4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 22:54:03.86 ID: /UTBp43q0
さて、謎のおっさんを探すことに決めたは良いものの、手がかりといったものがまったくない。
とりあえず適当にその辺を練り歩いてはみたけど、こんなので見つかったら苦労しないし女の子にだってなっちゃいないんです!
変わらない町並みのせいかすでにハインさん達も目に見えて飽き始めているし。
…どうにかしなくちゃ、そう思った瞬間目の前でハインさんが唸る様に頭を抱えた
从#゚∀从「あああ〜…見つからNEEEEEEEEEEEEE!! もういいから帰って皆でマリオカートでもしようぜ!」
川 ゚ -゚)「よし、私はバナナを散らばしてスリップさせることに命を賭けよう」
(;><)「ちょwwwまだ10分も立ってないんです! リーダーが最初に諦めてどうするんですか!」
从 ゚∀从「ビローリ、お前なら立派なリーダーになれるよ。 ガンバ!」
(;><)「ビロードなんです!」
なんとかするとかそれ以前にもうやる気が0だ!
僕のライフも0になりそうでやるせない!
お先真っ暗なこの展開にくらくらしていると、
ワカッテマスくんがそれを察したのか、僕に提案するよう話しかけてきた。
空気の読める人はこういうときに頼りになる
5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 22:55:08.52 ID: /UTBp43q0
( <●><●>)「ところでビロード、それは一体どんな感じの人だったのですか?」
( ><)「わかんないんです…記憶がちょっと曖昧で…」
( <●><●>)「では、わかる範囲で教えてください。このままではまったく話が進みません」
(*><)「は…はいなんです!」
流石はワカッテマスくん。
さっきまでちょっとおかしかったけどこういう時は本当に頼りになる
元々リーダー気質というか、場を仕切る役割が良く似合う委員長タイプな人なのだ。
もしかしたらハインさんよりもリーダーに向いているかもしれない。
僕は曖昧ながらも頭に浮かんだおっさんの特徴を彼に告げる
( ><)「えっと…真っ黒な長いコート着てたんです」
从 ゚∀从「真っ黒なんて不審者っぽいなー、怖いなー」
( ><)「………………」
そのおっさんも全身真っ黒な服に身を包んだハインさんに言われたくはなかっただろう
7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 22:56:24.50 ID: /UTBp43q0
( ><)「そんで、えーと…口に煙草を銜えてて…」
川 ゚ -゚)「成る程、ジョンかブライアンかと聞かれたらブライアンって言うタイプの奴だな」
( ><)「いや全然わかんないんです」
なんだジョンとブライアンって
( <●><●>)「他には?」
( ><)「僕が思い出せるのはここまでなんです…顔は…」
口で説明するのは、僕にはちょっと難しい。
するとワカッテマスくんが懐から何か取り出した。
( <●><●>)□↑「紙とペンならここにあります」
本当に流石だワカッテマスくん、どこまでも用意がいい。
僕はその紙とペンを受け取り、記憶を頼りにあのオッサンの絵を描いてみることにした。
壁を台にして白い紙上にペンを走らせていく。
歪みながらも描かれた線は徐々に似顔絵を完成させていった。
言いたくはないけど美術の成績は2だし、あまり上出来なものは期待できない。
しかしそれでもないよりはマシのはずだ
10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 22:57:50.22 ID: /UTBp43q0
( ><)「出来たんです!」
数分の後、ようやく紙に描き上げて僕は満足げに微笑んだ。
ちょっといびつに歪んでいるけど、僕にしてはまぁまぁ上手くかけている。
ハインさんたちが確認するため僕の頭上から覗き込んできた
从 ゚∀从「どれどれ…」
川 ゚ -゚)「む…」
( <●><●>)「………」
_=Q
( ・Lノ・ )y━・~
( ><)「ちょっと違うかもしれないけど、大体こんな感じなんです!」
从 ゚∀从
川 ゚ -゚)
( <●><●>)
( ><)「それを手がかりにして欲しいんです!」
12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 22:59:10.89 ID: /UTBp43q0
_=Q
( ・Lノ・ )y━・~
从 ゚∀从
川 ゚ -゚)
( <●><●>)
(;><)「どうしたんですか!? なんで皆固まってるんですか!」
普段騒がしいハインさんまで黙っているとなんだか不気味に思えて凄く嫌だ。ていうか怖い
場のテンションを盛り上げるようわざと大声で話しかけると
ワカッテマスくんが静寂を破り、だが静かに言う
( <●><●>)「…こういう結果になるということは分かってました」
( ><)「?」
( <●><●>)「ビロードは絵描くの苦手ですものね」
( ><)「はいなんです! でも今回は割と上手く…」
( <―)「次の手を考えましょう」
(;><)「!!」
13 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:00:40.05 ID: /UTBp43q0
目を伏せてワカッテマスくんはそのおっさんの描かれた紙を丁寧に折りたたみ、
僕のジーンズのポケットへとしまい入れた。
え、会話終了?
上手く描けたと思ったのに!
(;><)「………」
なんだか空回ってしまった感が胸に溢れてきて、ほんのちょっぴり空しくなった。
すでに話は次の方法に展開されいたので、影でこっそりジーンズに仕舞われたその似顔絵を広げてみる
( ><)「……………」
_=Q
( ・Lノ・ )y━・~
(;><)「(そんなに下手なんです…?)」
確かにこんな顔じゃなかったかもしれないけど、そこまで空気扱いしなくても良いじゃないか…
16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:02:51.13 ID: /UTBp43q0
从 ゚∀从「んじゃーさ、手当たり次第に聞きまくるってのはどうよ!」
僕が微妙に落ち込んでいると、もうこの絵のことはなかったことにされて話が進んでいた。
ハインさんが人差し指を上に立て元気良くワカッテマスくんに話しているのが見える
( <●><●>)「なんて聞くつもりですか」
从 ゚∀从「変なおっさん見なかったか! て」
( <●><●>)「…………」
( <●><●>)「それで違う人物が見つかったらどうするつもりです」
从 ゚∀从「別に次いきゃいーじゃん
そんで見つかったらそいつに聞いてみりゃいーじゃんいーじゃん」
川 ゚ -゚)「スゲーじゃん!」
( <●><●>)「…………」
(;><)「………!」
ああ、やばい
きっとこの手の話題はワカッテマスくんには禁句だ
僕は子供の頃に起きたあの事件を思い出した
17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:03:59.70 ID: /UTBp43q0
( <●><●>)「…『変なおっさん』というレッテルを貼られてしまった
まったく無関係なおっさんの気持ちを考えなさい」
从 ゚∀从「んあ?」
( <●><●>)「そしてそのおっさんの家族の気持ちを考えなさい」
( <●><●>)「父親のせいで変態扱いされる息子の気持ちを考えなさい」
(#<●><●>)「考えなさい!」
从;゚∀从「え、なんでいきなりそんな怒ってんだよ。
ていうか無表情で怒るなよ。こえーよお前」
(;><)「ハ、ハインさん!ハインさん!」
从 ゚∀从「お? なんだビローン」
(;><)「ビロードなんです! どうしてさっきから意図的に名前間違えるんですか!?」
(;><)「いや、そんなことより、ちょっとこっちに…!」
僕はハインさんとクーさんを呼び寄せてこっそりとワカッテマスくんの家庭事情を打ち明けた。
聞くも涙、語るも涙、涙無しにはいられないお話だけどここではあえて内容は省略しよう
18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:05:00.11 ID: /UTBp43q0
( ><)「………ヒソヒソヒソ…………」
从;゚∀从「え…?親父が…? うん、変態の容疑で…? …トラウマ?………ヒソヒソ」
川 ゚ -゚)「なるほど……それで自分も………その血を受け継いでいると…………ヒソヒソ」
( <●><●>)「……(めちゃめちゃ話聞こえてきますね…)」」
漸く話し終えると二人とも納得したのか重鎮な面持ちで頷いた。
よかった、これでワカッテマスくんを傷つけずにすむ
从 ゚∀从「…この作戦はやめよう。 ダメージがでかすぎるもんな。 悪かったよ、本当ゴメン」
川 ゚ -゚)「強く生きろ」
( ><)「なんです!」
( <●><●>)「……………(優しさは感じるのに何故か不愉快です…)」
ハインさんの提案が流れたのでまた作戦は白紙に戻った。
人数は割と多いのにいい案が出てこないって言うのは結構難題だ
20 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:06:07.51 ID: /UTBp43q0
川 ゚ -゚)Л「ではこんなのはどうだ?」
すると今度はクーさんが左手を上げた。
別に上げなくとも発言していいのに、どうしてこういうときに限って礼儀正しいのだろう。
そう思ったけどそれはきっとクーさんの中に存在する常識の一つなんだろうな。
という考えで決定付けて、僕は素直に話を聞くことにした。
内面が突飛な人だからもしかしたら何か意外な所を責めていく良い案を出してくれるかもしれな……
川 ゚ -゚)「もうその辺のオッサンをソイツと決め付ける」
( <●><●>)「………………」
( ><)「………………」
突飛すぎだろう
常識的に考えて
( <●><●>)「…それで一体何が解決するというんですか」
川 ゚ -゚)「そんなの知るかバーロー」
23 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:07:50.03 ID: /UTBp43q0
( <●><●>)「……………」
川 ゚ -゚)「おっさんに囲まれて困るビロードが見たいんだ」
_
( <●><●>)「……………」
川 ゚ -゚)「文句あるか!」
_=Q
( <●><●>)「……………」
(;><)「………」
なんだか険悪なムードになってきた。
ハインさんはハインさんで面白そうに笑っているだけだし、ここは僕がなんとかフォローしなくては!
クーさんに習って、左手を挙げながら意見する
川 ゚ -゚)「大体ジェニファーだっt」
(;><)Л「あの、じゃ、じゃあハインさんとクーさんの意見をあわせて
手当たり次第にオッサンをその人に決めていくっていうのはどうなんです!」
( <●><●>)「…落ち着きなさいビロード。
まるでフォローになっていない上それじゃ何も解決しません」
24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:08:51.30 ID: /UTBp43q0
(;><)「ごめんなさいなんです!(今クーさんなんて言おうとしたんだろ…)」
从 ゚∀从「つーかさ、ごちゃごちゃ言ってっけどよー、お前は良い案あんのかよ!」
( <●><●>)「……………」
それまでニヤニヤと楽しそうに眺めているだけだったハインさんが急に割り込んでワカッテマスくんを糾弾する。
きっとその方が面白くなりそうだと思ったんだろう。
確かにワカッテマスくんはまだ何も案を出してはいないけど、
それはきっとハインさんたちの案を先に聞いて考えていただけなんだろう。
ワカッテマスくんは基本的に無表情だからちょっと冷たく見えるけど根本は優しい人だから、
年上であるハインさんたちの顔を立てたんだと思う
( <●><●>)「ビロード、その人物を見かけたのはどこですか?」
( ><)「え?」
唐突に聞かれ一瞬答えに詰まったけど、彼のことだから何か考えがあるはずだ
26 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:09:59.12 ID: /UTBp43q0
僕は記憶の糸を手繰り寄せ、あの時の場所を懸命に思い出していく
相変わらず記憶はぼやけていて不明瞭だが、背景くらいはなんとか浮かんできた
(;><)「えーと…確か…」
商店街…
時刻表…
道路…
バス…
バラバラになっていたフィルムが一つになって頭の中で再生されいていく
そんでもってええと………ああ、そうだ、思い出した!
( ><)「キタコレスーパーのバス停前なんです!!」
( <●><●>)「では、そこへ行ってみましょう。 何か手がかりが残っているかもしれません」
(*><)「…はいなんです!」
他のメンバーが欠伸をしているのを横目で見ながら、
やっぱり、ワカッテマスくんは頼りになる、と心底僕は思った。
というかハインさん達飽きるの早いです…
27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:10:58.95 ID: /UTBp43q0
※――――――――――――※
バス停に着くと、そこにはすでに一人の先客がいた。
ひょろりと細い長身の男、まだ寒くもないのにマフラーなんて巻いてその中にすっぽりと顔を埋めている。
停留所の椅子の上、分厚い眼鏡をかけながらノート型のパソコンをカタカタと弄っていた。
制服から察するに僕と同じ学校、だけど見かけたことはないから、多分上級生だろう。
そんなことをぼんやりと考えていると、ハインさんが指を差して奇声を発した
从 ゚∀从「あーーー」
え、何?
川 ゚ -゚)「いーーー」
するとそれに習ってクーさんも間の抜けた声を出す
( ><)「う、え?」
なんとなく僕も言わなきゃいけない雰囲気?
( ○_ゝ○)「…………おぉ?」
すると男の人も感嘆するように発言した
( <●><●>)「……………」
29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:12:27.77 ID: /UTBp43q0
偶然にも見事なあいうえおが完成したことはさて置き、
その声に長身の男が僕達の方を振り返った。
かけていた眼鏡を外し、立ち上がって近づいてくるその顔はにこにことして嬉しそうだ。
( ´_ゝ`)「よー、なんだ、変な格好した奴がいるから誰かと思えば、ハインにクーじゃん。 おひさー」
片手を挙げてひらひらと手を振ると隣でハインさんが呆れたような表情で同じく右手を挙げた
从 ゚∀从「よー、ていうかうわ、アニジャの方かよ、すげえ久しぶりに見た」
川 ゚ -゚)「てっきり弟の方かと思ったが」
( ´_ゝ`)「あー、弟者はねー、なんか用事があるからって俺を置いて先に帰った。 あいつ最近調子に乗ってるよなあ」
アニジャ、と呼ばれたその人はまだ僕の存在には気づいていないのか、軽い口調で続ける
( ´_ゝ`)「弟は弟ってだけで無条件に兄の意見には従うべきだと思わん?」
30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:14:42.48 ID: /UTBp43q0
从 ゚∀从「そんなこったから置いてかれるんだよバーカ」
川 ゚ -゚)「ハーゲ」
( ´_ゝ`)「やめろよ…俺の親父ちょっとハゲてんだから…」
頭を切なげに抑えて目を伏せた
僕も男としてハゲはちょっと痛いな
从 ゚∀从「うっせうっせ!大体、こんなダメ兄もった弟者の気持ちの方が同情を誘うっての」
川 ゚ -゚)「同意」
从 ゚∀从「どうせ今日も学校サボったんだろこの引きこもり。こんな時間にバス停にいんだからよー」
川 ゚ -゚)「よー」
(;´_ゝ`)「お前らって外見は良いけど中身は本当…本当に酷いよな…」
自分が思っている以上に酷いぜ、と続けるその男に少しだけ共感した。
確かに、この人たちはちょっと悪魔的というか…うん、ひどいんです
それにしても、この人は一体誰なんだろう、ハインさん達と親しげに喋っている辺り知り合いなのは確かだけど
( ´_ゝ`)「つうかね、サボリはお前らでしょーに」
31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:16:33.70 ID: /UTBp43q0
けだるそうに指を差すとその指を軽やかに避け、ハインさん達は叫んだ
从 ゚∀从「公欠!」
川 ゚ -゚)「私高潔!」
( ´_ゝ`)「嘘付け。しかも俺は今日サボったんじゃなくて休校になったんだよ。
なんか科学室が爆発したとかで」
从 ゚∀从「爆発?なんで?」
川 ゚ -゚)「教えろ変態」
(;´_ゝ`)「知らんがな。つーか変態呼ばわりとは何事だ。 俺は普通だろ」
从 ゚∀从「鞄に勉強道具じゃなくてメイド服を入れてる奴を普通とは言わない」
川 ゚ -゚)「女子更衣室に侵入して体操着を盗んでいく奴を普通とは言わない」
(#´_ゝ`)「どっちも男のロマンだろ! ていうかお前らに普通じゃないとか言われたかねーやい! 黒女! 学ラン娘!」
从 ゚∀从「殺すぞ」
川 ゚ -゚)「消すぞ」
(;´_ゝ`)「あ、すいませんすいません、本当ごめんなさい調子に乗りましたお願いだから拳握らないでごめんなさい」
33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:17:56.39 ID: /UTBp43q0
(;><)「……………」
何者かは未だにわからないけど、とりあえず危険人物ということは分かった。ていうか犯罪者じゃないのか。
それにしてもどうして僕の周りにはこう「ちょっと変」な人が集まるんだろう。
類は友を呼ぶというけど、それじゃ僕が類になってしまうのでこの案は出来れば考えたくない
そんな想いに耽っていると僕に気づいたのか、じっとコチラを見据えてきた。いや、むしろ凝視されている気が……
( ><)「……………?」
( ´_ゝ`)「……………ハイン」
从 ゚∀从「なんだよ」
( ´_ゝ`)「こちらの美少女はどちらさん?」
川 ゚ -゚)「いやあ照れるな」
( ´_ゝ`)「お前じゃない。 いや外見は認めるけど俺の中で真の美少女だと認めたくねえ」
一歩一歩、じりじりと近づいてくるその姿がなんだか怖かったので、それに伴なうように僕も後退した
口元は笑ってないのに目だけが爛々と輝いているのがいっそう不気味だ。
ハインさんやクーさんを見ていたからちょっとだけまともそうに見えたけど、やっぱりこの人危ないみたいだった
35 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:19:18.99 ID: /UTBp43q0
从 ゚∀从「こいつはビロード、ちんぽっぽの、おー…妹だよ」
( ´_ゝ`)「御妹? なんか大層だな」
( ´_ゝ`)「つーかちんちゃんの妹か、そうかそうか…」
( ´_ゝ`)「………どうりで…」
( ><)「?」
(*´_ゝ`)「どうりでっ…! ロリ顔巨乳だと思ったぁーーーーー!」
突然腕を広げて抱きしめてこようとするのを間一髪で避けた
(;><)「うひゃあああ!?」
(*´_ゝ`)「うっほぉおおい!逃がさないぞおお嬢さん!」
逃げるように走り出すと物凄い勢いで追いかけてくるアニジャさん。
必至に回避しつつ、助けを求めるようにハインさん達の方を仰ぎ見ると案の定楽しそうに笑っていた。
うわあもうなんとなくわかってはいたけどあの人たちは悪魔だ!
ていうか何!
いきなり何なんだ!?
37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:20:46.48 ID: /UTBp43q0
从 ゚∀从「あー、こりゃ入ったな。 萌えスイッチ」
(;><)「なんなんですかそれ!?」
川 ゚ -゚)「こうなったらしばらくはとまらないぞ。 ネバギバ、ビロード」
(;><)「何言ってるんですか二人とも!? わかんないんです!」
助ける気0かよ!
そうこうやってる間にもアニジャさんは近づいてくる。
そもそも身長が違うのだから足の長さもまったく違う。
背の高いアニジャさんと、女の子になってますます背が低くなった僕ではあまりにも差が激しすぎだ
(*´_ゝ`)「このメイド服を着ながらお兄ちゃんと呼んでくれぇえええ!!!」
(;><)「なんで学生鞄からメイド服が出てくるんですか!? ぜんっぜんわかんないんです!」
(*´_ゝ`)「俺はいつでもメイド萌え!」
从 ゚∀从「でもメイド服なのにお兄ちゃんておかしくね?」
川 ゚ -゚)「兄貴と呼ぶべきだな」
(;><)「うひぃあああああああ!!! ちょ、んなことどうでもいいから助けて欲しいんです!」
38 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:22:27.96 ID: /UTBp43q0
本当にどうでもいい!
足がもつれて転びそうになるのをなんとか立ち直らせ、逃げる
逃げる逃げる躓きそうになりつつまだ逃げる
いい加減息も切れてきた
なんで一日に2回も全力疾走しなくちゃいけないんだろ!?
そんなことを考える暇もなく走っていたが、そろそろ限界だ。
(*´_ゝ`)「なんつーかもうね、キタコレキタコレkーtーkーr!!!
ロリフェイスに素敵なオッパイ!小顔可愛い小動物系!? まさに理想の美少女!」
(*´_ゝ`)「俺の妹になりませんかぁああああああ!?」
(;><)「いやああああああ!」
もうだめだ!と目を瞑った瞬間、鈍い音が背後で響いた。
恐る恐る後ろを振り返るとそこにアニジャさんの姿はなく、
変わりにワカッテマスくんが怒気を払うように立っている。
( <●><●>)「大丈夫ですかビロード」
( .><)「ワ、ワカッテマスくん〜〜〜…」
( <●><●>)「もう安心です。 悪は滅びました」
从 ゚∀从「まぁあながち間違っちゃいねーけど」
川 ゚ -゚)「うむ」
39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:24:49.73 ID: /UTBp43q0
((( 。><)))「怖かったんです!正直めちゃくちゃ怖かったんです!」
( _ゝ )「………………」
僕がワカッテマスくんに抱きついて泣いている頃、
アニジャさんはというと、燃え尽きたように道端に転がっていた。
そういえばこの人の素性を全く聞いていない。
涙を払い少し落ち着を取り戻した後、ハインさんの方を向き直る
(;><)「…ところでハインさん、この人は一体誰なんです? 友達なんです?」
从 ゚∀从「おー、まだ言ってなかったっけか。
こいつはアニジャ、アタシやクーやちんぽっぽと同じクラスにいる引きこもりだ」
川 ゚ -゚)「ちなみにお前の先輩だ。 制服見りゃわかるだろうが」
( ><)「…え……」
从 ゚∀从「なんだよ、引きこもりが珍しいのか? 言っとくけどこいつは引きこもり「もどき」だぜ?」
川 ゚ -゚)「自分が引きこもりであるということに酔っているタイプだ。 今も外に出てるしな」
(;><)「……………」
40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:26:05.49 ID: /UTBp43q0
从 ゚∀从「まあ引きこもりだからって偏見の目でみるのはよくないぞー」
川 ゚ -゚)「ぞー」
(;><)「いや、そっちじゃなくて………あの、ハインさんとクーさんて…」
从 ゚∀从「んあ?」
川 ゚ -゚)「む?」
(;><)「ぼ、僕と同じ学校だったんですか…!?」
引きこもり云々よりそっちの方が僕にとってははるかに重要だ。
目立つ人たちだからてっきり同じ学校にはいないと思っていただけに、素で驚いた。
そしてなんて落ち着きのない先輩なんだ
从 ゚∀从「当たり前だろー! じゃなきゃちんぽっぽと知りあわねっつーの」
川 ゚ -゚)「ちんぽっぽから聞いてなかったのか?」
42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:27:56.91 ID: /UTBp43q0
(;><)「そんなこと聞いてないしわかんないんです!」
从 ゚∀从「つーか、ちょっと考えりゃわかることだろ」
(;><)「クーさんが学ランなんて着ているから!」
僕の学校はブレザー。
そのせいかクーさんが通っている学校はきっと男子の制服は学ランなんだな、と無意識のうちに勘違いしてしまっていたのだ。
川 ゚ -゚)「これは普段着だと何度も言っているだろう。 弟のを盗んだんだ」
(;><)「ああもうまぎらわしい…! でもそんなの普通気づかないんです! ねえワカッテマスくん!」
( <●><●>)「いえ、私は知っていましたけど」
( ><)
( <●><●>)「そしてビロードがそのことに気づいていないということもわかってました」
( ><)
( <●><●>)「言わなかっただけです」
43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:30:35.05 ID: /UTBp43q0
(;><)「…何で教えてくれないんですか!?」
( <●><●>)「ビロードがいつか自分で気づくのを待っていました」
(;><)「そこは別に友達を成長させるような重要場面でもないんです!」
教えてくれたっていいじゃないか!
ちょっとだけ恨みがましく睨むと彼はいつものようにさらりと冷静に言い放つ
( <●><●>)「むしろビロードがいつまでも気づかないことに驚愕しました」
(;><)「上級生なんて階が違うから滅多に会わないんです!!!」
( <●><●>)「いいんですよビロード、アホなところがアナタの良いところです」
( ><)「…………」
ワカッテマスくんに喧嘩を売られた
从 ゚∀从「ま、それはともかく、コイツにも一応おっさんのこと聞いてみるか」
45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:33:32.70 ID: /UTBp43q0
気絶したアニジャさんの傍らに立ち、ゴツンと頭を殴った。
依然起きる気配はないが起きていてもいなくても痛そうな拳骨だった
川 ゚ -゚)「こんな奴でも何か情報が得られるかもしれんからな」
今度はクーさんがホッペをつねる。
うん、これは確実に後が残る
(;><)「…アニジャさんは2人の中でなんでそんなに扱いが低いんですか…?」
从 ゚∀从「扱い高くしたら調子にのるだろ」
川 ゚ -゚)「同意」
(;><)「(怖い…)」
この2人は敵に回してはいけない。
心の中でそう固く誓った
( ´_ゝ`)「さて、目が覚めたら何故か縛られているわけですが、コレ何?何のプレイ?」
47 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:35:29.10 ID: /UTBp43q0
アニジャさんが目覚める前に、僕達は近くの空き地へと移動していた。
流石に他人の目がある公道で縛り付けるわけにはいかないだろ、という珍しくまともなハインさんの意見からだったが、
この空き地も人通りは割と多い。
ていうか縛る必要もないだろう…という気はしたけどさっきみたいに追いかけられるのも嫌だったので止めないでおいた
閑散とした草の上で、ごろんと縛られたアニジャさんが転がっている
…警察が来たら全力で逃げよう
从 ゚∀从「いや、お前に聞きたいことがあってさ」
( ´_ゝ`)「じゃあ別に縛らなくてもいいよね。 解いてよ。 ていうか解けこの黒女」
从#゚∀从「ああ? 何か言ったかこの変態」
川 ゚ -゚)「その糸目むりやりこじ開けるぞ」
(;´_ゝ`)「あ、嘘ですこのままで良いです。何か聞きたいことがあれば何なりとお聞きください。 もうなんなら豚と及びくださいませませブヒー」
豚さんの物まねをするアニジャさん
ハインさん達の中で扱いが低いのはこの性格のせいかと今更ながらに思った
48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:37:14.79 ID: /UTBp43q0
けどまあそれはもういいとして
( ><)「この人を探しているんです!」
チャンス!とばかりに僕はジーンズに仕舞いこんでいた紙を広げて見せる
さっきは皆固まってなかったことにされたけど、今度こそは!といわんばかりに目の前につきつけた
_=Q
( ・Lノ・ )y━・~
( ´_ゝ`)
_=Q
( ・Lノ・ )y━・~
( ´_ゝ`)
_=Q
( ・Lノ・ )y━・~
( ><)「…………」
やっぱり固まった。
どうしてだろう。そこまで固まるほどに下手なんですか?
その言葉が喉元まで出掛かったとき、アニジャさんが口を開いた
50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:42:16.40 ID: /UTBp43q0
( ´_ゝ`)「……ああ」
( ><)「?」
( ´_ゝ`)「これ、俺らの学校の先生じゃね?」
从 ゚∀从
川 ゚ -゚)
( <●><●>)
( ><)
今度は僕達が固まる番だった
学校の、先生?僕らの?嘘だ。こんな先生見た覚えはない。
僕らの表情を見てアニジャさんもそう思ったのか、後ろ手に縛られた縄を見せて言った
( ´_ゝ`)「ちょ、縄解いて。 …いや、何もしないから、こぶし振り上げるのやめてください
ただちょっとこのままじゃ納得してないでしょ」
从 ゚∀从「妙な真似したら蹴り殺すぞ」
( ´_ゝ`)「(なんで俺こんな目にあってんだろ…)把握」
縄を解くと彼はさっきまで持っていたノートパソコンにその絵を取り込み、
凄い勢いでキーボードを打ち始めた
機械に疎い僕には何をしているかさっぱりわからなかったが、ワカッテマスくん辺りは分かっていそうだ。
ワカッテマスくんを振り返ってみると彼も真剣な顔をしてディスプレイを覗いている。
52 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:44:04.38 ID: /UTBp43q0
( ´_ゝ`)「これをこうして…ほいっと」
( ´_ゝ`)「でけた」
( ´_ゝ`)「本当はこんな感じの人じゃない?」
くるりとパソコンを半回転させ、画面を僕達の方へと向けた
そこには、ようやく頭の中にきちんと思い浮かんだあのオッサンが憎らしげに微笑んでいる
_、_
( ,_ノ` )y━・~
(;><)「そ!そうなんです!この人なんです!」
从 ゚∀从「(この絵と全然違うじゃん…)」
川 ゚ -゚)「(こんな奴学校にいたか?)」
( <●><●>)「(ビロード…)」
56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/05(月) 23:48:51.18 ID: /UTBp43q0
( ´_ゝ`)「俺特製、デジタルモンタージュ〜。 まぁほとんど感なんだけどね
それぞれのパーツをちょっと組み替えただけ」
事も無げに言っているが、僕じゃこんなことは出来ない。
ぎゅっと手を握ってお辞儀をした。本当に助かった。これで、元に戻れるかもしれないのだ
( ><)「すごいんです! ありがとなんです!」
(*´_ゝ`)「いいってことよ。 ただお礼にこのメイド服を着てくれると嬉し…」
从 ゚∀从「よっし!これで目的がはっきりした!学校行くぞテメーら!」
川 ゚ -゚)「あいさー」
( <●><●>)「了解です」
( ´_ゝ`)「無念…」
何故か悔しそうにこっちを見てくるアニジャさんとは目を合わせないようにして
目的を新たに、僕達は母校、VIP高校へと向かうことになった。
从 ゚∀从「引き続き、アタシがリーダーな! 依存ある奴は殺す!」
(;><)「(恐怖政治なんです…)」
中編、了