2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:29:54.32 ID: rKQMEawK0

僕達は今、校門の前に立っている

目の前に聳え立つ巨大な校舎、まだ創立20年だというのにもはやこの地区自慢のマンモス校となりつつある我らが学び舎だ。
淡いクリーム色の外観が心地よさを醸しだし、その後ろに広がる校庭の緑が心に安らぎをもたらしてくれる。

いや、草刈怠ってるだけなんだけど。

その隣には温水プールが完備されており、生徒は自由に入ることができるのも人気の一つだ。
豊かな校風、自由な教育、ゆとりと言えばそれまでですけど

それが此処、僕達の通うVIP高校。

その存在の大きさをアピールするかのように校舎から下がる
『ひろゆきひろゆきひろゆき!』の垂れ幕(スローガン)ちなみに意味は未だに分からない。
風に大きくはためている様がまるでこれからの僕達の行方を暗示しているかのようだった

アニジャさんの話に寄れば『科学部室爆発により生徒達は強制下校』
らしいがちらほらと生徒の姿が伺えるところを見ると、素直に帰ったとは言えないらしい

ハインさんが両手を挙げてにやりと笑った

 

4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:30:56.67 ID: rKQMEawK0

从 ゚∀从「着いたぜ学校!」

川 ゚ -゚)「学校休んだのに今学校の前にいる!ふしぎ!」

( <●><●>)「先生に見つかったら終わりだということはわかってます」

( ´_ゝ`)「なんで俺も来なきゃいけないの? ねえ」

(;><)「ていうか僕この姿で学校入るの嫌なんです!!」

三者三様、いや、この場合は五者五様か。
それぞれ思ったことを正直に口にした。
ハインさんは相変わらず八重歯を覗かせてニヤニヤと悪魔のように笑い、
クーさんは何を考えているか分からない

まあ何を考えているか聞いたところで分からないだろうから別にいいか
アニジャさんはあれからハインさん達に連行され一緒に学校に戻っていた。
そしてこれは此処に来るまでにわかったことだけど、どうやらアニジャさんはクーさんと仲が悪いらしい。
事あるごとに言い合いをしていた


5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:31:53.71 ID: rKQMEawK0

帰りたいという意見は最もだけど協力して欲しいんです、ごめんなさい
ワカッテマスくんだけは常に的確なことを言う。うん、全員下校なのに見つかったらまずいよね

というか、アニジャさん以外誰一人として制服を着てない件について!
そして万が一この姿をクラスメートに見られたら僕もう学校これない!

(;><)「タダでさえ生徒がいないのに、目立つんです!」

从 ゚∀从「よし、アニジャ。お前制服脱げ」

( ´_ゝ`)「いやんばかん。 ていうか誰が着るかによって俺の意見は大きく変わるよ」

川 ゚ -゚)「しゃあねえな、私が着てやるか」

( ´_ゝ`)「よし決めた、絶対脱がねぇ」

川 ゚ -゚)「役に立たないなこの木偶ノッポが!」

(#´_ゝ`)「うるせえ学ラン女!」

(;><)「…………」

 

 

6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:32:53.65 ID: rKQMEawK0

言い争うクーさんとアニジャさんだけどどちらにせよ190cm近くあるアニジャさんの制服じゃ、
誰にも合わないだろう、常考。
さて、こんな時は困ったときのワカッテマスくん。何回も頼るのは申し訳ない気もするけど、
このままここに突っ立っていたんじゃ先生に見つかるのがオチだ。
ただでさえ目立つ集団なのだから、早いとこ移動した方がいい

( ><)「ワカッテマスくん…」

( <●><●>)「わかってますよビロード。大丈夫です」

( <●><●>)「とりあえずハインさんとクーさんはジャージか何か、教室に置いてないのですか」

从 ゚∀从「あー、そーいや置いてるな。昨日体育だったんだけど持って帰んの面倒だったから」

(;><)「置き勉はダメなんで……ふひゃ!は、はにゃをつままないでくらひゃい!」

从 ゚∀从「うーるーさーい! ウヒャヒャヒャヒャ!」

痛い痛い!鼻痛い!摘まれて痛がる様子を楽しそうに眺めるこの人は間違いなくSだ。

( <●><●>)「クーさんは?」

川 ゚ -゚)「いや、私は制服だし」

 

7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:34:13.33 ID: rKQMEawK0

( ´_ゝ`)「この学校のじゃねーだろ。 どう見てもコスプレです」

( <●><●>)「本当にありがとうございました。 ではクーさんは此処で待っていてください」

川 ゚ -゚)「待て、ちんぽっぽは確かジャージ置きっぱなしにしていたはずだ」

(;><)「お姉ちゃんのじゃクーさんには小さいんです!」

川 ゚ -゚)「なんだと?貴様私がピザだと言いたいのか、ぶち殺すぞ」

(;><)「いや、そんなこと言ってな…痛っいひゃい!ほっぺひっぱらないれほしいんれす!」

川 ゚ -゚)「ふふん、それそれー」

ようやく鼻を開放されたと思えば今度は頬。
両頬を真横に引っ張られ、じわじわと痛みが襲ってくる。
指が離れた頃には僕の両頬は真っ赤になっていた。

サイズが違うのは身長が違うせいだって言いたかっただけなのに
無表情ながらも楽しげな感じを見る限りこの人もSだ。僕の周りはサディストばっかりか!

 

 

9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:35:31.56 ID: rKQMEawK0

( .><)「なんでこんな目に合わなきゃならないのかわかんないんです…」

両手で頬をさすりながら俯いた。

目線の先には蟻さんの行列がせっせとが食料を運んでいて、ほんのちょっぴり泣きたくなる。むしろ泣いた
えらいなあ蟻さんは。頑張って頑張って働いて、皆が皆蟻さんのように一生懸命働けばニートなんて生まれないのに。
そしてハインさんたちも少しは蟻さんを見習って誰かのために頑張るってことを知ればいいのだ

( ><)「生まれ変わったら僕も蟻さんになりたいんです…」

( <●><●>)「ビロード、現実逃避はそこまでにしておきなさい」

(;><)「え、僕声漏れてたんです!?」

从 ゚∀从「すげぇ腹立つ独り言が漏れてたよ」

(*´_ゝ`)「ビロードたん、萌えー」

川 ゚ -゚)「生まれ変わったら踏み潰してくれる」

僕の来世消滅フラグ。
ハァハァと息荒く近づいてくるアニジャさんにワカッテマスくんがチョップして止めた。

 

10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:36:54.60 ID: rKQMEawK0

( <●><●>)「ひとまずハインさんとクーさんはこっそり教室に行ってジャージに着替えてください。 
アニジャさんはそのままでいいでしょう」

( ><)「ワカッテマスくんはどうするんです?」

今まで触れていなかったがワカッテマスくんも僕と同じように下はスリムなジーンズに、上はボーダーのシャツとラフなスタイルだ。
どう考えても制服には見えない。

( <●><●>)「こんなこともあろうかと、制服を持ってきています」

从;゚∀从「すげぇなお前!」

どんだけ用意いいんだよ!何処から出したんだよ!
とつっこむハインさんの気持ちも分かるけど今はそれよりも感心が先だ。

( ><)「すごいんです! 流石なんです!」

( ´_ゝ`)「あ、なんか今キャラが被った予感」

( <●><●>)「ありがとうございます。 ところでビロード、この手はなんですか?」

ワカッテマスくんの目の前に両手を差し出すと困ったように首を傾げられた。

(;><)「僕の制服も持ってるかと思って…」

 

11 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:37:46.47 ID: rKQMEawK0

(<●><●> )「女子の制服を持っていたら変態じゃないですか」

( ´_ゝ`)「なんで俺の方見ながら言うの君? 失礼じゃね?」

( <●><●>)「それにこれは私用のサイズなのでビロードには大きいですよ」

( ´_ゝ`)「下級生にシカトされた…」

( ><)「どうしようなんです…」

このままでは当事者である僕が学校に入れない。
手ごろな服も持っていないし

(*´_ゝ`)「メ、メイド服なら持ってるけど……ハァハァ」

( ><)「もうここは先生に見つからないように行くしかないんです!」

( ´_ゝ`)「またシカトされた…」

気分はなんだっけ、アレだ。007。いや、ミッションインポッシブル!
心の中で密かに炎を燃やしていると、今度はハインさんが突っ込んできた

从 ゚∀从「つーかさ、ジャージでいいじゃん。他の奴らも多分ジャージ置いたまんまだから借りちまえよ」

( ><)

それもそうですね。

 

12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:39:53.21 ID: rKQMEawK0

( ><)「というわけで教室に到着なんです」

( <●><●>)「誰に話しているのですかビロード」

3年B組からこんにちは。金八先生は不在ですよー

当初一階の窓から侵入しようと思っていた僕達だけど、普通に玄関が開いていたのでそこからダッシュで2階へとあがった。なんというか、
スリルも何もなく教室についてしまってちょっと残念だったのは内緒だ。
三年生の教室に入る機会なんてめったにないのでちょっとだけ緊張しながらハインさんとクーさんの後を追った。
二人とも自分達の教室だからか、慣れたように入っていく。

从 ゚∀从「ほら、おめーらも早く入れ! 見つかったら追い出されるだろがこのタコ!」

川 ゚ -゚)「イカ!」

(;><)「は、はいなんです!」

( <●><●>)「了解しました」

( ´_ゝ`)「アイヨー」

五人全員が教室内に収まるとすばやく扉を閉めた。

 

14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:41:10.63 ID: rKQMEawK0

それを見届けてからハインさんとクーさんの2人は後ろの方にあるロッカーへと向かっていき、自分のジャージを取り出した
ちなみに僕達の学校のロッカーは、ロッカーというよりも棚であり
全員の荷物がすべて見えるようになっている。
勉強道具を置いてきぼりにしないための対策だが、
生徒も見えるように置くほどバカではないのでこの棚形式はあまり意味がない。

从 ゚∀从「お、ヒートの奴ジョジョの新刊持ってきてやがる。 明日借りなきゃ」

普通に漫画をその棚に仕舞っておく生徒もいるにはいるんだけど

川 ゚ -゚)「さて、ちんぽっぽのジャージは…と」

二人がさっさとジャージを漁っている間、僕達は手持ちぶさたとなってしまった。
アニジャさんに至っては最初から制服なので着替える必要もないわけだし

( ><)「…………」

ふと、隣を見て見るとワカッテマスくんはすでに制服に着替えていた。

(;><)「!!」

( <●><●>)「どうしました」

(;><)「な、なんでもないんです…」

…着替えるの早!

 

16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:42:03.29 ID: rKQMEawK0

(;><)「あの…ハインさんにクーさん、僕はどのジャージ借りればいいんです…?」

このままじゃ僕だけが私服になってしまう。焦った僕はハインさんに聞いてみる。
それにしても勝手に借りてもいいんだろうか、上級生の、しかも女の人の私物を

从 ゚∀从「ん?じゃーあれだ、渡辺のでも借りとけ! 後で返しときゃモウマンターイ」

近くにあったジャージを引っ張りだし、ぽいと投げつけた。

(;><)「わ、わ!」

慌てて受け止めると、丁度僕ぐらいの身長にぴったりなジャージ
だが

(;><)「なんで下がブルマーなんですか!」

从 ゚∀从「いや、学校指定だし」

(;><)「うちの学校のジャージは下がハーフパンツなんです! ていうか長いジャージで問題ないんです!!」

从 ゚∀从「チッ」

ええ!?舌打ち!?
何故かしぶしぶと長いジャージを投げられた。正しいことを言っただけなのにこの扱い!

 

17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:42:56.47 ID: rKQMEawK0

从 ゚∀从「ビロードお前マジ空気嫁」

(;><)「ええ〜〜〜…」

川 ゚ -゚)「本当、君にはがっかりだ」

(;><)「そ、そんなに?そんなに僕はだめなんです?」

( <●><●>)「ビロード、どうせその人たちはからかってるだけですよ」

从 ゚∀从「まあね!」

( ><)

川 ゚ -゚)「というか早く着替えねばな」

うん、まともに受けようとした僕がバカでした。
それにクーさんの意見も最もだ。早くみんなの見えないところで着替えないとって

(;><)「…うわああ!!!」

从 ゚∀从「どしたよ」

川 ゚ -゚)「何か問題でも?」

 

19 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:44:14.59 ID: rKQMEawK0

(;><)「大問題なんです! 二人ともなんでここで着替え始めてているんですか!?
 僕達が目瞑るまで待ってて欲しいんです!」

すでに二人は上着を脱ぎTシャツを頭から羽織ったその中で器用に着替えていた

从 ゚∀从「いや、別にいいよ。 普段からこんなもんだし」

川 ゚ -゚)「決して肌が見えるということはないからな」

( ´_ゝ`)「女子の着替えテクニックってすごいよね。あれどうやってもギリギリまでしか見えないの」

( <●><●>)「ビロードはそこのカーテンの陰で着替えなさい」

(;><)「なんで皆そんなに冷静なんですか!? わかんないんです!」

確かに女の子の神経というのは以外と図太くて、体育の時間は男子がいようと
平気で教室で着替え始めたりするけど、それでもそれをじっと見つめている男子なんて居ない。
というか居ようもんなら言葉という名のフルボッコだ
だからなんていうか、もうちょっとこう…

(//><)「は、恥じらいを持って欲しいんですー!」

 

21 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:45:39.07 ID: rKQMEawK0

从 ゚∀从「なんだよなんだよかーわーいーいー うひゃひゃひゃひゃ!
おねーさんが色々教えてあげちゃおっか!?」

ハインさんが近づいて上だけジャージのまま僕を抱きしめた。
柔らかい感触が顔に当たる。うあ、ていうかこれはもしかしてむ、胸…!
息苦しいのとその感触に僕の顔へ熱が集まってきた。

(*´_ゝ`)「うはwwwww百合ktkrwwwwww」

川 ゚ -゚)「なんだお前、百合が好きなら私に言えば言いものを。 
ハインとうっふんあっはんしてやるぞ」

( ´_ゝ`)「いやお前は萎えるから」

ピロリロリン、と可愛らしい携帯のカメラ音が教室内に響く。
いやいやいや、見てないで助けてほしいんです!

从 ゚∀从「なんなら着替えさせてやろうか?」

(;><)「い、ちょ、ちょっと…!」

するり、とハインさんの手が僕のジーンズの下に潜り込んだ瞬間、圧倒的な力によって、僕達は引き離された

 

 

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:47:02.26 ID: rKQMEawK0

(;><)「ぷはっ!」

胸から開放されて一息つくと思った以上に汗をかいていたことに気づく
く、苦しかった!二重の意味で苦しかった!

( <●><●>)「いい加減にしといてください」

後ろでは怒ったような声のワカッテマスくんと面白くなさげなハインさん。
きっとハインさんは自分が楽しんでいるのを邪魔されて怒ったんだろう。僕は助かったけど

从 ゚∀从「…アニジャは自分の興味対象意外には萌えねえって知ってるけど…
     ワカッテマスはもうちょっと焦れよテメー。 美少女2人がイチャラブだぞ」

( <●><●>)「その程度では動揺しません 自分で美少女と言わないで下さい イチャラブとは古いです」

川 ゚ -゚)「ペロッ…これは…女として試されいてる…!」

从 ゚∀从「つか、普通に腹たつわ!」

( ´_ゝ`)「ねーねービロードたん。今度は俺のクラスのペニサスと絡んでよ」

どうしよう、なんだかまた険悪な雰囲気になってきた。

 

25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:48:12.73 ID: rKQMEawK0
(;><)「あああ…どうしようなんです…」

( ´_ゝ`)「あれ、また無視?ねえ」

从 ゚∀从「じゃあお前はアタシの裸を見ても動揺しないと!」

( <●><●>)「当然です」

川 ゚ -゚)「私の開脚前転を見ても欲情しないと、そう言ってるのか!」

( <●><●>)「当然です」

从 ゚∀从「……………そうか、んじゃこれは?」

( <●><●>)「?」

くるり、と体を反転させ再びハインさんが近づいてきた。
僕の後ろに回りこむと上着の裾に手をかけて…

( ><)「ハインさん?何…」

从 ゚∀从「ほれ、オッパイびろーん!!」
(;><)「うひゃあああああああ!」

( <○><○>)

思いっきり服を上に引っ張られ、肌が露になった。
当たり前の話だけど僕は下着、いわゆるブラジャーなんて類は付けてない。
というか、これを付けてしまったら男として色々と終わる気がする。

 

 

26 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:49:50.84 ID: rKQMEawK0

(((;><))))「な、な、ななな何するんですか!何するんですか!?」

すぐさま服を元の位置に戻したがワカッテマスくんが固まっているのは直らない。
すごい真っ白になっちゃってるんですけど!

从 ゚∀从「うひゃひゃひゃひゃひゃ!動揺してんじゃねーかばぁーーか!」

川 ゚ -゚)「これに懲りたら毎日うまい棒1本私に貢ぐんだな」

(*´_ゝ`)「生きててよかった!生きててよかった! 神様ありがとう!」

( <○><○>)

誰も僕の話聞いてくれないこの状況に涙目!!
その時教室の外から聞き覚えのある先生の声が聞こえた。

先生「誰かいるのかー?」

从 ゚∀从「やべ、逃げろっ」

そりゃこんだけ騒いでたらばれるんです!でも此処で逃げたらもっとばれるんです!

 

28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:51:21.44 ID: rKQMEawK0

(;><)「ワカッテマスくん、ここは隠れ…」

( <○><○>)「………………え」

( ><)「……ワカッテマスくん?」

(((( <○><○>))))「えええ円周率3.141592653589793238462643383279…!!!!」

(;><)「ワカッテマスくん!ワカッテマスくん落ち着いて!」

(;<●><●>)「ハッ!!」

( <●><●>)「ビ、ビロード、私はどどど動揺などしていいいません」

(;><)「それはいいからとりあえずどこかに隠れるんです!」

このままじゃ本当に見つかってしまう

从 ゚∀从川 ゚ -゚) <●><●>) ´_ゝ`)「おk!」

というわけで僕は机の下、ワカッテマスくんは教卓の中、
アニジャさんはブロンズ像のふり、ハインさんは木の真似、クーさんは扉の真横に立ちました。

 

29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:52:01.09 ID: rKQMEawK0

ガラリ、と扉が開き先生が辺りをぐるりと見渡した
そして、一言

先生「…誰もいないか…」

扉は閉まり、この場は乗り切ることができた。

…できた…けど

(;><)「(しゃ、釈然としないんです…!)」

なんで気づかないんだよ

 

31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:53:02.28 ID: rKQMEawK0

それからハインさん達のいたずらを乗り切り、ようやくジャージに着替えることが出来た僕だけど、
それでもなんだか不安だった
そもそも顔のパーツ事態は変わってないし、知ってる先生に会ったら一発でばれてしまう

( ><)「これでもなんだかバレそうな気がするんです…」

( ´_ゝ`)「俺の眼鏡貸してあげようか?」

そういってアニジャさんは鞄の中から眼鏡を取り出した。
牛乳瓶の底並に分厚いレンズはなるほど、確かにかけたら誰だかわからないかもしれない
僕はアニジャさんから眼鏡を受け取りかけてみた

( -○○)「………………」

从 ゚∀从「うわあ…」

川 ゚ -゚)「うわあ…」

 

33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:54:42.22 ID: rKQMEawK0

なんか今一番呆れられたくない人に呆れられた予感がす

(;><)「…し、視界がぶれぶれで全然わかんないんです!」

( <●><●>)「外した方が無難ですね。 目が悪くなってしまいます」

从 ゚∀从「しかたねーなアニジャ、お前のマフラー貸せ」

( ´_ゝ`)「えー、俺寒がりなのにー」

从 ゚∀从「ビロードに巻くんだけど」

( ´_ゝ`)「なんなら下着も脱ごうか!?」

その言葉はスルーしてアニジャさんのマフラーを奪い僕の首へと巻きつけた。
くるくると巻きつけられたマフラーのお陰で僕の顔は3/1が隠れたが

( ><)「息苦しいんです…」

从 ゚∀从「ワガママ抜かすな、行くぞー!!」

手を振り上げて教室を抜け出した。
そ、そんな大声だしたら見つかっちゃうんです!!!
ジャージにマフラーの妙な姿で、僕達は教室を後にした

 

34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:56:04.43 ID: rKQMEawK0

※―――――――――――――※

 

( ><)「そういえば、あのおっさんは一体何処にいるんです?」

教室を抜け出したはいいものの、何処へ行くのか聞いていない。
学校は勝手知ったるものだけど目的地がわからないんじゃただ歩いていても無駄足になる。
見慣れた廊下を歩きながら、僕は一番居場所を知っていそうなアニジャさんへと尋ねた

( ´_ゝ`)「ん? 渋澤先生なら科学部の顧問だからなー、今は問題の爆発処理してんじゃね?」

そんなもの普通一般教師に任せるのかな

( ´_ゝ`)「ちょっと変わった人だからな。つーかずっと気になってたんだけど、なんで渋澤先生のこと探してんの?
       今日サボったのと関係あんの?」

从 ゚∀从「うっせえな!お前には関係ねえだろ!」

(;´_ゝ`)「え、俺結構巻き込まれてるよね?」

 

 

35 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:57:06.98 ID: rKQMEawK0

川 ゚ -゚)「逆に考えるんだ、巻き込まれたんじゃない、巻き込んだんだと…!」

( ´_ゝ`)「……………。いや、だから何にだよ」

(;><)б「あ、科学室についたんです!」

協力してくれているアニジャさんには申し訳ないことだけど、こっちも結構切羽詰ってる状況だから、
問題が解決したら話すことにしよう。
『科学室』とプレートが貼ってある教室を指差して、足早に近づいた。
なんだか扉に焦げ痕がついているけどそれは見なかったことにして

( ><)「し、失礼します…なんですー…」

カラカラと小さく音を立てて扉を開けていく

 _、_
( ,_ノ` )y━・~

 

中には焼け焦げた実験台と、その上で恍惚の表情立つ全裸のオッサンがいた

 

 

36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:58:03.12 ID: rKQMEawK0

(;><)

从 ゚∀从「おい、どうしたんだよ、なんで扉閉めるんだ?」

後ろから覗き込んできたハインさんを慌てて止める

(;><)「あ、開けたらダメなんです! 中になんか変な生き物が!」

川 ゚ -゚)「何をわけの分からんことを」

そう言ってクーさんも近づいてきた

(;><)「中に変態が! 僕達の学校に変態が!」

( <●><●>)「変態ならここにもいますよ」

( ´_ゝ`)「え、何それ俺のこと? さっきから君上級生に向かって失礼すぎじゃね?」

从 ゚∀从「とにかく開けるぜ」

守っていた扉がハインさんの力によって強引に開かれた。

(;><)「アッ――――!」

 

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「ようこそ…壊れかけのエンジェル達…」

 

 

37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/13(火) 23:59:46.94 ID: rKQMEawK0
从 ゚∀从

川 ゚ -゚)

( <●><●>)

( ´_ゝ`)
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「君達は今日、メビウスと言う名の運命に導かれこ从#゚∀从「うぜえよ!!」kくぁwせdrftgyふじこ!」

(;><)「わ――――!!」

オッサンが何か言い終える前に、ハインさんの蹴りが炸裂したので、
なんだか言おうとしたセリフはふじこで締められてしまった
もんどりを打って倒れるオッサンは流石に不憫だけど、同情心がまったくわかないのはどうしてだろう。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「やれやれ…、全くヤンチャな子猫ちゃんだぜ…」

(;><)「(ノーダメージ!?)」

起き上がったオッサンはピンピンしていた。
そしてセリフ回しがいちいちいらっと来るなこの人!『…』が無駄に多!
あと爆発が起きた部屋で煙草吸うな!つっこみたい気持ちが沸々と湧き上がっていたが
衝撃的すぎて何も言えない

 

38 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:00:52.30 ID: qJY1MVUP0

するとオッサンはボーゼンと立っていた僕に気がつき、と不敵に笑いながら近づいてきた。
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「よう…そこにいるのは昨日のボウヤじゃないか…。 随分と可愛らしくなったもんだな…ふふっ」

(;><)「ちょwwwwwふふっじゃなくて!前!!前隠してくださいなんです!!」

どうして校内で教師のおいなりさんを見せ付けられなければならないんだ。
これ、何かの罪に問われないのだろうか?
ワカッテマスくんの方に視線を移すと棚においてある小瓶を手にしていた。
此処からじゃなんて書いてあるのか読めないけどきっと少なからず危険なものにちがいない。だって、なんか怒ってるもの

( ><)「(ワカッテマスくんも変態さんに腹立ててるんです!)」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「まぁ…そこの疲れを癒す神秘の家具に座りたまえよ」

 

 

40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:02:28.59 ID: qJY1MVUP0

从#゚∀从「素直に椅子って言いやがれ!」

川 ゚ -゚)「…………あ、やっべ私これから空気になりそう」

( ´_ゝ`)「お前は空気っていうよりラドンだよ」

( <●><●>)「そんなことよりもアナタに聞きたいことがあります。 ビロード」

この人たちが関わると話が進まないと思ったのだろう、ワカッテマスくんが促すように僕を前に出した。
気持ちはありがたいけどおいなりさんが近くてやるせない、がそんなこと言ってる場合でもないか

ワカッテマスくんに向かって小さく頷き、僕は目の前へと向き直った

( ><)「単刀直入に聞くんですけど、僕がこうなったのはオッ…渋澤先生が原因なんですか?」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「いかにも…ご名答ってやつだぜお姫様」

从 ゚∀从「全体的に腹立つな、殴っていい?」

それは止めない

 

43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:06:33.35 ID: qJY1MVUP0
というかこうなった、と言っただけで何のことか察している辺りアレだ
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「アレは私の可愛い部員のほんのイタズラから生み出された魔法の薬さ…」

(;><)「科学の先生なのに超非科学的!」

( <●><●>)「…ちなみに、その可愛い部員とは?」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「そりゃあお前…そこにいるお姫様のお姉ちゃんだぜベイベー」

そこ、と言われて指された先には…僕。
…ぼく?

( ><)「え」

 

 

46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:08:34.07 ID: qJY1MVUP0

(;><)「ええええええええ!?」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「彼女は実に優秀だ…ぶっちゃけ、全部作ったのも彼女だし
        解毒剤とかも彼女が持ってる。 むしろ私は殆ど関わらせてもらえなかった」

そんな危険なもの作ってお姉ちゃんは世界征服でも企んでいるのだろうか。
あとこのオッサンキャラ濃い割には役に立たない!解毒剤持ってないのか

( ><)「じゃ、じゃあなんで僕をターゲットにしたんですか!」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「いや、なんとなく…じゃなくて俺のハートがズキューンでバキューンだったんだ。さながら星がお月様に出会ったかのような」

(#><)「無駄に比喩とかしなくてもいいんです!正直うっとうしいんです!」

しかも今なんとなくって言ったよこの人!もしなったのが僕じゃなくて全然知らない人だったらどうするつもりだったんだ
いや、それ以前に最初に解毒剤を持っている人物が近くにいたなら…

(;><)「僕の一日は一体なんだったんですかあ!」

無駄だ、あまりにも無駄すぎる!
涙を堪えながら、扉の方へと駆け出した

 

48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:11:03.20 ID: qJY1MVUP0
( ,_ノ` )y━・~「おっと待ちな、まだ話は終わってn」

( ><)「うるっさいんです! 僕はこれから忙しいんです!!!」

近くにあった黒板消しを投げつけて、教室を飛び出していった。

从 ゚∀从「また明日なー」

( ><)「はい、ありがとうございました!」

川 ゚ -゚)「やっぱ空気になった…」

( ´_ゝ`)「俺もう帰ってもいい?話がビックリするほど見えないんだけど」

背後から聞こえたみんなの声。
ワカッテマスくんだけは心配そうに後ろで何か言っていた気もするけど、混乱している僕の耳には届かなかった。

 

 

49 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:12:01.27 ID: qJY1MVUP0

 

オッサンの話を全部聞き終える前に飛び出した僕は、全速力で家へと向かった。
見慣れた道を駆け抜ける、本日3度目の全力疾走。

息が切れて、足が痺れて、ようやくたどり着いた我が家では姉がソファの上で優雅に横たわっていた。

(;><)「お姉ちゃん!お姉ちゃんおねえちゃんおーねーえーちゃーん!!」

だぼだぼのセーターに包まって気持ちよさそうに眠っているのをゆすって起こした。
寝起きが最悪な姉だからこそ起こしたくはなかったが、今はそんな余裕もない

(;><)「おきて欲しいんです!つーかパンツ丸見えではしたないんです!」

ごんごん、と揺さぶりなんどもソファの端に頭を打ちつけていたら、
伸びてきた手によって僕の顔面は床へと叩き落された

( ><)「ふぎゃっ」

(*‘ω‘ *) 「っるっせーっぽ! 痛いっぽ!」

 

 

50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:13:29.91 ID: qJY1MVUP0

やはり、機嫌が悪い。床へぶつけた頭をさらに足で踏みつけられた。
知らない人が今この場面に踏み込んできたら間違いなく誤解されるだろう。

(;><)「い、痛いのは僕も同じなんです! …いや、そんなことより!」

足を避けて、寝転がっていた姉へと詰め寄る

(*‘ω‘ *) 「あー、 渋澤に話聞いたっぽ?」

すると最初から検討がついていたらしく、話を切り出す前に頭をくしゃくしゃとかきながらテーブルに向かっていった。
教師、いや顧問が堂々と呼び捨てにされてるあたりあのオッサンの部内での立場が危ぶまれるが、今はそんなことどうでもいい

( ><)「聞いたんです!ひどいんです! お姉ちゃんの仕業だってんなら最初に言ってくれればよかったんでむぐ!」

言い終える前に口の中へ何か詰め込まれた。サクサクと香ばしいその食感と甘みは、
出かける前に姉が食べていたクッキーだ

( ><)「…何?ですか。いきなりもぐ」

(*‘ω‘ *) 「それ、解毒剤っぽ」

( ><)「え」

 

51 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:15:20.10 ID: qJY1MVUP0
今朝お姉ちゃんがじゃがりこのCMみたいにサクサク食べてたコレが解毒剤?
見た目も何も市販のものとまったく変わらない。ていうか普通に食べてたじゃないか

(*‘ω‘ *) 「クッキーは食べるもんっぽ」

( ><)「そうかもしれないですけど!最初に渡してくれてもいいんです!でもなんで急に!」

(*‘ω‘ *) 「もう飽きたからっぽ。明日には元にもどるっぽよー」

あまりにも軽く、のほほんと告げる。
…僕の今日一日の苦労は一体なんだったんだ…?

(;><)「そもそも!な、なんでこんなことしたんですか!」

そうだ、いくらなんでも、これは酷い。
いい加減で、ずぼらで、弟を簡単に犠牲にする姉だけどこんなことはしないと信じて…うん、信じてたのに
傍らにあったリモコンを弄りながら、こっちを見ようともせず告げる

(*‘ω‘ *) 「だーから最初に言ったっぽ」

( ><)「?」

(*‘ω‘ *) 「暇つぶしっぽよ」

 

53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:16:40.70 ID: qJY1MVUP0

指を僕の唇にちょんとつけ、可愛らしく笑った。
見る人が見ればロメロになるような子供っぽいその笑顔が、今は酷く憎らしい

( ><)

(( .><))「お…………」

 

( 。><)「お姉ちゃんのバカなんです――――――――!!」

もう何度目かになるか分からないほどの大声
いい加減にしてください、なんです

 

 

54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:17:56.10 ID: qJY1MVUP0

※―――――――――――――※

 

翌朝
目が覚めると僕は普通の体に戻っていた。
重かった胸もなくなったし、声も標準に戻った。身長は…まぁあんまり変わらないけど、
とりあえず男としてのシンボルがあることだけは確かだ

( ><)「や、やったんです!元に戻ったんです!」

うきうきしつつベッドから出ると手元に何かあたった

( ><)「……ん?何なんですこれ?」

それは一通の手紙だった
黒い風体にやたらとゴテゴテしたラメ装飾、
蜘蛛の絵柄が描かれたその封筒はどう控えめに見てもファンシーからは程遠い。
というか、普通便箋に黒とか使わないよね
赤い文字でビロードくんへと書いてあるので、僕宛てだということは多分間違いないのだろう

( ><)「…開けてみるんです…」

上の糊を剥がし、中身を取り出した。
中から出てきた手紙も真っ黒で、正直読みにくかったけど、それでもなんとか赤い文字を追っていく。

 

 

55 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:19:10.33 ID: qJY1MVUP0

( ><)「えーと、………『やあ、翼の折れたエンジェル…』」

(;><)「あのオッサンからなんです!」

なんて嫌な始まり!
そして好きなのかよそのフレーズ!
忘れかけていたおいなりさんの記憶が蘇ってくる

( ><)「とても教師とは思えない…これはPTAに訴えるかもわからんね…なんです」

なんて独り言を呟きながら赤い字を追っていった

( ><)「『ええと、なになに…昨日は君が空を舞うように急いで帰ってしまったから………』」

(;><)「!!!!」

(;><)「こ、これは…」

その手紙を読み進めていくうち、僕は今とんでもない事態に陥ってることに気がついて、
下の階へと、お姉ちゃんがいるであろう居間へと駆け出した。

 

57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:20:07.57 ID: qJY1MVUP0

(;><)「おおおお、お姉ちゃん!お姉ちゃんお姉ちゃーーーん!!」

殆ど体当たりするようにして扉を開け、居間まで走る。
ソファから頭だけ飛び出した姉がテレビを見ながら暢気に答えた

(* ω *)「なんだっぽ、うるせえっぽ」

(;><)「!?」

ただし、答えた声はいつもの姉の声とは明らかに違う、
―――まるで少年のような声だった。

( ><)「お、お姉ちゃん…?」
  _
(*‘ω‘ *) 「ちっとは静かにしてろっぽ」

近づいて、ソファの裏側から覗き込むように姉を見ると、ポッキーを口に詰め込みながらテレビを見ていた。
いつもとなんら変わらない光景、だがしかしその胸に見慣れたボリュームは……ない。

(;><)「〜〜〜〜っ!?」

(><;)「!?」

(;><)「!!!?」

 

59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:21:20.61 ID: qJY1MVUP0

どうしようもなく辺りを見回したが何が変わるわけでもなく、握っていた手紙がするりと床に落ちた。
するとその瞬間を見計らったように家のチャイムが鳴り響く

『 やぁ、翼の折れた天使ちゃん…? 
  昨日は君が空を舞うように急いで帰ってしまったから
  ミッドナイトアイな彼にこの手紙を託すことにしたよ

  君がこの手紙を読む頃、魔法使いの魔法は解けてお姫様はただのボウヤへと
  戻っているだろう…だが、それだけでは終わらないんだぜベイベー

  あの魔法薬には実は彼女に内緒で密かに改良を加えてね…
  副作用という名のサプライズがあるんだぜ☆』

(;><)「こ、こんな朝早くに誰なんです…?」
 

 

62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:23:35.02 ID: qJY1MVUP0

『 一つは、お姫様の時に『話した』相手の性別が反転すること

  これはまぁアレだ…お姫様の中に潜んでいたイジワルな小悪魔が
  話した奴らに嫉妬して乗り移ったってことかな、ふふっ♪』  

玄関へ行くとそこに立っていたのは見覚えのある……女の子一人と男がニ人

うち、一人はげんなりとした、真っ青な顔をして、もう二人は心なしか嬉しそうだった。
女の子は短めの黒髪に吸い込まれそうな夜色の大きな瞳…そして小さいけど確かにわかる胸のふくらみ。
見覚えのあるその顔は…まさか、まさかとは思うけど

(川<●><●>)「ビロード…この人たち…どうにかしてください…」

(((;><)))「ワワワワカッテマスくん!?」

从 ゚∀从「オッス! 元気元気にハイン君さーんじょっ、どーよこの男前!
     ワカッテマスもアタシ、いや俺に惚れたか!?うひゃひゃひゃひゃひゃ!」

ハイテンションなその口調、そして何より自分で本名をばらしている茶髪の男は

(;><)「ハイン、さんー!?」

 

64 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:25:40.58 ID: qJY1MVUP0

∫W ゚ -゚)「これぞまさに学ラン戦士」

そしてもう一人、こっちは対照的に無表情だが、それが決定付ける証拠となってしまった
髪を後ろで縛りあげているやけに端正な学ランの男はもうもしかせずとも間違いなく

(;><)「クーさん!」

∫W ゚ -゚)「いかにも!」

(;><)「だ、大丈夫なんですか皆!?」

ワカッテマスくんあたりは明らかに大丈夫そうではない。
ここに来るまでの間に何があったのか、明らかにハインさんとクーさんに怯えていた

(;><)「た、た、大変なことになったんです…!」

とにかく、解毒剤だ
昨日のクッキーを食べればきっと元に戻る、と思ったが手紙の内容を思い出して立ち止まった

『 ちなみに、もう魔法使いの弟子が作った解毒薬は聞かないから
  ご了承お願いするんだぜ… 』

(;><)「!」

 

 

65 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:27:01.53 ID: qJY1MVUP0

だめだ!
ていうかなんて厄介なことしてくれてんだあのオッサン!
うろたえる様に両手を顔の横で振り、元気付けるようにワカッテマスくんを慰めた

(;><)「と、と、とりあえず、対策を練るんです…昨日はお世話になったから、僕も協力するんで…」

( <●><●>)「…何を言ってるのですかビロード」

( ><)「え?」

∫W ゚ -゚)「君はバカか」

( ><)「ええ?」

从 ゚∀从「他人事っぽく言ってるけどそういうお前だって、反転してるじゃねーかよ」

(;><)「………え?」

 

 

66 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:28:13.59 ID: qJY1MVUP0

『 そしてもう一つの副作用だが…

  お姫様の呪いは、やっぱり薬なんかじゃなくて王子様が解くもんだ
  そう思わねえかエンジェル…?
  というわけで、その呪いは真の王子様が現れるまでしばしば出てくる
  つまり

   、、、、、、、、、、、、、
  またすぐお姫様の姿になるぜ

  ってことさ…』 

手紙の最後を思い出し、僕は恐る恐る、自分の胸へと手を当てた。
すると、どうでしょう!さっきまでなかった胸が、

むね、が……

(((((;><))))「………………う…うう」

やんわりとした感触は、昨日のことなのに酷く懐かしい
ぽたり、と汗の落ちる音がした

(;><)「嘘なんです――――――――!!!!」

 

 

70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:30:21.43 ID: qJY1MVUP0

『 まぁ、王子様に会うまで頑張りな

  真の王子様に会ったらその時はキッスで元に戻るだろうから、な
  アデュー…可愛いお姫様

 

              _、_
            ζ ,_ノ` ζy━・~ 黄昏のアデージョより』
 

(;><)「いや―――――!!」

視界が歪み、ぐらりとした眩暈が襲ってくる

神様、どうかコレは夢だと言ってください。
悲鳴にも似た叫びが、家の中へ響いた

 

〜( ><)が女の子になったようです〜  終わり

 

 

 

 

 

 

 

 

73 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:32:00.21 ID: qJY1MVUP0

色々反省点も多かったけどとりあえずこれにて終了です。
支援してくださった方、読んでくださった方、まとめサイト様

本当にありがとうございました!

 

 

 

78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/14(水) 00:35:23.87 ID: qJY1MVUP0
おまけ

ジョルジュ
  _
(;゚∀゚)「うおおおおおおお!俺におっぱいが!
     しかも巨乳!嬉し………いや微妙!? 自分で触っても案外萌えない!」

アニジャ

(;´_ゝ`)「おおおおおおおオトジャー!!ちょ、大変やばい俺やばい!」

(´<_` )「いつもやばいよお前は」

(;´_ゝ`)「いやそうじゃなくて俺女になっちゃった!どうしようこれ!
       どうしようこれ!!?」

(´<_` )「…べつにいつもと変わらんけど」

(;´_ゝ`)「貧乳ですいません!つうか触るな!」

終わり

 

 

 

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