从「……」

川;゚ -゚)「……それだけ?」

从;゚∀从「お、おう」

川  - )「……………………………………キミの頭の悪さには失望した」

从*゚∀从「そこはお前になんとかしてもらうんだYO」

川;゚ -゚)「怪我人労れよ」

从#゚∀从「オレだって数分前まで怪我人だったんだぞ?手前の怪我は手前で何とかしろよ」

川;゚ -゚)「私はキミみたいな出鱈目人間じゃないんだよ」

从#゚∀从「ぶちころすぞ?」

 

 

83 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:32:08 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)「まあ、私も包囲網突破するためにマニュアルを使ってやるから。ともかく車まで案内しろ」

从 ゚∀从「おk。んじゃオレは運転する」

川;゚ -゚)「うん……て…ん?」

从 ゚∀从「……あんだよ?」

川;゚ -゚)「無理だろ」

从#゚∀从「手前はもう豆腐の角に頭ぶつけて死ねよ」

川;゚ -゚)「出来るのか?やばそうなら私が運転するが」

从#゚∀从「出来るよ!てかボロ雑巾な手前に運転させた方が事故りそうだっつの!!」

 

 

84 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:35:04 ID: wlAYTtEz0

从;゚∀从「はぁ……まあそんなわけだから突破するときは支援よろしく頼むぜ」

川;゚ -゚)「むぅ、大変心配だが把握した。支援する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

85 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:38:07 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)の性能

 

C0.『金属探知』……これで動く金属(弾丸や武装した者)を感知。射程は50m。
              『COOL』実行中なら最大500mまで射程を伸ばすことができる。

C1.『対遠距離射撃・砲撃』……電磁場を用いて飛来する金属の軌道を逸らす。『COOL』実行中なら電撃で迎撃することも。

C2.『軍格闘術』……筋肉(主に義手・義足の人工筋肉)に電流を流すことによる肉体活性、またデータバンクから瞬時に戦闘知識を引き出す。
              『COOL』実行中でも性能はあまり変わらず。

C3.『COOL』……体内にあるCOOL本体の稼働率を80%ほどにする項目(普段は20%以下)
            100%にできなくもないが、すぐに熱で脳がやられてしまうため少し抑えている。
            80%でも熱で影響が出るが10分程度なら内蔵冷却装置で何とかやっていける。

C4.『鉄槌』……複合項目。『対遠距離射撃・砲撃』『軍格闘術』を組み合わせ、義手または義足に電流を奔らせる。
           『COOL』実行中のみ可。
           高電圧のため使用後はボロボロになるが、威力は絶大。レールガンの真似事もできる。

C5.『神罰』……複合項目。『対遠距離射撃・砲撃』×3で高圧電流を周囲に撒き散らす。
           元々は自爆項目なため、自分もダメージを食らう。ラ○ちゃんは凄いと思う。

C6.『徴収』……データのハッキングを行う。電子式のロックの解除やAIのマニュアルのコピーもできたりする。
           『COOL』実行中のみ可、特殊項目。

 

 

86 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:41:02 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)K項目

 

K1.『音響』……ソナーのようなもの。
           空気中の振動で対象を感知。
           射程は特に存在しないが、長距離、遮蔽物のある地形などで確度が低下する。

K2.『音波』……怪音波。
           脳を刺激して相手を怯ませる。
           が、クーの脳も刺激されるので使い勝手は最悪。
           ……KURUUなら問題なかったが。

K3.『衝撃』……局所的に空気を振動させて衝撃波を放つ。
           攻撃対象との距離があればあるほど威力は落ちるが、近距離での破壊力は車体を浮かすほど。
           地面に衝撃波を放って加速するという使い道もある。

 

87 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:44:03 ID: wlAYTtEz0

川 ゚ -゚)S項目

 

S-a.『見』……空気の流れを読み、物体の形を認識する項目。
          射程は5km。

S-b.『扇』……空気の流れを操る項目。突風程度はできるが破壊力はあまりない。
          
S-c.『造』……力場の基となる素粒子を生成する項目。
          素粒子は感知できないので、どのくらい生成出来たかは心の目(経験と勘)で認識しよう。
          実質使えない項目その1。

S-d.『束』……“電磁性の結界”という物を作り、『造』で作った素粒子を力場にする項目。
          COOLのみで再現できなくもないので正直いらなかったりする。
          使えない項目その2。

S-e.『霊』……『造』『束』を最大限に使用し、作り出したものを自由に動かす項目。
          ぶっちゃけスタンド。
          使えない項目その3.

 

 

88 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/04(金) 18:51:23 ID: wlAYTtEz0

後半6話終了
今日はこれで終わりです

いつもはここら辺で去るところなんですが、今回は言いたいことがあるので少し

まず“力場”
量子は苦手なので実際調べても分かりませんでした
なのでとある漫画の解釈をそのまま使用してたりします
この物語では「力場とはそういうもの」と解釈してくれると助かります

それ抜きにしても専門用語多すぎなのでもうごめんなさい

 

 

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