2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:27:47.52 ID: NGZDbswSO
四季折々の色を織り込む着物に下駄に下着に櫛にやがて染み込む命の素がそれを浮世に鮮やかに、儚げに。

まずそれは光を取り戻し浮世に固定する。次に形を造りだし意味を持たせる。仕上げには色を織り込み命を染み込ませる。

内藤が担う仕事はその最後、嫌が応でも重荷が絶えない役目だった。

( ^ω^)は色織のようです

 

3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:29:44.41 ID: NGZDbswSO
「拝啓お兄様、お元気でせうか。
こちらは何事も無く日々をつつがなくすごしておりますわ。
詩を詠み茶を頂き礼儀作法を師に学ぶ。内藤家の長女として余す事無く退屈を頂いております。

退屈。えぇそうね、お兄様がそちらに出向かれてから私は退屈を持て余していますわ。血の繋がらない妹を相手に欲望の限りを押しつけてくる浅ましい男でも、居なくなると淋しいものね。

お腹が乾いてきそうですわ。

 

 

7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:32:37.24 ID: NGZDbswSO
この文を叔父様に見つけられたくないのなら、早く帰っていらっしゃることね。私は清書を書く前にちゃんと下書きをするの。内藤家の長女として恥ずかしくないよう保管しておくのよ。

分かったら早々にお仕事を始末して早く私を退屈から解放て下さるかしら。お待ちしておりますわ。

草々、最近月のモノが来ないのです。お兄様は男の子がいいですか?それとも女の子?まぁお兄様程の助平なら聞くまでもないわね。」

 

 

8 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:34:56.89 ID: NGZDbswSO
内藤は手紙を折り畳み懐に入れると密やかにため息を吐いた。

( ^ω^)「全く初物の癖にして何て手紙を書くんだお…」

思わず一人ごちたそれは隣にいた奇妙な格好をした男にも聞こえていたようで

<ヽ`∀´>「ホルホルホルッッ、お嬢は相変わらずらしいニダね。楽しくて結構結構」

奇妙な笑い声をあげ茶々をいれられた。

( ^ω^)「兄を苛めるのが楽しくてたまらない妹なんてどこかにくれてやりたいお」

<ヽ`∀´>「そんな強がりを言っても無駄ニダ。お前のシスコンぶりは世織の国の端から端まで知れ渡ってるニダ」

 

11 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:38:30.35 ID: NGZDbswSO
図星だ。世織の端から端まで知れ渡ってるかどうかはともかく内藤は継母が連れて来たわがままで気性の荒い妹が可愛くて可愛くて仕方がなかった。

( ^ω^)「そうだね、降参だよ。帰ってから苛められるのも堪らないし、そろそろ仕事を始めようか」

内藤はそうニダーに声を掛け立ち上がり広げてあるふろしきから仕事道具を手に取った。

針と糸。それ自体にさしたる重量などあるはずも無いのに内藤にはどうしようも無く重く思えた。

 

13 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:41:08.96 ID: NGZDbswSO
この屋敷はとてつもなく広い。それに比例して廊下の奥行きもどうしようもないほど長くなる。内藤は歩きながらニダーに今回の依頼の概要を確認した。

( ^ω^)「今回の依頼者は荒巻氏、内容は無色に襲われた娘さんの色付けだけ、ということは娘さんはもう拘束してあるんだおね?」

<ヽ`∀´>「あぁそうニダ。娘さんは無色共に酷くやられたみたいでな、「色」どころか「形」「光」まで奪われていたニダ。だから文屋や彫師まで呼ばなきゃならなくなったニダ。その際に彫師の奴に拘束されたみたいだな」

 

14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:42:30.70 ID: NGZDbswSO
( ^ω^)「それは十全。しかし何でわざわざ僕みたいな辺境に住んでる色織に依頼してきたんだお?こちらになら色織なんて幾らでもいるだろうに」

 首を、傾げる。既に娘さんが無色になってから一月は立つと聞く。人の親ともなれば実の娘がそんな酷い目に遭っているのにそんなに長く待っていられるだろうか?

<ヽ`∀´>「こちらの色織には既に何回か依頼したみたいニダ。でも来る色織みんなが娘さんを見るなり辞退してしまったそうニダ。まぁそんな厄介な代物でもなければ俺達に依頼してくる訳無いがな」

 

16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:43:37.42 ID: NGZDbswSO
軽く言ってくれるがこれは大変な仕事になりそうだと内藤は予感した。

<ヽ`∀´>「まぁウリ達の腕なら楽勝ニダ。ホルッホルッホルッ」

(;^ω^)「そりゃあニダーは今回はやる事もないから気楽でいいお…」

軽口を叩いてる間に目的の部屋の前に着いた。

<ヽ`∀´>「そりゃあどうかな。存外俺の仕事もできるハメになるかもしれんニダ」

不吉な事を言いつつ襖を開く。内藤家十一代目世継、内藤境「ナイトウ サカエ」の仕事が始まる。

 

17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:44:55.00 ID: NGZDbswSO

先ず一目見てそれは完璧な造形だと知れた。元の姿と瓜二つという意味ではなくむしろ今の彼女のほうが完璧な姿であるかの様な…

( ^ω^)「これをやったのはどこの誰ですか荒巻さん……」

普段見せる頼り気ない雰囲気はもうなく、まして静かな怒りさえ感じられる。

/ ,' 3「それが分からないのです……ここに来て娘の「形」を取り戻してくれた彫師の方は最後まで名前も明かしてくれませんでしたから…」

かなり憔悴した表情で荒巻氏は語る。

 

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:49:05.49 ID: NGZDbswSO
<ヽ`∀´>「なんてこった、これじゃそんじょそこらの色織じゃ手も足も出ない筈だ。何でそんな怪しい奴に彫刻なんか任せたニダ」

 軽口を叩く様でいてやはりニダーも怒りを覚えているようだ。自然、口調が荒くなる。

/ ,' 3「誰も引き受けてくれる彫師が居なかったのです……文屋さんの名前を出すとみんな逃げるように『自分には手が負えない』と」

( ^ω^)「そこまでの腕利きに物書きを頼んだんですかお」

/ ,' 3「えぇ……娘にはなるべく苦労をかけたくなくて、なるべくなら娘の全てを取り戻してあげたいと思いまして、「毒島毒男」さんに「光」を取り戻してくれる様依頼しました限りです」

 

26 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:50:38.34 ID: NGZDbswSO

( ^ω^)「ドクオですか……なるほど並の彫師じゃ逃げてく筈ですお」

少し嬉しげに内藤は呟いた。

/ ,' 3「どうやらお知り合いで…?」

( ^ω^)「えぇ、学士時代からの旧知ですお。あいつは昔から考えなしに物書きをやりますからね、どうせ今回も娘さんの境遇に涙して猪突猛進ひたすら文を詰め込んだんですお、後の事も考えずに。全く申し訳ない」

/ ,' 3「いぇ、こちらが頼んだ事ですし、毒島さんは最高の仕事をしてくれました」

 

27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:54:22.82 ID: NGZDbswSO
 文屋とは「光」を取り戻す職業の一つを指してそう呼ぶ。「光」を失い浮世に散乱したモノの情報を集積して文章として入力するのが役目だ。毒島毒男はその文屋の中でも天才と呼ばれる程の腕前だった、ただし「盲目の天才」と。

 そう呼ばれる謂れはドクオの物書きに対する姿勢にあった。

 

28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:55:22.53 ID: NGZDbswSO

 本来文屋は「光」を取り戻す、「存在」を確定させる最低限レベルの情報を入力すればいいとされている。しかしドクオはその対象が「人」であるとなったらその「人」の情報を最大限に集め入力した。

 それは浮世にある限りだけではなくその情報からドクオが想像出来るだけの膨大な情報量を物語として。

 何故そんな事をするのか、文屋の誰もがドクオに聞いたが本当はみんな分かっていた。

 その「人」を欠けさせたくないからだと。

 

32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:56:40.57 ID: NGZDbswSO
 「無色」に襲われた「人」は皆「無色」になってしまう。「色」「形」「光」程度の差はあれど皆それらのいずれかか全てを失い「無色」と化す。

 「無色」がどこから来たのかいつ表れたのかは誰も知らない。彼らはどこからともなくいつの間にか表れて自然と人間の脅威になった。

 

34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 22:57:38.54 ID: NGZDbswSO

 彼らが全てを奪い尽くす前に人間にも対抗手段が出来た。それが「物書き」「彫刻」「色織」などと呼ばれる方法だ。それらが出来た時人々は歓喜した、ようやく全てを取り返す事が出来るのだと。

しかしそう物事は上手くいかないもの。やはり取り戻せるモノにも限界があった。

 元に戻った「人」達はどこか何かしら欠けていたのだ。

 

 

36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:01:48.83 ID: NGZDbswSO
 それは腕だったり記憶だったり、酷い時には命まで失われていた。

 ドクオにはそれが耐えられなかった。

 だから努力した。髪の毛一本足りとも失われない様必死に文章を書き続ける。間違って配分されない様丁寧に物語を綴る。

 物書きは無色になってしまった人達を取り返す最初の工程、情報を集積して固定する役目だからまして責任を感じた。物書きが仕損じれば後の工程がどうしようと取り返す事は出来ないのだから。

 

37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:03:39.32 ID: NGZDbswSO
 必然情報量は多くなり、光を与えられ固定された無色もその強さを増した。ドクオが作りだしたそれは他の文屋のそれと比べて余りにも強大だった。

 無論そんな化物の後工程など並の彫師や色織などに出来る筈もない。自らの実力を読み違えてうっかり引き受けでもすればミイラ盗りがミイラになる。

 そんな始末だからドクオには殆ど「人」相手の仕事が来なかった。

 

39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:04:57.46 ID: NGZDbswSO
 それが今回珍しく「人」相手の依頼が飛び込んできたから張り切ってしまったのだろう。

 増して顔に似合わず情に篤いドクオの事だから荒巻氏に「娘の事を宜しくお願いします」とでも懇願されてしまい火がついた。

 そんな状態のドクオ相手に仕事を引き受けてくれる輩など滅多にいない。

 それを幸いに名乗り出た得体の知れない彫師がさらに事態を複雑にして色織達を遠ざけた結果内藤達にその始末が回ってきたのだ。

 

41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:06:27.55 ID: NGZDbswSO
 内藤は再び柱に拘束されている娘を一瞥する。昏倒している様がまるで御伽話の中の姫君のようで、

( ^ω^)「綺麗だ……いや、綺麗すぎるお… 」

 内藤が手に持つ資料の中にある写真と見比べても何一つ遜色無い、なのに違和感があった。

 いや、それは違和感というにはあまりに輝かしくてむしろ写真の中の娘が偽者であるかの様な。

<ヽ`∀´>「チッ、所々改変されているニダね」

 まるでニダーは汚いものでも見たかのように吐き捨てた。

 

44 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:09:23.52 ID: NGZDbswSO
<ヽ`∀´>「挙げていけばキリが無いニダが顔の輪郭、体の曲線、細部の皺、髪や毛のバランス、どこをどうとってもおかしい程完璧。それも写真の娘さんからイメージが崩れないよう計算済みの彫り方ニダ」

 苦虫を噛み潰した様な顔で娘を睨つけるニダー

<ヽ`∀´>「これをやった奴とは恐ろしく気が合いそうにないね。おそらく生粋のナルシストニダ」

 

46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:10:48.47 ID: NGZDbswSO
(;^ω^)「ニダーがそれを言うかお」

 聞こえないように小声て呟いた。

 彫刻とは本来微妙な作業である。多くの場合物書きの次の工程になりがちなため、光を取り戻した無色相手にドンパチを繰り広げる派手な輩だと勘違いされやすいがそれは誤解だ。

 「意味」を取り戻すということは総じてその「意味」を変えてしまう事も出来るのだから。

 彫師にはある禁忌がある。それが改変だ。

 

50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:13:07.40 ID: NGZDbswSO
 無色に襲われた人が「形」を失った場合、それは同時に「意味」を失うという事だ。

 意味を失い方向性を見失った無色は無差別に人を襲う、とされている。しかも「形」を失っているためこの状態の時の無色は酷くグロテスクだ。大体の人が無色と言葉にする時はこの状態を指している。

 そんな状態から「形」を取り戻すために彫師はいる。「形」を取り戻せば無色は殆ど元の、失われた前の状態へ戻る。「色」と「命」以外は。

 

52 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:14:44.31 ID: NGZDbswSO

 だが彫刻の仕方を間違えてしまえば「意味」もまた違ってくる。物書きが仕損じた時程派手な事にはならないがそれはむしろ残酷な事かもしれない。「意味」を変えてしまうという事は、奪う所か元は無かったものを与えてしまう事だから。

 それを意図して行なおうというのが改変だ。

 

54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:18:46.81 ID: NGZDbswSO
 例えばここに「形」を奪われてしまった美しい女がいたとする。女には夫も息子もいて愛し愛されて幸せを満喫していた。

 故に家族は女を取り戻そうとする。その当時ではべらぼうに高かった彫師への依頼料を無理してでも払って。

 

 

61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:23:23.61 ID: NGZDbswSO
 彫師は高い依頼料の甲斐あってとても腕が良かった。しかし女を元通りにするだけでは飽きたらず増して美しく造りあげようとした。高い料金を支払った依頼者へのサービスでもあったし、自らの腕を見せつけたいがためでもあった。

 そして女の「形」が完成しようとしてた時彫師は気付いた。この完璧な「作品」をどうして他人に渡す事があろうかと。

 彫師は歪んだ愛を女に抱いてしまっていた。

 

62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:24:06.44 ID: NGZDbswSO
 しかし女を夫に引き渡さないでおくなんて事は出来なかった。それは犯罪だ。彫師は臆病だった。

 ならどうすればいい、彫師は考えた。

 そうだ、俺の仕事を、思い出してみろ、俺の仕事は、彫師、意味を、造る者、意味を、変える事の、出来る者、

 そうだ!彼女に!少し細工をして!俺を!俺を愛させればいいのだ!

 彫師は女の心にもう彫師以外愛せないよう刻印を押した。女はもう彫師以外愛せないようになった。

 

 

64 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:24:43.33 ID: NGZDbswSO
 それから少し経って女は家族の元へ戻った。

 それから少し経って女は彫師の元へ戻った。

 女は彫師を殺すと自ら命を断った。

 彫師は一つだけミスをしていた。女の記憶は元のままだった。幸せを奪われた女は幸せを奪った男を愛するが故に殺した。

 愛したくもない憎い男をどうしようもなく愛してしまう辛さを与えて来る憎い男を愛するが故にそれに倍する憎しみを持って女は殺した。

 愛する者を二度と愛せない絶望に女はまた殺した。

 

66 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:27:43.19 ID: NGZDbswSO
 現実はこの彫師の例以上に惨憺たるものだった。

 自らの操り人形を造らんとする者、その人の資産を奪おうとする者、ただ悪意をもって余計なモノを付け足す者。

 やがてそれを諫める彫師と薦める彫師が互いに争うようになるまでそれは続いた。

 結果殆どの文屋や色織達が諫める側にまわった為その抗争は反改変派の勝利となり改変という行為は禁忌となった。

 しかし今内藤の目の前には確かに改変された少女があった。

 

67 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:29:19.14 ID: NGZDbswSO
<ヽ`∀´>「不幸中の幸いかこいつをやった彫師は嬢ちゃんを完璧にする以外興味は無かったみたいだな。これなら性格が少し曲がったくらいでそれも幾らでも治しようがあるニダ」

<ヽ`∀´>「で、どうするニダ。彫刻から始めるか?こういう事もあろうかとそっちの準備もしておいたニダ。多少寸尺は縮むかもしれんがウリに任せれば元通りのめんこい嬢ちゃんに戻してやるニダ」

(;^ω^)「寸尺が縮むのはマズいと思うお、ここは僕に任せてくれお」

 

70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:30:16.90 ID: NGZDbswSO

 ニダーにそう断りをいれてから内藤は仕事の準備をし始めた。

 まず針に糸を通し、それから糸巻きのその逆方向からまた糸を出し、荒巻に声を掛けた。

( ^ω^)「お願いしていた物は準備出来てありますかお? 」

/ ,' 3「もちろんです。おい誰か!用意しておいた物をここに!」

荒巻は軽く手を叩き襖の向こうに声を掛けた。

かしこまりましたと小さな声が響き数分後、西洋風の衣装を着た下女達が大荷物を持ってやって来た。

 

72 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:31:15.63 ID: NGZDbswSO

( ^ω^)「これらが娘さんの…?」

/ ,' 3「えぇ…娘が前々から大事にしてると思われた物はこれで全てです」

着物、宝石、化粧品、食器、人形、何かの写真。まだまだある。それらはとてつもなく高価に思われる物から何故こんな物をと訝しんでしまうような物まで。

<ヽ`∀´>「ホルッホルッホルッ。おっさんも親バカニダな。まぁこんだけあれば今回は間に合うニダ」

 

76 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:34:29.41 ID: NGZDbswSO
(;^ω^)「少しは口を慎んでくれおニダー。申し訳ないです荒巻さん、ニダーは口が悪いもので…」

/ ,' 3「いえいえ、全く持ってその通りですから。…その、これで娘は…?」

( ^ω^)「えぇ、助けます。……万が一の時の為に荒巻さんもここで待機して欲しいのですが」

 荒巻の瞳に力が入る。自然思い詰めたように

/ ,' 3「覚悟しています。娘には小さい時分から苦労ばかりかけてきましたから…こんな時くらい親として出来る限りの事を……」

 そう言い放った。

 

78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:35:28.41 ID: NGZDbswSO

<ヽ`∀´>「そう気を張らなくてもウリ達に任せておけば安心ニダ。なぁ、内藤?」

( ^ω^)「ああ。」

( ^ω^)「色織を、始めよう」

 

 

82 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:36:06.22 ID: NGZDbswSO
 先ず出しておいた糸を娘の想い出の品々に括りつけてゆく。

 一つ一つ丁寧に外れないよう綿密に。

 やがて全てに糸が連なった。

 内藤は感じる、命の輝きを。

 娘が残していったモノ達には確かに掛け替えのない想いが込められている。

 糸の鮮やかさが増してその存在を主張する。

( ^ω^)「さぁ、いくお」

 

83 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:36:28.99 ID: NGZDbswSO

 内藤は静かに白黒の世界に閉じ込められた娘に歩み寄る。

川 -_-)「……」

 荒巻=素直=空

 後に続く「所 葉凡」による最悪の連続改変事件最初の犠牲者だった。

 

85 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:40:41.52 ID: NGZDbswSO
 針は顔面に刺し込まれた。先ずは輪郭から。一刺し一刺しを繊細にしかし迅速に。

 余裕があるとはいえあまり悠長にしていては時間切れになるかもしれない、吹き込める命の総量には限りがある。空の残したモノ達が消えてしまわない内に。

 やがて空の顔色が少しづつ戻って来た。それと共にある変化に荒巻は気付いた。

/ ,' 3「少しづつ空の顔が変わってきている様に見受けられるのですが…」

<ヽ`∀´>「それが内藤の凄い所ニダ。あいつは色を織る合間合間に微妙に皮膚や肉を動かして修正しているニダ」

 

 

87 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:41:37.12 ID: NGZDbswSO

 まるで自らがやったかの事のように誇るニダー。彼は少なからず相棒の色織の事を尊敬していた。

 並の色織に出来る事では無いのだ。普通なら「形」を崩さず如何に時間内に「色」を取り戻すかで必死になってしまう。

 しかし内藤は自ら「形」を修正しかつ鮮やかに「色」を染め上げる。

 凄腕だった。

 

 

89 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:43:49.25 ID: NGZDbswSO
 荒巻は思わず唾を飲み込んで凝視していた。先程の歪んでしまったかの様な完璧な美しさではなくまた荒巻の可愛い「愛し子」がそこには蘇ろうとしていた。

 作業が眼球に移った。鋭く尖った針を黒目の中心に差し込み、引く。自然後から糸がついてきて空の眼球に色を蘇らせていく。本来痛々しいその光景も色織が為すあまりに鮮やかな行為のせいで荒巻には輝かしく見えた。

「オオ…オオ…ワガイトシゴヨ…マバユイバカリニモ……コウフクデアランコトヲ…」

 一筋の涙と共に呟く荒巻の願い。

 しかしそれは歪み曲げられて叶えられる事となる。

 

90 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:44:35.37 ID: NGZDbswSO
 およそ顔全体のパーツが染め上げられ、内藤が上半身の作業へ移行しようとしていた時の事だった。

 突如空の残したモノ達がその「色」を失っていく。それはつまりモノ達が「命」を失っていくということだ。

(;^ω^)「どういう事だ…何故こんな急に「染料」が切れ始めたんだお……!」

 いきなり表れた異変に戸惑いを隠せない内藤。

<ヽ`∀´>「落ち着くニダ内藤。どうやら準備をしておいて良かったみたいニダな」

 腰を挙げて懐に隠し持っていたノミを取り出した。

<ヽ`∀´>「娘さんのお目覚めだ」

 

 

91 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:46:19.17 ID: NGZDbswSO

 静かに目を開き荒巻=素直=空は厳かに言葉を放った。

川 ゚ -゚)「父様以外が私の肌に触るな」

 瞬間拘束具をちぎり瞬く間に内藤の首を目掛けて手を伸ばした。

川 ゚ -゚)「チッッッ」

 しかしそれは届かない。刹那の間にニダーが動き内藤の衿を引きずり投げた。

<ヽ`∀´>「うちの相棒に手ェ出すんじゃねぇよこの三下」

 空の左手にノミが突き刺さっていた。

<ヽ`∀´>「無色拘束用の特注品ニダ。これでもう左手は使えないニダ。ホルッホルッホルッ」

 

95 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:52:51.63 ID: NGZDbswSO
 余裕で高笑いをあげるニダー。だが空はそれに構わずノミに手をかざし

川 ゚ -゚)「フンッ」

 どういう原理によってか触れもせず引き抜いた。そのまま左手でノミを握り締め、投げた。

<ヽ`∀´>「ッッッ!?」
 増して高速で帰ってきたノミを辛うじて叩き落とす。

<;`∀´>「効いて無いニダ…これはどういう事ニダ……」

 そのノミは大抵の無色なら触れただけで全身が動かなくなる程の強力な物だった。幾ら毒島作の無色とはいえ命中した箇所にさえ効かないなんて事が有り得る筈は無い。

 

 

96 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:54:19.56 ID: NGZDbswSO

( ^ω^)「ニダー。空さんは大体どの位弄られてるのかお…?」

ふと内藤が疑問を漏らした。

<ヽ`∀´>「表層的なモノしか改変されて無いハズニダ…確かに改変箇所は多いがそんなに深刻な事態になる程深く彫こまれている場所は無いニダ」

 言葉を交わす合間にも空は攻撃を仕掛けてくる。荷物の中にあった包丁やナイフ、果ては部屋に飾られていた刀までが内藤とニダー目掛けて襲いかかってきた。

( ^ω^)「ハフッ!、ハフッ!…それじゃ、精神的な箇所はどうだお、例えば脳髄ッッ」

 危なげないながら何とか躱していく内藤。

 

98 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:55:34.65 ID: NGZDbswSO
<ヽ`∀´>「!!!それは気付かなかったニダ…まさかこの御時世そこまで狂った奴がいるとは……千里眼!」

 ニダーはそう叫ぶと幾つもの刃が降そそぐ中情けなくも転げ回り自らのふろしきから奇妙な円筒状のフレームをした眼鏡を取り出した。

(;^ω^)「格好悪いからその掛け声やめろお…」

 内藤の呆れた様な声も気にせずニダーは分析を開始した。

 

 

99 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:56:13.25 ID: NGZDbswSO

<ヽ`∀´>「見えるッッ見えるぜ内藤ッッッあのお嬢ちゃんの脳髄の中はッッ酷く掻き回されてるゼエッッッッ!!!!」

(;^ω^)「果てしなくうぜえお…そのまま刀でも刺さって死ねばいいのに…」

( ^ω^)「やっぱり空さんの異変は彫師が原因だったかお。」

 内藤は納得したように一人ごちると踵を返し空に向かった。

( ^ω^)「空さん、もう辞めるお。」

川 ゚ -゚)「何を辞めろと言うのだ、貴方達を殺してあげるのをか?それならば約束してもらいたい。私に二度と触れないと」

( ^ω^)「そういうことじゃないお」

 

101 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/18(木) 23:57:30.22 ID: NGZDbswSO

川 ゚ -゚)「?」

( ^ω^)「荒巻氏を男として愛することをだお」

川;゚ -゚)「ッッ!」

 

105 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:00:04.10 ID: BErJw81UO
( ^ω^)「空さん、今貴方は「形」を歪められて正気を失っているお。その心の中にある荒巻氏への女としての情欲もみんな彫師が造った偽者だお」

川;゚ -゚)「ッッッ!貴様に何が分かる!娘としてしか愛しい男を愛せない私の気持ちが貴様の様な愚物に分かるものかッッ!この気持ちは本物だ!あの人が解き放ってくれた私の全てなんだ!!!」

 

106 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:01:24.23 ID: BErJw81UO

/ ,' 3「空……済まない…私…私は……」

( ^ω^)「荒巻さんは黙っててくださいお」

 

( ^ω^)「これは、ビョーキなんですから」

 

川 ゚ -゚)「貴様アアアアアアアアア嗚呼嗚呼!!!!」

<;`∀´>「ブーン…!お前まさかッ!?」

 内藤の挑発は成功した。空は刃の制御を辞め自ら内藤へ飛び掛かった。そこに糸による陣が敷かれているとも知らずに。

 しかしそれはまた内藤自身の「命」が込められたものだった。

 

107 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:02:44.80 ID: BErJw81UO
<;`∀´>「辞めろ内藤!そんな大物じゃお前ごと逝っちまうニダ!!」

 しかし間に合わない。空はもう陣の枠内に入り込んでしまい内藤はその両手の五指に絡めた糸を一斉に引き上げる!

 

(;^ω^)「お・・・?」

 

 予想していたまるで命が吸い取られていくような感触も、空の突撃による一撃で全てが終わる衝撃もなく内藤は唖然とした。いつの間にか空の姿も消えている

(;^ω^)「どういうことだお…?」

 

108 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:03:47.91 ID: BErJw81UO

 

「こういふことですわ」

 

 襖のほうからまるで鈴の鳴るかの様な声。そこにはさっきまで暴れていた荒巻=素直=空の首を、片手で絞め掲げる色を失った女の姿があった。

ξ゚听)ξ「御機嫌やう、お兄様。お迎えに参りましたわ」

 そこには内藤家長女にして津出家世継十一代目、津出麗子が悠然と存在していた。

 

111 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:07:30.63 ID: BErJw81UO
 麗子は苦しそうに呻く空を一瞥するとまるでゴミを放るかのように軽く投げ飛ばした。

ξ゚听)ξ「相変わらず勝手な人ねお兄様、一体何時からお兄様の命は私に断りも入れずに投げ捨ててよいものに為ったのかしら」

 既に麗子の眼中に空は無く只ひたすら内藤を見つめていた。

(;^ω^)「ツン、君はどうしてここにいるんだお。周りに張って置いた結界はどうしたんだい?」

 悠々とした足取りで内藤に近付いていくツン。途中内藤の周りに敷かれている陣の一部分の糸をつまみ上げ

 

113 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:08:42.89 ID: BErJw81UO

ξ゚听)ξ「食べてしまいましたわ、こんな風に」

 口にした。

 途端陣を紡いでいた糸の鮮やかさが消えていった。だが内藤には何の変わりもない。糸に染み込まれていた「命」だけを吸い取ったのだ。

 内藤には分かっていた、自分の可愛い妹には全く結界など通用しない事を。

 だがそれでも出先から戻るまでには充分な量の「食糧」を用意して置いたつもりだったのだが……

ξ゚听)ξ「さぁお兄様、お腹が乾いてしまってるの。お兄様のそれで満たして頂戴」

 

114 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:09:48.54 ID: BErJw81UO
川 ゚ -゚)「私を無視するな」

 瞬間、気配を消して様子を窺ってたらしい空がツンの首に刀を突き付けた。

ξ゚听)ξ「あら貴方、まだ諦めてなかったのね」

 嘲るように口にするツン

川 ゚ -゚)「諦められるものか!」

ξ゚听)ξ「どうして?」

川 ゚ -゚)「今諦めてしまえば…終わってしまうだろうが……」

ξ゚听)ξ「終わってしまう?何故かしら」

川 ゚ -゚)「それは…願いが叶うのは……今しか無いから………」

ξ゚听)ξ「つまらないわ」

 

116 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:10:33.11 ID: BErJw81UO

 本当につまらなしさそうに口にするツン。空が持つ刀に力が入る。しかしそれは届かない、こんなにも近くに居るのに空の刀はツンの皮膚にさえ触れる事も出来ていなかった。

ξ゚听)ξ「本当につまらない、貴方には少し期待していたのよ。同じ想いを持つ者として」

川 ゚ -゚)「同じ想い…?」

ξ゚听)ξ「えぇ、同じ想い。かたや実の父親を愛する者、かたや義理とはいえ明らかに血の繋がりが見える兄を愛する者。でも貴方には想いが足りない。そんなモノに頼りなければ叶わない願いなど、願いつづける決意がない望みなど捨ててしまいなさい」

 

117 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:11:56.63 ID: BErJw81UO
 それで全てが終わった。空は渾身の力を持って刀を引き、ツンは何事も無かったかの様に振り返り空の心臓を掴んだ。

 体にめり込んだツンの手にまるで何かが吸い取られていくかの様だった。

眠い…もう瞼を開けておくのも億劫だ……だ…けど…最…期に父…様に

川 -_-)「愛…してい…ま…す、父…様」

/ ,' 3「愛しているよ…空」

 最期まで想いが交わる事は無かった。

 

124 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:21:15.00 ID: BErJw81UO
後は全て滞りなくな進んだ。

昏倒したらしい空さんに僕が色織を為し、イサマ…」
ニダーが周辺の掃除や修復をして、荒巻氏はただ呆然と立ち尽くし、
ニイサマ…?」
そしてこの妹はただひたすら僕の邪魔をし続けた。

ξ゚听)ξ「お兄様?聞いていらっしゃって?」

 

129 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/19(金) 00:32:07.00 ID: BErJw81UO

( ^ω^)「あぁ、聞いているよ、ツン」

ξ゚听)ξ「本当お兄様は何を考えているか全く理解できませんわ。今回のこれに懲りたらもう私以外にお兄様の「命」を与えようとなんてなさらない事ね」

今回も妹に助けられてしまう事になった僕からすれば何も言い返せる事など無い。

ξ゚听)ξ「大体お兄様は日頃から危機感というものが…」
( ^ω^)「ツン」 ξ゚听)ξ「ハイ…?」
( ^ω^)「愛してるお」
ξ*゚听)ξ「…助平」

僕らの想いは交わっているだろうか・・・

 

 

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