3 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:27:11.24 ID: O5sjcq/70
「狼に食われる前に処分してしまおう。
赤頭巾が邪魔をするなら赤頭巾も殺してしまおう」
从 ゚∀从 〜赤頭巾3〜
5 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:32:14.72 ID: O5sjcq/70
おい、覚悟はできてんだろーな?
『覚悟、か。こんなことをしてたのだから罰を受ける覚悟はできてるさ』
ほーぉ?それはいい心がけだなオイ!!
『ただ1つだけ未練があるんだ。だから君に託していい?』
あぁん?
『いままでの研究データを君に渡す。君が研究を引き継いで、ある人物を助けてほしいんだ』
……なんでオレがそんなことをしなきゃならねえんだよ?
『……』
……
…………
7 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:36:01.80 ID: O5sjcq/70
………………。
从 ‐∀从「……」
「それ、マジなのかっっ!!!?」
从;゚∀从「うわっ!」
隣の部屋からの大声で飛び起きてしまった。
さっきの大声はジョルジュか?
耳を澄ますとジョルジュの他に2人分の声色が聞こえる。
そっちはクーとロマネスクだろうな。
从 ゚∀从「……あー」
夢見も最悪なら寝覚めも最悪だ。
おかげでムカつきMAX。
隣の部屋に足を向ける。
从 ゚∀从「おはよーさん」
_
(;゚∀゚)「あ、起きたかハイン」
(;ФωФ)「おおハイン。今、クーが重大な事実を話してたところだ。とりあえずここに座るのだ」
川 ゚ -゚)「ってか今は夜だぞ。おはようはないだろ」
12 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:39:02.78 ID: O5sjcq/70
三者三様にオレに声をかけてくる。
その声を全てスルーしてジョルジュの方へ向う。
_
(;゚∀゚)「ん?どうした?」
从#゚∀从「死ね。氏ねじゃなくて死ね!!」
_
(; ∀ )「へぶっ」
オレの眠りを妨げた罰として腹を殴った。
ジョルジュは腹を押さえてうずくまった……いい気味だ。
用を済ませるとオレはさっきまでいた部屋に戻ろうとする。
(;ФωФ)「お、おいハイン。ここに座ってクーの話を聞くのだ」
从#゚∀从「話?でもそんなの関係ねえ!!」
さっきまでの部屋に足を踏み入れ、ドアを閉めた。
生憎、今は話を聞く気分じゃないんだ。
さて、もう一眠りするかな。
15 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:42:54.22 ID: O5sjcq/70
ソファーの上に横になる。
しかし、ばっちり目が覚めてしまったので眠れない。
从#゚∀从「……ジョルジュめ」
あの野郎、もう2、3発殴っておけばよかったか?
でも、面倒だからやめとく。
从#゚∀从「あー……でもイライラするなぁ」
なかなか気分が収まってくれない。
なので、そこらへんに転がっている酒瓶を手に取り、中の酒を一気飲みする。
少しだけ落ち着いた。
しかし睡魔がやってこないな。
しょうがないからぼぉーっとすることにした。
从 ゚∀从「……はぁ」
18 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:46:55.92 ID: O5sjcq/70
从 ゚∀从「……」
「……そんなのありかよ?」
「実際あったんだからありなんだろう?」
「まあ……今後どうするか決めておかないとな。できればクーがあと1機壊してくれると助かるのだが」
「私に期待するなよ」
从#゚∀从「会話うぜえ」
人より五感が優れていると何かと疲れる。
色んな物事に反応してしまって休みたくても休めない。
耳栓もないし鼓膜破るって手もあるんだが、すぐ治ってしまうので意味がない。
こういうときは周りが気にならないくらい夢中になれる物があればいい。
从 ゚∀从「まあ、そんな都合よく夢中になれるものなんて見つからんよなー♪……おや?」
床に面白そうなものが置いてあった。
案外都合よく見つかったりした。
20 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:49:56.70 ID: O5sjcq/70
从*゚∀从「これは……クーの日記か。よーし、パパ日記読んじゃうぞー」
オレたちは女なので一緒の部屋に寝ている。
だからクーの私物もここに置いてあるのだ。
オレの体をソファーからクーの布団に移し、日記帳を開く。
从*゚∀从「wktkしてるぜクーさんよぉ!」
クーの秘め事やら恥ずかしい体験とか書かれてたらいいな。
そうすればあの鉄仮面を滑稽な顔に変形できるのだがな。
どれどれ?
从;゚∀从「…………………うわぁ」
書いてある内容はクーらしい鬱文章だった。
22 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:53:03.61 ID: O5sjcq/70
『○月×日
私は彼女を殺した
しかしこの件は法で裁かれることはないだろう
何故ならば、この件は私の世界でのみの殺害なのだから
一個人のみで完結する犯罪に社会を縛る法がしゃしゃり出てくることはない
しかしながら、それでも私は罪の意識に苛まれる
故にこのノートを用いて告解しようと思う』
从;゚∀从「はぁ、こんなことしか書けないのかねー?」
1文字1文字にクーの感情が染み込んでいるのか、オレのテンションも下がる。
まあ、それでも面白いので読み続けるが。
从;゚∀从「しっかし本当に馬鹿だなあの女も……ん?」
クーの日記に気になる記述を見つけた。
24 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:55:57.06 ID: O5sjcq/70
『△月◇日
研究所を抜け出した私は前もって決めていた逃走先に行ってみた
このままVIPから脱国しようとも考えたが身体のダメージを考えて却下した
とりあえずは傷を塞いでからだ
そうしてショボンに会い、治療してもらった
……これが7ヶ月前の出来事だ
私は今、ショボンが経営しているバーボンハウスで働いている
治療が終えた後、私はすぐ彼に働かせてもらえるよう頼んだ』
从 ゚∀从「ショ……ボン?」
ショボンがバーボンハウスを経営してる?
あいつってVIP研究所で働いてなかったっけ?
それとも名前が同じだけの別人か?
从 ゚∀从「まさか、な」
川;゚ -゚)「何を読んでるんだキミは?」
25 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:00:18.27 ID: O5sjcq/70
从 ゚∀从「……」
川;゚ -゚)「やれやれ、私の日記を読むなとあれほd「なあ、クーよ」从 ゚∀从
川 ゚ -゚)「ん?なんだ?」
从 ゚∀从「ショボンってどんな奴なんだ?」
川 ゚ -゚)「ショボンか?
ショボーンという顔つきで体格はまあ良い方だな。
落ち着いていて頼りがいのある男だ。
私の義手や義足の世話をしてもらって本当にありがたく思ってるよ」
从 ゚∀从「??……義手、義足って?お前ちゃんと手足ついてるじゃん」
川 ゚ -゚)「私の腕や足は作り物だよ。
骨のような義手、義足を取り付けてHT酵素というもので肉付けしてもらってるんだ。
まあ見た目は普通の手足だが、電気が流れやすくなってる、痛覚がない等、普通じゃないんだよ」
从 ∀从「……」
なるほどな、今の話でよく分かったぜ。
さっきのショボンというのは、やっぱあのショボンというわけだな。
26 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:04:02.14 ID: O5sjcq/70
从 ゚∀从「なあクー。話は変わるが、オレ何歳に見える?」
川 ゚ -゚)「ん?二十歳前後じゃないか?結構若く見えるが」
从*゚∀从「く……は…はははハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \」
从 ∀从「これでもまだ10歳なんだぜ?笑っちまうだろ?」
27 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:05:59.35 ID: O5sjcq/70
川;゚ -゚)「……大人びてるってレベルじゃないだろ。どう見ても二次性徴終わってるんじゃないか?胸はないが」
うるせえよ。
クーの腕を引っ張り倒す。
そしてクーの上に馬乗りになる。
从#゚∀从「体をいろいろ弄られたせいで肉体年齢は二十歳くらいまで成長したんだってよ。
コンソメスープやらのヤクで身体能力もvipperのそれなんだと。
コンソメスープとは別の様々なヤクをやったおかげで体内にHT酵素ってやつが生成できるようになったんだと!
誰がこんな体にしたと思う!!」
川 ゚ -゚)「……」
あーあ。
あいつはてっきり、まだVIP研究所で働いてるもんかと思ってたのにな。
从 ∀从「あのとき、せっかく見逃してやったのにショボンの野郎……。
もういいや、あいつ殺そう」
あの研究所をやめたのなら俺との約束もパーということか。
ただ殺すだけではだめだ。
オレの知りうる全ての苦しみを与えて殺そう。
手始めに鼻を大根おろしで全部擦るか?それとも足から輪切りのソルベ君になってもらうか?
28 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:08:27.67 ID: O5sjcq/70
川 ゚ -゚)「……なるほど。HT酵素の“HT”とはキミの名前から来てたのか」
そうらしい。
オレの体内で初めて確認されたから、“ハインリッヒ高岡”から頭文字をとって“HT酵素”。
その酵素は傷ついた細胞を復元するらしい……詳しくは知らないが。
そしてその酵素を研究はショボンが行っていた。
“HT酵素”でクーの義手、義足の世話をしている“ショボン”。
これだけ揃っていれば別人ということはないだろう。
川 ゚ -゚)「で、ショボンを殺すと言ってたがそれはちょっと待ってほしい」
从 ∀从「なんでさ?」
川 ゚ -゚)「私が怪我した時に治療できるのはショボンしかいない」
从#゚∀从「でもそんなの関係ねえ!」
川 ゚ -゚)「それにショボンはたまに何かの研究をしている。
あの研究所ではお偉いさんの要望もあって、頭が吹っ飛んでるような研究しかできない。
あそこから離れて、細々とだが研究しているのなら、私はショボンの研究内容を見てみたい」
一研究者として、とクーは締めくくった。
しかし研究だと?
もしかしてショボンはまだオレとの約束を守ろうとしているのか?
29 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:11:54.53 ID: O5sjcq/70
とりあえずあいつに会わないことには分からない。
从 ゚∀从「なあクー、明日ショボンに会わせてくれないか?」
川 ゚ -゚)「それは無理だ」
从#゚∀从「なんでさ?」
川 ゚ -゚)「明日からの2日間、定休日だ。
その間ショボンは色々やってるっぽいから邪魔をしたくない」
从 ゚∀从「じゃあその後でいいから会わせてくれ」
川 ゚ -゚)「ショボンを殺さないなら会わせてもいいぞ」
从 ゚∀从「じゃあそれで」
川 ゚ -゚)「??妙に物分かりがいいな?……まあ、把握した」
ショボンに会わせてもらう約束をした。
さて、後でジョルジュに外出許可をとるか。
30 名前: ◆pGlVEGQMPE Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:14:17.77 ID: O5sjcq/70
川 ゚ -゚)「で、ハイン。そろそろ言わせてもらいたいのだが」
从 ゚∀从「ん?」
川 ゚ -゚)「どいてくれ。重い」
从#゚∀从「……」
年頃の女の子に重いとか言うな。
ムカついたのでレズることにした。
从*゚∀从「KU☆RA☆E☆このムネ野郎!」
川;゚ -゚)「私は野郎ではないし百合の趣味は……って聞け、白髪女!!」
从*゚∀从「アーアー聞こえなーい♪」