3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:44:05.84 ID: /JHnIuoH0

エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) 新人。物を呼び寄せる超能力

(,,゚Д゚) 先輩。超脚力の超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

( ><) 新人。千里眼

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

( ´∀`) プロジェクト主任。一般人

( ・∀・)プロジェクト補佐。テレパシー能力

从 ゚∀从 プロジェクト書記長。なんでも半分こにする

('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中

(*゚∀゚) 米国籍のしぃの姉。重力を操る

 

5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:45:00.17 ID: /JHnIuoH0

―ダイプロCルーム

(*-ー-)「…はぁ」

(-A-)「…」

(*-ー-)「…はぁ」

('A-)「…あのー」

(*-ー-)「え! 何?」

('A`)「カウンセリング中にため息つかれると、とても不安なんですけど…」

(*-ー-)「あ、ごめんね」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「…はぁ」

('A`)「…」

 

7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:46:26.13 ID: /JHnIuoH0

('A`)「……悩み事でもあるんですか?」

(*-ー-)「…うん、ちょっとね」

('A`)「…」

(*-ー-)「…」

('A`)「…お姉さん、のことですか?」

(*-ー-)「……知ってるんだ」

('A`)「素直さんが教えてくれました」

(*-ー-)「……」

(*-ー-)「(…意外に口が軽いのよね、あの子)」

('A`)「大変そうですね」

(*-ー-)「…そうね」

(*-ー-)「とっても、大変だわ」

('A`)「…」

(*-ー-)「でも、嫌じゃないわ。むしろ幸せなぐらい」

('A`) ?

 

 

10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:47:08.85 ID: /JHnIuoH0

('A`)「じゃあ、なんでため息なんか?」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「明日、お姉ちゃんと出掛けるの」

('A`)「いいじゃないですか、オレなんてずっと家ですよ」

(*-ー-)「…そうね」

('A`)「どこに行くんですか?」

 

 

12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:48:42.09 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「…山」

('A`)「山? また温泉ですか?」

(*-ー-)「…ううん」

('A`)「? 何しに行くんですか?」

(*-ー-)「…」

('A`)「遠足なんて歳でもないでしょうし…」

(*-ー-)「…そうよ」

('A`)「へ?」

(*-ー-)「…遠足よ」

(*-ー-)「明日、遠足に行くの」

 

 

14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:49:12.48 ID: /JHnIuoH0

 

川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第十六話:ラウンジ山を攻略せよ−

 

 

18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:50:23.79 ID: /JHnIuoH0

―数時間前、ダイプロミーティングルーム

( ´∀`)「つーくんの歓迎会を行いたいと思うモナ」

(,,゚Д゚)「…」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「…」

(*-ー-)「いきなりですね」

(,,゚Д゚)「ケーキ食べたから、それでいいじゃないですか」

( ´∀`)「それだけじゃ物足りないモナ」

( ´∀`)「パーっと、パーティーでも開くモナ」

 

20 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:51:09.20 ID: /JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「…」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「…」

(*-ー-)「要するに飲みたいんですね」

川 ゚ -゚)「未成年陣は放っておいて、飲み会ですか」

ξ*゚听)ξ「大人って汚いよね」

( ´∀`)「そ、そんなことはないモナ、あくまでも歓迎会モナ!」

( ´∀`)「つーくんも行きたいモナ?」

(*゚∀゚)「はーい。パーティ、行きたいでーす」

(* ´∀`)「モナ!」

 

21 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:52:04.89 ID: /JHnIuoH0

( ´∀`)「どこに行きたいモナ? 和食、洋食、中華?」

(*-∀-)「ん〜」

 
 ゛Θ ゛
  日  ピコーン

(*゚∀゚)

(*゚∀゚)「ピクニックに行きたいでーす」

(,,゚Д゚)「…」

(*-ー-)「…」

( ´∀`)「…え?」

ξ*゚听)ξ「ピクニックって」

川 ゚ -゚)「外を歩いて、原っぱでサンドイッチを食べるようなやつですか?」

(*゚∀゚)「イエス!」

(*゚∀゚)「外でパーティ、きっと楽しーね!」

 

23 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:52:40.24 ID: /JHnIuoH0

( ´∀`)「…あの、つーくん…」

( ´∀`)「…歓迎会だから、できればお店とかで…」

(*゚∀゚)「ノー!!」

(*゚∀゚)「ピクニック!!」

( ´∀`)

川 ゚ -゚)「ノーと言えるアメリカ人」

(,,゚Д゚)「さすがアメリカだな」

ξ*゚听)ξ「ねー」

( ´∀`)

 

 

25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:53:49.66 ID: /JHnIuoH0

( ´∀`)「し、しかし…」

川 ゚ -゚)「主賓がピクニックと言うんですし、これはもう決定でしょう」

(,,゚Д゚)「ピクニックかぁ、つまりは遠足だよな」

ξ*゚听)ξ「遠足! 遠足!!」

(*゚∀゚)「エンソクでーす!!」

( ´∀`)「…モナ」

(*-ー-)「それはいいとして、場所はどこにするの?」

(*゚∀゚)「ん〜」

(゚∀゚*)

(  *゚)

(゚*  )    ぐる〜り

(   ) !

(   )Ь「あそこでーす」

 

 

28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:55:10.15 ID: /JHnIuoH0

(,,゚Д゚)「あそこ、って…」

川 ゚ -゚)「ラウンジ山…か」

(*゚∀゚)「あそこの一番上に行ってみたいでーす」

ξ*゚听)ξ「…一番上って」

川 ゚ -゚)「頂上か。割と大変だな」

(*-ー-)「私はちょっと無理かな」

(*-ー-)「貞ちゃんに頼もうかしら…」

(*゚∀゚)「Cも一緒に行くでーす!」

(*-ー-)「一緒に行きたいのは、やまやまなんだけどね」

(*-ー-)「車椅子で登山はちょっとツライかも」

 

 

31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:55:59.39 ID: /JHnIuoH0

(*゚∀゚)「ダイジョーブでーす!」

(*゚∀゚)「またおんぶして行きまーす!」

(*-ー-)

(*-ー-)「え」

(*-ー-)「いやいやいや」

川 ゚ -゚)「さすがにおんぶして登山するのは無謀かと」

(,,゚Д゚)「そこそこ高いぞ、あの山」

(*゚∀゚)「ダイジョーブ!!」

ξ*゚听)ξ「なら、いっか」

(*-ー-)「いやいやいやいやいや」

 

 

33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:57:37.07 ID: /JHnIuoH0


―ヴィン

―大型スクリーンにラウンジ山の断面図が映し出される

从 ゚∀从「諸君、今回の作戦を説明しよう!」

从 ゚∀从「本作戦は歓迎会という、非常に重要な意味合いを持つものである」

从 ゚∀从「心して掛かるように!」

ξ*゚听)ξ「はーい」

(*゚∀゚)「はいでーす!」

(*-ー-)「…はぁ」

(,,゚Д゚)「そういえば、ビロードを見掛けねぇな」

川 ゚ -゚)「なんでもテストの点が悪かったらしくてな」

川 ゚ -゚)「今日も学校だ」

(,,゚Д゚)「休みの日までご苦労なこった」

 

36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:59:01.81 ID: /JHnIuoH0

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「なんだこれは…」

( ´∀`)「…和食、洋食、中華……」

 

 

37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 17:59:49.02 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「じゃ、ここからはさくさくと進めていくぜ」

从 ゚∀从「目標はラウンジ山頂上」

从 ゚∀从「その距離600」

从 ゚∀从「現地の状況によるが厳しい戦いになるかもしんねー」

从 ゚∀从「準備は怠らないようにな」

 

40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:01:03.57 ID: /JHnIuoH0

ξ*゚听)ξ「センセー」

从 ゚∀从「なんだね、ツンデレ上等兵」

ξ*゚听)ξ「おやつは、いくらまでですか?」

从 ゚∀从「うむ、テンプレートな質問だ」

从 ゚∀从「おやつは300円まで、だ。それ以上はゆるさん」

(*゚∀゚)「300YENですか」

川 ゚ -゚)「…割と厳しいですね」

从 ゚∀从「軍人なら限られた資源の中で、一番良い方法を考えろ。ちなみにバナナは原則として許可しねぇぞ」

ξ*゚听)ξ「えー」

从゚∀从「皮で遊ぶバカがいるからな」

(,,゚Д゚) …ギクッ

 

41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:02:30.61 ID: /JHnIuoH0

(*゚∀゚)「ランチはどうするですか?」

从 ゚∀从「お弁当はこちらで用意する」

从 ゚∀从「しぃ、ツン、クー上等兵は会議終了後、食堂に集合だ」

川 ゚ -゚)「結局、私たちで作るのか…」

(*-ー-)「でしょうね」

ξ*゚听)ξ「梅干は紀州の梅にしようね!」

 

 

46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:04:30.95 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「さて、ルートの確認に移るぞ」

―ヴヴン、チキチキチキ

―スクリーン上、ラウンジ山の麓から頂上へと数本の線が延びる

从 ゚∀从「頂上へのアプローチ方法は3つ」

 

 

47 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:05:16.53 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「舗装された道路を伝い、頂上まで行くAコース」

从 ゚∀从「途中までは車で行くことも可能で、子供の遠足等に利用されることが多い一番簡単なコースだ」

从 ゚∀从「ただ、その分単純な移動距離は長いぜ」

从 ゚∀从「次に、ハイキングコースを使うBコース」

从 ゚∀从「Aコースよりも登山感覚が楽しめるためか、一番人気のあるコースだ」

从 ゚∀从「さほどキツイ道のりではないが、独特の山道は疲労が増す」

从 ゚∀从「気をつけないと、すぐにバテちまうぜ」

从 ゚∀从「最後に、道なき道を行くCコース」

从 ゚∀从「実際、コースと呼んでいいかも分からない。獣道を行くコースだ」

从 ゚∀从「レスキューの訓練にも使われるそこは、一度間違えれば遭難という恐ろしさだ」

从 ゚∀从「素人にはお勧めできない」

 

48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:06:01.96 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「以上を踏まえた上で、コースをえらb」

(*゚∀゚)「Cコースがいいでーす!!」

川 ゚ -゚)「…」

(,,゚Д゚)「…」

ξ*゚听)ξ「なんで?」

(*゚∀゚)「C、だからでーす」

(*-ー-)「却下」

 

 

51 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:06:27.79 ID: /JHnIuoH0

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「遠足、ですか…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「わざわざ外に行かなくても、お店で…」

( ´∀`)「…ノー、って言われたモナ」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

 

 

54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:08:12.11 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「じゃあ、Bコースがいい人」

川 ゚ -゚)ノ

(*-ー-)ノ

(,,゚Д゚)ノ

ξ*゚听)ξノ

从 ゚∀从「Cコースがいい人」

(*゚∀゚)ノシ

(゚∀゚*)ノシ

(*゚∀゚)ノシ

(゚∀゚*)ノシ

 

(*゚Д゚)「なんで、ワタシ一人ですかー!」

 

 

56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:10:00.52 ID: /JHnIuoH0

(*゚∀゚)「C、一緒に行くでーす」

(*-ー-)「駄目です」

(*゚н゚)「BOOO!」

(*-ー-)「駄目です」

(*;∀;)「sick…sick…」

(*-ー-)「駄目です」

(*゚∀゚)「…チッ」

(*゚皿゚)「eでーす! ワタシだけでCコースに行くでーす」

(*-ー-)「…もうっ」

(*-ー-)「お姉ちゃん、あんまりワガママばかり言っちゃ…」

川 ゚ -゚)「―しぃさん」

川 ゚ -゚)「ちょっといいですか?」

(*-ー-)「…クーちゃん」

 

58 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:11:02.62 ID: /JHnIuoH0

(*゚、゚) ムスー

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「あー、お弁当何にしようかなー」

川 ゚ -゚)「玉子焼きに、ミートボールにー」

 

(*゚、゚)∂″ ピクッ

川 ゚ -゚)「そうだ、 ハンバーグも入れよう」

 

(*゚、゚)∂″ ピクピクッ

川 ゚ -゚)「あとは何がいいかなー」

 

 

61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:15:38.70 ID: /JHnIuoH0

(*-、-)「…」

(*-、゚)「…」

(*-、-)「オクトパス…」

(*-、-)「オクトパスさんウインナーが欲しいです」

 

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚) !

川 ゚ -゚)「あぁ、タコさんか」

川 ゚ -゚)「いいですよ、いくらでも作ってあげます」

 

∩(*゚∀゚)∩「ホントですかー!!」

 

 

62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:16:19.85 ID: /JHnIuoH0

川 ゚ -゚)「あぁ、でも残念です」

川 ゚ -゚)「私たちはBコース、つーさんはCコース。コースが違います」

 

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「ワタシもBコースでーす!!」

 

川 ゚ -゚)「把握しました」

 

 

63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:17:21.45 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「まったく……ありがとう、クーちゃん」

川 ゚ -゚)「どういたしまして」

川 ゚ -゚)「さすがに獣道を、おんぶで行くわけにはいかないでしょう」

(;-ー-)「うっ……そうだったわ」

川 ゚ -゚)「頑張ってください」

(*-ー-)「…はぁ」

 

ネェネェ

川 ゚ -゚)「ん?」

(,,゚Д゚)「オレ、カニクリームコロッケ(非冷凍食品)!!」

ξ*゚听)ξ「リンゴ! うさぎさんのリンゴ!!」

川 ゚ -゚)「…」

 

 

65 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:17:54.80 ID: /JHnIuoH0

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

(・∀・ )「あ、玉子焼きは甘めで…」

(´∀` )「ミニトマトは入れないでほしいモナ…」

 

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「把握した」

 

 

69 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:19:03.27 ID: /JHnIuoH0

―遠足当日、ラウンジ山

―麓の広場、お立ち台の上にスピーカーを持ったハインが立っている

从 ゚∀从л<「アー、アー」

从 ゚∀从л<「本日は晴天なり、本日は晴天なり」

从 ゚∀从л<「おはよう、おまえら!!」

从 ゚∀从л<「作戦内容の確認をする」

从 ゚∀从л<「目標はラウンジ山頂上、ルートはBコース」

从 ゚∀从л<「ルートを踏破した後、頂上でお弁当を食べる」

从 ゚∀从л<「今作戦は『来たときよりも美しく、お家に帰るまでが遠足です』を最重要課題とする」

从 ゚∀从л<「―さて、準備はいいかね。諸君」

 

川 ゚ -゚)(,,゚Д゚)(*-ー-)(*゚∀゚)ξ*゚听)ξ( ・∀・)( ´∀`)

          「イエッサー!!」

 

70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:20:28.92 ID: /JHnIuoH0

川 ゚ -゚)「なんだかんだで、主任と補佐も来たんですね」

( ・∀・)「まぁ、あれだ」

( ・∀・)「保護者的な」

( ´∀`)「モナ」

(,,゚Д゚)「ビロードと貞ちゃんは欠席か」

川 ゚ -゚)「ビロードは行きたがってたがな。貞ちゃんは体力的に無理だそうだ」

(,,゚Д゚)「体力的に? 不健康そうに見えて、割と元気なヤツだと思ってたんだが」

川 ゚ -゚)「さぁ、私に言われてもな」

(*-ー-)「貞ちゃん休みなの?」

(*-ー-)「貞ちゃんの『扉』が頼みの綱だったのに…」

(*゚∀゚)「ダイジョーブでーす!」

(*゚∀゚)「ワタシがおんぶしていきまーす!」

(*-ー-)「いや、さすがにそれは…」

 

74 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:23:26.58 ID: /JHnIuoH0

ξ*゚听)ξ「う〜ん、どうしよっか?」

从 ゚∀从л<「…」

从 ゚∀从л<「大丈夫、だぜ?」

(*-ー-)「え?」

从 ゚∀从л<「こんなこともあろうかと――」

从 ゚∀从л<「準備してきたぜ」

 

从 ゚∀从л<「おんぶ専用椅子『二宮くん』だ!!」

ズバ―――  』 ))  ――――ン

 

―ハインが背中の大きなリュックから、何かを取り出す

―それはL字型の椅子で、背もたれ部分の裏にベルトが付けてあり、逆から背負えるようになっている

 

(*゚∀゚)「アーハーっ!」

 

75 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:24:36.49 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「……おんぶ専用椅子…?」

(,,゚Д゚)「ただの椅子にしか見えん」

从 ゚∀从л<「凡人は黙っておもらおう」

川 ゚ -゚)「とりあえずスピーカーから口を離してください」

从 ゚∀从 ムゥ

从 ゚∀从「ま、いいや。使えば分かる」

(*゚∀゚)「やー♪」

(*-ー-)「え、待って」

(;-ー-)「あ、やめ…」

 

 

76 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:25:34.01 ID: /JHnIuoH0

 

 

 (-(*゚∀゚)
 ( 』ゝ )ゝ  ドーン

 

―その姿はまるで二宮金次郎の如く

―マキの代わりに、しぃを背負っている

 

77 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:26:22.51 ID: /JHnIuoH0

「…」(-(*゚∀゚)「…」

「もう、どうにでもして…」(-(*゚∀゚)「グレイトゥ!!」

川 ゚ -゚)「これは…」

(,,゚Д゚)「ホント、ただ椅子を背負っただけじゃねーか」

从 ゚∀从「うっさい、凡人」

从 ゚∀从「効果は使ってる本人が一番分かってるはずだ」

ξ*゚听)ξ「何かあるの?」

(-(*゚∀゚)「おぅ!」

(-(*゚∀゚)「これ、全然重くありませーん!」

ξ*゚听)ξ「ホント!?」

川 ゚ -゚)「なんと」

 

80 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:27:13.03 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「まぁ、多少軽くなってるだけなんだが」

从 ゚∀从「オレの能力(ちから)の応用品でな」

从 ゚∀从「おんぶする者の体重を“半分こ”にする代物だ」

从゚∀从「どうだ?」

(,,゚Д゚)「参りました」

 

( ・∀・)「…」

( ・∀・)「これ、何気に凄いですね」

( ´∀`)「一山稼げそうだモナ」

 

从 ゚∀从л< スチャ

从 ゚∀从л<「じゃあ、準備も整ったところで…」

从 ゚∀从л<「いざ! 出発!!」

 

 

81 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:28:02.30 ID: /JHnIuoH0

―ラウンジ山中腹

 

「……」(-(*゚∀゚)「♪」

 

      ((-(*゚∀゚)「ホップ、スッテプ、ジャンプー♪」

 

「…あんまり飛び跳ねないでね」(-;(*゚∀゚)「はいでーす!」

 

ξ*゚听)ξ「元気だね…」

(,,゚Д゚)「なんだ? もうバテたのか?」

川 ゚ -゚)「おんぶしてやろうか?」

ξ*゚听)ξ「だ、大丈夫だもん!」

 

 

82 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:28:42.36 ID: /JHnIuoH0

( ・∀・)「…」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ´∀`)「…運動…不足だモナ…」

( ・∀・)「…まったく…です」

从 ゚∀从「おんぶしましょうか(はぁと)」

( ・∀・)「…」

( ・∀・)「結構だ」 キリッ

从 ゚∀从「いやん、ダーリンの意地っ張り(はぁと)」

(・∀・ )「…助けてください」

( ´∀`)「だが断るモナ」

 

83 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:29:54.53 ID: /JHnIuoH0

 

―現在位置

 

   (-(*゚∀゚)

     (,,゚Д゚)川 ゚ -゚)ξ*゚听)ξ

         从 ゚∀从( ・∀・)( ´∀`)

 

 

―つー&しぃ組が独走体制、クー組はその後、アダルト組は最後尾となっている

 

 

86 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:31:35.24 ID: /JHnIuoH0

※クー組

(,,゚Д゚)「こうやって、ただ歩くだけなのも退屈だな」

川 ゚ -゚)「そうか?」

(,,゚Д゚)「何かやろうぜ」

川 ゚ -゚)「それは構わんが…」

ξ*゚听)ξ「う〜ん」

ξ*゚听)ξ「古今東西とか」

(,,゚Д゚)「何の?」

川 ゚ -゚)「古今東西……」

川 ゚ -゚)「――おでんの具」

ξ*゚听)ξ「…ほぉ」

(,,゚Д゚)「…いいぜ」

 

87 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:33:01.65 ID: /JHnIuoH0

川 ゚ -゚)「古今東西―」

(,,゚Д゚)「おでんの具!!」

ξ*゚听)ξ「大根!」

(,,゚Д゚)「たまご!!」

川 ゚ -゚)「牛すじ」

ξ*゚听)ξ「さつま揚げ!」

(,,゚Д゚)「餅巾!!」

川 ゚ -゚)「つぶ貝」

ξ*゚听)ξ「しらたき!」

(,,゚Д゚)「がんも!!」

川 ゚ -゚)「ウインナー」

ξ*゚听)ξ「昆布!」

(,,゚Д゚)「ちくわぶ!!」

川 ゚ -゚)「ロールキャベツ」

 

91 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:35:03.52 ID: /JHnIuoH0

ξ;゚听)ξ「ストーップ!!」

川 ゚ -゚)「ん? どうした?」

ξ*゚听)ξ「そんなのおでんの具じゃないでしょ」

川 ゚ -゚)「何を言う。ロールキャベツは立派な具材だぞ」

(,,゚Д゚)「しかし、クーちゃんはイロモノしか食わないのか?」

川 ゚ -゚)「失礼な、出汁が効いたロールキャベツは絶品だぞ」

ξ*゚听)ξ「…ホントに?」

 

 

92 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:36:22.86 ID: /JHnIuoH0

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「あれ? しぃとつーは?」

川 ゚ -゚)「ん? そういえば…」

(,,゚Д゚)「先に行ったんだろ。全然気づかなかったけど」

川 ゚ -゚)「大分はしゃいでいたからな、転んだりしてないといいが」

ξ*゚听)ξ「そっか。アダルティーは?」

川 ゚ -゚)「下、だな。微かに声が聞こえる」

(,,゚Д゚)「大分、離れちまったな」

ξ*゚听)ξ「キョウチョウセイがないわね」

(,,゚Д゚)「お前に言われたらオシマイだろ」

 

93 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:37:58.41 ID: /JHnIuoH0

※つー&しぃ組

 

      (-(*゚∀゚)「♪」

   「…」(-(*゚∀゚)

      (-(*゚∀゚)「Cぃ♪」

  「何?」(-(*゚∀゚)

      (-(*゚∀゚)「シリトリしましょー!」

「いいよ」(-(*゚∀゚)

      (-(*゚∀゚)「ヒュアウィゴー!」

 

94 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:39:09.08 ID: /JHnIuoH0

「しりとり」(-(*゚∀゚)「りばーす」

「すいか」(-(*゚∀゚)「かてごりー」

「りゅっく」(-(*゚∀゚)「くろーく」

 「くるま」(-(*゚∀゚)「まるがりーた」

 「たんす」(-(*゚∀゚)「すぃーつ」

 「つみれ」(-(*゚∀゚)「れすきゅー」

 「きゅうり」(-(*゚∀゚)「りたー……」

 

 「………」(-(*゚∀゚)「………」

 「……ん」(-(*゚∀゚)「あー!! 着いたでーす!!」

 

95 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:40:55.94 ID: /JHnIuoH0

 「………」(-(*゚∀゚)「………」

 「………」(-(*゚∀゚)「………」

  「…ズル」(-(;゚∀゚)「は、はやく行くでーす!」

 「あ、あんまり急ぐと」(-(;゚∀゚)「え?」

 

            ガッ

                  (о<*);゚)
                  ( ヽ』 /ゝ
              。,;  ^^ ⌒>

 

                             「キャ――――!!」  「オーノ――――!!」

 

―足元の石に躓いたつーは転倒

―そのまま二人は、山の斜面を滑るように落ちていった

 

97 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:41:54.23 ID: /JHnIuoH0

※再びクー組

川 ゚ -゚)「ん?」

ξ*゚听)ξ「どうかした?」

川 ゚ -゚)「今、何か聞こえなかったか?」

ξ*゚听)ξ「ん〜、分かんない」

(,,゚Д゚)「山彦とかか?」

川 ゚ -゚)「…いや、気のせいかな」

ξ*゚听)ξ「そう?」

川 ゚ -゚)「あぁ、すまない」

(,,゚Д゚)「じゃ、次はおにぎりの具な」

ξ*゚听)ξ「ほほぉ…」

川 ゚ -゚)「受けて立とう」

 

98 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:42:40.33 ID: /JHnIuoH0

※最後尾、アダルト組

( ´∀`)「…もうすぐモナ…」

( ・∀・)「…なんで…あいつら…あんなに元気なんだ……」

( ´∀`)「もはや、声すら聞こえないモナ…」

( ・∀・)「足が……」

从 ゚∀从「お・ん・ぶ(はぁと)」

( ・∀・)「……謹んで断ろう」

从 -ε从「えー」

( ´∀`)「…やっぱり…お店にしとけば良かったモナ」

 

100 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:45:54.10 ID: /JHnIuoH0

―苔とシダ系の植物が多い茂る、鬱蒼とした場所

― 二人が落ちた先はそんなところだった

―しぃがゆっくりと目を開ける

(*-ー-)「…ん」

(*-ー-) !

(*゚∀゚)「C! 目が覚めたですかー」

(*-ー-)「お姉ちゃん……」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「確か、途中で体勢が崩れて…」

(*゚∀゚)「…ソーリー、C」

(*゚∀゚)「転んじゃって、道を外れちゃったでーす」

(*-ー-)「ううん、いいの。大丈夫」

(*-ー-)「それじゃ、戻りましょ」

 

101 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:46:52.33 ID: /JHnIuoH0

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…?」

(*-ー-)「どうしたの?」

(*゚∀゚)「…戻るのは、ちょっとムリです」

(*-ー-)「え?」

(*゚∀゚)「道を外れて、崖に落ちちゃったでーす」

(*-ー-)「崖……ここは崖の下?」

(*゚∀゚)「そうでーす」

(*-ー-)「崖を落ちた、って」

(*゚∀゚)「…」

 

102 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:47:18.98 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「お姉ちゃん、怪我してないの?」

(*゚∀゚)「…ダイジョーブでーす」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…」

ムギュ

(;゚∀゚)「アウチッ!!」

 

104 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:48:34.75 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「やっぱり…」

(;-∀-)「ダイジョーブでーす」

(*-ー-)「全然大丈夫じゃないわ! 足、凄く腫れてるじゃない!」

(;゚∀゚)「ヘーキでーす」

(*゚∀゚)「そのうち治りまーす」

(*-ー-)「治るわけないでしょ!」

(*-ー-)「どっちにしろ、これじゃ歩けないわね…」

(*゚∀゚)「…むぅ」

(*-ー-)「まぁ、下手に動くより良いかもしれないけど…」

(*-ー-)「痛いでしょ? なんで言ってくれないの?」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…」

 

105 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:49:06.26 ID: /JHnIuoH0

(*゚∀゚)

(*-∀-)

(*-∀-)「…お姉ちゃん、だからでーす」

(*-ー-)「?」

(*゚∀゚)

(*゚∀゚)「Cに心配はかけないです」

(*-ー-)「…!」

(*゚∀゚)「Cはワタシの妹だから、ワタシが守るでーす」

(*-ー-)「…」

 

106 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:49:44.34 ID: /JHnIuoH0

(*゚∀゚)「姉はキヨシ! です!」

(*-ー-)「…それを言うなら『強し』でしょ」

(*-ー-)「いつから氷川性になったの」

(*゚∀゚)「おぅ……日本語、いとムズカシでーす」

(*-ー-)「…もうっ」

(*゚∀゚) ケラケーラ

 

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「いつも心配かけまくってるでしょ」

(*-ー-)「まったく…」

 

108 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:50:24.24 ID: /JHnIuoH0

―ラウンジ山頂上

ξ*゚听)ξ「着いたー!」

(,,゚Д゚)「おぉー!」

川 ゚ -゚)「いい眺めだ」

 

( ´∀`)「……」

( ・∀・)「……」

 

109 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:51:23.31 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「はい、お水です」

( ´∀`)昌

( ・∀・)昌

( ´Д)ノ ゴクゴクゴクゴク

( -Д)ノ ゴクゴクゴクゴク

( ´∀`)「……げっは、ごほ」

( ・∀・)「……しぬかとおもいました」

 

ξ*゚听)ξ「…私より体力ないんだ」

(,,゚Д゚)「おっさんだからな」

 

111 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:52:40.63 ID: /JHnIuoH0

 

( ・∀・)「うるさい、体力馬鹿。それに、私はまだおっさんという年じゃない」

( ´∀` )「……」

(・∀・ )

(・∀・ )「いや、主任も充分お若いですよ」

 

川 ゚ -゚)「おい、哀愁が漂ってるぞ」

(,,゚Д゚)「まぁ、おっさんだからな」

 

113 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:55:59.04 ID: /JHnIuoH0

ξ*゚听)ξ「…しぃとつーは?」

ξ*゚听)ξ「先に着いてると思ってたけど」

川 ゚ -゚)「…」

(゚- ゚ 川「…」

川 ゚ -゚)「見当たらないな」

(,,゚Д゚)「どっか散策してんじゃねーの?」

川 ゚ -゚)「それは、あり得るな。まぁ、そのうち見つかるか」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「姉妹(きょうだい)というのは、良いものだな」

川 ゚ -゚)「あの二人を見ていると、そう感じるよ」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「あぁ、そうだな」

川 ゚ -゚)「…?」

 

114 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:56:55.37 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从л< スチャ

从 ゚∀从л<「はいはい、今から自由行動なー」

从 ゚∀从л<「散策なり何なり好きにしろやーい」

 

ξ*゚听)ξ「だって」

(,,゚Д゚)「オレらも、ぶらぶらするか」

川 ゚ -゚)「…あぁ」

 

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「休みますか」

( ´∀`)「モナ」

 

115 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:57:56.37 ID: /JHnIuoH0

―崖の下、つーとしぃは寄り添うように座っている

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「静かね」

(*゚∀゚)「うん」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「足は?」

(*゚∀゚)「ダイジョーブです」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

 

116 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 18:59:06.05 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「…ねぇ」

(*゚∀゚)「…あぅ?」

(*-ー-)「私たちが初めてあった日のこと、覚えてる?」

(*゚∀゚)「Cは覚えてるですか?」

(*-ー-)「もちろん」

(*゚∀゚)「そうですか!」

(*-ー-)「…懐かしいわね」

(*-ー-)「10年ぐらい前かしら」

(*゚∀゚)「イエス」

(*゚∀゚)「あの頃のCはちっちゃかったでーす」

(*-ー-)「当たり前でしょ、子供なんだから」

 

118 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:00:46.11 ID: /JHnIuoH0

(*゚∀゚)「…最初、Cに嫌われてると思ってたでーす」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「…ごめんね」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「ちょっと、聞いてもらえる?」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「私ね、お姉ちゃんが羨ましかったの」

(*-ー-)「あの頃はもう車椅子の生活にも慣れていたんだけど」

(*-ー-)「心の底では吹っ切れてなかったんだと思う」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「元気に走り回るお姉ちゃんの声を聞いているとね」

(*-ー-)「泣きたくなっちゃったの」

(*-ー-)「なんで姉妹でこんなにも違うの、って」

(*゚∀゚)「…」

 

119 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:01:24.95 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「勝手に嫉妬して、飛び出たはいいんだけどね」

(*-ー-)「外の事なんてほとんど知らないから、迷子になっちゃって」

(*-ー-)「それでまた泣きたくなったところに、変な人が来て…」

(*-ー-)「追いかけられて、もう駄目だって時―」

(*-ー-)「お姉ちゃんが助けてくれた」

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「あの時、お姉ちゃんが来てくれなかったら…」

 

(*゚∀゚)

(*-∀-)

(*-∀-)「それは、ちがうでーす」

 

121 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:02:41.98 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「…?」

(;゚∀゚)「…実は、あの時ワタシも迷子だったです」

(*-ー-)「へ?」

(;゚∀゚)「Cを探しに行ったら、ワタシも迷子になってしまったでーす」

(*-ー-)「だって、気がついた時にはお姉ちゃんが…」

(*゚∀゚)「変な人をやっつけたのは、別の人でーす」

(*-ー-)「…」

(;-ー-)「ホント…?」

(;゚∀゚)「やー」

 

123 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:03:41.10 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「帰り道を案内してくれたのは…」

(*゚∀゚)「その人に教えてもらったでーす」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「あはっ」

(*-ー-)「あははは」

(*゚∀゚)「あはははは」

 

 

124 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:04:49.69 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「何、それ!」

(*-ー-)「ずっとお姉ちゃんが助けてくれたって、信じてたのに!」

(;゚∀゚)「むほぅ! C、ビークールでーす」

(;゚∀゚)「―っ!!」

(;゚∀゚)「アウチ、足が! 足が痛いでーす!」

(*-ー-)「うっ……卑怯な……」

(*-ー-)「…」

(;゚∀゚) ドキドキ

 

125 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:05:20.31 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「…まぁ、いいわ」

(*-ー-)「お姉ちゃんが来てくれなかったら、ずっと塞ぎこんだままだったろうし…」

(*゚∀゚)「…ホワイ?」

(*-ー-)「いいの。それより、助けてくれた人って…」

(*゚∀゚)「…」

(*-ー-)「誰? 知ってる人?」

(*゚∀゚)「…」

(*゚∀゚)「それは――」

 

126 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:05:56.52 ID: /JHnIuoH0

 

―ガサッ

 

(*-ー-)「―!」

(*゚∀゚)「!!」

(*-ー-)「なに…?」

(*-ー-)「まさか、熊……とか」

(*゚∀゚)「ベアー!?」

(*゚∀゚)「…!!」

(*゚∀゚)「今度こそ、Cはワタシが守るでーす」

 

127 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:06:16.41 ID: /JHnIuoH0

 

゚) ガサガサ

 

(*゚Д゚)「クリティカルヒーットでーす!!」

(*-ー-)「―あ!」

(*-ー-)「ちょっ、お姉ちゃん待って!」

 

…ズズン!!!

 

128 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:06:44.31 ID: /JHnIuoH0


――
―――

从 ゚∀从「大変だったな」

ξ*゚听)ξ「大丈夫?」

川 ゚ -゚)「腫れが酷いな、早く病院に行こう」

(*-ー-)「…」

(*゚∀゚)「…」

 

 _ 「…」

 

(*-ー-)「…その」

(*゚∀゚)「…ごめんなさい」

129 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:07:27.29 ID: /JHnIuoH0

从 ゚∀从「あぁ、事故だし仕方ねぇよ」

ξ*゚听)ξ「そうそう」

川 ゚ -゚)「気にせず早く病院に行ったほうがいいぞ」

 

 _ 「…おい」

 _ 「無視か! 完全に無視か!!」

 

川 ゚ -゚)「うるさい、一次元」

ξ*゚听)ξ「女の子の話を盗み聞きするなんて、サイテーね」

 

130 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:08:09.98 ID: /JHnIuoH0

 

 _ 「してないって! 無実だ!!」

 

(*゚∀゚)「ギゴ、こんな姿になって……」

 

 _ 「やったのはお前だろう!」

 _ 「大体オレは『ギゴ』じゃねぇ。 ギ、コ、だ」

 

(*゚∀゚)「……ギ、ゴ」

 

 _ 「ワザとだろ、お前」

 

 

132 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:08:47.72 ID: /JHnIuoH0

 

(*゚∀゚)「よーし! お弁当食べましょー!!」

 

 _ 「無視か!! また無視ですか!!」

 

ξ*゚听)ξ「というか、ホント病院行ったほうがいいよ」

从 ゚∀从「骨まではイってないっぽいけどな」

(*゚∀゚)「とりあえず、ご飯食べてからでーす!」

川 ゚ -゚)「まぁ、本人がそう言うなら、それでもいいけどな」

 

133 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:09:28.73 ID: /JHnIuoH0

(*-ー-)「もう、食い意地張ってるんだから」

(*゚∀゚)「ランチはオナゴのロマンでーす!」

(*-ー-)「はいはい」

(*-ー-)「…」

(*-ー-)「(結局、聞きそびれちゃった…)」

(*-ー-)「(あとでまた聞こう)」

 

 

 _ 「…」

 _ 「あれ? オレ食えなくね?」

 

 

135 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:09:59.12 ID: /JHnIuoH0

 

( ・∀・)「…平和ですね」

( ´∀`)「…まったくモナ」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…」

( ・∀・)「…」

( ´∀`)「…ホントに、まったく、その通りだモナ」

 

 

143 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:18:59.65 ID: /JHnIuoH0

―某所、会議室

( _L )「困りましたね…」

( e )「何か問題でも?」

( _L )「“ジョーカー”が研修を延期する、と」

( e )「ほぅ…」

( e )「まだ、なんでしょう?」

( _L )「えぇ、まだ接触もしていません」

( e )「しかし、なんでまた」

( _L )「ピクニックの最中に、怪我をしたそうです」

( e )「ピクニック! いいですねぇ……私も行ってみたいですよ」

( _L )「ご冗談を」

 

144 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:20:33.96 ID: /JHnIuoH0

( e )「冗談ではありません、是非行ってみたい」

( e )「ひさしぶりに、外の空気を思い切り吸いたいものです」

( e )「…延期は、困りますか?」

( _L )「あまり時間がないもので」

( _L )「できれば早急に片付けたいんですよ」

( e )「まぁ、近いうちに解決しますよ」

( e )「私の“盃(さかずき)”は絶対です」

( e )「少し、神経質になりすぎなのでは?」

( _L )「持て余していたはいえ、彼女は我々の“切り札”です」

( _L )「できれば確実に事を進めたいんですよ」

( e )「そういうものですか」

( _L )「えぇ」

 

145 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/10(土) 19:21:09.09 ID: /JHnIuoH0

( e )「そうだ、一献いかがですか?」

( _L )「…遠慮しておきます」

( e )「“何も入っていませんよ?”」

( _L )「気持ちの問題ですよ」

( e )「そうですか」

―そう言って男はグラスを傾ける

―ゆっくりと飲み干されたそれは、血のように赤かった

 

第十六話了

 

 

 

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