4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:30:10.49 ID: /nKmV4Fq0

世の中!狂ってんだよ!狂ってんだよ!あけましておめでとう
という人のための登場人物紹介

( ><) これでも高1。作者はこいつが一番好きです

( ゚∀゚) 変態貧乏大学生。下手すると空気

( ・∀・) ダイプロ補佐。これも変態

从'ー'从 アイドル。いいところ持っていきすぎ

 

 

6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:32:41.36 ID: /nKmV4Fq0

 あけましておめでとうござます

 昨年は大変お世話になりました

 今年もエスパークーを 

 よろしくお願いします

 

         ――大日本エスパープロジェクト

( ・∀・)「ふむ」

( ・∀・)「いい出来だ」

 

 

7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:36:48.59 ID: /nKmV4Fq0

从'ー'从*「へぇ〜、年賀状ですか」

( ・∀・)「あぁ…」

( ・∀・)

(・∀・ )

 

+
+ 从'ー'从* +

 

(つ∀×;)「うおっ、まぶし!」

 

9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:37:56.88 ID: /nKmV4Fq0

从'ー'从*「? まぶしい…?」

(;-∀-)「晴れ着姿の後ろから、後光が…」

从'ー'从*「??」

( ・∀-)「今年は幸先いいな」

 

( ゚∀゚)「いやー、補佐も好きものっすねー」

( ><)「全くなんです」

 

10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:38:20.05 ID: /nKmV4Fq0

( ・∀・)「…なんだね、キミ達は」

( ・∀・)「我が愛の巣に進入するとは、いい度胸だ」

( ・∀・)「ぼこぼこにしてやろう」

( ゚∀゚)「ほぉ、やる気かい」

( ゚∀゚)「おっさんには負けないっすよ?」

( ・∀・)「私はまだ20代だ!」

(;><)「ちょ、二人とも落ち着いてください」

 

11 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:38:48.07 ID: /nKmV4Fq0

ギャー
ギャー

*从 'ー'从「…」

ギャー
ギャー

从'ー' 从*「…」

 

从'ー'从*「えっと…」

 

12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:39:11.42 ID: /nKmV4Fq0

从'ー'从*「…」

从'ー'从*「今年もよろしくおねがしますね」

从^ー^从* ニコッ ←営業用スマイル

从'ー'从*「それじゃ、本編始まりまーす」

 

(;・∀・)「え!? ボク達、出番これだけ!?」(゚∀゚;)(><;)

 

21 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:46:12.56 ID: /nKmV4Fq0

エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) エスパー女子高生。物を呼び寄せる超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

川д川 オカ女。空間を構築、接続する能力

从 ゚∀从 ダイプロ書記長。なんでも半分こにする

( ∵) 悪魔人形。今はクーの鞄のキーホルダー

('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中

(´・_ゝ・`) ダイプロ一般職員。犬になった人

|゚ノ^∀^) クーの小学校時代の友人

 

22 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:47:01.22 ID: /nKmV4Fq0

―ダイプロCルーム

川д川「世界中の、おませな女の子のための、貞ちゃんと愉快な仲間たち〜」

川д川「略して、S・O・S」

川д川「ダイプロSOS団、ここに集結〜」

(*-ー-)「…」

从 ゚∀从「…」

ξ*゚听)ξ「…」

 

 

27 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:49:41.67 ID: /nKmV4Fq0

川д川「あらぁ? ノリが悪いわ〜」

(*-ー-)「やっぱり愉快な仲間たち、っていうのはちょっと…」

从 ゚∀从「まぁ、オリジナリティの欠片もねぇしな」

川д川「リーダー決めのジャンケンで負けたからって、イジワルぅ〜」

ξ*゚听)ξ「…あの」

(*-ー-)「ん?」

ξ*゚听)ξ「緊急事態よ〜、って言われたんだけど」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「これは、なに?」

 

 

29 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:51:28.32 ID: /nKmV4Fq0

从 ゚∀从「あれ? 貞ちゃん説明しなかったのか?」

川д川「あらら〜? 私の記憶がないよ〜」

(*-ー-)「もう、適当なんだから…」

ξ*゚听)ξ「…」

(*-ー-)「あぁ、ごめんね」

(*-ー-)「これはね……」

(*-ー-)「あれ……んっと、なんて言えばいいのかな」

从 ゚∀从「ダイプロ おんにゃの子 駄弁り場」

(*-ー-)「それだ」

川д川「SOS団だ、って言ってるのに〜」

 

30 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:52:11.95 ID: /nKmV4Fq0

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「つまり、昼間から暇を持て余す20代独女の集まり、っていうこと?」

(*-ー-)「…」

从 ゚∀从「…」

川д川「…」

 

 

川д川「あ〜、私は10代よ〜」

(;-ー-)「そこは突っ込むとこじゃないわ」

 

 

31 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:52:32.25 ID: /nKmV4Fq0

 

川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第二十三話:私のSOS−

 

33 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:53:29.94 ID: /nKmV4Fq0

川д川「さぁて、今回の議題は〜」

 

ジャカジャカジャカジャカ

―ジャン!

川д川「『第二回、クーちゃんを励まそう作戦』〜」

从 ゚∀从「…!」

(*-ー-)「…やっぱりね」

 

34 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:54:44.83 ID: /nKmV4Fq0

ξ*゚听)ξ「第二回?」

从 ゚∀从「ん? あぁ、ツンは知らないのか」

从 ゚∀从「前にも、この議題でやったことがあるんだよ」

从 ゚∀从「ありゃあ、温泉旅行のときか?」

(*-ー-)「えぇ」

川д川「もう十話以上も前ね〜」

从 ゚∀从「懐かしいな」

 

35 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:55:48.67 ID: /nKmV4Fq0

(*-ー-)「ハインったら、話を全部聞かないうちに飛び出しちゃんだもん」

(*-ー-)「そっれでいきなり、『温泉に行くぞ!!』でしょ?」

(*-ー-)「こっちは大変だったんだからね」

从;゚∀从「うっ…」

川д川「でも、楽しかったわ〜」

从 ゚∀从「そーそー。 結界オーライってな」

(*-ー-)「反省してないわね」

ξ*゚听)ξ「それが、第一回?」

(*-ー-)「ん? えぇ、そうよ」

 

37 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:56:56.87 ID: /nKmV4Fq0

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「よく分からないんだけど、緊急事態ってこと?」

从 ゚∀从「ま、そうだな」

ξ*゚听)ξ「…今回は、何かあったの?」

从 ゚∀从「まぁ、揺れる乙女心っていうか…」

ξ*゚听)ξ「ドクオのこと?」

(*-ー-)「ん〜」

(*-ー-)「そーのような、そうじゃないような」

(*-ー-)「私もしっかり視たわけじゃないから、良く分からないんだけどね」

 

38 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:58:02.19 ID: /nKmV4Fq0

川д川「自己の成長と変化〜、それによる葛藤と矛盾〜」

川д川「ま、こんなとこじゃな〜い?」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ ?

从 ゚∀从「わけ分かんねーよ」

从 ゚∀从「ま」

从 ゚∀从「その辺りは、“こいつ”に聞けばわかるんはずだ」

ξ*゚听)ξ「こいつ?」

 

41 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/09(水) 23:59:54.02 ID: /nKmV4Fq0

从 ゚∀从「こいつ」

―ハインが傍にあったカバンを開ける

―その中には

 

(三)『……』

 

―小さな包帯でぐるぐる巻きにされた人形が入っていた

 

42 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:00:37.99 ID: luJdu60R0

ξ*゚听)ξ「ミイラ?」

川д川「ナイスミイラね〜、イカスわ〜」

(*-ー-)「…ナイスミイラって」

(三)『――!! ―――!!!』

从 ゚∀从「はいはい、分かったつーの」

―ハインが人形に巻かれている包帯を解き始める

―途中で逆に締まってしまい、『ぐぇ』っという苦しそうな呻き声が聞こえた

 

43 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:01:22.34 ID: luJdu60R0

从 ゚∀从「ほい」

( ∵)『ガハッ……!! はぁ、はぁ、てめぇ!!殺す気か!!!』

ξ*゚听)ξ「あ」

(*-ー-)「悪魔人形くんじゃない」

( ∵)『ん…?』

( ∵)『……なんだ、ここは?』

川д川「SOS団会議場よ〜」

(*-ー-)「いや、私の部屋だから…」

 

44 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:01:42.89 ID: luJdu60R0

ξ*゚听)ξ「なんで、あんたがここに?」

( ∵)『それはオレが聞きてぇよ!』

从 ゚∀从「ぎゃーぎゃーうるせぃ、解体すんぞ」

( ∵)『あぁ!? やれるもんならやってみろ!!』

( ∵)『てめぇなんざ怖くm……』

( ∵)

( ∵)『…』

 

45 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:02:55.58 ID: luJdu60R0

从 ゚∀从「思い出したか?」

( ∵)『嫌というほどな…』

ξ*゚听)ξ「何?」

从 ゚∀从「ちょっと前の話」

(*-ー-)「そんなことより、どうしたの? これ」

( ∵)『(これ…)』

从 ゚∀从「クーから借りてきたんだよ」

从 ゚∀从「点検整備って名目でな」

 

46 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:03:37.71 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「なるほど」

从 ゚∀从「じゃあ、ちゃきちゃき教えてもらうか」

( ∵)『…』

( ∵)『クーのことか』

从 ゚∀从「おう。話が早ぇじゃねか」

( ∵)『聞こえてはいたからな』

从 ゚∀从「よし、さっさと話せ」

 

47 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:04:26.25 ID: luJdu60R0

( ∵)『…』

( ∵)『オレは何も知らねぇよ』

(*-ー-)「あれ?」

从 ゚∀从「嘘付け、この野郎」

ギギギギ

( ∵)『いてぇぇぇ!!』

( ∵)「分かった! 分かったがら、離ぜぇ!!」

 

 

48 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:04:52.36 ID: luJdu60R0

( ∵)『…はっ、はぁ…はぁ』

( ∵)『ここの女は、凶暴な奴らばっかだな…』

川д川「いやん。五寸釘で刺し殺すわよ〜」

( ∵)『…』

 

从 ゚∀从「ほりゃ、話せ」

ξ*゚听)ξ「(拷問してるみたい…)」

 

 

49 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:05:35.55 ID: luJdu60R0

( ∵)『…』

( ∵)『言っとくけどな』

( ∵)『ありゃ、あいつ個人の問題だ』

( ∵)『てめぇらの出る幕はねぇ』

从 ゚∀从「…んだと?」

( ∵)『…っけ』

( ∵)『馴れ合うのは結構なこったがな』

( ∵)『お前らがどんだけ頑張ろうと無駄だ』

 

 

51 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:06:25.41 ID: luJdu60R0

从 ゚∀从「ほほぉ、言うじゃねぇか」

从 ゚∀从「まだ、締め付けが足りなかったみたいだな」

(*-ー-)「ハイン、待って」

( ∵)『オレも、お前らも何もできない』

( ∵)『役立たずなんだよ』

( ∵)『それに…』

( ∵)『黙って見守ってやるつーのも友情だろ』

( ∵)『…』

( ∵)『知らねーけどな』

 

 

54 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:07:16.54 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「それもそうね」

从;゚∀从「おいおい、しぃ!!」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「でもね」

(*-ー-)「この子みたいに、仲間のために何かしてやりたい、って子もいるのよ」

从 ゚∀从「…」

川д川「私もよ〜」

ξ*゚听)ξ「わ、私も! (…よく分かんないけど)」

 

 

56 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:08:05.77 ID: luJdu60R0

( ∵)『…』

(*-ー-)「ビコーズくん」

( ∵)『なんだよ』

(*-ー-)「知ってることだけでいいわ」

(*-ー-)「クーちゃんのことを教えて」

( ∵)『…』

( ∵)『…知ってどうする』

( ∵)『無駄だって言ったろ』

 

57 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:09:10.21 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「出来うる限りのことはやってみたいの」

(*-ー-)「それでダメだったら、また考えるわ」

(*-ー-)「仲間だもん。なんとかしてあげたいのよ」

( ∵)『…』

从 ゚∀从「…」

川д川「のよ〜」

ξ*゚听)ξ「のよ!」

( ∵)『…』

( ∵)『はん、下らねーな…』

 

60 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:10:28.52 ID: luJdu60R0


――
―――

―数十分後

从 ゚∀从「――で、そこでオレが!」

川д川「だめよ〜だめだめ〜、センスないわ〜」

从 ゚∀从「んだよ」

从 ゚∀从「何か他にいいアイデアは…」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「いっそのこと、記憶刈り取っちゃえば…」

 

61 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:11:05.61 ID: luJdu60R0

从 ゚∀从「…」

川д川「…」

ξ;゚听)ξ「じょ、冗談だよ!」

川д川「…」

川д川「センスあるわ〜」

从;゚∀从「えぇ!?」

 

63 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:12:16.05 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「えぇっと、確かここに紅茶があったはず…」

ガチャガチャ

(*-ー-)「あ、あった」
  つ□

( ∵)『おい』

(*-ー-)「ん?」

( ∵)『あいつらに任せて大丈夫なのかよ』

(*-ー-)「さぁ」

( ∵)『てめぇ…!』

(*-ー-)「冗談よ」

( ∵)『…』

 

64 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:13:21.94 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「それにしても、結構しっかりとクーちゃんのこと見てるのね」

(*-ー-)「意外ね。関心しちゃった」

( ∵)『…っけ』

( ∵)『ずっと一緒にいれば、嫌でもそうなるつーんだよ』

(*-ー-)「そう?」

(*-ー-)「さっきも、クーちゃんを心配してる風だったじゃない」

( ∵)『当たり前だ』

( ∵)『あいつの身体は、いつかはオレのもんになるんだ』

( ∵)『変なことされて自殺でもされちゃ、堪ったもんじゃねぇ』

 

66 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:14:08.51 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「ふーん」

(*-ー-)「そういう事にしておくわ」

 

         オーイ
        シィ、オチャー

 

(*-ー-)「あー、ちょっと待ってねー」

(*-ー-)「もう、せっかちなんだから…」
  つ□

67 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:14:55.48 ID: luJdu60R0

カチャカチャ

( ∵)『…』

(*-ー-)「…? どうかした」

( ∵)『…』

( ∵)『結局、お前らのやってることは、ただの自己満足だ』

( ∵)『それを、分かってるのか?』

 

69 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:15:56.07 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「…」
 つ□

(*-ー-)
   ゞ□ …コトッ

(*-ー-)「そうかもね」

(*-ー-)「でも、良いじゃない」

(*-ー-)「理屈じゃなくて、感情よ」

(*-ー-)「人は、そこまでお利口じゃないわ」

( ∵)『…』

(*-ー-)「馬鹿なのよ」

(*-ー-)「特に、ウチのみんなは」

 

70 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:16:41.37 ID: luJdu60R0

         シィ〜
         オチャ〜

(*-ー-)「はいはいー、今行くわー」

( ∵)『…』

(*-ー-)「飲む…?」

( ∵)『飲めるか!』

(*-ー-)「ふふっ。冗談、よ」

( ∵)『…』

( ∵)『…っち』

 

71 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:17:00.63 ID: luJdu60R0

―ダイプロミーティングルーム

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「誰もいない…」

川 ゚ -゚)「珍しいこともあるものだな…」

川 ゚ -゚)「…」

 

72 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:18:44.60 ID: luJdu60R0

テクテク

川 ゚ -゚)「いつもは狭く感じるのは」

テクテク

川 ゚ -゚)「にぎやか過ぎるせいか」

川 ゚ -゚)「…」

、川 ゚ -゚) ストン

―クーはテーブルに着くと、腕を組み、顔を伏せた

 

 

75 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:19:48.66 ID: luJdu60R0

川 ゚ ゚)「…」
  ⌒⌒
川 - -)「はぁ…」
  ⌒⌒

―身体にまとわりつくのは、倦怠感

―それは、ずしりと重く、クーの肩にのしかかっている

川 - -)「…」
  ⌒⌒
川 - -)「…最近、ちゃんと寝てないからな」
  ⌒⌒
川 - -)「…」
  ⌒⌒

川 - -)「…」
  ⌒⌒

 

78 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:21:03.85 ID: luJdu60R0


――
―――

―私は夢を見る

それは、恐怖の再現

何もない暗闇に一人、私は立っていた

「…」

 

深い闇に光が浮かぶ

光の中から、ぬらりと何かが這い出てくる

 

82 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:22:16.95 ID: luJdu60R0

 

|゚ノ^∀^)「や」

 

「――!」

 

何かは、人の形をしていた

彼女の名前は、レモナ

かつての友

彼女は、友人だった頃と変わらぬ笑顔で話しかけてくる

 

83 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:23:28.62 ID: luJdu60R0

 

|゚ノ^∀^)「なんだか、久しぶりね」

|゚ノ^∀^)「どう? 元気?」

「…」

 

答えない、答えられない

彼女は、自分の恐怖の象徴

まともな受け答えが出来るはずがなかった

 

86 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:24:00.50 ID: luJdu60R0

 

|゚ノ^∀^)「どうしたの?」

「…」

|゚ノ^∀^)「変よ? クーちゃん」

「…」

 

私は、あの保健室の一件以来、ずっと彼女を避けてきた

顔を見れば、あの言葉を思い出す

 

88 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:24:38.82 ID: luJdu60R0

否定された感情

それはもう友とは呼べない、悲しい感情

 

|゚ノ^∀^)「…」

「…」

|゚ノ ∀ )「――避けてるのね」

「…」

 

89 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:25:46.91 ID: luJdu60R0

|゚ノ ∀ )「それとも、逃げているのかしら?」

「…」

 

レモナの声が、変わる

そう、私は逃げた

彼女から、昔の自分から

 

| ノ ∀ )「でも、結局は一緒だったでしょ?」

「――!!」

 

90 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:27:09.73 ID: luJdu60R0

川ノ ∀ )「逃げられないんだよ。自分からは、ね」

「――ぁ」

 

レモナの口調と姿が、変わっていく

聞き覚えのある声、懐かしい姿

 

92 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:27:31.04 ID: luJdu60R0

そこには

 

 

川- -)

 

 

かつての私が立っていた

 

 

 

94 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:28:44.77 ID: luJdu60R0

―ダイプロ事務室

('A`)「そいじゃ、行ってきます」

(´・_ゝ・`)「ん? あぁ」

(´・_ゝ・`)「今日も例のアレかい?」

('A`)「えぇ」

(´・_ゝ・`)「いいなぁ、しぃさんと二人きりか」

('A`)「いや。確かにそうっすけど」

('A`)「そういう誤解を招きそうな発言をしないでください」

 

 

96 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:29:34.03 ID: luJdu60R0

(´・_ゝ・`)「しかしね。ダイプロ女性陣で、しぃさんは三本の指に入るよ」

(´・_ゝ・`)「そんな彼女とワンマンレッスンだ。羨ましいに決まっているだろう」

('A`)「そうなんすか」

(´・_ゝ・`)「しぃさん、ハインさん、クーさん。これがウチのトップ3だからね」

(´・_ゝ・`)「可憐で病弱な女の子、勝気で男勝りな女の子、知的でクールな女の子」

(´・_ゝ・`)「他にもロリツンデレ、ヤンヤン(ヤンデレのデレ抜き)、アイドルマスターとファン納得の出来だ」

('A`)「何の話ですか」

('A`)「…」

('A`)「(女性事務員の人の視線が痛い…)」

 

 

100 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:32:01.66 ID: luJdu60R0

(´・_ゝ・`)「ドクオくんは、、やはりしぃさん派かい?」

('A`)「は?」

(´・_ゝ・`)「派だよ、派閥の派」

(´・_ゝ・`)「しぃさんと仲がいいみたいだし」

(´・_ゝ・`)「しぃさんのトコは、派閥内の争いが激しいから、気をつけないと後ろから刺されるかもね」

('A`)「刺されるつーか、いや、待てください」

(´・_ゝ・`)「ん、なんだい?」

(´・_ゝ・`)「ハインさんは性格の問題もあるが、モララー補佐一筋っていうのがネックだね」

('A`)「いや、そうじゃなくて」

 

 

102 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:32:49.86 ID: luJdu60R0

(´・_ゝ・`)「クーさんかい? 彼女は厳しいよ、下手するとすぐにタライが落ちてくる」

('A`)「だから、オレはナベちゃん一筋ですから」

(´・_ゝ・`)「それは、理想論だよ」

(;'A`)「今までのと、何が違うんですか」

(´・_ゝ・`)「アイドルに憧れるのは、誰だってそうさ」

(´・_ゝ・`)「もっと現実的な話をしようじゃないか」

(;'A`)「どこが現実的なんすか」

 

 

103 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:33:22.81 ID: luJdu60R0

(´・_ゝ・`)「キミも、頑なだね」

(´・_ゝ・`)「彼女は……いなそうだけど、他に好きな人でもいるのかい?」

('A`)「…え?」

('A`)「…」

('A`)「え…っと、ですね」

(´・_ゝ・`)「んん? その反応はいるのかい?」

('A`)「いや…」

('A`)「…いないっすよ、たぶん」

 

 

105 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:34:30.37 ID: luJdu60R0

(´・_ゝ・`)「?」

(´・_ゝ・`)「変なことを言うね」

('A`)「そうっすか?」

(´・_ゝ・`)「あぁ」

(´・_ゝ・`)「……まぁ、言いたくないなら、それでいいけどね」

('A`)「…」

('A`)「…」

('A`)「(……さっきみたいに、ナベちゃんでいいのに)」

('A`)「(なんで、言うのを躊躇ったんだ?)」

 

 

110 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:36:43.51 ID: luJdu60R0

('A`)「…」

 ゛Θ ゛
  日 ピコーン

 ('A`)

('A`)「わかった、照れてるんだ!!」

(´・_ゝ・`)「は?」

(´・_ゝ・`)「テレッテ?」

('A`)「いや、なんでもないっす。 サーセン」

 

 

111 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:37:32.05 ID: luJdu60R0

('A`)「…」

('A`)「あ、もう行かないと」

(´・_ゝ・`)「あぁ、すまないね。話し込んじゃって」

('A`)「(全くだ)」

('A`)「…」

('A`)「そういえば、デミタスさんは誰派なんですか? しぃさん?」

 

 

113 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:37:53.47 ID: luJdu60R0

(´・_ゝ・`)「ボク?」

(´・_ゝ・`)「ボクは貞子さん派さ」

 

('A`)「げ」

(´・_ゝ・`)「げ、とはなんだい、げ、とは」

 

 

115 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:38:49.24 ID: luJdu60R0

―夢の中で、私は私と対峙していた

 

川- -)「…」

「…」

 

川- -)「久しぶりだね」

川- -)「どう? 元気?」

 

 

117 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:39:32.06 ID: luJdu60R0

「…」

 

先程のレモナと同じ言葉をかけてくる

私は相変わらず沈黙したままだった

 

川- -)「どうしたの?」

川- -)「いきなり姿が変わったから、びっくりしちゃった?」

 

「…」

 

 

119 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:40:38.62 ID: luJdu60R0

川- -)「でも」

川- -)「ここに私を呼び出したということは、気付いたんだよね?」

川- -)「あなたの一番怖いものが何なのか」

 

「…」

 

川- -)「そうだね」

川- -)「正解。大体その通りだよ」

川- -)「…」

川- -)「あなたは、自分が怖いんだ」

 

122 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:41:52.85 ID: luJdu60R0

「…」

 

川- -)「レモナはダミー」

川- -)「自己嫌悪を避けるための、ね」

川- -)「我ながら、最低だね」

 

「…っ!」

「そんなこと、そんなことはない…!」

 

―私は、やっと声を捻り出した

 

125 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:42:39.74 ID: luJdu60R0

川- -)「あるよ」

川- -)「あなたはレモナに裏切られたと思っているけど、実際はどうかな?」

川- -)「彼女を避け始めてから、彼女が何も感じないと思う?」

川- -)「彼女が傷ついたとは思わない?」

 

「それは…! 彼女が、先に……」

 

川- -)「裏切った、って?」

川- -)「それなら、ああいう状況下で、あなたなら何て返答したのかな?」

 

126 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:43:57.04 ID: luJdu60R0

川- -)「私が言うのもなんだけど」

川- -)「あなたは、クラスの中で浮いていた」

川- -)「“こんなんだもん”、仕方ないよね」

川- -)「庇えば、自分にもその矛先が向くかもしれないのに」

川- -)「そこまでして、庇う程の人間だったかな?」

川- -)「“私たち”は」

 

「それは……」

「…」

 

127 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:44:30.80 ID: luJdu60R0

川- -)「思うんだけど」

川- -)「自分を犠牲にしてまで、他人を思える人なんて、実際いないんじゃない?」

川- -)「みんな、自分の都合で動いてるんだよ」

川- -)「それとも」

川- -)「他人のそれを、責める資格が自分にはあるとでも言いたいのかな?」

 

「…」

 

128 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:45:15.84 ID: luJdu60R0

川- -)「人は、弱い」

川- -)「あなたが許せなかったのは、レモナではなく、自分」

川- -)「レモナに友人だと言ってもらえなかった、自分のこと」

 

「…」

 

川- -)「自分が許せず、そんな自分が嫌で、変わることを決意した」

川- -)「一人で立てるように、努力してきた」

川- -)「でも、やっと変われたと思ったら、逆戻り」

川- -)「残念だね」

 

132 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:47:53.82 ID: luJdu60R0

「…」

「…おまえは、何なんだ…?」

ここにいるのは自分

そこいるのも自分

一体どっちが本物なのだろう

川- -)「私は“私”」

川- -)「それで、あなたでもある」

川- -)「――私は」

川- -)「あなた自身」

 

133 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:48:42.67 ID: luJdu60R0

「…」

 

彼女が、私?

いや、違う

私は変わったんだ

そう、変わった

誰も、私のことを見下したりしない

胸を張って、友達だと言ってくれる

 

川- -)「本当にそう思う?」

 

134 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:49:53.10 ID: luJdu60R0

川- -)「友達、ね」

川- -)「結局、本当のところでいう“友達”なんて、一人しかいないじゃないの?」

川- -)「そうでしょ?」

 

「…」

 

川- -)「あなたが、恐怖に襲われているとき」

川- -)「誰の助けを求めたの?」

川- -)「誰に 助けて と、言ったの?」

 

136 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:51:24.69 ID: luJdu60R0

「…」

 

答えは知っている

それは

私が辛いとき、私が泣き出しそうなとき

いつも助けてくれる私の幼馴染…

 

川- -)「そう、ドクオ」

 

137 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:52:00.18 ID: luJdu60R0

「…」

 

川- -)「…」

川- -)「そういえば、変な人形に依存しすぎって言われてたよね」

川- -)「確かにそうかも」

川- -)「“私たち”は、ドクオに依存している」

川- -)「彼を好きなのかもしれない」

 

「…!」

 

141 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:52:36.18 ID: luJdu60R0

好きという言葉に、私の身体がびくりと震える

こいつが

いや

私が、ドクオを好き?

そんなことは考えたこともなかった

 

川- -)「鈍感、だね」

川- -)「自分の内面に目を向けず、自分の気持ちにも気付かない」

川- -)「まぁ、私のことなんだけどね」

 

149 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:54:50.22 ID: luJdu60R0

川- -)「でも」

川- -)「そうやって、あなたは、“私”は、周りを傷つけてきたんだ」

「…っく」

 

川- -)「怖い?」

川- -)「辛い?」

川- -)「今の自分の姿を見るのが、恐ろしい?」

川- -)「あなたは、“私”から目を逸らして、仮面をつけたまま鏡を見ている」

 

川- -)「――滑稽だね」

 

151 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:55:17.33 ID: luJdu60R0

 

「あぁ……」

「ああぁ」

 

川- -)「恐怖から逃げ出すのは、簡単」

川- -)「でも」

川- -)「あなたは、“私”と向き合わなきゃいけない」

 

 

154 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:55:43.43 ID: luJdu60R0

 

 

「あああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

頭を抱えて、目を瞑る

何も見えない

何も聞こえない

 

私は、また、逃げ出した

 

 

158 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 00:56:27.49 ID: luJdu60R0


川;゚ ゚) ガバッ
  ⌒⌒

川;゚ -゚)「はっ…はっ……」

川;゚ -゚)「……」

川;゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「夢…、か」

 

164 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 訂正 投稿日: 2008/01/10(木) 00:58:19.90 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「…」

川 - -)「…ふぅ」

川 - -)「…」

川 ゚ -゚)「(自分からは、逃れられない、か)」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「(確かにそうかもしれないな)」

 

―窓から外を見る

―外の風景はそこになく、自分の顔だけが映っていた

 

 

169 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:00:23.23 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「(酷い顔だ…)」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「…滑稽、か」

川 ゚ -゚)「その通りだな」

―自分に笑いかけたつもりだったが

―ガラスに映る顔は無表情のままだった

 

 

172 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:00:52.39 ID: luJdu60R0

―ダイプロミーティンルーム前、廊下

川д川「え〜、テステス〜」

川д川「こちら感度良好です〜、どうぞ〜」

ξ*゚听)ξ「対象は、ミーティングルーム奥、テーブルにあり」

ξ*゚听)ξ「パターン赤、クーです」

从 ゚∀从「了解」

 

 

178 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:02:03.48 ID: luJdu60R0

从 ゚∀从「貞ちゃんは、南を占拠」

从 ゚∀从「逃げ道を塞げ」

从 ゚∀从「ツンは、オレと一緒について来い」

从 ゚∀从「最大火力をもって、突っ切る」

川д川「りょぉかい〜」

ξ*゚听)ξ「イエスマム!」

从 ゚∀从「さて、っと」

从 ゚∀从「いっちょ、ぶちかますか」

 

 

180 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:02:43.70 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「…こらっ」

 

  ビシッ

(*-ー-)つ    =( ∵))゚∀从「appo!!」

 

从;゚∀从「ったぁ……何すんだよ! しぃ!!」

( ∵)『いてぇ、何すんだ。この糞アマ』

 

 

187 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:03:50.49 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「ふざちゃダメでしょ」

(*-ー-)「そっちこそ、一体、何をする気よ」

从 ゚∀从「え? 一発、がつんとぶん殴って目を覚まさせる」

(*-ー-)「…」

ヒョイ

  ビシッ

(*-ー-)つ    =( ∵))゚∀从「ゲイ!!」

从;゚∀从「いてぇ!!」

( ∴)『あ、首が…』

 

 

192 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:05:25.97 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「もう、何のため話し合ったと思ってるの」

(*-ー-)「まず、私がクーちゃんの内面を視る」

(*-ー-)「それからって話でしょ?」

「…」

从 ゚∀从「あぁ、そうか! そうだったな!」

从 -∀从「うんうん」

「…」

「その、クーちゃんの内面を視て、どうするんだ?」

 

 

194 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:06:01.67 ID: luJdu60R0

从 -∀从「ん? それに応じて対応を決める、って感じだな、確か」

「ほほう」

「なんでそんなことを?」

从 -∀从「何言ってんだ、今日の会議で決まったことじゃねーか」

从 ゚∀从「名づけて、『クーちゃんを励まそう作戦』」

 

川 ゚ -゚)「なるほど」

 

 

197 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:06:24.51 ID: luJdu60R0

Σ从;゚∀从「ほぁ!!? クーぅ!!?」

川д川「あら〜」

ξ*゚听)ξ「あ〜ぁ」

(*-ー-)「この、バカ……」

 

川 ゚ -゚)「励まそう……、ですか」

川 ゚ -゚)「すいません」

川 ゚ -゚)「ご心配をかけたみたいで」

从;゚∀从「あぅあぅ…」

 

 

199 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:07:06.91 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「でも、もう大丈夫です」

川 ゚ -゚)「元々、大したことはありません」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「ホントに?」

川 ゚ -゚)「…えぇ」

(*-ー-)「そう」

(*-ー-)「…なら、いいんだけどね」

 

 

202 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:07:49.66 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「すいません」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「それじゃあ、私はここで失礼します」

(*-ー-)「…」

 

川川 ゚)「それじゃ…」

 

 

209 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:08:35.46 ID: luJdu60R0

从;゚∀从「(おい、しぃ!! いいのかよ! 行っちまうぞ!)」

(*-ー-)「…」

ξ*゚听)ξ「(クー……、寂しそうな顔してた)」

川д川「(切ないわね〜)」

(*-ー-)「…」

( ∴)『どうすんだ?』

(*-ー-)「…どうしようか?」

( ∴)『だから、ほっとけって言ったんだ』

(*-ー-)「…そうかもね」

 

 

212 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:09:09.27 ID: luJdu60R0

从 ゚∀从「いや、待て! オレはそんなんで納得できるか!!」

从#゚∀从「一発殴らなきゃ、こっちが収まらねぇ」

ξ*゚听)ξ「あ」

川д川「行っちゃわ〜」

( ∴)『あいつは、殴りたいだけじゃねーのか?』

(*-ー-)「自己満足の塊ね」

ξ;゚听)ξ「お、追いかけないと」

 

 

215 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:09:27.82 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「もう、バカなんだから」

( ∴)『…』

( ∴)『楽しそうだな』

(*-ー-)「そんなことないわよ?」

( ∴)『…本当か?』

 

 

220 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:11:08.18 ID: luJdu60R0

 从 ゚∀从「目標補足ぅ!!」

 从 ゚∀从「確保に移る!!」

 

 (*-ー-)ノ( ∵)

  ビシッ

(*-ー-)つ    =( ∵))∀从「オム!!」

 

 从 ×∀从「目がぁあ!! 目がぁあああ!!」

 ( ∵)『――!!――!』

 ( ∵)『(あれ、首もげた?)』

 

223 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:12:10.65 ID: luJdu60R0

 (*-ー-)「待ちなさいつーの」

 (*-ー-)「全力疾走を車椅子で追いかけるこっちの身にもなりなさい」

 ξ;゚听)ξ「ぜーはーぜーはー(押したのは…私……なんだけど)」

 川д川「うん、いい走りっぷりだわ〜」

 ξ;゚听)ξ「ぜーはーぜーはー(…)」

 从 ×∀从「…止めるな、しぃ」

 (*-ー-)「止めます」

 

 

226 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:12:38.82 ID: luJdu60R0

 (*-ー-)「そもそもバレちゃった以上、私たちが行っても無駄かもね」

 从 ×∀从「そんなこと、やってみなき分かんないだろ」

 从 ×∀从「オレは諦めねぇぞ」

 从 ×∀从「前、見えねぇけど」

 (*-ー-)「あら、誰も諦めろなんて言ってないわ」

 (*-ー-)「私たちじゃなければいいのよ」

 ξ;゚听)ξ「…はぁ…はぁ…(?)」

 

 

229 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:13:18.26 ID: luJdu60R0

 (*-ー-)「ちょうど、いい色合いの子がこっちに向かってきてるしね」

 ξ*゚听)ξ「…色合い?」

  ('A`)

 ('A`)「あ、しぃさん」

 ('A`)「どこ行ってたんですか……、探しましたよ」

 川д川「あらぁ? ドッくんじゃない〜」

 ('A`)「はぁ、どうも(ドッくん…)」

 (*-ー-)「ん〜、グッドタイミングね」

 

 

236 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:14:46.15 ID: luJdu60R0

 (*-ー-)「さすが、ドクオくん、空気読めてるわ」

 ('A`)「へ?」

 (*-ー-)「ちょっと待ってね」

 (*-ー-)「ハイン」

 从 -∀从「…あんだよ」

 (*-ー-)「バトンタッチよ」

 从 ゚∀从「…」

 (*-ー-)「ね」

 从 ゚ ‐从「…むーん」

 

 

239 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:15:13.59 ID: luJdu60R0

 从 ゚ ‐从「…」

 从 -∀从「…はぁぁぁ」

 从 ゚∀从「…」

 从 ゚∀从「ドクオ」

 ('A`)「…」

 ('A`)「へ? は、はい?」

 从 ゚∀从「追いかけろ」

 ('A`)「…」

 ('A`)「は?」

 

 

243 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:16:36.00 ID: luJdu60R0

 从 ゚∀从「で、ぶん殴って来い」

 ('A`)「え? え、え…?」

 从 ゚∀从「お前がクーを追いかけて、ぶん殴って来い、って言ってんだよ」

 (;'A`)「えええ!?」

 从 ゚∀从「ほら、行け」

 ('A`;)「いや、意味分かんないっす」

 从 ゚∀从「分からんでもいい!」

 从 ゚∀从「考えるな、感じろ!!」

 从 ゚∀从「行くんだよ!」

 

 

246 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:17:31.32 ID: luJdu60R0

 从#゚∀从「早く行かないと、追いつけねぇだろうが!!」

 

 从#゚∀从 ┌┛)A`)・∴「メゴス!!」

 

 (メ'A`)「おうふ…」

 从 ゚∀从「40秒で追いつきな」

 从 ゚∀从「追いつけなかったら、“半分こ”だ」

 (メ'A`)「ちょっ!?」

 

 

249 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:18:04.73 ID: luJdu60R0

 从 ゚∀从「いーち、にー、さーん、」

 (メ'A`)「ひぃ」

 从 ゚∀从「ダッシュ!」
 
 (メ'A`)「は、はい!!!」

 ―ダッ

 川д川「行っちゃったわよ〜?」

 从 ゚∀从「…」

 (*-ー-)「…何の説明もしなかったわね」

 从 ゚∀从「いいんだよ」

 从 -∀从「別に、よ」

 

251 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:18:31.59 ID: luJdu60R0

 (*-ー-)「…」

 ( ∵)『…』

 川д川「…」

 ξ*゚听)ξ「…」

 ξ*゚听)ξ「どうする?」

 川д川「私たちも追いかける〜」

 ξ*゚听)ξ「だよね」

 

257 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:19:42.09 ID: luJdu60R0

―ダイプロ玄関前

川 ゚ -゚)「…」

ウィィィン

川 ゚ -゚)「…」

ポッ
ポッ

川 ゚ ゚)「雨か」

川 ゚ -゚)「傘、忘れたな」

 

265 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:21:00.27 ID: luJdu60R0

「素直さん!!」

川 ゚ -゚)

('A`;)「ひぃ…ひぃ…ふぅ…」

川 ゚ ゚)「…!」

川 ゚ -゚)「…ドクオくんか」

川 ゚ -゚)「どうした?」

(;'A`)「はぁ…はぁ…」

(;'A`)「あ、あのですね…」

 

269 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:21:43.56 ID: luJdu60R0

(;'A`)「…」

(;'A`)「…」

(;'A`)「…」

(;'A`)「(なんて言えばいいのか分からねぇ!!)」

 

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「…傘、持ってるのか」

 

 

273 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:22:20.92 ID: luJdu60R0

('A`)「へ?」

('A`)「あぁ、これですか」
つ?

('A`)「…」

(;'A`)「(武器代わりに持ってきたんだが、殴れるわけないよな……常識的に考えて)」

('A`;)「(しかし、半分にされるのも嫌だ! どうすんの? どうすんのよ、オレ!?)」

 

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「それで、何か用かな?」

 

 

279 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:23:46.20 ID: luJdu60R0

('A`;)「えぇっとですね…」

(;'A`)「あ、あのですね」

 

('A`)

 

('∀`)、「い、一緒に、帰りませんか?」

 

川 ゚ -゚)「…」

 

 

286 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:25:01.24 ID: luJdu60R0

('∀`)「ははっ…」

('∀`)「はははh」

L('A`;)」「(ほあああああ!!! 何言ってんだ、オレぇぇぇ!!!)」

L(;'A`)」「(落ち着け、まだ慌てる時間……いや、慌てろー!!)」

L('A`;)」「(どうしょう、どうしょう、ボスケテ!! ボス決して走らず急いで歩いてきてそsh )」

川 ゚ -゚)「そっちが、良ければ」

('∀`)

 

('A`)「……ワッツ?」

 

291 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:26:12.89 ID: luJdu60R0


――

(゚- ゚ 川 b ('A` )

(゚- ゚ 川「…」

('A` )「…」

(゚- ゚ 川「…」

('A` )「…電車、使わないんですか?」

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「雨の日の電車は嫌いなんだ」

 

 

294 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:26:58.37 ID: luJdu60R0

(゚- ゚ 川「それに、キミの家はこっちのほうが近いだろう?」

('A` )「…そりゃ、まぁ」

('A` )「…」

('A` )「オレの家なんて、よく知ってますね」

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「まぁな」

('A` )「…」

(゚- ゚ 川「…」

 

 

298 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:27:37.45 ID: luJdu60R0

('A` )「…」

(゚- ゚ 川「…」

('A`;)「(会話がもたねぇ)」

(゚- ゚ 川「…」

('A`;)「ひ、昼間ってのに、暗いっすね」

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「天気がか?」

('A` )「? え、えぇ…」

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「そうだな」

 

 

300 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:27:53.79 ID: luJdu60R0

('A` )「…」

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「…なぁ、ドクオくん」

('A` )「はい?」

(゚- ゚ 川「一つ、聞きたいことがあるんだが…」

(゚- ゚ 川「いいかな?」

('A` )「…」

('A` )「はい、全然」

 

 

311 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:31:01.56 ID: luJdu60R0

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「この前……キミは、“変わらないもの”も大事だと言った」

('A` )「…えぇ」

(゚- ゚ 川「なら、聞こう」

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「その“変わらないもの”とは、何だ?」

(゚- ゚ 川「キミは、何を大事に思っている?」

('A` )「…」

川 ゚ -゚)「…それを教えて欲しい」

 

 

317 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:32:38.88 ID: luJdu60R0

('A` )「…」

('A` )「…」

('A`;)「…」

('A`;)「…」

('A`;)「(ヤベぇ、なんだろ?)」

('A`;)「(あん時は、思ったまんまを言ったけど…)」

('A`;)「(じゃあ、何なんだって聞かれると困るぞ)」

 

 

320 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:33:46.52 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「…」

('A`;)「…えっと、ですね」

川 ゚ -゚)「…」

('A`;)「友情……とか?」

('A`;)「…」

川 ゚ -゚)「…」

('A`;)「…」

川 - -)「…友情か」

(゚- ゚ 川「…」

(゚- ゚ 川「私にも、一人、友人がいるんだ」

 

 

322 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:34:29.84 ID: luJdu60R0

( 'A`)「?」

(゚- ゚ 川「昔は、もう一人いたんだが…」

(゚- ゚ 川「私のせいで、喧嘩別れしてしまってな」

( 'A`)「…」

(゚- ゚ 川「今では、そいつだけが私の友人だ」

('A` )「…」

('A` )「どんな人なんですか?」

(゚- ゚ 川「…幼馴染っていうやつかな?」

(゚- ゚ 川「小さい頃は、よく遊んだよ」

 

 

324 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:34:58.52 ID: luJdu60R0

('A` )「…」

('A` )「今は…?」

(゚- ゚ 川「…」

(- - 川「遠くに行ってしまってね」

(- - 川「…しばらくは会えない」

('A` )「…」

('A` )「…そうっすか」

 

 

327 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:35:53.90 ID: luJdu60R0

( 'A`)「…」

(- - 川「…」

( 'A`)「…」

( 'A`)「…」

('A` )「…」

(-A- )「…」

('A` )「素直さん」

 

 

330 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:36:47.17 ID: luJdu60R0

(- - 川「なんだ?」

('A` )「…」

('A` )「さっき、一番大事なのは友情だ、って言ったけど…」

('A` )「あれ、たぶん嘘です」

(- - 川「…」

('A` )「オレ、根暗でひねくれてるから、あんまり友達もいません」

('A` )「休日に家から出ることはないし」

('A` )「ケータイのメール機能なんて、なくてもいいぐらいです」

(- - 川「…」

 

 

333 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:37:11.51 ID: luJdu60R0

('A` )「…この前、素直さんにあんな偉そうなこと言ったくせに」

('A` )「オレは、全然大したことありません」

('A` )「…」

(- - 川「…そうか」

('A` )「…」

(-A- )「…」

( 'A`)「でも、あの言葉自体は嘘じゃないです」

(゚- ゚ 川「…?」

 

 

337 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:38:06.92 ID: luJdu60R0

( 'A`)「オレは、変わらないモノも大事だと言いました」

( 'A`)「それは、女神さまから教えてもらったことで、自分で気付いたことじゃないです」

( 'A`)「さっきは、良く分かりませんでした」

( 'A`)「でも、今なら分かる気がします」

 

( 'A`)「オレは、何かを守りたいんです」

 

(゚- ゚ 川「…」

( 'A`)「変わってく色々なものの中で、“変わらない何か”を守りたいんだと思います」

 

 

340 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:38:35.47 ID: luJdu60R0

( 'A`)「…」

(;'A`)「…“何か”、っていうのが何なのかよく分かんないんですけど」

(゚- ゚ 川「…」

(- - 川「…そう、か」

(- - 川「…」

(;'A`)「…あぁ、いや、すいません。自分でもよく分からn」

 

( ー 川「…フフッ」

 

 

342 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:39:13.16 ID: luJdu60R0

( 'A`)「…?」

(;'A`)「どうかしました?」

( ー 川「いや…」

 

   (・A・)「イ、イジメっ子とかいるならオレに言えよ」

   川- -)「…」

   (・A・)「…」

   川- -)「…」

 

346 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:40:03.48 ID: luJdu60R0

( 'A`)「?」

 

   (・A・)「…オ」

   川- -)「…」

   (・A・)「…オオオ」

   川- -)「…?」

 

( ー 川「少しだけ、な」

348 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:40:41.00 ID: luJdu60R0

 

 

   (・A・)「オ、オレが、守ってやるから!」

 

 

( ー 川「昔を、思い出しただけだ」

 

352 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:41:26.04 ID: luJdu60R0

 スッ

川川 )    b ('A` )

 

('A`;)「ちょっ、素直さん? 濡れますよ!?」

川川 )「いや、ありがとう。ここまでで、いい」

川川 )「また、な」

ダッ

 

ハ川川 ) 。

 

356 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:41:53.87 ID: luJdu60R0

 

('A`;)「素直さん!!!」

 

('A`;)「…」

(;'A`)「…」

('A`;)「…どうしよう」

 

360 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:43:02.35 ID: luJdu60R0

 

「そこは、追いかけんだよ!! このウスノロぉ!!!」

 

 

           ボゴォン!!

「ボルケーノ!!」 ∴・('A(┗┐ 从∀゚#从=

 

⊂('A(、,:; 「どげるあ!?」

 

363 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:43:34.58 ID: luJdu60R0

从#゚∀从「うおい!! ボケナス!! 何やってんだ!!」

('A`メメ)「は、ハインさん?」

 

ξ;゚听)ξ「ハイン、やりすぎ」

(*-ー-)「加減ってものを知らないの?」

川д川「雨濡れて、しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん〜」

 

('A`メメ)「ほげ?? なんで…」

 

 

366 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:44:05.90 ID: luJdu60R0

从#゚∀从「いいから、早く行け!!」

('A`メメ)「は、はいぃ!!」

 

ダッ

 

从 ゚∀从、「ったく、世話の焼ける」

ξ*゚听)ξb「ハイン、びしょ濡れだよ。はい、傘」

从 ゚∀从「あぁ、サンキュー」

 

 

369 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:45:10.89 ID: luJdu60R0

(*-ー-)「まったく、乱暴なんだから」

:,从 -∀从。:ブルブル

从 ゚∀从「あんくらいしないと、発破になんねーだろ?」

从 ゚∀从「たぶん」

ξ*><)ξ「冷たっ! もー、水飛ばさないでよ」

从 -∀从「あーあー、オレもダーリンと相合傘したいなー」

ξ*゚听)ξ「私の話聞いてる?」

 

 

373 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:45:55.54 ID: luJdu60R0

川д川「んふ〜」

( ∵)『んだよ?』

川д川「さっきから、ちょっと不機嫌じゃないかしら〜?」

( ∵)『別に』

川д川「助けたいけど自分じゃ無理〜、でも他の奴に助けて欲しくない〜」

川д川「板ばさみってヤツね〜」

( ∵)『…』

 

 

374 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:46:06.85 ID: luJdu60R0

川д川「それでもドッくんが行くことに反対しなかったのは、クーちゃんのことを考えたから〜?」

( ∵)『…』

( ∵)『言ってろ』

川д川「うふふふ、怖い、怖いわ〜」

川д川「自分の、才能が〜」

( ∵)『…』

( ∵)『何か、すげームカツク』

 

 

377 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:46:59.96 ID: luJdu60R0


バシャバシャバシャ!!

走った

どこに行くというわけでもなく、ただ走った

 

ハ川川 )「――……」

 

383 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:48:33.62 ID: luJdu60R0

全身ずぶ寝れで、服が重く、足も重かった

自分が、今どこにいるのかも分からない

街道を外れ、獣道を突っ切り

ただ、ひたすらにどこかに向けて走っていた

 

 暗くて

   何も見えない

     悪夢の中にいるようだった

 

386 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:49:28.22 ID: luJdu60R0

 

 

 

川 ゚ -゚)「―――!!!」

 

 

 

急に、視界が開けた

 

388 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:49:51.40 ID: luJdu60R0

そこは

ラウンジ山の麓

ドクオと私のヒミツの場所

 

川 ゚ -゚)「ここ、は…」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「なるほど…」

川 ゚ -゚)「やはり、変わらないな、……私は」

 

 

393 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:51:02.47 ID: luJdu60R0

 

ガサッ

 

川 ゚ -゚)。「――!!」

(;'A`)「はぁ、はぁ、素直さん…?」

川 ゚ -゚)「ドクオ…、くん」

(;'A`)「ぜーぜー」

(;'A`)「(なんでだろ? どうしてここに来たんだ? オレ)」

 

 

396 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:51:48.08 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「…どうして、ここに?」

(;'A`)「え」

(;'A`)「いや……」

(;'A`)「……さぁ?」

川 ゚ -゚)「…そうか」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「帰ってk……」

川 - -)「いや、ここは“キミの場所”だ」

 

400 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:52:28.15 ID: luJdu60R0

川川 -)「私が、帰ろう」

 

⊂('A`;)「ちょっと!! 待ってください!」

 

川川 )「――離せ」

 

('A`;)「い、いやです!!」

('A`;)「(おおー、なんでやねーん! これじゃただの変態じゃねーか)」

 

405 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:53:35.05 ID: luJdu60R0

川川 )「離せ……」

('A`;)「いやです!!」

 

川川 )「…」

川#゚ -゚)「離せと、言っている…!!」

 

409 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:54:02.20 ID: luJdu60R0

ヒュ
パッ

 

   ゴッ

' ` ( A )「バウマフラ!!!」

 

 

 

川 ゚ -゚)「あ」

 

415 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:55:54.33 ID: luJdu60R0


――
―――

(-A-)「…」

(-A-)「ん…」

('A-)「んん……」

('A`) ?

('A`)「なんか、柔らかい……?」

   (- - 川
  ('A`)⊂

 

420 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:56:42.91 ID: luJdu60R0

(;'A`)「ほあああああああああああ!!!!!!!!」

 

 (゚- ゚ 川「ん…」

 (゚- ゚ 川「起きたか…」

(;'A`)「す、すあなm、素直さん!? ひ、膝枕らんばばばばb」

 (゚- ゚ 川「落ち着け」

 (- - 川「さっきは、すまなかった」

 (゚- ゚ 川「痛くないか?」

 

 

426 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:58:29.65 ID: luJdu60R0

(;'A`)「…へ?」

( 'A`)「あ、痛っ…!」

 (゚- ゚ 川「痛むか」

(;'A`)「少し」

 (゚- ゚ 川「そうか、ならもう少し休んでろ」

( 'A`)「は、はぁ…」

 

 

432 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 01:59:24.53 ID: luJdu60R0

( 'A`)「(ここは……小屋の中か)」

( 'A`)「…」

( 'A`)「(膝枕、きもちええ…)」

 (- - 川「ドクオくん」

 (- - 川「…少し、いいかな」

(;'A`)「ふぇ、ふぇやい!!」

 (゚- ゚ 川「…? 本当に大丈夫か?」

 

 

437 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:00:42.73 ID: luJdu60R0

 (゚- ゚ 川「…そうか」

(;'A`)「…」

 (- - 川「最近、よく夢を見るんだ」

 (- - 川「昔の、ずっと昔のな」

( 'A`)「…」

 (- - 川「私は暗くて、その上泣き虫で」

 (- - 川「よく、イジめられていた」

( 'A`)「……意外です」

 

440 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:01:39.01 ID: luJdu60R0

 (゚- ゚川「そうかな?」

 (- - 川「…」

 (- - 川「心身ともに疲れ果てて」

 (- - 川「全部から、逃げ出したいと思っていた」

( 'A`)「…」

 (- - 川「ただ、そのときの私には」

 (- - 川「助けてくれる友達が、二人いた」

 

445 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:02:49.13 ID: luJdu60R0

( 'A`)「さっき言ってた人達ですか」

 (- - 川「あぁ」

 (- - 川「学校に行けたのは、二人のお陰だ」

 (- - 川「…」

( 'A`)「…」

 (- - 川「でも」

 (- - 川「私は、二人を遠ざけた」

 (- - 川「一人は一年に一度会うだけ、もう一人は完全に縁を切った」

 

449 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:03:54.61 ID: luJdu60R0

( 'A`)「…」

( 'A`)「どうしてですか?」

 (- - 川「…」

 (゚- ゚ 川「怖かったんだ」

 (゚- ゚ 川「裏切られるのが」

 (゚- ゚ 川「そして、そんなことに怯えている自分が嫌だった」

( 'A`)「…」

 

453 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:04:53.53 ID: luJdu60R0

 (゚- ゚ 川「変わりたかった」

 (゚- ゚ 川「違う自分へと」

 (゚- ゚ 川「友達が胸を張って、自慢できるような人間になりたかった」

( 'A`)「…」

 (- - 川「バカ、だな」

 (- - 川「友達を信じられないのに、自分が信じられるわけがない」

 (- - 川「夢の中の自分に言われた」

 (- - 川「滑稽だとね」

 

456 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:05:27.96 ID: luJdu60R0

( 'A`)「…」

 (- - 川「結局、私は変われなかった」

 (- - 川「外見も、性格も別人になったつもりだったが」

 (- - 川「本質は何も変わっちゃいなかった」

 (- - 川「私は、弱いままだったのさ」

 

459 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:06:07.23 ID: luJdu60R0

( 'A`)「…」

 (゚- ゚ 川「私は、二人が大好きだった」

 (゚- ゚ 川「いや」

 (゚- ゚ 川「今でも、好きなのかもしれない」

 ( -  川「ただ…」

 ( -  川「もう、遅い」

 

463 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:06:32.75 ID: luJdu60R0

ポツ

( 'A-)「――」

('A`)「(雨漏り……?)」

( 'A`)「(……いや)」

 

 ( -  川「…」

 

( 'A`)「…泣いてるんですか?」

 

 ( -  川「まさか」

 

466 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:07:01.66 ID: luJdu60R0

( 'A`)「…」

( 'A`)「…そうっすか」

( 'A`)「…」

 

ムクッ

('A`)ヾ

('A`)「ありがとうございました」

('A`)「もう、大丈夫です」

 

470 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:07:39.86 ID: luJdu60R0

川 - -)「…そうか」

 

('A`)「…」

('A`)「素直さん」

 

川 ゚ -゚)「……ん?」

 

('A`)「オレは…」

('A`)「オレは、素直さんのことを尊敬してます」

 

473 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:08:23.29 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「…」

 

('A`)「あなたは…」

('A`)「…あんたは、弱くない」

('A`)「自分のことを見て、過去と向き合ってる」

('A`)「逃げちゃなんかいない」

('A`)「泣き虫でもない」

('A`)「もう、遅いなんてこともない」

 

477 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:09:07.38 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)「…」

 

('A`)「何の根拠もないけど」

('A`)「昔のことを知ってるわけでもないけど」

('A`)「きっと、その友達もあんたのことを好きだったはずだ」

('A`)「うん、ぜってーそうだ」

 

482 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:10:23.54 ID: luJdu60R0

川 ゚ -゚)

 

('A`)「絶対っす」

川 ゚ -゚)「…」

('A`)「いや、たぶん」

川 ゚ -゚)「…」

(;'A`)「…かも」

川 ゚ -゚)「…」

 

485 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:11:09.05 ID: luJdu60R0

(;'A`)「…」

(;'A`)「あ、あのですね」

(;'A`)「だから、そんな落ち込むことはない、つーか」

(;'A`)「別に落ち込んでいないかもしれないけど」

(;'A`)「何か気になるような、ならないような…」

川 ゚ -゚)「…」

 

('A`)「あぅ…」

(;'A`)「すいません。変なこと言っちゃって」

 

488 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:12:07.36 ID: luJdu60R0

川  - )「…」

(;'A`)「…」

('A`;)「(あー、なんでオレこんなに熱くなってんだろ…)」

川  - )「…ドクオくん」

(;'A`)「は、はい!」

川  - )「悪いが、ちょっと向こうを向いていてくれないか?」

('A`)「へ?」

 

498 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:14:46.27 ID: luJdu60R0

川  - )「頼む」

 

(A`;)「はい……?」

 

 

 

 「…」 

 「……少し、泣くから」

 

502 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:15:39.74 ID: luJdu60R0

私には、友がいた

明るくて、頭が良くて、可愛かった女の子

彼女は言った

「逃げているのかしら」


504 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:16:03.03 ID: luJdu60R0

私には、友がいる

暗くて、貧弱で、別に格好良くもない男の子

彼は言う

「逃げちゃなんかいない」

507 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:16:31.97 ID: luJdu60R0

どちらが正しいのか

自分はどちらを信じればいいのか

私には、よく分からない

511 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:17:34.28 ID: luJdu60R0

ただ

今は

ドクオの言葉が嬉しくて

嬉しくて

悲しくて

胸が痛くて

涙が止まらなかった

516 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:18:32.88 ID: luJdu60R0

私は、相変わらず泣き虫だった

私は、変わってはいなかった

それなのに

どうして

この涙はこんなに暖かいのだろう

 

とめどなく溢れる、感情と嗚咽に身を任せて

私は泣いた

 

521 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:19:28.58 ID: luJdu60R0

ふいに

後ろから声が聞こえる

「……雨」

「…止みましたね」

 

外を見ると

夕日が、空を茜色に染め上げていた

 

525 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/10(木) 02:20:41.21 ID: luJdu60R0

 「…」

 「…綺麗、だな」

 

滲んだ視界で見たその景色は

どこか懐かしさを感じさせた

 

 「ありがとう……、ドクオ」

 

第二十三話了

 

 

 

6 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:24:03.71 ID: MpFEaK5/0

―ダイプロミーティングルーム

川д川「いやー、恋愛ってホントいいもんですね〜」

从 ゚∀从「マブラブか」

(*-ー-)「あんたら二人は、黙ってなさい」

ξ*゚听)ξ「…というか」

ξ*゚听)ξ「コレ」

ξ*゚听)ξ「スゴイねー」

 

 

9 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:25:07.40 ID: MpFEaK5/0

―テーブルには四人の女性

―彼女たちは、テーブルの中央を覗き込んでいた

―中央部には、ぽっかりと穴が開いており、そこからクーとドクオが見える

从 ゚∀从「便利なもんだな」

(*-ー-)「確かにね」

川д川「うふふふ〜」

川д川「もっと褒めて〜」

川д川「この、『貞ちゃんビュ〜』を〜」

 

 

10 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:25:58.39 ID: MpFEaK5/0

 

 説明しよう

 『貞ちゃんビュー』とは、貞ちゃんの超能力で部屋等にのぞき穴を設置し

 そこから覗くことによって、中の様子を窺えるのだ(第五話などでも使用)

 いざ説明してみると、大したことない技である

 

 

 

12 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:27:41.25 ID: MpFEaK5/0

ξ*゚听)ξ「でもさ。これあるなら、最初から使えば良かったのに」

川д川「屋外では使えないのよ〜」

川д川「雨だし」

(*-ー-)「(……雨は関係あるのかしら)」

从 ゚∀从「しかし、良かった良かった」

从 ゚∀从「一件落着っぽいじゃんか」

ξ*゚听)ξ「え、そうなの?」

(*-ー-)「楽観的過ぎって、言いたいとこだけど…」

―しぃは、そこで言葉を切って穴に意識を向けた

 

 

13 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:28:59.68 ID: MpFEaK5/0

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「…綺麗な赤」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「“とりあえずは”、いいんじゃない?」

从 ゚∀从「雨降って、自固まるってヤツか」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「地じゃないの?」

从 ゚∀从「自でいいんだよ」

 

 

14 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:29:57.50 ID: MpFEaK5/0

从゚∀从「さて…」

从゚∀从「くっくっくっく」

从゚∀从「散々、言ってくれたお前には、お仕置きしないとな」

( ∵)『…』

( ∵)『勝手にしろ』

( ∵)『オレにはどーでもいい話だ』

川д川「あら〜、男らしい」

(*-ー-)「気になってしょうがなかったんじゃないの?」

 

 

17 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:30:57.69 ID: MpFEaK5/0

( ∵)『っけ』

( ∵)『全然っ、興味ないな』

( ∵)『身体があればいいんだよ、身体がな』

( ∵)『肉体関係ってやつだ』

从 ゚∀从「…」

从 ゚∀从「肉体関係、ね」

从 ゚∀从「誰もいない小屋に、若い男女が二人っきり」

从 ゚∀从「もう手遅れかもしんねーぞ?」

 

 

18 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:31:41.49 ID: MpFEaK5/0

 

( ∵)『――んなっ!!!』

 

从 ゚∀从「うっそーん」

( ∵)『……』

 

从 ゚∀从「ぎゃはははは、おもしれーwww」

ξ*゚听)ξ「これがホントのツンデレ……」

ξ*゚听)ξ マケナイモン

 

 

20 名前: ◆SEOMSVVqUg Mail: 投稿日: 2008/01/14(月) 18:32:54.51 ID: MpFEaK5/0

从 ゚∀从「じゃあ、ちょくら改造してやんよ」

(*-ー-)「あ、楽しそう」

川д川「うふふふ〜、私も参加したい〜」

 

( ∵)『……悪女どもめ……』

( ∵)『…』

( ∵)『…』

( ∵)『べ、別に良かったなんて、思ってねーからな!』

 

第二十三話了

 

 

 

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