24 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:37:18.32 ID: MpFEaK5/0
エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ！
という人のための登場人物紹介
川 ﾟ -ﾟ) エスパー女子高生。物を呼び寄せる超能力
(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る
( ＞＜) これでも高１。千里眼
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ クソガキ。記憶を刈り取る
川д川 オカ女。空間を構築、接続する能力
25 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:37:31.67 ID: MpFEaK5/0
( ﾟ∀ﾟ) 変態貧乏大学生。物の価値を操れる
（ ･∀･） ダイプロ補佐。テレパシー能力
从 ﾟ∀从 ダイプロ書記長。なんでも半分こにする
(´･ω･`） バーボンハウスマスター。絶対質問能力
26 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:38:33.89 ID: MpFEaK5/0
―BAR：バーボンハウス、キッチン
ｶﾁｬｶﾁｬ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「カチャカチャ、カチャカチャ、五分立てー♪」
ｶﾁｬｶﾁｬ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「カチャカチャ、カチャカチャ、七分立てー♪」
ｶﾁｬｶﾁｬ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「カチャカチャ、カチャカチャ、九分立てー♪」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「テキパキ、テキパキ、出来ましたー♪」
27 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:40:57.00 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「へぇ……、すごいもんだね」
(´･ω･`)「生クリームがこんなに早く出来るなんて」
(´･ω･`)「その変な泡だて器のおかげかい？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「うん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「 从 ﾟ∀从「ハインさま特製泡だて器『ソープ＆ヘルス』だ！！」 って言ってた」
(´･ω･`)「……うん、なるほど」
(´･ω･`)「…ツンちゃん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ほへ？」
(´･ω･`)「名前を変えよう。そうだ、『もふもふ泡だて器』にしよう」
29 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:46:12.14 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「なんで？」
(´･ω･`)「そっちのほうが良い名前だからさ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ ？
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「分かんないけど、分かった」
(´･ω･`)「よし」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「じゃあ、次は生クリームをぬりまーす」
(´･ω･`)「スポンジはもう準備してあるから、思う存分やるといいよ」
(´･ω･`)「はい」
つ（ ）
ξ*ﾟ∀ﾟ)ξ「わーい」
31 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:49:34.50 ID: MpFEaK5/0
ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ペタペタ、ペタペタ、ぬりましょうー♪」
ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「生クリームをぬりましょうー♪」
ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ペタペタ、ペタペタ、ツルペッタン♪」
ﾍﾟﾀﾍﾟﾀ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「しぃのお胸はつるぺったん♪」
32 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:49:52.29 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「つるぺた、とか聞こえたけど…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ペタペタ、ペタペタ、ペッタペッター♪」
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「まぁ、いいか」
(´･ω･`)「じゃあ、ボクはフルーツを切ろうかな」
33 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:50:41.07 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)エスパークーのようです
－第二十四話：ミッシング・パパ－
35 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:51:30.72 ID: MpFEaK5/0
―ダイプロミーティングルーム前
川 ﾟ -ﾟ)「…」
―扉の前に、クーは佇んでいた
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「（色々あったせいか、入りづらいな…）」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「むー…ん」
川 ﾟ -ﾟ)「考えても、仕方ない」
川 ﾟ -ﾟ)「よし、クー行きます」
37 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:53:30.09 ID: MpFEaK5/0
―ｶﾞﾁｬ
ｺｺﾝ！
( ＞＜)「うー、りゃ！！」
ｶｶﾝ！
(ﾟ∀ﾟ )「なに、をぉ！！」
ｶｺﾝ！！
(；＞＜)「うっ、くぅ！！」
ｺｺﾝ！！
(ﾟ∀ﾟ；)「しね、やぁ！！」
ｶｺﾝ！！
38 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:54:13.60 ID: MpFEaK5/0
ｶｶﾝ！！
ｺｺﾝ！！
川 ﾟ -ﾟ)
ｶｶﾝ！！
ｺｺﾝ！！
(ﾟ- ﾟ 川
40 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:54:45.01 ID: MpFEaK5/0
(ﾟ∀ﾟ #)「これで、終わりだぁ！！！」
ｽｺｰﾝ！！
(；＞＜)「ヤバっ…！！ 仕方ないん、…です！！」
( <●><●>) ﾃﾞｭﾜｯ
( <●><●>)「――見える！！」
ｶｶｯ！！！
=ο)∀ﾟ)･∴「ｶﾓﾅﾍﾞ！！」
41 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:55:29.29 ID: MpFEaK5/0
(ﾒ∀ﾟ )「…」
(ﾒ∀ﾟ )「やるじゃねぇか……」
( ∀ )「完敗だ……ぜ」
ﾊﾞﾀﾝ
川д川「勝者、ビロード～」
( ＞＜)「わーいなんです」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「（相変わらず過ぎる…）」
42 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:56:37.83 ID: MpFEaK5/0
川д川「あら、クーちゃん」
川д川「元気ぃ？」
川 ﾟ -ﾟ)「まぁ、それなりに」
( ＞＜)「あけましておめでとうなんです」
川 ﾟ -ﾟ)「おめでとう、ビロード」
川 ﾟ -ﾟ)「で、何をやってたんだ？」
( ＞＜)「羽根突きなんです」
( ＞＜)「ただし、羽根じゃなくてピンポン玉を打ち合ってたんです」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「（それは、羽根突きなんだろうか？）」
45 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:58:19.60 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「しかし、えらく熱が入っていたな」
川д川「お年玉争奪戦だから～」
川 ﾟ -ﾟ)「金をかけてたのか」
( ＞＜)「あ、忘れるとこだったんです。貞子さん、お年玉くださいなんです」
川д川「ちょっと待っててね～」
川д川「クーちゃん、ちょっとちょっと」
川 ﾟ -ﾟ)「ん？」
ﾋｿﾋｿﾋｿ
川 ﾟ -ﾟ)д川
46 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:59:02.11 ID: MpFEaK5/0
川д川「場所はたぶん合ってるわ～」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「まさか、毎回こんなことをしてるわけじゃないだろうな」
川д川「まさか～」
川д川「たま～によ、たま～に」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「まぁ、いいか」
48 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:59:40.49 ID: MpFEaK5/0
ﾋｭ
ﾊﾟｯ
川 ﾟ -ﾟ)「ほれ」
川д川「さすが、クーちゃん」
川д川「最近ガードが固かったのよ～」
川 ﾟ -ﾟ)「警戒されてるじゃないか…」
49 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:00:07.82 ID: MpFEaK5/0
川д川「ビロードくん～」
( ＞＜)「はいなんです」
川д川つ□「はい、お年玉」
( ＞＜)「わーい、ありがとうなんです！」
( ＞＜)「…」
つ□
( ＞＜)「…」
つ□
(；＞＜)「さ、貞子さん！！ こ、これ、一万円札なんです……」
50 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:00:45.86 ID: MpFEaK5/0
川д川「そ～よ？ 少ない～？」
(；＞＜)「いや、いやいや! 多すぎなんです！！
(；＞＜)「てっきり、ボクは５００円くらいだと…」
(；＞＜)「こんなにもらえないんです！」
川д川「い～の、い～の、気にしないで～」
(；＞＜)「…でも」
ﾊﾞﾀｰﾝ！！
（# ･∀･）「貞子っ！！！」
51 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:01:13.83 ID: MpFEaK5/0
( ＞＜)「――！」
川д川「あら？」
（ ･∀･）「…キミは、また私のヘソクリをくすねたな？」
川д川「何のことかしら～？」
（ ･∀･）「しらばっくれても無駄だ」
（ ･∀･）「今回を含めて５回」
（ ･∀･）「すべて、キミが犯人だろう？」
52 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:02:15.77 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「……５回…」
川д川「そんなヒドイわ～」
川д川「４回目から、赤外線センサーを付け始めたじゃないですか～」
川д川「さすがの私でも無理だわ～」
（ ･∀･）「そうだな」
（ ･∀･）「４回目以降はしばらく、音沙汰がなかったのだが…」
（ ･∀･）「…」
（ ･∀･）「素直クール」
54 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:04:03.71 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「はい」
（ ･∀･）「あけましておめでとう」
川 ﾟ -ﾟ)「おめでとうございます」
（ ･∀･）「最近、元気がないようだったが」
（ ･∀･）「今回のようなことが出来るなら、大丈夫だな」
（ ･∀･）「安心したよ」
川 ﾟ -ﾟ)「…む」
55 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:06:03.53 ID: MpFEaK5/0
（ ･∀･）「――真実はいつもひとつ」
（ ･∀･）「素直クール、犯人はキミだ」
川 ﾟ -ﾟ)「…なぜです？」
（ ･∀･）「どこでもドアであろうと、透明人間であろうと赤外線センサーにはひっかかる」
（ ･∀･）「つまり、貞子には無理なわけだ」
（ ･∀･）「赤外線センサーを掻い潜り、ヘソクリを盗み出す…」
（ ･∀･）「それには、キミの能力がうってつけというわけだ」
(；＞＜)「（え？ このお金、補佐のヘソクリなんですか？）」
川 ﾟ -ﾟ)「（どんだけヘソクリが大事なんだ）」
57 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:07:51.54 ID: MpFEaK5/0
川д川「うふふふふ～」
川д川「さすがです～、モララー補佐～」
（ ･∀･）「犯行を認めたか」
川 ﾟ -ﾟ)「まぁ、いつかはバレると思ってましたが」
川д川「それにしても早かったわ～」
（ ･∀･）「ふっ…」
（ ･∀･）「赤外線センサーとは別に、ヘソクリが動いた場合に警報が鳴るように仕掛けておいた」
（ ･∀･）「ハインくんの特製だ」
（ ･∀･）「どんな些細な動きも逃さん」
58 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:08:25.22 ID: MpFEaK5/0
(；＞＜)「あう……、すいません」
(；＞＜)「これ、お返ししますなんです」
つ□
（ ･∀･）「あぁ、すまないな」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川д川「…」
（ ･∀･）「…なんだね」
59 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:09:52.05 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「…子供から、お年玉を取り上げる大人」
川д川「…どこの家庭でも見かけるけど～、嫌な光景ね～」
( ﾟ∀ﾟ)「…大人って汚いな」
（ ･∀･）「いや、待て」
（ ･∀･）「これは、私のお金だよ？」
（ ･∀･）「しかも、盗まれたものだ」
（ ･∀･）「返してもらうのは、当然だろう？」
61 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:11:50.94 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「…お年玉が子供にとって、どれだけ大事なのかも分からないんですね」
川д川「…もう忘れたしまったのね～、子供の頃の純粋さを」
( ﾟ∀ﾟ)「…金つーのは、使うためにあるんですよ」
（ ･∀･）「待て、待ってくれ」
（ ･∀･）「これじゃ、私が悪者みたいじゃないか」
（ ･∀･）「陰謀だ」
（ ･∀･）「孔明の罠だ」
（ ･∀･）「大体、ジョルジュ。何気に参加してるが、いつからそこにいた」
62 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:12:50.51 ID: MpFEaK5/0
( ﾟ∀ﾟ)「え？ 最初からいましたよ？」
( ﾟ∀ﾟ)「あー、ビロが可哀想だなー」
川 ﾟ -ﾟ)「そうだな」
(；＞＜)「ボ、ボクはどうすれば…」
川д川「わら人形と五寸釘貸すわよ～？ 今なら、鶏とナイフも付けちゃうわ～」
(；＞＜)「え…いや…」
( ﾟ∀ﾟ)「ほら、ビロが困ってるじゃないっすか」
川 ﾟ -ﾟ)「確かに困ってるな」
64 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:14:01.25 ID: MpFEaK5/0
（ ･∀･）「…」
（ ･∀･）「…」
（ ･∀･）「…（泣かないぞ）」
（ ･∀･）「…分かった、このお金はビロードにあげよう」
つ□
（ ･∀･）「お年玉だ」
(；＞＜)「えぇ！？ そんな、悪いんです！！」
66 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:14:51.25 ID: MpFEaK5/0
( ﾟ∀ﾟ)「ビロ」
( ﾟ∀ﾟ)「せっかく補佐がああ言ってるんだ、貰っとけって」
川 ﾟ -ﾟ)「遠慮することはないぞ」
川д川「そうよ～」
（ ･∀･）「…（こいつら…）」
（ ･∀･）「なけなしのヘソクリが…」
67 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:15:28.51 ID: MpFEaK5/0
( ﾟ∀ﾟ)「大丈夫です、補佐」
（ ･∀･）「？」
( ﾟ∀ﾟ)「お年玉、貸してください。盗りはしませんから」
（ ･∀･）「…」
（ ･∀･)つ□「ほら」
( ﾟ∀ﾟ)「どうも」
つ□
68 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:15:56.52 ID: MpFEaK5/0
( ﾟ∀ﾟ)「…」
( ﾟ∀ﾟ)つ□「ほい、ビロード」
( ＞＜)､「あ、はい。ありがとうなんです」
つ□
( ＞＜)「…」
つ□
( ＞＜)「まぁ、このくらいなら…」
( ﾟ∀ﾟ)「な」
( ﾟ∀ﾟ)「精々５００円ぐらいだ」
69 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:16:58.96 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「なるほど、価値を下げたのか」
川 ﾟ -ﾟ)「目の前でやられると変な感じがするな」
川д川「５００円札ってこんな感じなのかしら～」
（ ･∀･）「…」
（ ･∀･）「結局、私のヘソクリが減ったのは変わりないんだが…」
( ﾟ∀ﾟ)「まぁ、いいじゃないっすか」
( ﾟ∀ﾟ)「そんなに懐が痛んだ気がしないっしょ？」
( ﾟ∀ﾟ)「……３０分ぐらいは」 ﾎﾞｿﾘ
（ ･∀･）「…」
70 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:18:13.39 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「しかし、羽子板でピンポンとは」
川 ﾟ -ﾟ)「中々難しそうだな」
川д川「あら～、クーちゃんもやってみる？」
川 ﾟ -ﾟ)「そうだな、少しやってみたい」
( ﾟ∀ﾟ)「じゃあ、オレと！」
川 ﾟ -ﾟ)「お前はさっき負けただろう」
川 ﾟ -ﾟ)「ビロード、一緒にやろう」
( ＞＜)「はいなんです！」
71 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:18:35.00 ID: MpFEaK5/0
ｶﾝ！！
ｺｺﾝ！！
ｶﾝ！！
ｶｶﾝ！！
（ ･∀･）「…」
川д川「ヘコんでますね～」
（ ･∀･）「誰のせいだ」
川д川「うふふ～」
74 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:19:19.23 ID: MpFEaK5/0
（ ･∀･）「…」
（ ･∀･）「元気そうじゃないか」
（ ･∀･）「クーは」
川д川「あら～、心配してました？」
（ ･∀･）「まぁな」
（ ･∀･）「…」
（ ･∀･）「何があったのかは知らんが……まぁ、良かった」
75 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:19:38.77 ID: MpFEaK5/0
川д川「補佐も大変なんですね～」
（ ･∀･）「…変な部下を持つとな」
川д川「同情します～」
（ ･∀･）「お前が言うな」
76 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:20:50.40 ID: MpFEaK5/0
※
―BAR：バーボンハウス、キッチン
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ぬおりゃー！！」
ｽﾞﾊﾞ―――ｯ
(´･ω･`)「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…できた」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「できたどー！！」
78 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:21:27.51 ID: MpFEaK5/0
―クリームまみれの顔に満面の笑みを浮かべ、はしゃぐツン
―立派なホールショートケーキが、テーブレの上で白く輝いていた
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ふははははは！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「見よ！！ この純白の満月を！！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「とっても、おいしそう！」
(´･ω･`)「うん、いい出来だね」
(´･ω･`)「…でも、ちょっと足りないな」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「な、なにぃ！？」
79 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:21:53.33 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「うん、足りないね」
(´･ω･`)「――上に乗せるイチゴ」
(´･ω･`)「フルーツは全部使い切っちゃたから」
(´･ω･`)「買ってこないとね」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「メンドくさいね」
(´･ω･`)「まぁ、しょうがないよ」
81 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:23:41.99 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「うむむ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「何か他ので……」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「イチゴじゃないくて、赤くて、小さい…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「梅干！！」
(´･ω･`)「却下」
82 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:24:27.97 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「えぇー」
(´･ω･`)「イチゴと梅干は全然違うでしょ」
(´･ω･`)「というか、その発想はどこから来るのかな」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっと美味しそうかな、って」
(´･ω･`)「そうか」
(´･ω･`)「せっかくだけど、それは次の機会しよう」
ξ*ﾟへﾟ)ξ「むー」
(´･ω･`)「次までには、梅干に合うケーキを考えておくよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ホント！？」
(´･ω･`)「あぁ」
85 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:24:58.44 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「とりあえずイチゴを買ってくるから、ちょっと待っててくれ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξﾉ「はい！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξﾉ「はいはいはいはい！！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「私がいく！」
(´･ω･`)「うん？ そうかい？」
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「じゃあ、お願いするよ」
(´･ω･`)「ボクは片付けをやっておくから」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「やった！」
86 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:25:27.54 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「えっと…」
(´･ω･`)「はい、お金」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お金！」
(´･ω･`)「気をつけて行くんだよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「うん！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「じゃあ、いってきまーす！」
89 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:26:48.50 ID: MpFEaK5/0
ﾊﾞﾀｰﾝ！
ｶﾗﾝｶﾗﾝｶﾗﾝ
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「梅干か」
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「無理だな」
90 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:27:43.29 ID: MpFEaK5/0
※
―商店街へと続く道
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「イチゴ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「イチゴ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あまおーさん」
―ツンが鼻歌を歌いながら歩いてると
ぁぁぁああん」
―どこからか、声が聞こえた
93 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:28:19.71 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「泣き声…？」
―何か事かと思い、声のする方へ歩いていく
(* ω )。「わあぁぁぁぁぁん」
ﾟ⊿ﾟ)ξ ﾋｮｲ
(* ω )。「あぐ……あぶっ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
95 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:30:13.30 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「もしもしー…？」
(*ﾉωﾉ)「ひっ…！！」
―泣いていたのは、小さな女の子
―背格好はツンとそう変わらないが、状況が状況のせいかずっと幼く見える
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「どうしたの？」
(*ﾉωﾉ)「……あぷ…」
98 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:30:39.23 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「迷子？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ケガしたの？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「んー…、お腹がへったとか？」
(*ﾉωﾉ)「……」
(*ﾉωﾉ)「…おとーさん……」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「おとーさん…？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…お父さんとはぐれちゃったの？」
100 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:31:14.77 ID: MpFEaK5/0
(* ω )「！！」
(* ω )「っ……ぐぅぅぅ…」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっ、泣かないでよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*-⊿-)ξ「んー…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…しょうがないなー」
(*ﾉωﾉ)「…あぷ？」
102 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:32:15.62 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「手伝ってあげる」
(*ﾉωﾉ)「…？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お姉ちゃんが、お父さん探すの手伝ってあげるから」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「だから、もう泣かないの」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ね？」
(*ﾉωﾉ)「…ぐっす……ホント？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ホント」
(*ﾉωﾉ)「…」
104 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:32:54.57 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「いいかな――」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ええっと、…名前は？」
(*ﾉωﾉ)「…あぷー……」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷー？ それが名前？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「私はツンデレ。ツンお姉ちゃんよ」
(*ﾉωﾉ)「テンデレ…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ツ・ン・デ・レ」
(*ﾉωﾉ)「テンテレ…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
106 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:33:32.96 ID: MpFEaK5/0
ξ*-⊿-)ξ「ま、いっか」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「じゃ、行きましょ」
(*ﾉωﾉ) ｺｸﾝ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「（イチゴ……いっか、後で）」
109 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:34:31.96 ID: MpFEaK5/0
―
――
ﾃｸﾃｸ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
(*ﾉωﾉ)「…」
ﾃｸﾃｸ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あ、猫だ」
(*ﾉωﾉ)「あぷー」
111 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:34:45.88 ID: MpFEaK5/0
ﾃｸﾃｸ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
(*ﾉωﾉ)「…」
ﾃｸﾃｸ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「いい匂いがする、ラーメン屋さんかな？」
(*ﾉωﾉ)「あぷー」
113 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:36:21.96 ID: MpFEaK5/0
ﾃｸﾃｸ…
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ〝「は！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「これじゃダメだわ」
(*ﾉωﾉ)「あぷ？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「もっと効率よくやんないと」
ξ*-⊿-)ξ「んー…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃん」
(*ﾉωﾉ)「…？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お父さんってどんな人？」
116 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:37:26.31 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「…どんな？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そう。ヒゲもじゃだとか、メガネとか」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「…おとーさんは、おしゃべりがキライなの」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「おしゃべりが嫌い？」
(*ﾉωﾉ) ｺｸﾘ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「他には？」
(*ﾉωﾉ)「…………あぷ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そう」
118 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:38:24.06 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「じゃあ、どこでお父さんとはぐれちゃたの？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お店とか、公園とか」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「わかんない…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そう」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
(*ﾉωﾉ)「…」
(* ω )「…ごめんなさい」
(* ω )「ふぇ……っ」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「あー、泣かない泣かない」
120 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:39:20.41 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「大丈夫よ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お姉ちゃんが何とかするから」
(*ﾉωﾉ)「ホント？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ホント」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ほりゃ、涙と鼻水拭きなさい」
つ□
(*ﾉωﾉ)「あぷ…」
(*ﾉωﾉ) ﾁｰﾝ
(*ﾉωﾉ)「ありがとー…」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぅ…、私のプーさんが鼻水まみれに…」
122 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:39:55.77 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「ぷー…？」
(*ﾉωﾉ)□ ﾃﾞﾛｰﾝ
(*ﾉωﾉ)「ぷ－さん…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ん？ プーさん、好きなの？」
(*ﾉωﾉ) ｺｸｺｸ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「じゃあ、それあげる」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「鼻水まみれになっちゃたし」
(*ﾉωﾉ)「ホント？」
124 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:41:10.79 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「ホント？」
(*ﾉωﾉ)「ありがとう、テンデレお姉ちゃん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ､「別に、大した物じゃないから」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「それに、ツンデレね。ツンデレ」
(*ﾉωﾉ)「えへへ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「まぁ、いいわ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「それじゃ、お父さんを探しに」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「再しゅっぱーつ！」
(*ﾉωﾉ)「あぷー」
125 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:41:37.73 ID: MpFEaK5/0
※
―BAR：バーボンハウス
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「遅いなぁ…」
(´･ω･`)「イチゴなら、商店街の八百屋に置いてあるはずなんだが」
(´･ω･`)「どこまで、買いに行ってるんだろ」
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「寄り道でもしてるのかな」
128 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:42:55.47 ID: MpFEaK5/0
―ｶﾗﾝｶﾗﾝｶﾗﾝ
(´･ω･`)「お、噂をすれば」
(´･ω･`)「おかえり、ツンちゃ――」
「…」
(´･ω･`)「…」
(´･ω･`)「…キミか」
129 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:43:17.17 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「まだ、開店時間前なんだが…」
(´･ω･`)「まぁいい」
(´･ω･`)「席に着きなよ」
「…」
(´･ω･`)「さて、と」
(´･ω･`)「テキーラでいいかな？」
132 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:46:43.32 ID: MpFEaK5/0
※
―公園
―しばらく歩いて探してみたものの、収穫は何もなく
―疲れた二人は、ベンチに腰をかけ 休んでいた
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
(*ﾉωﾉ)「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「見つかんないね…」
(*ﾉωﾉ)「…あぷ」
134 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:48:47.44 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あっ、と……泣かないでよ」
(*ﾉωﾉ)「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「うーん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お父さんの方も探してると思うんだけど…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ん？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そっか！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「警察に行けばいいんだ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お父さんが警察に頼んでるかもしれないし」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ツンちゃん、天才ー」
135 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:49:28.95 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「……だめ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ほへ？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…だめ？」
(*ﾉωﾉ)「……うん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「なんで？」
(*ﾉωﾉ)「…」
「お嬢ちゃんたち、どうしたのかな？」
136 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:50:01.46 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ん？」
(*ﾉωﾉ)「？」
(｀∠´)「迷子か何かかい？」
(｀∠´)「よかったら、おじさんが一緒に探してあげよう」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「え……、いや」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「（…この人、どっかで見たことあるな…）」
138 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:51:50.11 ID: MpFEaK5/0
(｀∠´)「いや、何、怪しい者じゃないよ」
(｀∠´)「――セバスチャン、いるか」
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「はい、ここに」
(｀∠´)「二人に飴を。とびきり甘いヤツだ」
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「はっ」
ｶﾞｿｺﾞｿ
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「どうぞ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あ、はぁ」
(*ﾉωﾉ)「…ありがとう」
139 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:52:19.06 ID: MpFEaK5/0
(｀∠´)「ふふ、いいんだよ」
(｀∠´)「二人とも愛らしい、お人形さんのようだ」
(｀∠´)「亡くなったウチの娘によく似てる」
(｀∠´)「……ｳｯ」
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「主、気を確かに」
(｀∠´)「あぁ、すまない」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「（亡くなった子供…？ この話、どっかで…）」
140 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:53:20.58 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「！！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あ―――――！！！」
(；ﾉωﾉ) ﾋﾞｸｯ
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「第六話の変態だ―――！！！」
(｀∠´；)「へ、変態？ キミは何を…」
141 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:53:45.88 ID: MpFEaK5/0
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃん、逃げるよ！！」
(*ﾉωﾉ) 「あぷ？」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「飴はいいから」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「毒入りよ、それ！」
(*ﾉωﾉ) 「どく？」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「いいから、逃げるの！！」
―ﾀﾞｯ
142 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:54:07.52 ID: MpFEaK5/0
(｀∠´)「――あ」
(｀∠´)「…」
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「追いますか？」
(｀∠´)「…変態」
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「主、気を確かに。間違いではありません」
(｀∠´)「…」
(｀∠´)「…え、そうなの？」
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「…」
ｼﾂ ﾟ ｼﾟ)ﾞ「失言でした」
144 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:55:12.86 ID: MpFEaK5/0
―
――
―――
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「ぜーはー、ぜーはー」
(；ﾉωﾉ)「はぁ、ひ、ふ…」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「はぁ、はぁ……大丈夫みたいね」
(；ﾉωﾉ)「へ、ほぉ……」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ､「ふぅ…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「疲れちゃったね」
(*ﾉωﾉ)「…あぷ」
145 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:55:32.67 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「元の場所から、大分離れちゃったね…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「戻るってわけにもいかないし、どうしようか」
(*ﾉωﾉ)「…」
―途方に暮れる二人
―その時
「あぷーちゃん！」
―後ろから、声が聞こえた
148 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:56:23.21 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ん？」
(*ﾉωﾉ)「！！」
(*‘ω‘ *)「もう、どこ行ってたの」
(*‘ω‘ *)､「お母さん、心配したんだから」
―声の主は、女性
―言動から察するに、あぷーの母親だと思われた
(*ﾉωﾉ)「…」
149 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:56:47.79 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃんの、お母さん？」
(*‘ω‘ *)「…？」
(*‘ω‘ )「えぇ……、えっと、どちら様かしら？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「私は、ツンデレです」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃんが、迷子になってたから一緒に探してあげようと…」
(*‘ω‘ *)「そうなの」
(*‘ω‘ *)「ありがとう、ツンデレちゃん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「いえ…」
(*ﾉωﾉ)「…」
152 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:57:30.22 ID: MpFEaK5/0
(*‘ω‘ *)「よかったら、お茶でもどうかしら？」
(*‘ω‘ *)「美味しいクッキーがあるの」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あ、ごめんなさい」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お使いの途中なんです」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…お母さんも見つかったことだし、私はこれで」
(*ﾉωﾉ)「だめ…！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「へ？」
(*ﾉωﾉ)「…まだ、おとーさんがいない」
153 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:58:10.84 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「え？ いや、お家にいるんじゃないの？」
(*‘ω‘ *)「…」
(*‘ω‘ *)「ごめんね、ツンデレちゃん」
(*‘ω‘ *)「この子、いつもこうなの」
(*‘ω‘ *)「もう大丈夫だから、気にしないで」
(*‘ω‘ *)「あ、連絡先教えてちょうだい。あとで、おｒ」
(*ﾉωﾉ)「いや――！！ おと－さん探すの！！ おとーさん！！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
155 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 19:59:26.13 ID: MpFEaK5/0
(；‘ω‘ *)「あぷーちゃん！！」
(* ω )「いや―――！！！」
(* ω )。「探す……探すんだもん……」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃん、一回お家に帰ろう？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ね？」
(* ω )。「あぶ……いや……探すぅ……」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「また、手伝ってあげるから」
(* ω )。「……お姉ちゃん、帰る……んだもん」
156 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:00:07.36 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ううん、帰らない」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「私も一緒にお家に行くよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「だから、ね」
(* ω )「……」
(* ω )「…」
(* ω ) ｺｸﾘ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「よぉし、いい子だ」
159 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:01:30.31 ID: MpFEaK5/0
(；‘ω‘ *)「この子ったら…」
(*‘ω‘ *)､「ごめんね、ツンデレちゃん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「大丈夫です」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「クッキー食べたかったし」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*‘ω‘ *)「ウチはこのすぐ近くだから」
160 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:02:08.35 ID: MpFEaK5/0
―
――
―――
―あぷー宅
ξ*ﾟｗﾟ)ξ ｶﾞﾘｮｶﾞﾘｮ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「このクッキー、おいしー」
(*‘ω‘ *)「そう、良かった」
(*‘ω‘ *)「もらい物なんだけど、食べ切れなくて」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「全部食べるー」
(*‘ω‘ *)「どうぞどうぞ」
162 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:02:54.24 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟｗﾟ)ξ ｶﾞﾂｶﾞﾂｶﾞﾂ
ξ*ﾟｗﾟ)ξ 「あぷー ｶﾞﾘｶﾞﾘ ちゃんは ｶﾞﾘｶﾞﾘ ？」
(*‘ω‘ *)「泣きつかれたみたいで、今は寝てるわ」
ξ*ﾟｗﾟ)ξ「そう ｶﾞﾘｶﾞﾘ っすか ｶﾞﾘｶﾞﾘ」
(*‘ω‘ *)「…」
(*‘ω‘ *)､「ごめんなさいね」
ξ*ﾟ -ﾟ)ξ ｺﾞｸﾝ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「何がですか？」
164 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:03:57.34 ID: MpFEaK5/0
(*‘ω‘ *)「あの子が迷惑かけたみたいで」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そんなことないです」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あの」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お父さんは、どこにいるんですか？」
(*‘ω‘ *)「……」
(*‘ω‘ *)「仕事で、出張中なの」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そうですか…」
165 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:04:13.91 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっと、トイレ」
(*‘ω‘ *)「あ、トイレね」
(*‘ω‘ *)「廊下に出て、真っ直ぐなんだけど」
(*‘ω‘ *)「一緒に行きましょうか？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「いえ、大丈夫です」
169 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:06:04.26 ID: MpFEaK5/0
ﾃｸﾃｸﾃｸ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
―居間を出て、トイレへと向かう際
―ある匂いが、ツンの鼻を掠めた
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…お線香の匂い」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
―まさかな、と思いつつ
―廊下脇の襖を開ける
171 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:06:34.97 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
―仏間と思われる、そこには
―花と、線香と、若い男の写真が飾ってあった
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「目元が、そっくり……」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「おとーさん、か」
176 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:12:42.88 ID: MpFEaK5/0
※
―あぷーの部屋
―ｶﾞﾗｯ
(*ﾉωﾉ)「…うん？」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「…だれ？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξﾉ「よっ」
(*ﾉωﾉ)「お姉ちゃん…」
177 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:14:21.74 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「綺麗な部屋ね」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「いいなぁ…」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「ねぇ…、お姉ちゃん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「うん？」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「また、いっしょに探してくれるよね」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「えぇ」
178 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:15:11.93 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「でも、もう探す必要ないかも」
(*ﾉωﾉ)「…？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃん」
(*ﾉωﾉ)「あぷ？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「一個、教えて欲しいんだけど」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃんって何歳？」
180 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:16:14.41 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「…え、っと」
(*ﾉωﾉ)「１、２、３、…８さい！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そう、ありがとう」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
(*ﾉωﾉ)「…？」
(*ﾉωﾉ)「…お姉ちゃん？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あぷーちゃん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お父さんに会いたい？」
(*ﾉωﾉ)「会いたい！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「でも、会えないんでしょ？」
181 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:16:54.79 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「…そ、そんなことないもん」
(*ﾉωﾉ)「お父さんは、シュッチョウ中だからすぐ帰ってくるんだもん！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ホント？」
(*ﾉωﾉ)「ホント！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そう」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「でも、辛いでしょう？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「もう、いない人を想うのは」
182 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:17:23.62 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「いなくないもん！」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ホント？」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「…お姉ちゃん？」
(*ﾉωﾉ)「……何か変だよ？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「変じゃないよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「変なのはそっち」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「死人を想うのは辛いだけでしょ？」
(*ﾉωﾉ)「…」
184 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:18:01.10 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「だから――」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「辛いことは忘れればいいのよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「全部、丸ごと」
―じゃらん
―ツンが手を伸ばす。そこにはいつの間にか大鎌が握られていた
186 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:18:29.48 ID: MpFEaK5/0
(；ﾉωﾉ)「お、お姉ちゃん！？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「痛くしないから」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「お父さんの記憶」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「――刈り取らせてもらうね」
―黒い光が、音もなくあぷーを切り裂いた
188 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:19:50.14 ID: MpFEaK5/0
―
――
―――
(*ﾉωﾉ)「う……ん」
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「？」
(*ﾉωﾉ)「……寝ちゃった」
190 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:21:06.88 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ) ｸﾞｩｩ
(*ﾉωﾉ)「…お腹、減った」
(*ﾉωﾉ)「ご飯、まだかな…」
ﾃｸﾃｸ
191 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:21:25.68 ID: MpFEaK5/0
―あぷー宅、居間
ｶﾞﾁｬ
(* -ω- *)「…ｽﾋﾟｰ」
(*ﾉωﾉ)「おかぁさん？」
(*‘ω‘ *)「！」
(*‘ω‘ *)「あら？ あぷーちゃん」
(*ﾉωﾉ)「ご飯…」
(*‘ω‘ *)「ごめんね、寝ちゃってたみたい」
194 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:21:53.12 ID: MpFEaK5/0
(*‘ω‘ *)「今すぐ作るから……あら？」
(*‘ω‘ *)「クッキーなんて食べてたかしら？」
(*‘ω‘ *)「まぁ、いいわ」
(*‘ω‘ *)「じゃあ、お母さん、買い物に行ってくるから」
(*‘ω‘ *)「ご飯前だから、クッキー食べちゃダメよ」
(*ﾉωﾉ)「はーい」
(*‘ω‘ *)「それじゃあ、お留守番よろしくね」
ｶﾞﾁｬ
ﾊﾞﾀﾊﾞﾀ
195 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:22:27.23 ID: MpFEaK5/0
(*ﾉωﾉ)「…」
(*ﾉωﾉ)「クッキー…」
(*ﾉωﾉ)「ちょっとだけ…」
―ﾎﾟﾛｯ
(*ﾉωﾉ)「…？」
(*ﾉωﾉ)「ん？」
(*ﾉωﾉ)「ハンカチ？」
(*ﾉωﾉ)「……ぷーさんだ」
(*ﾉωﾉ)「でも、何か きちゃない…」
196 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:23:37.95 ID: MpFEaK5/0
※
―BAR：バーボンハウス
ｶﾗﾝｶﾗﾝｶﾗﾝ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「たっだいまー」
(´･ω･`)「あぁ、おかえり」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ん？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「…グラス？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「誰かお客さんきてたの？」
198 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:24:28.13 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「ん？」
(´･ω･`)「…いや」
(´･ω･`)「お客さんってほどでもないよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そう？」
(´･ω･`)「あぁ」
(´･ω･`)「それにしても、随分と遅かったね」
(´･ω･`)「心配したよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「んー、色々あって」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっと、人助けしたんだよ」
200 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:25:17.86 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「人助け？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「うん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「偉いでしょ」
(´･ω･`)「何をやったのかは知らないけど、いい事だね」
(´･ω･`)「偉い偉い」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「えへへー」
(´･ω･`)「…」
201 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:25:43.16 ID: MpFEaK5/0
(´･ω･`)「で、イチゴは？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あ」
202 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:26:10.88 ID: MpFEaK5/0
※
―ダイプロミーティングルーム
(；ﾟ∀ﾟ)「なんだこりゃ…？」
(；＞＜)「なんという…」
川д川「あら、奇抜ね～」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「なによー、文句言うなら あげないだから！」
(；ﾟ∀ﾟ)「いや、ケーキに梅干はないだろ」
(；＞＜)「もはや罰ゲームなんです」
203 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:26:35.70 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ皿ﾟ)ξ「むきー」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「いいもん、私一人で食べるから！」
川 ﾟ -ﾟ)「まぁ、せっかくだし頂こうかな」
（ ･∀･）「梅干を除けば食えないでもないな」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「二人とも話せるぅ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「いいよ、いいよー」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「どんどん食べてー」
川 ﾟ -ﾟ)「いや、さすがにどんどんは…」
204 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:27:12.60 ID: MpFEaK5/0
―ｶﾞﾁｬ
从 ﾟ∀从「ちょいーっす」
(*-ー-)「あら？」
川 ﾟ -ﾟ)「ハインさん、しぃさん」
从 ﾟ∀从「おう」
(*-ー-)「クーちゃん」
从 ﾟ∀从「みんなで、何………げっ」
从 ﾟ∀从「なんだあれ」
207 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:27:48.74 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「梅干ケーキらしいです」
从 ﾟ∀从「…」
(*-ー-)「…」
（ ･∀･）ﾊﾟｸｯ
（ ･∀･）「……うえっ」
从 ﾟ∀从「あ、ダリーン！」
208 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:28:13.22 ID: MpFEaK5/0
ﾋｭﾊﾟｯ
Σ（；･∀･）从∀ﾟ 从＝
从∀ﾟ 从「ハインが食べさせてあげるー」
（ ･∀･）「いや、もういい」
从∀ﾟ 从「はい、あーん」
（ ･∀･）「だから、もういいｔ」
从∀ﾟ 从「あーん（はぁと）」
ｷﾞｬｰ
209 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:28:52.35 ID: MpFEaK5/0
( ﾟ∀ﾟ)「…」
( ＞＜)「…」
川д川 ﾊﾟｸﾊﾟｸ
( ﾟ∀ﾟ)「おい、ビロ」
( ＞＜)「なんです」
( ﾟ∀ﾟ)「これ、美味いと思うか？」
( ＞＜)「貞子さんは美味しそうに食べてるんです」
(；ﾟ∀ﾟ)「あいつは参考になんねぇ」
( ＞＜)「そう言われると、どうしようもないんです」
( ﾟ∀ﾟ)「でも、もしかしたらホントに美味いのかもしんねぇ」
210 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:29:28.91 ID: MpFEaK5/0
( ﾟ∀ﾟ)「よし、ビロ」
( ﾟ∀ﾟ)「せーの、で一緒に食おうぜ」
(；＞＜)「えぇー！？」
( ﾟ∀ﾟ)「ガキとはいえ、女性の出した食べ物を食わないのは、オレのアイデンティティに関わる」
(；＞＜)「食べません！」
(；＞＜)「ボクは関係ないんです！」
211 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:29:55.85 ID: MpFEaK5/0
川д川「んふふふ～」
川д川「ビロードくんは、私が食べさせてあげる～」
(；＞＜)「おまっ！！」
( ﾟ∀ﾟ)「いくぞ！ せーの」
(；＞＜)「いや、ちょっ」
ｷﾞｬｰ
214 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:30:53.02 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「…」
ﾊﾟｸｯ
川；ﾟ -ﾟ)「…うっ」
川；ﾟ -ﾟ)「梅干のエキスが染みて、なんとも言えない味が…」
ｷｺｷｺ
(*-ー-)「美味しい？」
川 ﾟ -ﾟ)「どうでしょうね」
川 ﾟ -ﾟ)「食べます？」
(*-ー-)「遠慮しとくわ」
215 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:31:14.89 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「（…どうしよう、これ）」
川 ﾟ -ﾟ)「（こっそり、ビーグルにでｍ…）」
(*-ー-)「…クーちゃん」
川 ﾟ -ﾟ)「へい？」
(*-ー-)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「…（変な声、出してしまった）」
216 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:31:45.62 ID: MpFEaK5/0
(*-ー-)「…」
(*-ー-)「この前は、ごめんね」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 - -)「…」
川 - -)「いえ、こちらこそ、ご迷惑をおかけしました」
(*-ー-)「もう、大丈夫？」
217 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:32:05.09 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「えぇ」
川 ﾟ -ﾟ)「正直、整理がついてない部分もありますけど」
川 ﾟ -ﾟ)「とりあえずは」
(*-ー-)「そう」
(*-ー-)「いい“色合い”ね」
ﾟ⊿ﾟ)ξ ﾋｮｲ
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「クー、しぃ、食べてる？」
218 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:32:26.83 ID: MpFEaK5/0
川 ﾟ -ﾟ)「あ、あぁ、少しずつな」
(*-ー-)「私、お腹の調子が悪くって…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「そう？ 残念だなぁ」
川 ﾟ -ﾟ)「…」
川 ﾟ -ﾟ)「しかし、ツンがケーキを作れるとは驚きだな」
川 ﾟ -ﾟ)「（梅干云々は、置いといて）」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「えへへー、スゴいでしょ」
219 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:32:43.68 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「毎年、ショボンに教えてもらってるんだけどね」
川 ﾟ -ﾟ)「…毎年？」
川 ﾟ -ﾟ)「今日は、誰かの誕生日か何か？」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ううん」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「毎年、この時期になると、ケーキ作りたくなるの」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「それだけー」
川 ﾟ -ﾟ)「へぇ…」
(*-ー-)「…」
221 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:33:06.72 ID: MpFEaK5/0
ﾋｮｺｯ
川д川「はいはい、ヒョッコリ貞ちゃんですよー」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「うわっ！」
川д川「ツンちゃん、ケーキもうないわ－」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「えぇ！？ もう！？」
川д川「私の胃袋は宇宙だー」
川 ﾟ -ﾟ)「貞ちゃんが食ったのか」
川д川「おかわりー」
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「えー…」
222 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:33:34.80 ID: MpFEaK5/0
ξ；ﾟ⊿ﾟ)ξ「えー…」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「あ、失敗したやつならあるよ」
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ただのクリームケーキだけど」
(；ﾟ∀ﾟ)「それをくれ！！」
(；＞＜)「早く！！ 早く、くださいなんです！！」
（；･∀･）「なんでもいいから、ハインくんをどうにかしてくれ！！」
川 ﾟ -ﾟ)「どこから湧いてきた」
224 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:34:26.17 ID: MpFEaK5/0
ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ「ちょっと待っててー」
ﾄﾀﾄﾀ
ﾜｰｲ
ﾏﾄﾓﾅ ｹｰｷﾀﾞ
ｳﾒｪ！
ﾏｼﾞ ｳﾒｪ
ﾊﾝﾊﾟﾈｪｗｗｗｗ
(*-ー-)「…」
(*-ー-)「相変わらず、騒々しいわね」
川 ﾟ -ﾟ)「まぁ、いいじゃないですか？」
225 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 20:35:08.96 ID: MpFEaK5/0
(*-ー-)「そうね」
(*-ー-)「今が一番幸せなのかもね」
―皆の笑顔の中心に、ツンがいた
―頬を膨らましながら、皆と騒ぐ様子は微笑ましく
―その笑顔は、見る者を暖かい気持ちにさせる
―ただ、それは
―どこか壊れそうな儚さを孕んでいた
第二十四話了