4 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:14:57 ID: qSWJWXfo0
「私を食べて。そしてキミの血肉にして。
そうすれば姿形だけは私になれる。
人間になればおそらく誰も追ってこないでしょう」
川 ゚ -゚) 〜赤頭巾4〜
5 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:17:38 ID: qSWJWXfo0
_
(;゚∀゚)「……そんなのありかよ?」
川 ゚ -゚)「実際あったんだからありなんだろう?」
_
(;゚∀゚)「まあ……今後どうするか決めておかないとな。できればクーがあと1機壊してくれると助かるのだが」
川 ゚ -゚)「私に期待するなよ」
(;ФωФ)「……」
私はジョルジュとロマネスクに超人プロジェクトや人型の戦闘支援AI、KURUUの件について話した。
その話を聞いたロマネスクは黙りこみ、反対にジョルジュの反応はこんなんだった。
まあ当然か。
川 ゚ -゚)「で、キミらはこの国のトップであるモララーを暗殺しようとしているがどうするのだ?
ハインを加えてもキミら3人では、モララーに辿り着く前に殺戮ロボットにやられると思うが?」
_
(;゚∀゚)「んな馬鹿な……ハインはvipper並の腕力もあるし結構強いぞ」
川 ゚ -゚)「戦闘支援AIとvipperじゃ火力が違いすぎるんだよ。
真正面から戦えばハインは負ける。
モララーの暗殺だけを考えて行動しても、戦闘支援AIが感知系項目を使えば隠密行動は難しくなる。
戦闘支援AIが遠距離操作で端末を用いていれば尚更キツい……端末がそれぞれ1つの目になるからな。
その張り巡らされた目をかいくぐり、さらにvipperに気付かれないようにモララーを暗殺するなんて無理だ」
7 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:21:10 ID: qSWJWXfo0
_
(;゚∀゚)「てかさ、そんな鬼条件って実際あるのか?
機動力を得た人型戦闘支援AIにvipperって……いくらなんでもモララー守るのにそこまでするか?」
川 ゚ -゚)「……世の中バットエンドばかりを想定する者が一握りのハッピーエンドを迎えるんだぞ。
モララーを暗殺すればこの国が崩れるというのなら、モララーは云わばVIPのアキレス腱だ。
ならば、そんな鬼条件もあり得なくはないだろ?」
_
(;゚∀゚)「……」
( ФωФ)「ふむ、分かった。それならば……」
今まで黙って話を聞いていたロマネスクが口を開いた。
何か妙案でも思いついたのだろうか?
( ФωФ)「クーよ。今後、ハインと一緒に行動してくれ。
こちらとしては攻撃力を1点に集中したい。
クーとハインがタッグを組めば、あと1機の……えと?
そうそう、SURREALも何とかなるだろう」
川 ゚ -゚)「楽観的だな。あと私は戦わないと言わなかったか?」
( ФωФ)「楽観的だと思うが、現状ではそれくらいしか思い浮かばないのだから何とかしてほしいとしか言えないのである。
それと、クーが戦いたくなくともあちらから仕掛けてくるだろう?
ならば覚悟を決めて戦った方がいいのではないか?」
川 ゚ -゚)「……」
まあ、たしかに。
10 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:25:19 ID: qSWJWXfo0
( ФωФ)「それにいざって時にハインもいれば心強いだろう?」
川 ゚ -゚)「……そうか?」
実はあまり心強くなかったりする。
だってハインの戦い方はまるで……
…
…
…
……
………………………………。
从#゚∀从「おーい、なにボケっとしてるんだクソサイボーグ」
川;゚ -゚)「うおっ!?」
12 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:28:00 ID: qSWJWXfo0
从#゚∀从「あのよぅ、バーボンハウスに行くのに手前がぼんやりしててどうすんだよ?」
川;゚ -゚)「あー……すまん」
夕明かりに照らされたハインを見て、思わず頬を掻く。
そうだった。
今日はハインをショボンに会わせる日だった。
今、バーボンハウスに仕事のついでにハインと行こうとして、何でこんな面倒な奴の道案内をしなければならないのかと考えて……。
そこで3日前の出来事を思い出してたのだった。
从#゚∀从「まーた鬱になるようなことでも考えてたんかねーこのおばさんは?」
川 ゚ -゚)「……おばさん発言を見逃すのは今回限りだ。次はないぞ。
まあ、頭を痛めるようなことを考えてたのは確かだ」
つまりキミのことなんだが、とは言わないでおく。
代わりに別の言葉を紡ぐ。
川 ゚ -゚)「3日前のことを思い出してたんだ」
从;゚∀从「げっ。3日前というと拷問された日じゃねーか……」
拷問とは失礼な。
ハインがあの後馬鹿なことを仕掛けてきたから、その煩悩を追い払うために浴室でマッサージしただけじゃないか。
川 ゚ -゚)「水浴びに電気マッサージ、振動マッサージはお気に召さなかったか?」
从#゚∀从「水責めに電流責めに衝撃吸収実験だろーが!!」
13 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:32:03 ID: qSWJWXfo0
从#゚∀从「まあいい、この件はなるべく早く忘れようぜ。で、次はどっちだ?」
川 ゚ -゚)「そこを右に曲がれ」
2人でてくてく歩く。
ジョルジュの隠れ家からバーボンハウスまで少し距離がある。
それまでハインと2人きりというのは正直しんどい。
ハインとはそりが合わないからな。
川 ゚ -゚)「……」
从 ゚∀从「……」
だから自然とこうなる。
口を開いたら開いたで言い争いになるんだから、ついつい沈黙してしまう。
だからこそハインも沈黙する。
川 ゚ -゚)「……」
从 ゚∀从「……」
川 ゚ -゚)「……」
从 ゚∀从「……」
从#゚∀从「……。だあああああああああああっ!!!!」
14 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:36:38 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「いきなり叫びだしてどうした?」
从#゚∀从「なんで黙ってんだよ!つまんねーよ!!何か話せよこのおばs……」
川#゚ -゚)ビキビキ
从;゚∀从「あ、いや、お姉さん」
川 ゚ -゚)「……」
沈黙に耐えかねたハインが会話を要求してきた。
やれやれ。
川 ゚ -゚)「でもなぁ……。いきなりふられても話題が出てこないのだが」
从 ゚∀从「なら質問していいか?」
川 ゚ -゚)「答えられるものなら」
从 ゚∀从「じゃあさ」
从*゚∀从「クーって変形できるのか?」
川;゚ -゚)「は?」
15 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:40:48 ID: qSWJWXfo0
从*゚∀从「だってサイボーグなんだろ?合体ロボみたいに外見がガラリと変わる変形くらいできね?」
やれやれ。
サイボーグ言うなと言ったと思うんだがな。
まあ、質問に答えてやるとするか。
川 ゚ -゚)「私が……というより、COOLが変形できる。
変形はいつでもできるが変形する必要がある時しかやらないな」
从*゚∀从「ほうほう。で、変形する必要がある時とは?」
川 ゚ -゚)「背中からコードを出す程度ならキミも見てると思うが、その程度の変形ならCOOLの充電時に。
後は戦闘時が大半だな。
上位項目『COOL』を使った後は特に変形する」
从*゚∀从「例えば?」
川 ゚ -゚)「複数の対象に電撃を与えるために26本コードを背中から出してロックオンしたりする。
他には特殊項目『徴収』や複合項目『神罰』で変形するが……まあハインが見たいような大々的な変形が見られると思うぞ」
从*゚∀从「kwsk」
川;゚ -゚)「……やれやれ」
17 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:44:24 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「説明してやるからありがたく聞けよ?
『徴収』での変形は戦闘支援AIのマニュアルのコピーくらいの時しか行わない。
まあ、その時はデバイスドライバの作成のためにCOOLを変形させて、COOLにはない“別の機能”を生み出すんだ。
ハードの外付けを自分で作ってる感覚だな」
从*゚∀从「えーと?分かりやすく言うと、おたまじゃくしが足付きおたまじゃくしに進化した感じか?」
川 ゚ -゚)「嫌な例えだがそんな感じだ。
この前一緒に浴室にいった時、キミは気付かなかったが背中の部分が以前と比べると少し変形してるんだ」
从*゚∀从「見せろ」
川 ゚ -゚)「露出の趣味はない」
てくてく歩く。
ハインの無茶な要求をスルーする。
こんなことをいうからこの白髪女とはそりが合わないのだ……はぁ。
从 ゚∀从「『徴収』については大体分かった。で、『神罰』はどんな変形?てかどういう項目なんよ?」
川 ゚ -゚)「『神罰』か。
あれは自爆用の項目だから、同化した後使ってないのでどんな変形か分からない。
ただ、想像はつく。あれを使うのに大量の電力を必要とするから、かなりCOOLを変形させるだろうな。
おそらく背中がクラスになると思う」
从*゚∀从「ファンネルキタ―――――!!」
いや、ファンネルなんて出ないぞ。
18 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:49:37 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「それと……どんな項目かという質問だが。
さっきも言ったがあれは元々自爆用のものだった。
今は電力値を変更して威力を抑えておいてるが、おそらくボロボロになるだろう。
高圧電流を辺りにまき散らすんだからな」
从 ゚∀从「あれ?電流のまき散らしっていつもやってることじゃね?」
川 ゚ -゚)「『対遠距離射撃・砲撃』の電撃とはわけが違う。
あれは至近距離じゃないと効果的なダメージは与えられない。
遠距離だと静電気ほどのものしか感じないんだ。
空気は絶縁体だから静電気でも一苦労なんだけどな」
从;゚∀从「じゃあ『神罰』っていうのは……」
川 ゚ -゚)「電力にものを言わせて遠距離でもダメージが与えられるほどの電撃を放つ項目だ。
周囲は電撃の嵐で家電製品や爆発物を置けば、すぐにドカンだ。
一応、首、肩、足の付け根、その他いろいろなところに絶縁体のプロテクトをしてあるが……私も周りと同じく無事じゃ済まないだろう。
だから使わないんだ」
从;゚∀从「……」
川 ゚ ー゚)「どうした?ブルったか?」
从;゚∀从「ブルってねーよ!!でもその項目は使わないようにお願いしますクー様」
川 ゚ -゚)「無論だ」
19 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:53:08 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「まあこんな感じだ」
从;゚∀从「良く分かったよ」
川 ゚ ー゚)「もし『神罰』を使う必要性が出たら特別に近くで変形見せてやるぞ」
从;゚∀从「ビリビリはもう勘弁なんですごめんなさい」
川 ゚ -゚)「そうか」
てくてく歩く。
とりあえずハインの質問には答えた。
答え終えたのだから2人の間に再び沈黙が訪れた。
从 ゚∀从「……」
川 ゚ -゚)「……」
从;゚∀从「……何か話せよ」
川 ゚ -゚)「話題がないんだが」
从;゚∀从「今思ってることでもいいから。話せる奴がいるのに黙ってるのはキツいんだよ」
川 ゚ -゚)「ふむ」
20 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 02:56:49 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「今思ってることは……そうだな。キミとはそりが合わないな、ということかな」
从#゚∀从「……気が合うな。オレも手前とはそりが合わないと思ってたところだ」
川 ゚ -゚)「まるで水と油だな。分液漏斗や遠心分離機を必要としないで済む。やったね」
从 ゚∀从「分液漏斗?遠心分離機?何言ってんのさ、この電波女は?」
川 ゚ -゚)「……やれやれ、こんなジョークも理解できないのか。低能はこれだから……はぁ」
从#゚∀从「あ゛?」
川 ゚ -゚)「いや、何でもない。やっぱり黙っておこう。口を開いても、しょうもない言い争いにしかならないから疲れるだけだ」
从#゚∀从「……」
从;゚∀从「だな」
てくてく歩く。
これでハインも黙って私の後を付いてくるだろう。
私の言い分に同意したのだからな。
これで話し出したら馬鹿としか……
从 ゚∀从「なあ、クー」
21 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:00:01 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「……」
どう考えても馬鹿です本当に(ry
ハインに顔を向けて話すよう促す。
ハインは周囲を見渡して一言。
从 ゚∀从「なんか音が聞こえね?」
川 ゚ -゚)「音?」
耳を澄ます。
が、何も聞こえないので首を横に振るう。
ハインの気のせいかと一瞬思ったが、私が気付かないだけかもしれない。
なので音について聞いてみた。
川 ゚ -゚)「どんな音がするんだ?」
从 ゚∀从「んー、機械の作動する音っていうか電子音っていうか?」
川 ゚ -゚)「ふむ」
再度耳を澄ますが何も聞こえない。
そう、何も聞こえないのだ。
川;゚ -゚)「ちょっと待て」
23 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:04:00 ID: qSWJWXfo0
思わず立ち止まる。
从 ゚∀从「お?やっぱクーもあの音が聞こえたか?」
川;゚ -゚)「いや、聞こえない。
ハインの言う音はおろか、普段この時間帯に聞こえるはずの音すら聞こえない。
これではあまりにも静かすぎる」
今の時間は大体17時。
夕日が出ているし、ジョルジュの隠れ家を出た時間から逆算するとそのくらいだろう。
いつもこれくらいの時間帯にバーボンハウスに向かうので、今見てる景色は見覚えがある。
しかし、視覚と聴覚から入ってくる情報が重ならない。
この時間帯は物騒だから警官が巡回している。
警官以外にもごく僅かにだが外に人はいる。
近くにある家から晩御飯の準備をしているはずだ。
なのに何も聞こえない。
そういえば今日は誰ともすれ違っていない。
25 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:08:37 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「K項目『音響』実行」
常時実行している『金属探知』と合わせて周囲を探る。
『金属探知』…動きを見せる金属は何も感知できない。
『音響』…反応あり。「ジー……」という機械音が聞こえるが場所の特定不可。それ以外の目立つ音はなし。
川 ゚ -゚)「ハイン、何かおかしい。念のため戦闘準備をしろ」
从 ゚∀从「……オーケイ」
上位項目『COOL』スタンバイ……残り30秒。
ただ、今どんな状況なのかいまいち把握できていない。
川 ゚ -゚)「ハイン。音が聞こえると言ったよな?どこから音が聞こえるか分かるか?」
从 ゚∀从「んー、それがあちこちから聞こえるからよく分からないんよ」
川;゚ -゚)「そうか……………いや、待てよ?」
1つの可能性が浮上する。
静かな空間、あちこちから聞こえる機械音。
もし私の考えた通りのことだとしたら……。
26 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:11:11 ID: qSWJWXfo0
川;゚ -゚)「ハイン、バーボンハウスまで走るぞ。ついてこい」
走り出す私。
从;゚∀从「ちょ、いきなりどうした!?」
慌てながらも私に追い付き、並走するハイン。
川;゚ -゚)「私が外に出ない2日間、私の通勤路にvipperが襲撃の準備をしてたかもしれない」
簡潔に私の考えを説明する。
从#゚∀从「手前!あれほど尾行をまけと言っただろーがっ!!」
川;゚ -゚)「最終的には上手くまいてる!だが途中までバレるのは仕方ないだろ」
文句を垂れるハイン、反論する私。
从#゚∀从「開き直るなサイボーグおばさん!!」
川#゚ -゚)「サイボーグもおばさんも言うなって忠告したはずだぞ低能パンダ!!」
从#゚∀从「んだとぉ!!!!!111」
27 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:15:05 ID: qSWJWXfo0
川;゚ -゚)「……ん」
走りながらも一呼吸吐き、冷静さを取り戻すようにする……よし。
川;゚ -゚)「ともかくバーボンハウスまで急ぐぞ。あそこならvipperも攻撃してこないからな」
从#゚∀从「……オーケイ。そこに着いたら雌雄決してやんよ」
川;゚ -゚)「言いたいことは分かるがもっと上手い言葉を使え。私たちは両方雌だ」
とにかく走る。
あれが置かれてるとしたら正直ヤバい。
vipperまで待ち伏せしてたらさらにヤバい。
急いでバーボンハウスに行こう。
あそこに立てこもって策を練るのもいい。
そうして私たちはT字路を左に曲がり、
それを見つけてしまった。
29 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:19:12 ID: qSWJWXfo0
从 ゚∀从「……何この箱?冷風機の類?でも何でこんなところに?」
道のど真ん中にそれはあった。
「じー……」という機械音がそれから聞こえる。
それを1機でも見たら100機あるものと思っていいだろう。
私の考えが見事に当たっていたということか、やれやれ。
上位項目『COOL』実行。
从 ゚∀从「んで、これって一体なんなのかねー?」
川;゚ -゚)「ちょ、不用意に近づくな馬鹿者!!」
从 ゚∀从「何だよ?こんな箱ごときに何ビビって……っ!!」
私と話してたハインは言葉を止める。
正確には止めさせられた。
ハインの顔面に向けて飛来してきた石ころによって。
敏感に察知したハインは何とか回避したが。
川;゚ -゚)「大丈夫かハイン?」
30 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:22:50 ID: qSWJWXfo0
从;゚∀从「オーライ、かすっただけだ。しかしクーよ」
川 ゚ -゚)「なんだ?」
从#゚∀从「……気配感じたか?」
川 ゚ -゚)「……いや。感知系項目のどちらにも引っかからなかった。おそらくは」
从#゚∀从「これか?」
ハインは道のど真ん中に腰を下しているそれを指さす。
私は首を縦に振る。
从#゚∀从「どうやって石を飛ばしてきたんだ?
今すぐぶっ壊したいが、下手に手を出せなそうだしなぁ。
クー、これは何なんだ?」
川 ゚ -゚)「それは……」
川 ゚ -゚)「戦闘支援AIの端末だ」
31 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:27:13 ID: qSWJWXfo0
从 ゚∀从「端末?」
川 ゚ -゚)「通常、戦闘支援AIは端末を用いてマニュアルを使用する。
端末というのはマニュアルを使えるように作られた物だ」
从 ゚∀从「つまりこれも戦闘支援AIということか?」
川 ゚ -゚)「いや、戦闘支援AIとは別物だが……説明するのが難しいな。
AIは端末を束ねるホストコンピュータみたいなものなんだよ」
从 ゚∀从「イミワカラン」
川 ゚ -゚)「むぅ……。
例えていうなら、AIは頭で端末は手足みたいなものなんだ」
从 ゚∀从「つまり?」
川;゚ -゚)「物分かりの悪い奴だな。つまり……」
lw´‐ _‐ノv「AIからの命令がなければ端末は動けないんだよ」
川;゚ -゚)从;゚∀从「「っ!!」」
32 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:30:47 ID: qSWJWXfo0
lw´‐ _‐ノv「端末はマニュアル専門機。
マニュアルを使うことができても外部から命令がないと動けないし、状況の判断等が出来ない。
ただ、端末はAIと比べると比較的簡単に作れる部類。
だからAIが端末に命令を出してコントロールする」
从;゚∀从(クー……お前さ、こいつが近づいてくるのを察知できたか?)
川;゚ -゚)(いや、できなかった)
ひそひそ話す私とハイン。
いつの間にこの女性は近づいてきたのだろう?
女性は私たちが警戒してるのも構わず説明を続ける。
lw´‐ _‐ノv「そうしたほうが簡単に物量的な戦力増加を図れるから、端末の生産ラインが確立した。
で、諸事情によりここに端末が置かれてるってわけ。
説明おーけー?」
川;゚ -゚)从;゚∀从「「……」」
lw´‐ _‐ノv「……。せっかく空気読んで、わざわざ説明するために出てきたのにこの沈黙は何?」
……空気読めてないだろ。
34 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:34:58 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「こほん……で、キミは何者だ?vipperか?」
銃を取り出し女性に向けながら質問する。
しかし女性は怯む様子も見せない。
うーん……最近は弾丸を避けるvipperもいるから、この女性もその類か?
lw´‐ _‐ノv「違うよCOOL。そもそも私は人間ですらないし」
川 ゚ -゚)「そうか。つまりキミは……」
人間ですらない。
クローン人間というカテゴリーであるvipperですらないということか。
ならばこの女性の正体はそういうことなんだな?
川 ゚ -゚)「問う。キミはAI『SURREAL』か?」
lw´‐ _‐ノv「おー、理解力があって嬉しいね。流石はCOOL、ということかな?」
35 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:39:04 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「なるほどな」
納得したところでSURREALに向けて発砲する。
しかし仮にも戦闘支援AIだ。当たることはないだろう。
が、AIの特性を見るためには必要なことだ。
戦闘支援AI『SURREAL』。
その特性は謎に包まれている。
SURREALの特性を理解してる奴なんて製作者以外誰もいないと思う。
同化前にクーがSURREALを見たことあったが、理解しようと思わなかったから軽く目を通した程度だった。
あのとき、詳しい資料を見せてもらえばよかったと思う。
まさしく後悔先に立たず、だな。
予想通り、SURREALに弾丸が当たらなかった。
弾丸はSURREALの真横の電柱に当たった。
明らかに狙ったポイントよりずれているので、おそらくはマニュアルを用いて弾丸を逸らしたのだろう。
lw´‐ _‐ノv「……」
川 ゚ -゚)「……ふむ」
ただ、神経間の電気信号速度を速めてSURREALの動きを見ていたが、何をやったのか正直理解できなかった。
SURREALに向かってた弾丸は当たる瞬間に消えたようにも見えた………電気信号速度を速めても視認できなかった。
テレポートでも使えるのか?
36 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:43:01 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「……ふむ。ハイン」
从 ゚∀从「何だ発電所?」
川 ゚ -゚)「ちょっとこいつの足止めをするからキミはもうどこかへ行け」
ぶっちゃけハインとSURREALをぶつけて逃げ出したかったが、多分火力の差でハインは負けるし、上手く逃げきれるとも思えない。
やれやれ、楽にいきたかったのだが……私もつらい立場だな。
从#゚∀从「おいおい、せっかく素晴らしいことが起こりそうなのにオレだけハブられるってどういうこった?」
川;゚ -゚)「キミには範間の血でも流れてるのか?
まあ邪魔だから消えてくれ。
キミでは手に余る」
从#゚∀从「あ?なんか言ったか?」
川 ゚ -゚)「言ったよ。どこかへ消えろ」
从#゚∀从「……」
川 ゚ -゚)「そんなに見つめるな。照れるだろ」
从#゚∀从「照れるなボケ!!」
37 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:47:01 ID: qSWJWXfo0
从;゚∀从「はぁ……もういいや。何かお前といると疲れるわ」
川 ゚ -゚)「そうか」
从;゚∀从「もうお前等で勝手に乳繰り合ってろバーカ」
私たちから離れてどこかへ行こうとするハイン。
そんなハインを私は呼び止める。
川 ゚ -゚)「おい逆バーロー」
从;゚∀从「何だおばs……お姉さん」
川 ゚ -゚)「……まあいい。これを持って行け」
私はハインにP226を投げて渡す。
ハインは片手でそれをキャッチする。
从;゚∀从「で、なんだこれ?」
川 ゚ -゚)「銃だ。武器は多い方がいいだろ?」
从 ゚∀从「……」
川 ゚ -゚)「気をつけろよ」
从 ゚∀从「お前もな」
38 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:51:00 ID: qSWJWXfo0
そうしてハインはこの場を立ち去った。
本当にハインがこの場に残らなくてよかった。
川 ゚ -゚)「……ふぅ」
lw´‐ _‐ノv「何故銃を渡したの?」
SURREALが私に質問してきた。
しかし、その質問か……そんなの決まってるじゃないか。
川 ゚ -゚)「そもそもキミには銃が効かないだろ……最近そういう奴ばかりしか会わないからウンザリだよ。
それに端末以外にも私たちの周りでゴキブリの気配を感じたんでな。
そいつらの対処にも銃は必要だろ?」
lw´‐ _‐ノv「……」
SURREALが現れたあたりでゴキブリの気配を感じ始めてた。
何度殺しても現れるからゴキブリは好きになれない。
いくら品種改良されてるからって頑張りすぎじゃないか?
まあゴキブリの対処はハインがやってくれるだろうが……やれやれ。
川 ゚ -゚)「いくら私と言えどもキミを相手にして、さらにゴキブリの相手もするのは願い下げる」
lw´‐ _‐ノv「……vipperと呼んであげないと彼ら、泣くと思うよ?」
川 ゚ -゚)「勝手に泣けばいいだろ」
39 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:54:23 ID: qSWJWXfo0
lw´‐ _‐ノv「まあいいや。とりあえず貴方のメインユニットをくれ」
川;゚ -゚)「くれてやるわけないじゃないか」
lw´‐ _‐ノv「……平和的な解決策はないのか。
嗚呼、なんと醜い世の中になったのだろう。
ここは本当にVIPか?まるで地獄じゃないか!!」
川;゚ -゚)「コラコラ」
地獄を作り出してる張本人の1人が言うセリフじゃないだろ。
そもそも「くれ」と言われても無理な相談だというのに。
lw´‐ _‐ノv「おーけー。なら貴方を壊して奪うよ」
川 ゚ -゚)「……」
SURREALはそんなことを言うが棒立ちで私と向かい合ったままだ。
私の出方を見極めようとしてるのか?
まあどのような理由があっても私自身、接近しないことには攻撃できないから、SURREALに向かって走り出す。
41 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 03:58:16 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)「いくぞ。『対遠距離射撃・砲撃』『軍格闘術』実行」
lw´‐ _‐ノv「おーけー。端末命令……項目『扇』30%実行、および『造』50%、『束』20%実行」
43 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 04:01:26 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)の性能
C0.『金属探知』……これで動く金属(弾丸や武装した者)を感知。射程は50m。
『COOL』実行中なら最大500mまで射程を伸ばすことができる。
C1.『対遠距離射撃・砲撃』……電磁場を用いて飛来する金属の軌道を逸らす。『COOL』実行中なら電撃で迎撃することも。
C2.『軍格闘術』……筋肉(主に義手・義足の人工筋肉)に電流を流すことによる肉体活性、またデータバンクから瞬時に戦闘知識を引き出す。
『COOL』実行中でも性能はあまり変わらず。
C3.『COOL』……体内にあるCOOL本体の稼働率を80%ほどにする項目(普段は20%以下)
100%にできなくもないが、すぐに熱で脳がやられてしまうため少し抑えている。
80%でも熱で影響が出るが10分程度なら内蔵冷却装置で何とかやっていける。
C4.『鉄槌』……複合項目。『対遠距離射撃・砲撃』『軍格闘術』を組み合わせ、義手または義足に電流を奔らせる。
『COOL』実行中のみ可。
高電圧のため使用後はボロボロになるが、威力は絶大。レールガンの真似事もできる。
C5.『神罰』……??????????
C6.『徴収』……データのハッキングを行う。電子式のロックの解除やAIのマニュアルのコピーもできたりする。
『COOL』実行中のみ可、特殊項目。
44 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 08/01/01(火) 04:05:00 ID: qSWJWXfo0
川 ゚ -゚)K項目
K1.『音響』……ソナーのようなもの。
空気中の振動で対象を感知。
射程は特に存在しないが、長距離、遮蔽物のある地形などで確度が低下する。
K2.『音波』……怪音波。
脳を刺激して相手を怯ませる。
が、クーの脳も刺激されるので使い勝手は最悪。
……KURUUなら問題なかったが。
K3.『衝撃』……局所的に空気を振動させて衝撃波を放つ。
攻撃対象との距離があればあるほど威力は落ちるが、近距離での破壊力は車体を浮かすほど。
地面に衝撃波を放って加速するという使い道もある。