754 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:26:03.24 ID: ha1F2ss30
 
エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) エスパー女子高生。物を呼び寄せる超能力

(,,゚Д゚) 先輩。超脚力の超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

(´・ω・`) バーボンハウスマスター。絶対質問能力

( ∵) 悪魔人形。今はクーの鞄のキーホルダー

(*-∀-) 米国籍のしぃの姉。重力を操る(意識不明療養中)

('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中

('、`*川 *(‘‘)* 仲良し女子高生

 

757 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:29:03.87 ID: ha1F2ss30
 
思い返せば、数日前

オレは行きつけのバーの前に立っていた

通りから外れたところにある、オンボロビル

その1F

扉をくぐれば、しょぼくれた顔のマスターが出迎えてくれるだろう

ここの酒は旨い

オレの好みと合っている

もしかすると、人に合わせてブレンドを変えてるのかもしれない

やるな、あの野郎

しょぼくれ顔のくせに

 

758 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:29:23.66 ID: ha1F2ss30
 

でも今回は、酒を飲みに来たわけじゃなかった

 

その日、オレは――

 

 

 

759 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:30:49.10 ID: ha1F2ss30
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

―BAR:バーボンハウス

(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「遅いなぁ…」

(´・ω・`)「イチゴなら、商店街の八百屋に置いてあるはずなんだが」

(´・ω・`)「どこまで、買いに行ってるんだろ」

(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「寄り道でもしてるのかな」

―カランカランカラン

(´・ω・`)「お、噂をすれば」

(´・ω・`)「おかえり、ツンちゃ――」

 (   )「…」

 

764 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:32:31.99 ID: ha1F2ss30
 
(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「…キミか」

(´・ω・`)「まだ、開店時間前なんだが…」

(´・ω・`)「まぁいい」

(´・ω・`)「席に着きなよ」

 (,, Д )「…」

(´・ω・`)「さて、と」

(´・ω・`)「テキーラでいいかな?」

 

 (,,゚Д゚)「…あぁ」

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

765 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:33:05.46 ID: ha1F2ss30
 

川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第二十六話:嵐の中で−

 

 

768 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:34:28.66 ID: ha1F2ss30
 

―山間、曇天

―今にも降り出しそうな天気の中、二人の男が対峙していた

 

「……何の用ですか?」

「紙に書いてあったはずだけどな」

「…冗談でしょう?」

「……本気だ」

「…」

「オレと闘え――」

 

 

770 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:35:36.80 ID: ha1F2ss30
 
『なんで! 俺があんたと闘わなきゃいけないんだ!!』

『ふはははは、それが運命!! オレ達は闘うべき運命なのだ!!』

『そんな――』

 

ピッ

『お昼休みはウキウキウォッチング♪ あっちこっちそっちこっちいいホモ♪』

 

ピッ

『んもぅ、凄い! 泣けます!! 史上最高の映画です!!』

『ミュウツーの逆襲を越えました!!』

 

774 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:36:41.72 ID: ha1F2ss30
 

ピッ

『この高枝切りバサミを使えば〜………、ほら、簡単でしょう?』

 

ピッ

『こんにちは。お昼のニュースです』

 

 

川 ゚ -゚)「んー」

川 ゚ -゚)「つまらん」

 

776 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:39:08.85 ID: ha1F2ss30
 
―VIP総合病院

川 ゚ -゚)「平日の昼に、のんびり出来るのはいいんだが、退屈すぎるな」

( ∵)『全くだな』

川 ゚ -゚)「誰のせいだ」

( ∵)『あの角張り顔のせいだろ』

川 ゚ -゚)「…」

( ∵)『たぶん』

 

『昨晩未明、荒巻スカルチノフ(68)元議員宅に暴漢が押し入るという事件がありました』

『荒巻氏は、骨折などで全治2ヶ月の重傷』

『警察は、背後関係を〜…』

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「物騒なニュースだな」

 

779 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:41:10.91 ID: ha1F2ss30
 
( ∵)『平和大国日本も名前だけってか』

川 ゚ -゚)「確かに」

川 ゚ -゚)「他人事じゃないかもしれないな」

川 ゚ -゚)「現にこの前、死にかけたし」

( ∵)『お前、結構根に持つタイプなんだな…』

 

…タタタタ

川 ゚ -゚)「ん?」

川 ゚ -゚)「何の音だ?」

 

780 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:42:15.49 ID: ha1F2ss30
 

ダダダダ

( ∵)『ガキが廊下を走ってんだろ』

ドガ! ガシャーン!!
バキバキバキ!! ガタン! キャー!!

川 ゚ -゚)「随分と派手に走ってるんだな」

ガガッガガガ!!
ガタターン!! ダレカ トメテー!

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「音、近くなってないか?」

( ∵)『そう言われりゃそうだな』

 

784 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:43:29.41 ID: ha1F2ss30
 

ガタガタガタ!!

バタ――――ン!!!!

 

 (;,゚Д゚)「クーちゃぁぁぁぁん!!!」

 

川 ゚ -゚)「…」

( ∵)『…』

(;,゚Д゚)「こここここここここ骨折したって、本当!? マジ!?」

川 ゚ -゚)「あぁ、最近見ないと思ったら、これか」

( ∵)『何かバカ度がアップしてないか?』

 

785 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:44:33.20 ID: ha1F2ss30
 
(;,゚Д゚)「ほあぁぁぁぁぁ!!! 足にギブスが!!!」

/(;,゚Д゚)\「なんてこったい!!」

(;,゚Д゚)「どうしてこんなことに!?」

川 ゚ -゚)「どうしてって…」

川 ゚ -゚)「プールに落ちて…?」

( ∵)『まぁ、そうだな』

(;,゚Д゚)「プールに落ちて、骨折した!?」

川 ゚ -゚)「あぁ」

 

(;,゚Д゚)「とぅえ――――!?」

 

787 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:45:31.80 ID: ha1F2ss30
 

  ゴ ッ !!
     
∴・(゚Д(   「なんd……げふぅっ!!」

 

ナース「はぁ…はぁ…」

ナース「病院ではお静かにお願いします…!!」

 

川 ゚ -゚)「おぉ、ナイスパイプ椅子」

(,, Д ) チーン

( ∵)『これ死んでねーか?』

 

789 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:47:05.07 ID: ha1F2ss30
 

――
―――

(;,-Д-)「うーん、うーん」

(,,゚Д゚)「――はっ!!」

(,,゚Д゚)「ここは?」

川 ゚ -゚)「病院だよ」

(,,゚Д゚)「あれ? クーちゃん?」

(,,゚Д゚)「なんで…」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「…」

(;,゚Д゚)「そうだ! 足!!」

川 ゚ -゚)「足がどうした」

(;,゚Д゚)「足!! 骨折!! クーちゃん!!」

川 ゚ -゚)「赤ん坊か」

 

 

791 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:48:17.94 ID: ha1F2ss30
 
川 ゚ -゚)「そんなことより静かにしないと、またパイプアタックを食らうぞ?」

(;,゚Д゚) ギクッ

ナ ゚ー゚)ス ゴゴゴゴゴゴゴ

(;,゚Д゚)「…」

(;,゚Д゚)「…どうして骨折なんか?」 ボソボソ

川 ゚ -゚)「んー…」

川 ゚ -゚)「いつだか、不審船を調べに行ったろう?」

川 ゚ -゚)「あれに乗ってた某国スパイとのいざこざで、ちょっとな」

(,,゚Д゚)「スパイ?」

川 ゚ -゚)「ダイプロから情報を盗み出そうとしたみたいだが」

川 ゚ -゚)「最終的にはミサイルの刑だったな」

(,,゚Д゚)「ダイプロにスパイ…?」

 

 

793 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:51:32.72 ID: ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

川 ゚ -゚)「? 思い当たる節でもあるのか?」

(,,゚Д゚)「…ん?」

(,,゚Д゚)「……いや」

川 ゚ -゚)「…?」

川 ゚ -゚)「そういえば、今までどこに行ってたんだ?」

川 ゚ -゚)「みんな、心配してたんぞ」

川 ゚ -゚)「一応」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「(一応…)」

 

795 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:52:31.31 ID: ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「どこに行ってたってわけでもないんだけど」

(,,゚Д゚)「ちょっと、ヤボ用があってね」

川 ゚ -゚)「ヤボ用?」

( ∵)『女か』

川 ゚ -゚)「なるほど」

(;,゚Д゚)「ちげーよ!!」

(,,゚Д゚)「オレは、クーちゃん一筋だつーの!」

川 ゚ -゚)「…」

( ∵)『バカだな、こいつ』

川 ゚ -゚)「で、どこの女だ?」

(;,゚Д゚)「華麗にスルーされた!」

川 ゚ -゚)「スルーというか…」

川 ゚ -゚)「本気で言ってないだろ。いちいち相手にしてられるか」

(;,゚Д゚) ガーン

 

800 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:54:12.61 ID: ha1F2ss30
 

ガチャ

ξ*゚听)ξ「ちょいっすー」

ξ*゚听)ξ「今日のメロンは夕張メロンd」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ゚听)ξ

(,, Д ) ズーン

ξ;゚听)ξ「ギコ!?」

(,,゚Д゚)「ん…」

(,,゚Д゚)「ツンか」

ξ*゚听)ξ「あんた、今までどこ行ってたのよ!」

 

804 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:55:57.07 ID: ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「ん、まぁ……、色々」

ξ*゚听)ξ「色々、って…」

川 ゚ -゚)「女らしいぞ」

ξ;゚听)ξ「女!?」

ξ;゚听)ξ「ショーフってやつ!?」

(;,゚Д゚)「ちげーって言ってんだろ! 大体、娼婦ってなんだ、娼婦って!!」

ξ#゚听)ξ「このバイタがぁっ!!」

(;,゚Д゚)「お前は何を言ってんだぁ!!」

ギャー
ギャー

川 ゚ -゚)「うーん、修羅場だ」

( ∵)『てめぇのせいだろ』

 

809 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:57:17.02 ID: ha1F2ss30
 

ギャー
ギャー

(,,゚Д゚)「―――!!」

ξ#゚听)ξ「―――!!」

ギャー
ギャー

(,,゚Д゚)「――!」

ξ#゚听)ξ「―――!!」

ギャー
ギャー

(,,゚Д゚)「――」

ξ#゚听)ξ「―――!!」

 

812 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:58:14.14 ID: ha1F2ss30
 

ギャー
ギャー

(,,゚Д゚)「…」

ξ#゚听)ξ「―――!!」

 

(,,゚Д゚)「…」

ξ*゚听)ξ「―……?」

 

(,,゚Д゚) ξ(゚- ゚*ξ「?」

 

815 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 00:59:23.44 ID: ha1F2ss30
 

   むぃー

(,,゚Д゚)つ< ゚- ゚*ξ

(,,゚Д゚)つ< ゚- ゚*ξノシ '’「ちょっ…、何すんの」

(,,゚Д゚)つ(゚- ゚*ξ「…よ?」

 

  バシバシ

(,,゚Д゚)ノシ(゚- ゚;ξ「あたっ、痛っ、何!?」

 

(,,-Д-)「…いやぁ」

(,,゚Д゚)「なんつーか、お前と言い合うのも久しぶりな気がしてな」

ξ*゚听)ξ「はぁ?」

 

816 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:00:19.23 ID: ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「元気そうで、なによりだ」

ξ*゚听)ξ「?? 何 言ってんの?」

(,,゚Д゚)「…」

ξ*゚听)ξ「クー。何なの、これ」

ξ*゚听)ξ「病気?」

川 ゚ -゚)「あぁ、残念ながらな」

ξ;゚听)ξ「本当に!?」

川 ゚ -゚)「あぁ。しかも、末期だ」

ξ;゚听)ξ「うそ!! 死んじゃうの!?」

川 ゚ -゚)「死ぬな、明日辺り」

ξ;゚听)ξ「!!」

 

822 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:03:21.93 ID: ha1F2ss30
 
(;,゚Д゚)「ちょっ、待って」

(;,゚Д゚)「死なないから! 死にませんから!」

川 ゚ -゚)「なんだ、つまらん」

ξ*゚听)ξ …ホッ

(;,゚Д゚)「クーちゃんは、とことんオレを貶めたいのか?」

川 ゚ -゚)「あぁ」

(;,゚Д゚)「肯定しちゃった!」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「と、まぁ冗談は置いといてだな」

(,,゚Д゚)「…」

ξ*゚听)ξ「(冗談だったんだ…)」

 

821 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:02:22.90 ID: ha1F2ss30
 
川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「ギコ、本当にどうかしたのか?」

川 ゚ -゚)「いつも以上にバカかと思ったら、急にしんみりしたり」

川 ゚ -゚)「とっても変だぞ?」

(,,゚Д゚)「…」

川 ゚ -゚)「とっても変だぞ?」

(;,゚Д゚)「いや、2回も言わなくてもいいから」

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「…」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「なんでもねーから、ホント」

ξ*゚听)ξ「…」

 

826 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:04:46.82 ID: ha1F2ss30
 
ξ*゚听)ξ「ギコ」

(,,゚Д゚)「…」

ξ*゚听)ξ「嘘ついてたら、ぶっ飛ばすんだからね」

(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「…」

(,,-Д-)「あぁ」

(,,゚Д゚)「…それじゃあ、そろそろ行くわ」

川 ゚ -゚)「どこにだ?」

(,,゚Д゚)「ヤボ用の続き」

川 ゚ -゚)「女か」

(;,゚Д゚)「だから、違うって!」

 

 

830 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:06:01.97 ID: ha1F2ss30
 
ξ*゚и゚)ξ「…」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「むくれんなよ」

(,,゚Д゚)「すぐ帰ってくるから」

ξ*-и-)ξ「…」

(,,゚Д゚)「…ハァ」

( ,,゚Д)「それじゃ」

(  ,,゚) !

(,,゚Д゚)「あ、クーちゃん! お大事にね!!」

川 ゚ -゚)「あー、はいはい。さっさと行け」

(;,゚Д゚)「(クールどころかコールドだな)」

(,,゚Д゚)「じゃ」

キィ
バタン

 

832 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:06:56.18 ID: ha1F2ss30
 

―病室前、廊下

(,,゚Д゚)「…」

「…ギコさん」

(,,゚Д゚)「…」

 「あれで、良かったんですか?」

(,,-Д-)「あぁ」

「お別れに熱いキスを〜!! って言ってませんでしたっけ?」

(,,-Д-)「…」

(;,-Д-)「確実に殺されるから、止めた」

 

838 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:08:52.46 ID: ha1F2ss30
 

「根性ないっすね」

 「それは言い過ぎだろう。せめて、『腰抜けですね』ぐらいにしとかないと」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「お前ら、ぶっ飛ばすぞ」

(,,゚Д゚)「まぁ、これが最期とも限らないさ」

「…」

 「そうですね」

「それじゃ、そろそろ?」

 

843 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:10:48.20 ID: ha1F2ss30
 

(,,゚Д゚)「あぁ」

(,,゚Д゚)「あと一つ、片付けたいことがあるから、それが終わってからだ」

 「他の人にもお別れを?」

(,,゚Д゚)「いや」

(,,゚Д゚)「ちょっと、ケジメをつけにな」

「??」

 

846 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:12:06.81 ID: ha1F2ss30
 

―県立VIP高校

キーンコーンカーンコーン

('A`)「終わったー…」

('A`)「…」

('A`)「…」

('A`)「はぁ……、疲れた…」

('A`)「えっと、この後は委員会の仕事と…」

('A`)「…」

('A`)「ダメだ、マンドクセ」

('A`)「明日やろう」

('A`)「明日、やれることは今日しない」

('A`)「いい言葉だなぁ」

 

850 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:13:22.35 ID: ha1F2ss30
 

男子A「おー、ドクオ。何、一人でぶつぶつ言ってんだ?」

男子B「キモイぞー」

('A`)「うるせー」

('A`)「疲れてんだよ」

男子A「ふーん」

男子B「そういや、クラス委員の仕事引き継いだんだって?」

男子B「大変だな、お前も」

('A`)「別に、大したことしてないし」

男子A「大したことあんだろ、この前の教室半壊事件とか」

男子B「朝来たら、床がねーとか。すげー笑ったわ」

('A`)「…」

('A`)「(何とも言えん)」

 

854 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:17:58.66 ID: ha1F2ss30
 
男子B「まぁ、頑張れや。クラス委員代理」

男子B「じゃ、オレらは帰るわ」

男子A「それじゃーな」

男子B「なー、帰りにカラオケ行こうぜ」

男子A「またかよー…」

('A`)「…」

('A`)「オレも帰るかな」

 

―靴箱前

('A`)「そういや今日はバイト休みだ」

('A`)「帰ってもヒマだな…」

('A`)「ゲームでもするか」

 

856 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:20:32.62 ID: ha1F2ss30
 

ガチャ

 ('A`)ノ[|= |

 ('A`)ノ |= |

 ('A`) |= |

 ('A`) |= |
  つ□ 

('A`)「…」

( 'A`)「…」

('A` )「…」

('A`)「…」
 つ□

 

857 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:22:21.66 ID: ha1F2ss30
 

 

(((;゚A゚)))「えええええええええええええええ!!!!?」

 

(;'A`)「ら、アララララララララ??」

(;'A`)「…」

(;'A`)「ラブ…レター……だと…!?」

 

 

 

 

‘‘)*「…」

 

860 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:23:28.70 ID: ha1F2ss30
 
‘‘)*「…」

('、`*川「み〜た〜な〜」

;‘‘)*「ひゃっ!? ペニちゃん!?」

('、`*川「何やってんの、こんなとこで」

‘‘)*「何って……、あれだよ、あれ」

('、`*川「ん〜」

 =((;'A`))= キョロキョロ
   つ□

('、`*川「不審者しかいないよ?」

;‘‘)*「その人だよ」

('、`*川「あー、あれか」

('、`*川「んー?」

('、`*川「…」

('、`*川「ははーん、なるほどねー」

 

861 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:24:59.75 ID: ha1F2ss30
 
('、`*川「あれ、ラブレターでしょ?」

‘‘)*「たぶん」

('、`*川「とぼけなくてもいいわよ」

‘‘)*「は?」

('、`*川「しかし…」

 =((;'A`))= キョロキョロ
   つ□

  (;'A`)  ……
   つ□

  (;'A`) ミテミルカ
   つ□

('、`*川「趣味悪いわね、あんた」

‘‘)*「はぁあ?」

('、`*川「私はもっと肉がついてた方がいいなー」

('、`*川「食い応えがなさそう」

 

864 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:25:42.97 ID: ha1F2ss30
 
;‘‘)*「ペニちゃん」

;‘‘)*「あえてそこには突っ込まないけど、もの凄い誤解してない?」

('、`*川「誤解?」

;‘‘)*「あの手紙は私が書いたんじゃないよ?」

('、`*川「はいはい」

;‘‘)*「ちょっ、ホントだってば」

('、`*川「はーいはい」

('、`*川「ほら、彼が手紙読むみたいだよ」

;‘‘)*「だから、違うって」

 

866 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:27:05.90 ID: ha1F2ss30
 

  (;'A`) ゴクリ
   つ□

  (;'A`) 
   つ√¢ ペラッ

  (;'A`) ……
   つ√¢

  ( 'A`) ……
   つ√¢

  ( 'A`) 
   つ√¢

  (;'A`) …!? 
   つ√¢

 

870 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:28:01.06 ID: ha1F2ss30
 
('、`*川「驚いてるみたいね」

‘‘)*「そうみたいだけど…」

‘‘)*「……何か様子が」

('、`*川「あんたの字が汚くて読めないんじゃない?」

#‘‘)*「だからぁ! 違うって言うとろうが!!」

('、`*川「しー」

;‘‘)*「あぅ…」

('、`*川「そんな大声出してると、彼に気付かれる……」

('、`*川「あれ?」

('、`*川「いないや」

;‘‘)*「ちょっとぉ!!」

('、`*川「私は悪くないよ?」

‘‘)*「…」

 

871 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/04/03(木) 01:29:37.27 ID: ha1F2ss30
 

ヒョコ

*(‘‘)*「……あーぁ」

*(‘‘)*「なんとなーく、恋の波動(ラブプレッシャー)を感じたんだけどなぁ…」

('、`*川「ほぅほぅ」

('、`*川「ビビっとキタ ってヤツね」

*(‘‘)*「だから、私じゃないつーの」

('、`*川「じゃ、誰の?」

*(‘‘)*「……」

 

*(‘‘)*「さぁ?」

 

873 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:30:45.73 ID:ha1F2ss30
 

―高校、通学路

トボトボトボ

('A`)「…」

('A`)「(どうしよう…)」

('A`)「…」

('A`)「(オレに何の用なんだろう…)」

('A`)「(行ったほうがいいよな……一般常識的に考えて)」

('A`)「(いや、行かない方がいいのかな……危険回避的考えて)」

('A`)「…」

('A`)「…帰ろうかな」

 

 

875 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:31:35.01 ID:ha1F2ss30
 
('A`)「…」

('A`)「…」

( 'A)「…」

(;-A)「…」

('A`)「いや、やっぱ行こう」

('A`)「後が怖い」

('A`)「気が乗らないなぁ…」

 

('A`)「ラウンジ山か」

 

 

878 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:34:32.28 ID:ha1F2ss30
 

―VIP総合病院

カチカチカチ

『ダブルシップケーン!!』
『フヒャヒャヒャ メチャクチャニ シテヤルゼ』

『フン!』
『クライヤガレ!!』

『レイジングスーム!!』
『グギャァァアァ!!』

デーェン
ユーウィン

川 ゚ -゚)「うっ…、また負けた」

ξ*゚∀゚)ξ「ふははは、か細いのう!」

 

 

881 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:36:52.68 ID:ha1F2ss30
 
川 ゚ -゚)「ぬぅ、私の山崎が手も足も出ないとは…」

ξ*゚听)ξ「社長使ってもいいよ?」

川 ゚ -゚)「だが、断る」

川 ゚ -゚)「私は山崎に生きて山崎に死ぬ」

ξ*゚听)ξ「何度でもデッドリーしてあげるわ」

 

ナ;゚ー゚)ス「あぁ! またゲームやってる!!」

ナ;゚ー゚)ス「院内はゲーム禁止だと、どれだけ言えば分かるんですか!!」

 

ξ;゚听)ξ「やべっ」

川 ゚ -゚)「待ってくれ、これはゲームじゃない」

ナ ゚ー゚)ス「…へ?」

川 ゚ -゚)「真剣勝負だ」

ナ;゚听)ス「そういう問題じゃありません!!」

 

 

883 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:38:21.09 ID:ha1F2ss30
 

ナ ゚ー゚)ス「没収します」
 つ|PS|

ξ*゚听)ξ「あぁ…」

川 ゚ -゚)「私の山崎が…」

ナ ゚ー゚)ス「ダメですよ。閉じこもってゲームばかりしてちゃ、治るものも治りませんよ」

川 ゚ -゚)「だって、足 骨折してるし」

ナ;゚ー゚)ス「うっ…」

ξ*゚听)ξ「それに、外 雨だよ?」

ナ ゚ー゚)ス「雨?」

サー

ナ ゚ー゚)ス「…あれ? さっきまで晴れてたのに…」

 

888 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:40:01.99 ID:ha1F2ss30
 

ξ*゚听)ξ「というわけで、奪取!!」
  =つ|PS|

ナ;゚ー゚)ス「あっ!」
  つ: :

川 ゚ -゚)「よし、再戦だ。ツン」

ξ*゚听)ξ「合点承知の助!!」

ナ;゚ー゚)ス「だから、ダメですって!!!」

 

 

891 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:41:29.12 ID:ha1F2ss30
 

サー

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「雨の音…」

(*-ー-)「…天気予報、降らないって言ってたんだけどな」

[(*- -)]

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「お姉ちゃん」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「今日はね」

(*-ー-)「いい夢を見たの」

(*-ー-)「昔の、ずーと昔の夢」

 

896 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:45:11.35 ID:ha1F2ss30
 
(*-ー-)「ギコくんがいて、ツンちゃんがいて、ハインがいて」

(*-ー-)「主任がいて、ロマネスクさんがいて、あの人もいて…」

(*-ー-)「…懐かしいなぁ」

[(*- -)]

(*-ー-)「お姉ちゃんはアメリカに行ってたから知らないだろうけど」

(*-ー-)「昔はね、今よりずっと人がいたんだよ」

(*-ー-)、「みんな、…いなくなっちゃたけどね」

(* − )「…」

 

897 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:46:03.67 ID:ha1F2ss30
 

[(*- -)]

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「ごめんね、変な話して」

 

サー

 

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「雨」

(*-ー-)「嫌な音だね」

 

898 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:47:10.07 ID:ha1F2ss30
 

―山間、曇天

―今にも降り出しそうな天気の中、二人の男が対峙していた

 

「……何の用ですか?」

 「紙に書いてあったはずだけどな」

「え……? 『ラウンジ山に来い』としか書いてありませんでしたよ?」

 「…………、マジ?」

「えぇ、これ」

 「うわぁ、ホントだ」

「…」

 

906 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:49:29.61 ID:ha1F2ss30
 
 「ちょ、ちょっと待ってろ」

カリカリカリ

 「ほら、完成版だ」

「……完成版って」

 「いいから読め」

「…はぁ」

 「…」

「……冗談でしょう?」

 

908 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:50:33.40 ID:ha1F2ss30
 
 「……本気だ」

「意味分かんないっす。内容も、平仮名ばっかなのも」

 「読めりゃいいんだよ、読めりゃ!!」

「…」

 「理解したか?」

「……できません」

 「そうか」

「…」

 「なら、無理矢理にでも、理解してもらう」

 

912 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:52:15.84 ID:ha1F2ss30
  

「へ?」

 「オレと闘え――」

 

 

―空がゴロゴロと鳴っている

 

 

(,,゚Д゚)「――ドクオ」

    「―――――!?」('A`;)

 

 

915 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:54:12.67 ID:ha1F2ss30
  

―大気が湿気り

(,,゚Д゚)「…」

('A`;)「ちょっ、何でですか!?」

―雨が、降る

(,,゚Д゚)「…理由は、そこに書いてあんだろ」

('A`;)「…いや、だってこれは」

―雨は、風を呼び

(,,-Д-)「『お前にクーちゃんを任せる』」

(,,゚Д゚)「『全力で彼女を護れ』」

('A`)「…」

('A`)「意味、分かんないっす…」

 

917 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:56:27.32 ID:ha1F2ss30
 

―風は、雷を呼ぶ

 

('A`)「護るって、言われても……」

('A`)「素直さんはオレなんかよりずっと強いじゃないですか」

('A`)「…」

('A`)「そもそも、オレじゃなくても…」

(,,゚Д゚)「いいや」

(,,゚Д゚)「お前しかいないんだよ」

('A`)「…」

(,,゚Д゚)「…」

 

919 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:58:24.00 ID:ha1F2ss30
 
('A`)「…」

(,,゚Д゚)「…」

('A`)「マジっすか」

(,,゚Д゚)「大マジだ」

 

―空がゴロゴロと鳴っている

 

(,,゚Д゚)「……いくぞ」

('A`;)「ちょっ、タンマぁぁぁ!!!!」

 

―嵐は、すぐそこまで来ていた

 

 

921 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 01:59:39.79 ID:ha1F2ss30

 

 

 

 

         カラン

 

 

 

 

 

924 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:00:36.24 ID:ha1F2ss30
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

カラン…

―BAR:バーボンハウス、カウンター

(,,゚Д゚)「すまないな、こんな時間に」

(´・ω・`)「いや、構わないよ」

(´・ω・`)「そろそろ来る頃だろうと思ってたしね」

(,,゚Д゚) …クン

(,,゚Д゚)「甘い匂いがするな」

(´・ω・`)「ツンちゃんとケーキを作ってたんだよ」

(,,゚Д゚)「…そうか」

(,,-Д-)「もうそんな季節か」

(,,゚Д゚)「時間の流れつーのは早いもんだな」

(´・ω・`)「そうだね」

 

925 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:01:15.94 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「構えろ」
∩ つ

(,,゚Д゚)「毎日、トレーニングをやってんだ」

(,,゚Д゚)「少しは出来るだろう?」

('A`;)「うぇ…」

('A`;)「素直さんを護るとか、護らないとか、そういう話はいいとしても」

('A`;)「そ、それでも、ギコさんと闘う理由にはならないはずです」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д-)「…そうでもない」

('A`;)「…はへ?」

(,,゚Д゚)「理由はあるが、説明はしない」

(,,゚Д゚)「体で理解しろやい」

 

926 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:02:29.08 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(´・ω・`)「…」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「先日」

(´・ω・`)「…」

(,,゚Д゚)「ロマネスクさんの事務所に忍び込んだ」

(´・ω・`)「へぇ」

(´・ω・`)「泥棒かな?」

(,,゚Д゚)「あぁ」

(´・ω・`)「犯罪だね」

(,,゚Д゚)「そうだな」

(,,゚Д゚)「知りたいことがあった」

(,,゚Д゚)「ヒントをくれたのは、あんただ」

(´・ω・`)「…」

 

927 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:03:32.56 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「事務所の奥にちいさな金庫があってな」

(,,゚Д゚)「その中に、これが入っていた」

ドサッ

―そう言うと、ギコは紙の束をカウンターの上に投げ出した

(´・ω・`)「見ても?」

(,,゚Д゚)「好きにするといい」

(,,゚Д゚)「最も、お前は全部知っていたんだろう?」

(´・ω・`)「いや」

(´・ω・`)「ボクは、人づてに聞いただけさ」

(´・ω・`)「…」
  つ√b

(´・ω・`)「ん」

(´・ω・`)「政治家のリストだね」

(´・ω・`)「県知事ともなれば、付き合いが大変なんだろう」

 

929 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:04:31.04 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「とぼけるな」

(,,゚Д゚)「それはただのリストじゃない」

(,,゚Д゚)「今までダイプロに依頼をした政治家のリストだ」

(,,゚Д゚)「それに、それだけじゃないだろう?」

(´・ω・`)「最後の一枚ね」

(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「新聞記事の切抜きかな」

(´・ω・`)「ずいぶんと古い……、十五年も前だ」
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「大日本エスパープロジェクトの大火事」

(,,゚Д゚)「知ってるだろう?」

(´・ω・`)「…多少ね」

 

930 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:05:37.95 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「随分と酷い有様だったみたいだが」

(,,゚Д゚)「新聞の扱いは小さいもんだ」

(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「まぁ、圧力がかかってりゃ、こんなもんだろうがな」

(´・ω・`)「…」

(,,゚Д゚)「ダイプロで大火事があったことは知ってる」

(,,゚Д゚)「たくさん人が死んで、しぃが身体に障害を負った」

(,,゚Д゚)「だが、覚えていない」

(,,゚Д゚)「記録として知っているだけだ」

(,,゚Д゚)「そこで何があって、どういう経緯で火事になったのか」

(,,゚Д゚)「そこの記憶がすっぽり抜けている」

(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「それは、不思議だね」

 

931 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:07:32.58 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「大人たちはこの話題には触れたがらない」

(,,゚Д゚)「最も、ほとんどの人間が火事で死んじまったんだがな」

(´・ω・`)「…」

(,,゚Д゚)「オレもしぃも小さかった」

(,,゚Д゚)「だから、覚えていないし、敢えてつらい記憶を引っ張り出そうともしなかった」

(,,゚Д゚)「覚えていないということすらも、忘れていた」

(,,゚Д゚)「そう思い込んでた」

(,,゚Д゚)「でも」

(,,゚Д゚)「オレは覚えていたんだ」

 

 

934 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:08:24.58 ID:ha1F2ss30
 

 (  ∋ )

(,,゚Д゚)「炎の中、オレに迫ってくる大男の姿を覚えていた」

 ( ゚∋゚)

(,,-Д-)「…」

(´・ω・`)「…」

(,,゚Д゚)「これは、どういうことだ」

(´・ω・`)「…さぁ」

(´・ω・`)「どういうことだろうね」

(,,゚Д゚)「…」

(´・ω・`)「…」

 

935 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:09:34.71 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「…」

(,,-Д-)「知らないなら、知らないでいい」

(,,-Д゚)「知っていて教える気がないのなら、それでもいいさ」

(´・ω・`)「…」

(,,゚Д゚)「ただ、オレは知ってしまった」

(,,゚Д゚)「“何”があったのかを」

(,,゚Д゚)「全部、思い出したわけじゃない」

(,,゚Д゚)「だけど」

(,,゚Д゚)「オレがやるべきことは、見つかった」

(´・ω・`)「…そうかい」

(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「なら、ボクから言うことは何もないよ」

 

938 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:10:35.37 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「そっか」

、(,,-Д-) ガタッ

 

(  ,,゚)「邪魔したな」

(´・ω・`)「いや…」

 

( ,,゚Д)「…」

(,,゚Д゚)「あぁ、最後にひとつ聞きたいんだが…」

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

939 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:11:29.78 ID:ha1F2ss30
 
(,,-Д-)「…」

(,,゚Д-)「…」

(,,゚Д゚)「どうした? そんなもんか?」

('A`メ;)「ぐぅ……」

―ラウンジ山、山間

(,,゚Д゚)「どうだ?」

('A`メ;)「すごく痛いです」

(,,゚Д゚)「そんなこと聞いてるわけじゃねーよ」

('A`メ)「…?」

(,,゚Д゚)「…」

('A`メ)「…」

(,,゚Д゚)「…」

 

942 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:12:22.14 ID:ha1F2ss30
 
('A`メ)「…」

('A`メ)「やっぱ…」

('A`メ)「ギコさんは、オレのこと嫌いなんすよね?」

(,,゚Д゚)「あ?」

('A`メ)「…」

('A`メ)「嫌いだから、シメちまおうってことっすか?」

(,,゚Д゚)「…」

('A`メ)「…」

('A`メ)「オレ、あんまり人に好かれるタイプじゃないっすから…」

('A`メ)「こういうことは始めてじゃないっす」

(,,゚Д゚)「…」

('A`メ)「でも、ギコさんがこんなことをするなんて…」

(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「はっw」

 

943 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:13:33.56 ID:ha1F2ss30
 
('A`メ)「…?」

(,,゚Д゚)「バカにすんな」

(,,゚Д゚)「そんな理由じゃねーよ」

('A`メ)「…」

('A`メ)「じゃあ、なんで…?」

(,,゚Д゚)「言ったろ」

(,,゚Д゚)「体で理解しろ」

('A`メ;)「…って言われても」

(,,゚Д゚)「まぁ」

(,,゚Д゚)「お前が嫌いなことは否定しないけどな」

('A`メ;)「うぅむ…」

(,,゚Д゚)「…」

('A`メ)「…」

(,,゚Д゚)「お前じゃなきゃダメなんだよ」

(,,゚Д゚)「オレじゃ、ダメなんだ」

 

945 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:14:39.35 ID:ha1F2ss30
 
('A`メ)「…ギコさん?」

(,,゚Д゚)「…」

('A`メ)「どういう…」

(,,゚Д゚)「いいから、目を醒ませこの野郎」

('A`メ)「目を覚ます…?」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「次は加減なしだ」

(,,゚Д゚)「気ぃ抜くと、死ぬぞ」

('A`メ;)「…」

('A`メ;)「(何がなんだかさっぱり分かんないけど)」

('A`メ;)「(このままだと、ホントに殺されそうです、おっかさん)」

 

950 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:15:52.95 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

('A`メ;)「(…)」

('A`メ;)「(…なんだろう)」

('A`メ;)「(……何か、懐かしい気がする)」

('A`メ;)「(…これは、なんだ…?)」

('A`メ;)「(…いt)」

 

(,,゚Д゚)┌┛)A`)・∴「たいぃ――っ!!」

 

  )A`)「(…あぁ)」

    )A`)「(…前にも、こんなことがあった気が…)」

      )A`)「(…するなぁ)」

 

ドガシャァ!!

;・、 つメ)A゚)つ「ごげとんぼふぅ!!」

 

952 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:17:53.09 ID:ha1F2ss30
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

(´・ω・`)「聞きたいこと…?」

(,,゚Д゚)「あぁ」

(´・ω・`)「なんだい?」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「エスパーの…」

(,,゚Д゚)「エスパーの、目覚める条件つーのがあるよな」

(´・ω・`)「あるね」

(´・ω・`)「ボクも全部を知ってるわけじゃないし」

(´・ω・`)「正しいのかどうかも知らないけどね」

(´・ω・`)「…それが、どうかしたの?」

(,,゚Д゚)「ちっと確認したい」

(,,゚Д゚)「いいか?」

(´・ω・`)「…あぁ、構わないよ」

 

956 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:19:54.07 ID:ha1F2ss30
 
(´・ω・`)「…」

(´・ω・`)「一杯、飲むかい?」

(,,゚Д゚)「いや、大丈夫だ」

(´・ω・`)「そうか、残念だな」

カラン…

(´・ω・`)「まずは、……そうだね」

(´・ω・`)「生まれつき使える人がいるね」

(´・ω・`)「ギコくんとかがそうかな?」

(,,゚Д゚)「あぁ」

(,,゚Д゚)「確かに生まれつき、だな」

 

957 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:20:36.13 ID:ha1F2ss30
 
(´・ω・`)「ある一定の年齢になると覚醒する人もいるね」

(´・ω・`)「二次性徴や、精通をきっかけに目覚める場合が多いらしいけど」

(´・ω・`)「若いうちに目覚めることが多いみたいだね」

(´・ω・`)「ボクはこれかな」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「ショボンが目覚めたのは、いつの頃だ?」

(´・ω・`)「…さぁ?」

(´・ω・`)「今の年齢すら分からないからね。とりあえず、ずっと前だよ」

(,,゚Д゚)「(こいつ、何歳なんだよ)」

 

959 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:21:41.23 ID:ha1F2ss30
 
(´・ω・`)「命の危険に瀕した時に目覚める場合もあるね」

(´・ω・`)「極限状態での覚醒、瀕死からの復活」

(´・ω・`)「世に言う奇跡というものは、エスパーの力と言えなくもないかもね」

(,,゚Д゚)「…」

(´・ω・`)「感情の昂ぶりで目覚めるというものあるけれど」

(´・ω・`)「別の言い方をすれば、極限状態での覚醒と言えるね」

(´・ω・`)「この二つは同じと言ってもいいかな」

(,,゚Д゚)「…なぁ」

(´・ω・`)「ん?」

(,,゚Д゚)「例えば、だ」

(,,゚Д゚)「眠ってるやつを無理矢理起こすってことは可能なのか?」

 

960 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:22:31.35 ID:ha1F2ss30
 
(´・ω・`)「…というと?」

(,,゚Д゚)「極限状態での覚醒ってヤツを、意図的に起こすことは可能なのか?」

(´・ω・`)「…」

カラン…

(´・ω・`)「どうだろうね」

(´・ω・`)「極限状態といっても、色々あるからね」

(´・ω・`)「何がきっかけになるかは分からない」

(,,゚Д゚)「…」

(´・ω・`)「一般的には生命の危機と言われるけどね」

(´・ω・`)「目覚めてもない人に、それを強要するは危険だと思うよ」

 

963 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:23:37.87 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「……まぁ、目覚めてないわけじゃないんだが」

(´・ω・`)「ん?」

(,,゚Д゚)「いや、何でもない」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「生命の危機か」

(,,゚Д゚)「要はボッコボッコにすればいいんだな」

(´・ω・`)「…いや、まぁ、端的に言うとそうかもしれないけど…」

(´・ω・`)「(ちょっと違うような…)」

(,,゚Д゚)「ありがとよ」

(,,゚Д゚)「参考になった」

(´・ω・`)「それならいいけどね」

(,,゚Д゚)「…」

(´・ω・`)「…」

 

964 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:24:08.88 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「世話になったな」

(´・ω・`)「…」

(,,゚Д゚)「今までのツケ分、ダイプロにツケといてくれ」

(´・ω・`)「結局、ツケじゃないか」

(,,゚Д゚)「気にすんなって」

( ,,゚Д)「じゃあ、行くわ」

(´・ω・`)「あぁ、気をつけてね」

(  ,,)ノシ「それなりにな」

 

ギィ
カランカランカラン

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

968 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:27:30.37 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「(大分、ボコボコにしたんだが…)」

 

(メメ)A(`メ)「…ムキュゥ」

 

(,,゚Д゚)「(一向に目覚めないな)」

(,,゚Д゚)「…」

(;,゚Д゚)「(このままじゃ、本当に殺しちまうかもな)」

(メメ)A(`メ)「…ヒコハン、ホウキハスミマヒハカ?」

(,,゚Д゚)「何て言ってんのかさっぱり分かんねーよ」

(メメ)A(`メ)「ペロ」

(メメ)A(`メ)「…カーリー」

 

973 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:29:57.08 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「お前、反撃しねぇのかよ」

(メメ)A(`メ)「ムリ…ッスカラ」

(,,゚Д゚)「…」

(メメ)A(`メ)「ギゴサン……ゴハッ」

(メメ)A(`メ)「ギコさんに…敵うわけない…っす……」

(メメ)A(`メ)「オレは……強くない…っすから」

(メメ)A(`メ)「グフゥ…」

 

(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)

(,,゚Д゚)「ドクオ」

(メメ)A(`メ)「ハンレス?」

 

976 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:31:10.35 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「聞きたいことがある」

(メメ)A(`メ)「…?」

(,,゚Д゚)「強さってのは、なんだ?」

(メメ)A(`メ)「ハイ?」

 

(,,゚Д゚)「強いってのは、相手をボコボコにする力か?」

(,,゚Д゚)「誰よりも速く走り抜ける力か?」

(,,゚Д゚)「何でも好きな物を呼べる力か?」

 

(メメ)A(`メ)「ギゴサン…?」

 

982 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:36:08.27 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「超能力なんて屁みたいなもんだ」

(,,゚Д゚)「どんだけ大きな力を持ってても」

(,,゚Д゚)「どれだけ特別な技術を持ってても」

(,,゚Д゚)「どんだけ凄い超能力があろうと関係ねぇ」

(,,゚Д゚)「最後にものを言うのは、ハートだ」

 

(メメ)A(`メ)「…」

 

(,,-Д-)「何でお前なのか、理解できなかった」

(,,゚Д゚)「力に溺れて、クーちゃんを傷つけるようなヤツだ」

(,,゚Д゚)「どんな超能力を持ってようが、ロクでもない男に違いねぇ」

 

(メメ)A(`メ)「…?」

(メメ)A(`メ)「ジョウノウリョグ…?」

 

984 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:37:53.47 ID:ha1F2ss30
 
(,,゚Д゚)「そう思ってた」

(,,゚Д゚)「心の弱い奴に何ができるってな」

(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「まぁ…」

(,,-Д-)「本当に弱いのはオレだったんだが」

 

 

(メメ)A(`メ)「…」

 

 

986 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:38:57.96 ID:ha1F2ss30
 

(,,-Д-) フー

(,,-Д゚)

(,,゚Д゚)

 

 

 

(,,゚Д゚)「なぁ、ドクオ」

(,,゚Д゚)「お前、クーちゃんが好きか?」

 

5 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:45:20.82 ID:ha1F2ss30
 

(メメ)A(`メ)

(メメ)A(`メ)「ふへ?」

 

(,,゚Д゚)「クーちゃんが好きか、と聞いたんだ」

 

(メメ)A(`メ)

 

 

(,,゚Д゚)「どっちだ?」

(,,゚Д゚)「好きかなのか、嫌いなのか」

 

8 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:46:18.51 ID:ha1F2ss30
  
(メメ)A(`メ)

(メメ)A(`メ)「イヤ……オレハ…」

 

(メメ)A(`メ)「スキカ……キライカ……トカ」

 

(メメ)A(`メ)「スキカ……キライカ……」

 

 

 

(メメ)A(`メ)「トカ……」

 

 

11 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:47:01.85 ID:ha1F2ss30
 

 ズ…クン

 

   ('A`) 

 

   ('A`) オレハ…?

 

   ('A`) 好きか、嫌いかだって

 

   ('A`) そんなこと…

 

   ('A`) もう答えは出てるのに…

 

   ('A`) …出てたのに

 

 

26 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:50:21.79 ID:ha1F2ss30
 

   ('A`)

 

   ('A`) あぁ、なんだろう

 

   ('A`) 顔がしびれる

 

   ('A`) 胸も背中も痛い

 

   ('A`) あぁ

 

   ('A`) オレは、n

 

ズクン

 

30 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:51:29.92 ID:ha1F2ss30
 

(メメ)A(`メ)「…」

 

(,,゚Д゚)「答えろ、ドクオ」

(,,゚Д゚)「クーちゃんはお前に任せる」

(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「あの子は」

(,,-Д-)「あの子は、お前を好いてるからな」

 

―ズクン

 

(メメ)A(`メ)

 

 

36 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:53:05.96 ID:ha1F2ss30
 

(,,゚Д゚)「最後にお前の気持ちが聞きたい」

(,,゚Д゚)「お前が目覚めようとも、目覚めまいとも」

(,,゚Д゚)「それだけは確認して行く」

 

(メメ)A(`メ)「オ、オレ……ハ……」

 

―ズクン

――ズクン

 

 

38 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:54:23.12 ID:ha1F2ss30
 

 

 

(メメ)A(`メ)

    オレは

        ('A`)

 

 

 

――ズ ク ン!!

 

47 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:55:48.01 ID:ha1F2ss30
 

 

ピカッ!!

ゴロゴロガシャーン!!!

 

(;,゚Д⊂ 「ぐっ!!!」

(;,゚Д-)⊂ 「落雷……!?」

 

…チッ

(;,゚Д゚)「…」

バチッ

(;,゚Д゚)「こいつは………」

 

58 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:58:17.10 ID:ha1F2ss30
 

バチッ
バチバチッ

≫( A )≪  

 

 

   オレは

 

 

≫( A )≪ 「―――」

 

≫('A`)≪ 「ギコさん、オレは――」

 

 

 

66 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 02:59:45.71 ID:ha1F2ss30
 
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

―ギィ
―カランカランカラン

―BAR:バーボンハウス前

(,,゚Д゚)「…」

(,,-Д-)「…ふー」

(,,-Д-)「…」

(,,゚Д゚)「……ん?」

 

 

73 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:01:09.14 ID:ha1F2ss30
  
チャランチャラーン
チャララーン

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「なんだ? この曲?」

テッテッテケー
テテテッテー

 

 

( ´_ゝ`)「なんだかんだと聞かれたら〜」

      「答えてやるのが世の情け〜」 ( <   )

 

(,,゚Д゚)「…」

 

81 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:05:33.20 ID:ha1F2ss30
 

 
( ´_ゝ`)「世界の破壊を防ぐため〜」

      「世界の平和を守るため〜」 ( <   )

(,,゚Д゚)「…」

 

( ´_ゝ`)  「愛と正義のパロを貫く」 

       「チャーミーグリーンな仇役」 ( <   )

(,,゚Д゚)「…」←普段ボケ役なので、ツッコミどころが分からない

 

84 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:06:28.32 ID:ha1F2ss30
 

 ( ´_ゝ`)     「兄者」

            「弟者」         ( <   )

(;,゚Д゚)「…」

 

 ( ´_ゝ`)「2次元をかける流石な兄弟の二人には」( <   )

 ( ´_ゝ`)「ホワイトオナホール――白濁い明日が待ってるぜ!」 ( <   )

  ∧_∧
 ( ´_ゝ`)「にゃーんてにゃ」

 

95 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:09:02.84 ID:ha1F2ss30
 
( ´_ゝ`)「というわけで――」

( <   )「参上!」

( ´_ゝ`)「流石兄弟!!」( <   )

(,,゚Д゚)「…」

( ´_ゝ`)「あれ? ギコの旦那?」

( ´_ゝ`)「どうしたんですか? ぼーっとして」

( ´_ゝ`)「馬鹿みたいに見えますよ」

( <  ;)「兄者言っていいことと、悪いことがあるぞ」

( <   )「それだといつもは賢いみたいじゃないか!」

(,,゚Д゚)「…」

 

98 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:10:28.98 ID:ha1F2ss30
 

( メ)_ゝ`)「あれだ、弟者が悪い」

( <(メ  )「どっこいどっこいだと思うぞ、兄者」

( メ)_ゝ`)「いーや、弟者だ。そーだそーだまったくだ」

( <(メ ;)「あんたは、子供か」

(,;-Д-)「はぁ…」

( メ)_ゝ`)「どうしたんですか? ため息なんかついて」

( <(メ  )「ギコさんらしくもない」

(,,-Д-)「いや……」

(,;-Д-)「本当にお前らに頼んで良かったのかなぁ、と」

 

110 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:18:55.93 ID:ha1F2ss30
 
( メ)_ゝ`)「…」

( <(メ  )「…」

メ (( ´_ゝ`)
           ボン!
 ( <   )) メ

( ´_ゝ`)「何 言ってるんですか!」

( <   )「期待は裏切りませんよ」

(,;゚Д゚)「なら、いいんだけどな」

( ´_ゝ`)「…」

( ´_ゝ`)

( ´_ゝ`)「ギコさん」

(,,゚Д゚)「あん?」

( ´_ゝ`)「そのペーパー、全部見せなかったんですか?」

 

117 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:21:23.14 ID:ha1F2ss30
 
―兄者の視線の先には、数枚の白い紙がある

―それは、先程ギコがショボンに見せたものと同等のものだったが

―ギコの手にあるものは、ショボンに見せたそれとはまた別の物であった

(,,゚Д゚)「これか」

(,,゚Д゚)「大体は見せたけどな」

(,,-Д-)「ショボンが全部話してくれるなら、見せるつもりだったんだが…」

( <   )「話してくれなかった、と?」

(,,゚Д゚)「そういうこった」

(,,゚Д゚)「あいつには、あいつの事情があるんだろう」

 

119 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:22:18.97 ID:ha1F2ss30
 
―ギコは手に持った資料へと視線を落とした

―そこには、公式の記録、自身の記憶以上のものが記されている

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「ロマネスクさんが、何を思って、ダイプロを去ったのか」

(,,゚Д゚)「今なら分かる気がするよ」

( ´_ゝ`)「へ?」

( <   )「何か言いました?」

(,,-Д-)「…いや、何でもねー」

 

―『今件に関するアメリカ関与の可能性・大』

―紙には、そう記されていた

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

126 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:24:34.64 ID:ha1F2ss30
 
―VIP総合病院

川 ゚ -゚)「――!」

川 ゚ -゚)「雷だ…」

川 ゚ -゚)「…近いな」

ξ*゚听)ξ「とぉー」

川 ゚ -゚)「あ」

デーェン
ユーウィン

川 ゚ -゚)「ずるいぞ、ツン」

ξ*゚∀゚)ξ「おほほほほ、真剣勝負の最中によそ見する方が悪いざます」

川 ゚ -゚)「むぅ」

 

128 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:25:37.89 ID:ha1F2ss30
 
川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「(なんだ……)」

川 ゚ -゚)「(胸騒ぎがする)」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「はいはい、次キャラー!」

川 ゚ -゚)、「あ、あぁ」

川 ゚ -゚)「…」

サー

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「(気のせいかな…)」

 

131 : ◆SEOMSVVqUg :2008/04/03(木) 03:27:49.27 ID:ha1F2ss30
 
ξ*゚听)ξ「じゃ、いくよー」

川 ゚ -゚)「よし、こい」

 

 

ナ;゚听)ス「だから、院内でのゲームは禁止だってのっ!!」

 

 

川 ゚ -゚)「こっちの雷も大分激しいな」

 

第二十六話了

 

 

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