2 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:15:47.72 ID: j2XPwLAs0
今宵はクリスマスの夜。
カップル達はこれでもかという程に仲の良い所を見せ付けあう。
町にも幸せなムードが漂っていた。あるレストランにいた二人組も例外ではなかった。
( ^ω^)「ツン・・今日は僕等が付き合って二年の記念日だおね」
ξ゚听)ξ「ええ、懐かしいわね・・ブーンに告白された時が」
( ^ω^)「おっおっ!あれはよく覚えてるお!」
ξ゚听)ξ「あの時のブーンは酷かったわね・・どんだけ噛みながら私に告白した事かw」
( ^ω^)「おっ・・それは言わないで欲しいお。緊張してたんだお」
ξ゚ー゚)ξ「ふふっ、幼馴染の前だったのに、ブーンのあの情けない姿・・いつ想像しても懐かしいな」
この二人が付き合い始めたのは、今の発言でも分かるように、二年前のクリスマス。
それは寒い冬だった。
3 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:18:19.39 ID: j2XPwLAs0
ブーンとツンは幼馴染で、小さな頃から仲が良く、よく遊んだ。
( ^ω^)「おっおっおっ!!ツンちゃん!遊ぼうおー!!」
ξ゚ー゚)ξ「いいよーブーンちゃんー!!」
小さな頃はこんな感じで、ただただ楽しく遊ぶ仲だった。
それが中学くらいだろうか。互いに一緒に居るのがなんだか恥ずかしくなって距離を置き始めた。
その時からなのか、ブーンはツンに対して、幼馴染としてではなく、一人の女性としてツンのことを見始めた。
( ^ω^)「・・・・・・・」
ξ゚听)ξ「・・・・・」
だがブーンはその気持ちを中々行動に移すことは出来ず、高校を卒業するまでずっと、ツンとはろくに話せさえしなかった。
ブーンは大学に進学し、ツンと会うこともどんどん少なくなっていった。
新しい友達も出来た。彼らと遊ぶことがもっぱらブーンの楽しみだった。
4 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:20:18.16 ID: j2XPwLAs0
('A`)「なぁ、ブーン。お前、普通に遊ぶ時は必ず来る癖になんで合コンになると、いつも来ないんだ?」
もう大学四年生。就職も決まり、時を待つだけになった彼等。
ブーンと一緒に居るこの男。彼はドクオ。高校時代からの友人で、大学に入ってからも仲が良く、よく遊ぶ仲だった。
( ^ω^)「お・・それは・・」
('A`)「だれか心に決めた人でも居るのか?」
( ^ω^)「・・うん、実はいるお」
('A`)「ホントかよ!?誰なんだよ。ブーン!」
( ^ω^)「多分・・言っても絶対わからないお。僕の幼馴染なんだお」
('A`)「え?幼馴染?」
( ^ω^)「お・・中学の頃からずっと好きなんだお。でも・・告白とかしてないんだお」
('A`)「何でそんなに思っているのに・・告白しないんだ?」
( ^ω^)「勇気がないお・・断られるのが怖いんだお」
('A`)「なんだよ!そんなことでビビッてんのか?」
7 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:22:08.26 ID: j2XPwLAs0
( ^ω^)「お・・」
('A`)「お前、高校時代の俺を見てきただろ?俺は後悔しないため、好きになった子にはいつも告白していたじゃないか」
ドクオの戦歴は五戦五敗。ようは全敗なのだ。
だが、ちゃんと気持ちを伝えているドクオをブーンは凄く羨ましく思っていた。
('A`)「お前がその子を思う気持ちは本物なはずだ。ならばOKでもダメでも少なくとも気持ちはちゃんと伝わるはずだ。そうだろ?」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
('A`)「だから、伝えてみろよ。もう立派な大人なんだからさ」
( ^ω^)「・・・・・・・・・」
( ^ω^)「わかったお。今度会った時、しっかり伝えてみるお」
そして冬。ブーンは無謀にもクリスマスの日、ツンに連絡を取る。
ツンに彼氏が居た場合、もう電話の時点でアウトなのだが。
9 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:24:33.27 ID: j2XPwLAs0
ξ゚听)ξ「あっ・・ブーン。久し振りだね」
( ^ω^)「ホントだお。元気にしてたかお?」
ξ゚听)ξ「もちろん元気だったよ、ブーンは?」
( ^ω^)「僕もだお。今日は話があって、ツンに電話したんだお」
ξ゚听)ξ「えっ・・」
ツンは自分の心臓が一回ドクンと大きな音を立てたのを自分で感じていた。
ドキドキしてる。久し振りに・・そう思った。
( ^ω^)「今日の夜、一緒に食事でもどうかお?」
ξ゚听)ξ「・・・・・・・」
心臓のドキドキは納まらない。むしろ、激しくなっているのが自分でも判るくらいだった。
10 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:27:21.55 ID: j2XPwLAs0
ξ゚听)ξ「えっと・・・」
( ^ω^)「やっぱり・・無理かお?」
ブーンの少し元気の無くなった声に、慌てて反応するツン。
ξ゚听)ξ「だっ、大丈夫だよ!ブーン!今日、楽しみにしてるからっ!」
( ^ω^)「ほ、ホントかお!?(アブねーお。断られてたら予約したレストランドクオと一緒に行くことになってたお)」
ある意味危険なカケだったといえる。
ξ゚听)ξ「そ、それっじゃ!何時にどこへ行けばいいのっ!?」
ツンもドキドキしているせいか口調がおかしかった。
( ^ω^)「七時にラウンジレストランに来て欲しいお!!」
ξ゚听)ξ「ら、ラウンジレストラン!?」
ラウンジレストランは、この町1番の高級レストランとして有名だ。
なんで自分をそんな所にわざわざ招待してくれるのかとツンは少し疑問に思う。
13 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:28:53.87 ID: j2XPwLAs0
ξ゚听)ξ(ブーン・・クリスマスの日にそんなレストランで・・)
ξ///)ξ(もしかして・・私のことを・・?)
まぁ、クリスマスに連絡取ってるくらいだから、半分は既にバレているようなものなのだが。
( ^ω^)「そ・・それじゃあ後でだお!!」
ξ゚听)ξ「え、ええ!またね!!」
二人は最後まで何だか慌てたままで、電話を切った。
( ^ω^)「おっおっ・・ついに勝負の時が来てしまったんだお・・」
ブーンはかなり力んでいる。女の子と初めて二人きり。しかも相手は好きな女性であり幼馴染でもある。
どう伝えればいいんだろうか・・それをずっと考えているだけだった。
15 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: >>14 シッー!! 投稿日: 2007/09/26(水) 18:30:04.16 ID: j2XPwLAs0
( ^ω^)「・・僕は僕なりに、やるしかないお・・」
( ^ω^)「おっ!ドクオに電話しておくお!!」
ピポパポ・・
('A`)「はい、もしもし・・」
やる気の無さそうな声が受話器越しに伝わってくる。これはドクオで間違いはない。
( ^ω^)「ドクオかお!?僕はやったんだお!」
('A`)「ちょwww落ち着け!!何があった!?」
( ^ω^)「聞いて驚くなお!いや、驚けお!幼馴染を今日、食事に誘う事に成功したんだお!」
('A`)「ちょwwwマジかよwwwお前すげーなwww」
( ^ω^)「それだけ報告する為の電話だお!すまないが準備があるからきるお!」
プツッ。
16 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:31:43.37 ID: j2XPwLAs0
('A`)「あいつ・・本当に行動を起こしたのか」
冷静にクリスマスの夜、上手くいったら何が起こるのかドクオは冷静に考えてみた。
('A`)「告白成功→ラブホ→童貞卒業ウマー」
(#'A`)「あいつぅぅぅぅぅぅ!!俺より先に卒業する気かぁぁぁ!!」
まだ上手くいっていないのに、勝手な妄想を繰り広げるドクオ(彼女居ない暦=年齢 童貞)なのであった。
一方ツンは・・
ξ゚听)ξ「本当にブーンに会うのは久し振りだな・・」
ξ゚听)ξ「少しは変わってるのかな・・」
実はというと、ツンもツンで、ブーンに気があった。
中学時代、ブーンが自分から離れていくのが妙に悲しかった。
ブーンという存在が自分にとってどれだけ大事なのかを改めて実感し、それと同時に好意をもっていたことに気が付いた。
17 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:34:58.17 ID: j2XPwLAs0
ξ゚听)ξ「・・私も実は奥手な方だからなぁ。伝えられなかったんだよなぁ。懐かしい」
ξ゚听)ξ「でも・・今日は何かありそうな気がするな」
ツンの心はいつのまにか踊るような感じになっていた。
ξ゚ー゚)ξ「楽しみだなぁ・・」
最初は緊張という言葉しか頭に無かったが、もうその文字は消えている。
ブーンに会える。それだけで充分心が躍った。
ξ゚听)ξ「・・・・・」
自分の洋服ダンスを開く。
ξ///)ξ「折角だし・・勝負下着でもはいていってみようかな・・」
やはりツンも女の子だった。だが、まだ早い気がしないでもないが。
準備を進めていく内に、時間はどんどん過ぎていく。予定の時間の一時間前になっていた。
18 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:37:02.97 ID: j2XPwLAs0
ξ゚听)ξ「あ・・もうこんな時間なのね」
ドタドタと階段を下り靴を履く。
ξ゚听)ξ「おかあさーん!今日晩御飯いらないからー!!」
母親の返事を待たないで、ツンは玄関から飛び出していった。
('、`*川「あの子も色々あるのねぇ・・」
そう言ったが何があるのかは何となく検討がついていたツンの母親は、
ニヤニヤしながら、自転車で走っていくツンの姿を見つめていた。
19 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:39:11.30 ID: j2XPwLAs0
( ^ω^)「もうこんな時間かお・・」
ブーンはまだ家から出ていなかった。いろいろと確認があるからだ。
( ^ω^)「髪の毛セットおk・・髭剃りおk・・歯磨きおk・・服装おk・・」
確認している内に、あっという間に時間は経っていく。
( ^ω^)「やべーお!後三十分しかないお!!」
急いで玄関に出て愛車(原付)「ブーンmk−弐」に乗り、ツンとの待ち合わせ場所に急いだ。
(;^ω^)「遅れたら男としてこれ程情けないことはないお!超急ぐお!!」
ブーンmk−弐がブーンの体重に対し、少し悲鳴をあげているのが何となく分かる。
エンジンの音がなんだかおかしい。だが、これくらいで壊れるほどやわではないのだろう。
なんてったって三年使っていますからね。彼。
21 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:41:38.39 ID: j2XPwLAs0
(;^ω^)「慣性ドリフトだお!」
ギャギャギャという音を立てながら、カーブを曲がるブーン。とても危険な走行だ。
三分後・・
警「ダメだよ〜君、一般道の法定速度は守らないとね」
(;^ω^)「ごめんなさいごめんなさい・・待ち合わせがあるんですお。許してくださいお」
警「そーなの、じゃあここにハンコ押してね〜」
(;^ω^)「ちょ!!僕のエロゲ貸すから勘弁してくださいお・・!!」
警「・・・っ!警察を買収するつもりか!貴様にもう用はない!行け!!」
(;^ω^)「ちょwwwありがとですお!!」
ブーンは一気にmk−弐のスピードを上げて集合場所へ向かっていった。
警「・・くそっ、エロゲと言う単語に心が動いた自分が情けない・・でも感じちゃう!」ビクビクッ
どうやら彼も彼でまともではないみたいだ。
22 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:43:16.65 ID: j2XPwLAs0
(;^ω^)「おっおっ・・!もうすぐでつくお!今何時だお!?」
自分の携帯を一瞬だけ開けてみるブーン。
(;^ω^)「おっおっ!七時五分前・・!!なんとか間に合いそうだお!」
またバイクのスピードを上げ、急ぎに急いだ。
やっとの思いで到着すると、既にツンらしき人物が到着していた。
(;^ω^)「おっ・・・・・・」
ξ )ξ「・・・・・・」
23 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:44:30.07 ID: j2XPwLAs0
後ろを向いているので、ちゃんとツンかどうかとは確認できなかった。
でも印象的な巻き髪が言っている。私がツンだと。
(;^ω^)「ツン!?」
ためしに声をかけてみた。その巻き髪の女性(?)はゆっくりとこっちに顔を向ける・・
ζ´・ω・`ζ「やらないか?」
(;^ω^)「おまwww誰だお!あっちいけお!!」
ζ´・ω・`ζ「声をかけたのは君のほうだろう。やら・・」
ξ゚听)ξ「ブーン!遅れてごめーん!!」
(;^ω^)「おっ!!ツン!!」
ζ´・ω・`ζ「ちっ・・彼女持ちか・・」
妖しげなその男はその場からすぐに消えていった。
その場はすぐに二人の世界になった。
25 名前: ◆gk43jgqTBM Mail: 投稿日: 2007/09/26(水) 18:46:49.03 ID: j2XPwLAs0
ξ゚听)ξ「久し振りだね・・ブーン」
( ^ω^)「・・・・・」
思わずその姿に見とれてしまう。
昔とは全然違う。かなり綺麗になった。自分と一緒にいるのが不釣合いなくらい・・
ξ゚听)ξ「・・どうしたの?固まっちゃって・・」
ツンはその様子が何だか酷く不自然に見えたので、そう話し掛けた。
( ^ω^)「あ、ああ、ごめんお。じゃあ早くレストランに向かおうかお」
ブーンが自分で声をかけ、二人はラウンジレストランへと入っていった。
ついにブーンの初めての告白が始まる・・!!
2話へ続く