2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:38:01.58 ID: K3bXuzV90

エスパークス、エスタークじゃねぇのかよ!
という人のための登場人物紹介

川 ゚ -゚) 新人。物を呼び寄せる超能力

(,,゚Д゚) 先輩。超脚力の超能力

(*-ー-) 身体が不自由。人の内面の色を視る

( ><) 新人。千里眼

ξ*゚听)ξ クソガキ。記憶を刈り取る

川д川 オカ女。空間を構築、接続する能力

( ・∀・)プロジェクト補佐。テレパシー能力

从 ゚∀从 プロジェクト書記長。なんでも半分こにする

从'ー'从 アイドル。嫌でも人目を惹いてしまう

( ∵) 悪魔人形。今はクーの鞄のキーホルダー

('A`) クーの幼馴染。ダイプロでアルバイト中

 

4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:41:39.67 ID: K3bXuzV90

―ダイプロミーティングルーム

( ・∀・)「さて、今日みんなに集まってもらったのは他でもない」

( ・∀・)「―緊急事態だ」

(,,゚Д゚)「えー」

川 ゚ -゚)「またですか?」

(*-ー-)「緊急事態のバーゲンセールね」

( ><)「狼少年になっちゃうんです」

从 ゚∀从「補佐ス・テ・キ(はぁと)」

( ・∀・)「……」

( ・∀・)「次 口答えしたヤツ、トイレ掃除一ヶ月な」

「……」

川д川「(あえて発言したほうが“おいしい”かしら)」

ξ;゚听)ξ「(…だめだよ)」

 

 

 

5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:45:58.95 ID: K3bXuzV90

( ・∀・)「うむ」

( ・∀・)「緊急事態とは言ったが、例の如く任務だ」

( ・∀・)「ただ―」

( ・∀・)「今回の任務は少々難易度が高い」

( ・∀・)「出来うる限りの人数を投入するつもりだ」

( ・∀・)「あ」

( ・∀・)「怪我をしてもウチ労災とかでないから、気をつけてくれ」

(,,゚Д゚)「(なんだ、マジ話か)」

川 ゚ -゚)「(ナベちゃんのコンサートチケット取ってこい! とか、そういう話だと思ったがな)」

( ・∀・)「何か言ったか?」

川 ゚ -゚)「いえ、何も言っておりません。モララー補佐殿」

 

7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:48:41.81 ID: K3bXuzV90

( ・∀・)「…」

( ・∀・)「で、今回のターゲットなんだが」

( ・∀・)「こいつだ」

川 ゚ -゚)「この男ですか」

( ><)「優しそうな顔をしてるんです」

(,,゚Д゚)「人は見た目によらないってことだな」

( ・∀・)「――いや、ターゲットはこの男ではない」

( ・∀・)「この男が抱えてるものだ」

 

8 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:50:30.15 ID: K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「え?」

(,,゚Д゚)「は?」

(;><)「だってこれは…」

ξ*゚听)ξ「ちょっとー、私にも見せてよー」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「犬…?」

( ・∀・)「そうだ」

( ・∀・)「今回のターゲットはこの犬だ」

 

9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:51:41.28 ID: K3bXuzV90

 

川 ゚ -゚)エスパークーのようです

    −第十二話:ワンワンパニック−

 

 

12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:55:53.22 ID: K3bXuzV90

(*-ー-)「……犬、ですか」

( ・∀・)「そうだ」

川 ゚ -゚)「人間以外にもエスパーがいるとは…」

( ∵)

川 ゚ -゚)「まぁ、人にカウントしてやる」

(,,゚Д゚)「しかし犬かよ。 珍しいこともあるもんだ」

从 ゚∀从「―いんや」

从 ゚∀从「犬つーのは昔から、霊力だの不思議な力を持ってる言われてるぜ」

从 ゚∀从「犬の遠吠えには破魔の力があるつーし」

从 ゚∀从「犬神って言葉もあるぐらいだ」

从 ゚∀从「超能力が使える犬がいたとしても、別に不思議なことじゃねーな」

 

14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:58:23.14 ID: K3bXuzV90

(*-ー-)「…」

从 ゚∀从「…なんだよ」

(*-ー-)「相変わらずだけど冒頭とのギャップが…」

从 ゚∀从「あ?」

(*-ー-)「うんん、いいの気にしないで」

(,,゚Д゚)「しかしなぁ」

(,,゚Д゚)「捕獲作戦……っすか?」

( ・∀・)「そうだな、できれば捕獲してもらいたい」

( ・∀・)「難しいかもしれんがな」

 

15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 18:59:55.84 ID: K3bXuzV90

( ><)「…」

( ><)「あれ?」

( ><)「この男の人、どこかで見たことあるんです」

川 ゚ -゚)「そう言われれば…」

ξ*゚听)ξ「この人……」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「飼い主の名前は盛岡デミタス」

( ・∀・)「ウチの、ダイプロの、一般職員だ」

(,,゚Д゚)「あぁ!!」

ξ*゚听)ξ「言われてみれば!」

川 ゚ -゚)「この情けない顔は」

( ><)「そうなんです!」

川д川「マイナーね〜」

(*-ー-)「…みんな容赦ないわね」

 

16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:01:48.89 ID: K3bXuzV90

( ・∀・)「確かにあまり印象に残るような男ではないな」

( ・∀・)「この犬、あぁビーグルという名前なんだが」

( ・∀・)「元々は捨て犬だったのを、彼が拾ったらしくてな」

( ・∀・)「大人しい犬で、デミタスにも懐いていたらしい」

( ・∀・)「賢い犬だと可愛がっていたらしいが…」

( ・∀・)「ある朝、起きた時」

( ・∀・)「彼は“異変”に気付いた」

川 ゚ -゚)「異変…?」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「目が覚めて首の違和感に気付くと、そこには」

( ・∀・)「“首輪が付けられていた”」

 

 

17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:02:53.59 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「首輪…」

(*-ー-)「ですか?」

( ・∀・)「そう、鉄製の首輪だ」

( ・∀・)「慌てて外そうにもビクともしない」

( ・∀・)「それどころか」

( ・∀・)「首輪にかけていた手は“自然と地面のほうへ”」

( ・∀・)「慌てて誰か人を呼ぼうするも」

( ・∀・)「喉からは“奇声が出るばかり”」

( ・∀・)「彼は慌てた」

( ・∀・)「『なんだこれは―』」

( ・∀・)「『どうなっている―』」

( ・∀・)「普通なら錯乱して、下手をすれば発狂してもおかしくない状態だ」

 

20 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:04:34.87 ID: K3bXuzV90

( ・∀・)「その点、彼は冷静だった」

( ・∀・)「こういった不思議な現象を彼は知っている」

( ><)「……超能力」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「エスパーによる攻撃を受けている」

( ・∀・)「そう判断した彼は必死で駆けた、“四つん這い”でな」

( ・∀・)「自らの職場に、そう」

( ・∀・)「大日本エスパープロジェクト。ここにだ」

( ・∀・)「――元凶を引き連れているとも知らずにな」

川 ゚ -゚)「…!」

(,,゚Д゚)「まさか!!」

 

21 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:08:06.09 ID: K3bXuzV90

川д川「そのまさか〜」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「彼はここにその元凶たる犬を連れてきてしまった」

( ・∀・)「貞子の結界は、普通の人間に対し絶対的な効果を発揮するが」

( ・∀・)「相手はエスパーなら、効果を果たさない」

川 ゚ -゚)「(よく考えなくても穴だらけの警備だな)」

(*-ー-)「(まぁ……これがウチの“方針”だから)」

 

22 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:10:50.84 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「……ってことは中に?」

( ・∀・)「いや」

( ・∀・)「犬の身長だからな」

( ・∀・)「自動ドアが反応せずに、入れなかったようだ」

(,,゚Д゚)「…」

( ><)「…」

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「なんて紛らわしい前フリだ」

 

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:14:12.32 ID: K3bXuzV90

―ダイプロ隔離部屋

「…だ」

「…ここか」

(    )「……!」

「本当に……か?」

「見れば分かる」

(    )「ぅぅう〜っ!!!」

「な、何か呻ってるんです!」

「大丈夫だ」

「…入るぞ」

ガチャ

( ・∀・)「―盛岡デミタス」

 

25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:16:18.35 ID: K3bXuzV90

(;´・_ゝ・`)「…ふぅっ、ふぅっ」

( ・∀・)「大丈夫だ」

( ・∀・)「見覚えがあるだろう?」

( ・∀・)「お前の仲間だよ」

(´・_ゝ・`)「…」

(´・_ゝ・`)「…くぅん」

(,,゚Д゚)「…こいつは」

川 ゚ -゚)「まるで…」

( ・∀・)「そう」

( ・∀・)「“犬”だ」

 

27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:18:08.23 ID: K3bXuzV90

( ・∀・)「彼は自分の愛犬によって、“犬にされてしまった”」

( ・∀・)「姿形は人間のままだがな」

川 ゚ -゚)「ですが、先程の話で自らの意思でここを目指したと…」

( ・∀・)「あぁ」

( ・∀・)「最初は人間としての自我もあった」

( ・∀・)「身体は四つん這い、言葉を無くて、舌で息をするようになっても」

( ・∀・)「自分に起きたことを我々に伝えてくれた」

( ・∀・)「手で地面を引っかきながらな」

(*-ー-)「テレパシーで聞いたほうが、早かったんじゃないですか?」

( ・∀・)「うむ」

( ・∀・)「試してみたんだが、波長が一致しなくてね」

( ・∀・)「普通こんなことはないんだが」

( ・∀・)「そうだな……“回線が違う”感じだ。“別のチャンネルと繋がってる”というのかな」

 

28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:19:50.68 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「それで、今この人は…」

( ・∀・)「あぁ、犬同然だ」

( ・∀・)「徐々に侵食されていくらしいな」

( ・∀・)「こうなるまで一時間弱」

( ・∀・)「その間に我々は情報を聞きだし整理して、今君達に伝えている」

川д川「そういうことね〜」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「貞ちゃんは知っていたのか?」

川д川「出入り口で騒ぎがあれば分かるし」

川д川「あ、貞ちゃんアンテナって呼んでね〜」

川д川「この部屋は私も良く使っていたから〜」

川 ゚ -゚)「(何のために隔離部屋を使ってたんだろう…)」

 

29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:22:32.01 ID: K3bXuzV90

( ・∀・)「情報が確定するまで黙っておいたんだ」

( ・∀・)「ターゲットの能力は“首輪をはめた相手を徐々に犬にする能力”」

( ・∀・)「推測だがな」

( ・∀・)「残念ながら、どのようにして首輪をはめられたのかは分からない」

( ・∀・)「非常に危険な任務と言える」

( ><)「つまり、ボクたちが“こう”なる可能性もあるということなんです」

(´・_ゝ・`)「…きゅぅん」

(,,゚Д゚)「絶対にごめんだな」

(,,゚Д゚)「とっとと捕まえちまおうぜ」

川 ゚ -゚)「そうだな」

 

31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:24:45.36 ID: K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「他に被害者は?」

( ・∀・)「今のところ報告は入っていないが…」

( ・∀・)「時間に猶予はない」

( ・∀・)「これ以上被害が出る前に、ターゲットを捕まえろ」

川 ゚ -゚)「言わずもがな」

(,,゚Д゚)「だな」

( ・∀・)「以上! 解散!」

 

 

32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:25:46.41 ID: K3bXuzV90


(,,゚Д゚)「―で」

川 ゚ -゚)「うん」

(,,゚Д゚)「いつもの面子になるわけだ」

川 ゚ -゚) (,,゚Д゚) ( ><) ξ*゚听)ξ

川 ゚ -゚)「しょうがないな」

ξ*゚听)ξ「毎度のことだから」

川 ゚ -゚)「どうする、と言ってもやることは一つか」

(,,゚Д゚)「あぁ」

(,,゚Д゚)「追っかけて取っちめる」

川 ゚ -゚)「正直ぶっつけだが、有益な情報を得られそうにもないしな」

 

33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:27:58.92 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「じゃ、ビロードよろしく」

( ><)「はいなんです!」

( ><) スゥ

( <●><●>) デュワッ

( <●><●>) ジジジジジジジ

( <●><●>)「…北」

( <●><●>)「ここから1km先、北東に“ひずみ”が見えます」

 

34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:29:36.12 ID: K3bXuzV90

( <●><●>)「…」

( <●><●>)「ひずみは移動中…」

( <●><●>)「このまま進むとVIP商店街のほうです」

(,,゚Д゚)「商店街!?」

川 ゚ -゚)「人ごみは面倒だな」

ξ*゚听)ξ「急ぎましょ!」

 

(,,゚Д゚)「みんな、オレに捕まれ!」

(,,゚Д゚)「――跳ぶぞ!!」

 

 

38 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:33:29.83 ID: K3bXuzV90


我輩は犬である

名前はビーグル

私を拾った男がつけた凡庸でひねりのない名前

しかし、私にとってはどうでもいいいことだ

名前などさしたる意味を持たない

音が耳に触れる振動だけで良い

「おい」と呼ばれようと「ビーグル」と呼ばれようと、“呼ばれた”ことには変わりはない

私の仲間はそこまで判断できない

私は少しだけ頭が良かったが、やはりどうでもいいことだ

 

39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:35:51.29 ID: K3bXuzV90

小さい頃の記憶はない

気付けば残飯を漁っていた

何年も何年もそうやって暮らしてきた気がする

不思議と身体の衰えは感じなかった

きっと時間の感覚も、私にとっては意味のないことなのだろう

この能力(ちから)に気付いたのはいつだったか

運命の輪

私はこう呼んでいる

半径50m以内ならば、どこでも自由な場所に出せる

手錠のような作りになっており、これを首にはめた相手に対し

“本能を植え付ける”

私の、私の仲間の、犬としての本能をだ

 

40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:37:44.17 ID: K3bXuzV90

私を拾った男が『超能力』だと言っていた

縄張り争いの威嚇道具程度にしか考えてなかったが

随分大層なものらしい

何故私にこのような能力があるのか

何故人間にしか効力を示さないのか

そんなことはどうでも良かった

ただもっとこの能力を試したかった

群れている人間共の首を絞め

ひれ伏せたかった

私たちと同じ目線で同じ世界を見せたかった

逃げる兎を追いかけるように

地面を掘り宝を隠すように

そう、これは本能なのだ

 

43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:41:29.67 ID: K3bXuzV90

―商店街入り口付近

「いたぞ!!!」

▼ ェ ▼「―!!」

(,,゚Д゚)「スザー!!」

ギュキュキュキュー!!

(,,゚Д゚)「あいつか!? ビロード!」

( <@><@>)「…」

ξ* )ξ「…」

川 ゚ -゚)「大丈夫か? 二人とも」

 

 

44 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:42:32.64 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「なんだ? だらしねぇぞ、お前ら」

川 ゚ -゚)「もっと安全運転、もとい安全跳躍はできないのか」

(,,゚Д゚)「できねぇ!!」

川 ゚ -゚)「…」

▼ ェ ▼「…」

ダッ

(,,゚Д゚)「あー!! 逃げるな、この野郎!」

川 ゚ -゚)「…っち、幸い表通りまでまだ距離がある」

川 ゚ -゚)「追うぞ。 ツン、ビロード大丈夫か?」

(;<●><●>)「…いけます」

ξ;゚听)ξ「…バカギコ」

川 ゚ -゚)「よし、いこう」

 

48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:45:05.31 ID: K3bXuzV90


なんだ

あいつらは?

雰囲気から察するに私を捕まえるつもりらしい

逃げなくては

追われたら逃げる

これも本能だ

 

 

49 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:46:23.15 ID: K3bXuzV90

いや

なぜ逃げる必要があるのだ

私には能力がある

知恵もある

そうだ

逃げる必要は

―ない

 

 

50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:48:30.07 ID: K3bXuzV90


(,,゚Д゚)「逃がすかぁ!!」

ズザー!!

▼ ェ ▼「!」

ξ*゚听)ξ「あ!」

川 ゚ -゚)「裏路地に入ったか」

(,,゚Д゚)「っち」

川 ゚ -゚)「ギコ、動きが直線的過ぎる」

川 ゚ -゚)「相手のほうが小回りが利く、予測して先回りしないと、とてもじゃないが捕まえられないぞ」

(,,゚Д゚)「そんなこと言ってもさぁ」

ξ*゚听)ξ「そうよ」

ξ*゚听)ξ「ギコにそんな器用なこと出来っこないよ」

(,,゚Д゚)「…」

 

53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:49:48.60 ID: K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「私じゃ動きを補足出来ない。お前が頼りだ、ギコ」

―成程、あいつがリーダーか

(,,゚Д゚)「クーちゃんがそう言うならオレ頑張る」

川 ゚ -゚)「なんという単細胞」

ξ*゚听)ξ「ばーか」

―馬鹿はお前らだ

( <●><●>)「―!!」

( <●><●>)「気をつけてください!! まだ逃げてません!!」

( <●><●>)「すぐ近くに―!!」

 

―遅い

 

 

55 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:52:54.71 ID: K3bXuzV90

―ッキィン

川 ゚ -゚)「!!?」

ガシャン!!!

川 ゚ ゚)「っ…!!!」

(;<●><●>)「しまった…!!」

(;,゚Д゚)「クーちゃん!!」

ξ;゚听)ξ「クー!!」

 

川;゚ -゚)「…!!」

川;゚ -゚)「……くぅん」

 

 

56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:55:41.92 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「くそが!! ビロード、犬は!?」

( <●><●>)「確認中です…!!」

(,,゚Д゚)「くっ…!」

ξ*゚听)ξ「クー、大丈夫?」

川;゚ -゚)「…くぅぅん」

(,,゚Д゚)「ぐっ…」

(,,゚Д゚)「ビロード」

( <●><●>)「はい」

(,,゚Д゚)「オレらは奴を追う」

( <●><●>)「わかりました」

(,,゚Д゚)「ツンはクーちゃんを看ててくれ」

ξ*゚听)ξ「でも…」

(,,゚Д゚)「いいから」

 

60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 19:59:35.05 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「絶対捕まえる」

川;゚ -゚)「…くぅん」

(,,゚Д゚)「すまねぇ」

川;゚ -゚)「くぅんくぅん…」

(,,゚Д゚)「仇はとるよ」

川;゚ -゚)「…!! くぅんくぅん!!」

(,,゚Д゚)「分かったって。心配してくれるのは嬉しいけど、早く捕まえないと…」

 

 

63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:02:08.90 ID: K3bXuzV90

川#゚ -゚)「…がぅ!!!」

がぶり

(,, Д )゚ ゚「ぎゃあああああああ!!!」

ξ*゚听)ξ「あぁ!! ダメだよ、クー! おイタしちゃ」

( <●><●>)「いい咬みっぷりです」

(メ,,゚Д゚)「なにすんだよ、クーちゃん」

川#゚ -゚)「ぐるるる!!」

 

― 一同が視線を下げる

―地面を爪で引っかいて文字が書いてあった

『ハナシをきけ、このバカ』

 

 

66 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:05:05.45 ID: K3bXuzV90


川 ゚ -゚)「…」

『きがついたら、テジョウみたいなものがクビにせまっていた』

『ワタシのテレポートのデカタとにている』

『ユダンしているとイッシュンだろうな』

(,,゚Д゚)「油断しなきゃいいんだろ?」

(,,゚Д゚)「クーちゃんみたいに」

川 ゚ -゚)「…」

がぶり

アギャー

ξ*゚听)ξ「ほんとバカ」

 

 

68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:07:16.13 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「クー、大丈夫?」

川 ゚ -゚)「…」

『ダイジョウブ』

『しかし、もうすぐジもかけなりそうだ』

『―そうだ』

『ヤツのコエをきいた』

ξ*゚听)ξ「コエってあの声?」

『あぁ、クチからだすコエだ』

『たぶんホサがいってたチャンネル〜とかいうやつか』

『“ホンノウにサカラウ”、とかいっていたが』

『たしかにホンノウというか、チセイをかんじるコエだったな』

『しんちょうにこうdあそdじあs』

川;゚ -゚)「…!!」

 

70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:08:15.07 ID: K3bXuzV90

ξ;゚听)ξ「クー!?」

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「…くぅん」

(メ,,゚Д゚)「字、書けなくなったか」

ξ*゚听)ξ「…うん、そうみたい」

ξ*゚听)ξ「聞いてたよりも大分進行が早いよ」

ξ*゚听)ξ「このままだと…」

(,,゚Д゚)「…」

 

 

72 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:11:42.03 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「ビロード、場所は掴めたか」

( <●><●>)「はい。裏路地の先、廃工場に向かってます」

(,,゚Д゚)「よし」

(,,゚Д゚)「…いくか」

ξ*゚听)ξ「正面からいくの? いくらなんでも無理よ」

(,,゚Д゚)「作戦はある」

(,,゚Д゚)「心配すんな。いくぞ、ビロード」

( <●><●>)「わかってます」

 

 

73 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:12:29.49 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「不安ね」

川 ゚ -゚)「…くぅん」

ネェネェ オトーサン
アノ オネーチャン クビワシテルヨー
ナニイッテ ウヒョォォォ

ξ*゚听)ξ「…移動しようか」

川 ゚ -゚)「…きゅぅん」

 

 

74 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:13:42.81 ID: K3bXuzV90

―廃工場

(,,゚Д゚)「さて―」

( <●><●>)「作戦ですか?」

(,,゚Д゚)「あぁ、ヤツはいんだろ?」

( <●><●>)「えぇ、距離は100m」

( <●><●>)「無闇に突っ込んでも逃げられるか、“首輪”の餌食になる可能性が高いと思います」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「首輪の餌食か…」

(,,゚Д゚)「上等だ」

( <●><●>)「え?」

 

76 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:15:11.73 ID: K3bXuzV90


追いかけてきた

どうやってここが分かったのか知らないが、バカなやつらだ

結局は私の能力の前にひれ伏すだけなのだ

―?

あれはさっき突っ込んできた人間のオスか

こちらに向かって歩いてくる

私がいる場所が分かるのか?

私は完全に姿を隠している

今、相手の場所が分かるのは“匂い”を覚えているからだ

位置、距離、間違いない

勘かそれとも何か別のものか、兎も角このバカは私を目指している

飛んで火に入る夏の虫とはこのことだ

 

 

77 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:17:11.26 ID: K3bXuzV90


(;<●><●>)「ギコさん!! 何をやっているんですか!!」

(;<●><●>)「危険です!!」

(,,゚Д゚)「あー、大丈夫大丈夫」

―何を根拠に言ってるのかは知らんが

―その身をもって知れ…!!

 

―ッキィン

(;,゚Д゚)「きた…!!」

(;<●><●>)「避けてください!!」

 

ガシャン!!!

 

 

78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:18:30.07 ID: K3bXuzV90

(,, Д )「…がっ…!!」

(;<●><●>)「ギコさん!!」

―やはり、ただのハッタリだったか

(,, Д )「…ぐっ」

―ふん、地面に這いつくばって呻いていろ

―…

―“這いつくばって”…?

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「ぐるるるるる…!!」

―!

―まさか…!!

 

 

82 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:20:10.82 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「ががうっ!!!」

ダッ!!

ガシャ――ン!!!

▼ ェ ▼(っ!!)

▼・ェ・▼(なんだと!? そのまま突っ込んできた…!?)

(,,゚Д゚)「ぐるるる…」

(,,゚Д゚)「わんわん!!」

▼・ェ・▼(ぐっ…!)

▼・ェ・▼(このままでは不味い…! 態勢を立て直す)

キャウン
ダッ

 

 

84 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:22:40.79 ID: K3bXuzV90

( <●><●>)「ギコさん…! 大丈夫ですか?」

(,,゚Д゚)「わん!(おう)」

(,,゚Д゚)「わんわんわん!(同じ四つ足なら小回りも利くだろう?)」

(,,゚Д゚)「わんわん!(犬になりきる前に捕まえてやるぜ)」

( <●><●>)「何て言ってるのかさっぱりだけど、ハートは伝わってきました!(たぶん)」

( <●><●>)「追いましょう!!」

(,,゚Д゚)「わん!(おうよ!)」

 

 

85 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:23:53.99 ID: K3bXuzV90


ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「クー」

川 ゚ -゚)「…」

ξ*゚听)ξ「クーってば」

川 -Д-)「…くぁ」

川 - -)「にゃむにゃむ…」

 

 

87 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:25:30.41 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「寝ちゃダメよ! 寝たら死ぬよ!!(?)」

川 - -゚)「…!」

川 ゚ -゚)「くんくん」

ペロペロ

ξ*゚听)ξ「きゃ」

ペロペロ

ξ*゚听)ξ「こら、クー。くすぐったいってば…」

川 ゚ -゚)「くぅん」

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「…?」

ξ*゚听)ξ「もう意識ないの? ……クー」

 

 

88 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:26:43.67 ID: K3bXuzV90


不味い

私は追い詰められていた

まさかあの状態で追いかけてくるとは

完全に不覚をとった

今は逃げるしかあるまい

どうにかしなければ

…!

この匂いは…!

先程のメス共か

あの女のほうは早ければもう“オチて”いるだろう

もう一匹のメスも然したる障害にはなるまい

逆に奴らを人質にとればあるいは…

 

90 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:29:57.67 ID: K3bXuzV90


川 - -)「にゃむにゃむ…」

ξ*゚听)ξ「もう」

ξ*゚听)ξ「このまま寝かしとこうかな」

川 - -)「…プスー」

ξ*゚听)ξ「…」

ピクッ

川 ゚ -゚)「!!」

ξ*゚听)ξ「? クー、どうしたの?」

▼・ェ・▼(…)

 

 

92 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:31:27.79 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「あ、可愛いー」

ξ;゚听)ξ「って、まさか!」

川 ゚ -゚)「ぐるるるる…!」

▼・ェ・▼(反抗的だな、本能で敵だと見抜いたか)

▼・ェ・▼(まぁいい)

▼・ェ・▼(そこのメスも“オチて”もらおう)

 

―ッキィン

ξ*゚听)ξ「―!!」

 

ガシャン!!!

 

96 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:33:34.91 ID: K3bXuzV90


(,,゚Д゚)「わんわん!!(待てごらぁ!!)」

(,,゚Д゚)「わん、わんわん!(ビロード、次はどこだ!?)」

( <●><●>)「はいよー、ギコ号」

(,,゚Д゚)「わん!!わんわん!!(てめぇ! 人の背中で浮かれてんじゃねぇ!!)」

( <●><●>)「この通りをしばらくまっすぐ、突き当りを左です」

(,,゚Д゚)「わん!(おう!)」

(,,゚Д゚)「…」

(,,゚Д゚)「わん、わんわん!(お前、オレの言葉が分かるのか?)」

( <●><●>)「だから、この通りをしばらくまっすぐで、突き当りを左です」

(,,゚Д゚)「…」

 

 

98 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:36:17.27 ID: K3bXuzV90

( <●><●>)「…あれは」

( <●><●>)「っ! なんでこんなところに…!」

( <●><●>)「ギコさん、急いでください」

( <●><●>)「この先にクーさんたちがいます!」

(,,゚Д゚)「!!」

(,,゚Д゚)「わんわんっ!!!(しっかり捕まってろ!!)」

 

 

100 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:40:47.23 ID: K3bXuzV90


どういうことだ

確かに『運命の輪』は人間のメスを補足した

それなのに何故

 

何故、“一瞬で別の場所に移動した”のだ…?

 

 

102 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:42:20.05 ID: K3bXuzV90

何度放っても首に回す前に消える

そして少し離れたところに現れ、乾いた音を鳴らすのだ

なんだこれは

まるで手品なような

私の手元が狂っている等というレベルではない

まさか

さっきのメスがやっているのか?

 

106 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:46:42.94 ID: K3bXuzV90


ξ*>凵)ξ「―!!」

ξ*>凵)ξ「…」

 

ξ*-听)ξ「…?」

 

 

109 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:48:26.02 ID: K3bXuzV90

―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!

―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!

―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!

ξ*゚听)ξ「…なに、これ…?」

川 ゚ -゚)「ぐるるる…」

 

110 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:50:00.46 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「…」

川 ゚ -゚)「ぐるるる…」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「まさか……クーがやってるの?」

―ッキィン

ヒュ
パッ

ガシャン!!!

▼・ェ・▼(ぐっ!! いい加減に…!!)

 

 

112 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:52:36.98 ID: K3bXuzV90

…ザッ

(,,゚Д゚)「…うぅぅ(するのはテメェだ)」

 

▼・ェ・▼(!?)

▼・ェ・▼(しまっ――)

(,,゚Д゚)「あぉおおん!!」

 

 

キャゥゥ――ン

 

117 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:54:41.36 ID: K3bXuzV90


川 ゚ -゚)「んー」

川 ゚ -゚)「節々が痛い」

(,,゚Д゚)「全くだぜ」

―翌日、ダイプロミーティングルーム

( ><)「それにしても良かったんです」

ξ*゚听)ξ「ホントホント」

ξ*゚听)ξ「二人ともずっとこのままかと思ったわ」

川 ゚ -゚)「さすがに犬のままは勘弁してほしいな」

 

 

118 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:55:43.89 ID: K3bXuzV90

(,,゚Д゚)「オレは割と快適だったけどな」

(*-ー-)「いつもの言動が動物染みてるせいかしら」

川 ゚ -゚)「言えてるな」

ξ*゚听)ξ「ケダモノよね」

(,,゚Д゚)「…」

( ><)「いつになく辛辣です」

ξ*゚听)ξ「ビーグルを捕まえた後、発情してマウンティングしそうになったバカにはちょうどいいでしょ」

川 ゚ -゚)「そのお陰で首輪が外れたとはいえ、ケダモノに違いはないな」

(,,゚Д゚)「…」

 

119 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 20:57:55.17 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「そうだ、クー」

川 ゚ -゚)「うん?」

ξ*゚听)ξ「私がビーグルに襲われそうになったとき、助けてくれたのって、やっぱりクーなの?」

川 ゚ -゚)「ツンに向けられた首輪が消え続けた、というやつか」

ξ*゚听)ξ「うん。それで別の場所に首輪が移動してた」

ξ*゚听)ξ「まるでクーのテレポートみたいに」

川 ゚ -゚)「う〜ん」

川 ゚ -゚)「と、言われてもな。全く覚えていない」

川 ゚ -゚)「それに空中に現れる首輪を連続で飛ばし続けるなんて、今の私には無理だ」

(*-ー-)「……動物的直感ってやつじゃないかしら」

川 ゚ -゚)「…直感、ですか?」

(*-ー-)「そうね、野生のチカラとでも言うのかしら」

(*-ー-)「自我をなくしても、ツンちゃんを守るということは忘れなかったみたいね」

 

121 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:00:20.42 ID: K3bXuzV90

ξ*゚听)ξ「守ってもらわなくても、自分で撃退できたもん」

ξ*゚听)ξ「…」

ξ*゚听)ξ「でも……ありがと」

川 ゚ -゚)「なんだか照れるな」

(,,゚Д゚) ←蚊帳の外

( ><)「そういえば、ビーグルはどうなったんです?」

川 ゚ -゚)「ん?」

川 ゚ -゚)「確かハインさんが預かると言ってたが…」

( ∵)『…』

( ∵)『ビーグル……同情するぜ』

 

123 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:01:59.84 ID: K3bXuzV90


くそっ!

くそっ!!

こんな屈辱を受けたのは初めてだ!!

人間なんぞに背後を許すとは…!!

大体ここはどこだ?

 

124 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:03:28.59 ID: K3bXuzV90

ん?

誰だお前は?

なんだ、その手に持っているのは

いや

待て

それは機械用…

いや

いやぁぁぁぁぁあああ!!!

 

126 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:05:27.73 ID: K3bXuzV90

―後日、ダイプロ前

从▼ー▼从「…」

从▼ー▼从「ごめんくださーい」

('A`)「はーい」

('A`)「…」

从▼ー▼从「あーの」

('A`)「…どちらさまですか?」

从▼ー▼从「えーと、素直クールさんはいらっしゃいますか?」

('A`)「…」

('A`)「どういったご用件でしょうか?」

从▼ー▼从「ん〜、ちょっと遊びにきたんですけど」

('A`)「…」

 

128 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:07:41.40 ID: K3bXuzV90

('A`)「すいませんが、その様な者はウチにはおりません」

从▼ー▼从「え〜、でもさっき〜」

('A`)「すいません、ウナコーワ(※虫除けスプレー)と聞き間違えたみたいです」

从▼ー▼从「え〜」

('A`)「お引取りください」

从▼ー▼从「せっかく来たのに〜」

('A`)「…」

('A`)「…(何か聞き覚えがある声だな)」

 

 

129 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:08:49.32 ID: K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「ん?」

从▼ー▼从「あ!」

(;'A`)「げ」

川 ゚ -゚)「なんだ、渡辺か。どうした?」

从▼ー▼从「クーちゃん!」

(;'A`)「素直さん、困りますよ。そんなにホイホイ顔を出されると!」

川 ゚ -゚)「私は構わん」

(;'A`)「オレが困ります」

川 ゚ -゚)「ふむ。ならば気をつけよう」

川 ゚ -゚)「渡辺、遊びにきたのか?」

从▼ー▼从「うん!」

('A`)「あれ? 知り合いなんすか?」

('A`)「ん? ……わたなべ…?」

 

131 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:10:30.01 ID: K3bXuzV90

川 ゚ -゚)「そうか、ドクオくんは知らないんだな」

川 ゚ -゚)「渡辺、サングラス」

从▼ー▼从「あ、そっか。 サングラス付けっぱだったからか〜」

从▼ー▼从「不審者みたいだね」

从'ー'从ノ▼−▼ ソォイ

从'ー'从「えーと、クーちゃんの友達の渡辺です」

从^ー^从「よろしくお願いします」 ←営業スマイル

('A`)「…」

('A`)

(゚A゚)

 

「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

133 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:12:24.80 ID: K3bXuzV90

('A`)「それじゃあ、ナベ……じゃなかった、渡辺さんもエスパー22聖の一人なんですか?」

从'ー'从「ん〜? エスパー22聖?」

从'ー'从「よく分かんないけど、私もエスパーだよ?」

('A`)「すげぇ!! すげぇっす!!」

('A`)「(ダイプロで働いてて良かった…!!)」

从'ー'从「新人さんなんだ?」

川 ゚ -゚)「ん…色々あってな」

从'ー'从「そっか」

川 ゚ -゚)「あぁ」

从'ー'从「…」

川 ゚ -゚)「ミーティングルームに行くか? みんないるぞ」

从'ー'从「うん!」

 

135 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:14:03.33 ID: K3bXuzV90

从'ー'从「…」

从'ー'从「…?」

从'ー'从「クーちゃん」

川 ゚ -゚)「ん?」

从'ー'从「なにあれ?」

 

▽◎ェ◎▽ ウィーン ガション ウィーン ガション

 

川 ゚ -゚)「あぁ」

川 ゚ -゚)「メカビーグルと言ってな」

川 ゚ -゚)「ウチの新しい番犬だ」

从'ー'从「へ〜」

 

137 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:16:08.82 ID: K3bXuzV90

从'ー'从「こっちおいで〜」

▽◎ェ◎▽ ウィーン ガション

▽◎ェ◎▽ ウィーン ウィンウィン

从'ー'从「きゃあ、可愛い」

▽◎ェ◎▽ ガション ガション

川 ゚ -゚)「…」

川 ゚ -゚)「ほら、行くぞ」

从'ー'从「あ、うん」

从'ー'从「じゃあね、ワンちゃん」

▽◎ェ◎▽ ウィーン ガション

 

138 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/10(水) 21:16:34.65 ID: K3bXuzV90

('A`)「…」

('A`)「ナベちゃんが触った犬…」

▽◎ェ◎▽ ウィーン ウィーン

▽;◎ェ◎▽ ガショ ガショ ガショ

('A`)「…逃げるなよ」

ウィーン ガショ―――ン

 

第十二話了

 

 

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