6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:42:05.21 ID: gvcUXRJD0
それは本当にいつもと変わらない普通の朝に起きた
普通ではない出来事だった
カーテンの隙間から差し込む薄い日の光と、小鳥の囀る声で僕は目を覚ました。
携帯のアラームが鳥の鳴き声と合唱するように大きく鳴り響いている
( ><)「ううん…」
右手を伸ばしてアラームを止める。
まだ緩やかなぬくもりを残す布団から這い出るように立ち上がって、首を左右に動かした。
これは目覚めが良くなると聞いてから毎日欠かさずやっている僕の日課だが、効果はイマイチ
\( .><)/「ふぁ〜…」
瞳をぱちぱちとしばたかせながらも、低血圧のせいか脳は未だ覚醒していないのか、
すぐに瞼が下がってくる
( う <)「……まだ…眠いんです…」
そうなるといつも無意識のうちに頭が下を向いていってしまう。
薄目で床の方へと視線が移っていく途中、不意に小さな違和感を感じた。
( ><)「…あれ?」
7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:42:54.77 ID: gvcUXRJD0
そしてそれをぼんやり見つめているうちに段々脳が覚醒してきた
小さな、なんてもんじゃない。
体にくっついているそれは大きな、非常に大きな違和感だった。
(;><)「……………」
つ、と恐る恐るそれに触れてみる。
ふにふにと弾力のあるそれは布越しからでもはっきりと分かる程大きく
柔らかな感触を持っていて頭の中はますます混乱してきた
(;><)「え、ええ〜…」
…夢だ
そう、これは夢
自分に言い聞かせて頬をつねってみたが痛くて涙が出るだけだった。
(;><)「…………ええー…」
もう一度、気のせいだという希望を捨てきれず触れてみる
手の平で掴むように…………そっと……
むにゅ
むにゅむにゅ
(;><)「……え」
(;><)「え、えええええええええええええ!!!!」
9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:43:29.85 ID: gvcUXRJD0
結局返ってきたのは今まで味わったことのないような柔らかい感触で
僕は本来自分にはある筈のない両胸の乳房を揺らして、思い切り叫んだ。
(;><)「う、嘘なんです―――――!」
〜( ><)が女の子になったようです〜
12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:44:35.39 ID: gvcUXRJD0
(;><)「あ、あわわわわわわわわ どうしよう どうしよぐっ」
動揺のあまり噛みまくったが、とりあえずカーテンを勢い良く開けた
眩しさに目をくらませつつも続けて窓を開け、
目の前にある隣の家の窓に向かって近くにあった消しゴムを投げつけた。
ごん、と音を立て下に落ちていく消しゴム。
しかし窓からはなんの反応もない。
仕方ないので僕は近所迷惑も省みず、大声で叫んだ
(;><)「わ、ワカッテマスくん! ワカッテマスくーーん!!」
しばらくの静寂の後、窓の奥のカーテンが開かれ、見知った幼馴染が顔を出した
こちらも寝起きなのか少し不機嫌そうな顔をしている
( <●><●>)「なんですかビロード…、朝っぱらからうるs」
(;><)「たたた、大変なんです! 緊急事態なんです! 僕…僕……お、女の子になっちゃったんです――――!」
バッとパジャマの裾を上げ、信じられない光景を見せ付けた
( <○><○>)
( < >< >)
―――バタ―――――ン!
(;><)「ワカッテマスく―――――ん!!」
14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:45:46.38 ID: gvcUXRJD0
※−−−−−−−−−−−−※
(((( <●><●>)))))「…私は落ち着いています」
(;><)「かつてないほど震えてるんです! 落ち着くんです!」
『今日の学校はお休みしましょう』
というワカッテマスくんの案に従って、今僕たちは部屋で向かい合うようにして座っている。
入り口近くにあるポプラの木をなんとなく手で弄りながら、気持ちを落ち着かせるように視線をあちこちへと動かした。
( <●><●>)「ビロードも落ち着きなさい、アナタが動揺しているのはわかってます」
( ><)「…それは僕じゃなくてポプラの木なんです」
とはいえ、実はさっきよりも落ち着いていたりする
気絶から立ち直ったワカッテマスくんはすぐさま僕の家に飛んできてくれたが、
昔からポーカーフェイスであまり動揺することのない彼が、今まで見たことのないような動揺を見せたのだ。
さっきまで混乱していた僕の混乱がどこかへいってしまい、幾分か安心して朝の出来事を話した。
人間、自分より混乱している人間がいると落ち着くっていうのは本当だったんだ、そんなことを思いながら。
15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:46:51.32 ID: gvcUXRJD0
壁|ω‘ *)
( ><)「ん?」
( <●><●>)「どうしました?」
( ><)(今なんか視線を感じたような…)
( ><)「…なんでもないんです」
( <●><●>)「そうですか」
コホンと一つ咳払いをすると、じっと僕の方を見据えた
( <●><●>)「…それでは、状況を整理しましょう」
( ><)「は…はいなんです!」
从 ゚∀从「よし来た!」
川 ゚ -゚)「それ来た」
(*‘ω‘ *) 「ちんぽっぽ!」
( ><)「………………」
18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:47:55.39 ID: gvcUXRJD0
( <●><●>)「朝起きたらビロードはなぜか女の子だった。
原因はわからないしましてそんなことになる身に覚えはない そして元はちゃんと男の子だったと
…まぁそれは幼馴染の私が保証しますが」
( ><)「…そうなんです。 けどあの、ワカッテマスくん隣の」
从 ゚∀从「いいねいいねー! 不思議展開、らぶー!」
川 ゚ -゚)「そこに痺れる憧れるぅ」
(*‘ω‘ *) 「ぽ!」
( <●><●>)「私が思うにこれは壮大な魔法使いが関わっているのではないかと思うのです。
解決案としては素敵な呪文を唱えてみればいのではないかと
ピリカピリララ…」
(;><)「!?(まだ動揺したまんま!?)あの、ワカッテマスくんその前に」
从 ゚∀从「楽しいなー! 楽しいなー! ふたなりっぽくて素敵だね! もう戻すこと諦めようぜ!」
川 ゚ -゚)「いや私はらんま案を押そう。 学校の帰り呪泉郷に落ちたんだ。
だからとりあえずお湯かけてみればいんじゃね?」
(*‘ω‘ *) 「熱湯ぽっぽ!」
19 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:49:13.87 ID: gvcUXRJD0
(;><)「…ちょ! ちょ、ま! 待ってなんです!」
このままではなし崩しに話が進んでしまいそうな予感がして、僕は立ち上がり言葉で制した
というかさっきから何度も止めようとしていたのに止まらなかったので、ここで止まってくれたのは幸いだ
( <●><●>)「どうしましたビロード」
从 ゚∀从「オネーさんに話してごっらーーん!」
川 ゚ -゚)「ごっらーん」
(*‘ω‘ *) 「かけるぽっぽ!」
(;><)「熱っ! お湯熱い! …やめてくださいなんですお姉ちゃん!ワカッテマスくんも無反応すぎます!
…ていうか」
(;><)「いつからいたんですか!?」
ワカッテマスくんの隣に堂々と居座る女の子を見て僕は叫んだ
いつの間に来たのか知らないが、ソファの上で悠々と座っている三人の女の子は知らない人間ではなかったから
22 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:50:55.45 ID: gvcUXRJD0
从 ゚∀从「楽しそうだったから!」
一人は赤茶色の髪を肩まで伸ばし、ニヤニヤと凶悪な笑顔でこっちを見ている女の子。
腕を組んで見下ろすような視線に僕は体を縮めた
この人はいつでも自分の楽しいことを優先させるから苦手なんだ。
今日のこの緊急事態をばらされたくない人は?と聞かれれば真っ先に名前を挙げたくなる人、
それがこのハインリッヒさん、通称、悪魔のハインさん
ご丁寧に服装が上から下まで全部黒、一歩違えば不審者に間違えられてしまいそうなくらい黒
川 ゚ -゚)「楽しそうだったから」
もう一人は流れるように綺麗な黒髪を腰まで伸ばし
人形のように整った顔立ちで無表情に見つめてくる女の子。
ハインさんとはまた違ったタイプで苦手な人だ。
なんだかよくわからない常識とルールを自分の中に持っていて
尚且つその常識どおりに行動するからいちいち変人というレッテルを貼られている。
そしてその被害は何故か僕に来ることが多い
凄い美人なのに勿体無いとは思うけどやっぱり変人は変人。
そうでなければ女の子なのに普段着として学ランなんて着ない。
見た目は美少女中身は変人、それがこの人素直クール、通称不思議のクーさんだ
25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:52:24.59 ID: gvcUXRJD0
(*‘ω‘ *) 「クッキーうめぇっぽwwwww」
そして最後の一人は僕の姉、先に紹介した2人はこの姉の友達だ
小柄な体に大きな瞳、ショートの髪を上で無理やり括って頬を膨らませながらクッキーを貪るその姿は完全に小さな子供。
ハムスターを思わせる顔立ちは見るものを癒すが食べ物に関しては鬼と化すので要注意だ
小さい頃姉のケーキの苺を取ったのを理由に川に突き落とされた事件は未だに忘れられない
だぼだぼのセーターに身を包み一人だけ僕の方を見向きもしない。
…どうしてこの事態に身内が一番興味なさそうなんだよ
名前は女の子なのにこれいかに、ちんぽっぽという
(;><)「質問に答えてないんです! そもそもどうしてこのことを知ってるんですか!?」
从 ゚∀从「ちんぽっぽから面白いことがあったからってメール貰った」
川 ゚ -゚)「ハインから面白いらしいから来いってメール貰った」
(*‘ω‘ *) 「呼んだぽっぽ」
(;><)「お姉ちゃんはなんですぐそゆことするんですかー!」
弟の緊急事態を面白がる姉がどこにいる、いや此処にいたけど
ていうか酷い。酷すぎる
生まれて初めて体験した事態にうろたえる弟に対してこの仕打ちはいかがなものか。
面白がるなよ!むしろ普通こういう事って他人にはバラさないだろ!
そう思って俯いているとお姉ちゃんがぽんと僕の肩を叩いた
27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:53:29.54 ID: gvcUXRJD0
( ><)「お姉ちゃん…?」
もしかして、何か解決策が…
(*‘ω‘ *) 「暇つぶしっぽ」
ある訳なかった
( 。><)「うわーーーーん! お姉ちゃんのバカなんですーーー!」
( <●><●>)「落ち着きなさいビロード!」
それまで黙っていた唯一頼れそうな親友、ワカッテマスくんが叫ぶ
(;><)「それは僕じゃなくて牛さんのぬいぐるみなんです! ワカッテマスくんの方こそさっきから落ち着くべきなんです!」
しかしその友人もこの不足の事態に未だ混乱しているのか、普段では絶対やらないようなボケをかましていた
_
( <●><●>)「私が落ち着いてないのはわかってます!」
(;><)「な、なぜそんなキレ気味に…、てうひゃぁあ!」
スルリ、と突然背後から冷たい何かが服の下に入りこんで来た。
縦横無尽に動き回るそれは明らかに手だ。…手!?
28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:54:49.33 ID: gvcUXRJD0
(;><)「ひ、ひえ!?」
後ろを振り返って見てみると、近距離でハインさんがニマニマと楽しそうに笑っている
悪魔の笑み、と瞬間的に僕は思った
(;><)「あの…」
从 ゚∀从「へぇへぇ、マジで女の子になってるのな、しかもアタシよりデカのかよ、
むーかーつーくー」
むにむにむにむに
(;><)「うひはははは! ちょ、やめ…やめてくださいなんです!」
乳房を弄ぶようにハインさんの手が動き回る。
浮いたり沈んだりするその妙な感覚に顔の熱が集まってきた、何だこれ。
何だこれ!
その時、目の前で綺麗な黒髪がさらりと揺れた
顔を上げると整った無表情な顔がこっちを見ていて、ますます顔が熱くなってきた
( ><)「クーさん…」
川 ゚ -゚)「まったくけしからんな」
そう言って今度は下のジーンズのベルトを外し出す。
29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:56:01.83 ID: gvcUXRJD0
((;><))「ク、クーさんまで何するんですか!」
川 ゚ -゚)b「何、お姉さんに任せておけば万事OKだ」
从 ゚∀从「まずは本当に女の子になっちまったか確かめないといけないしな」
川 ゚ -゚)「いかにも」
(;><)「さっきハインさん『マジで女の子になってるのな』って言ってたんです! だからそれはもういいんです!」
从 ゚∀从「ピッ、そのセリフは消去しましたー」
川 ゚ -゚)「下も見てみねばなるまいて」
(;><)「えええええ―――! お、お姉ちゃん! お姉ちゃんー!
この自由人達どうにかして欲しいんです!」
いつの間にかジーンズを下げられ、ストライプ柄のトランクスが顔を出していたので僕は焦った。
このままじゃ僕の貞操がやばい!気がする!
いつも薄情な姉だけど、自分の友達の奇行くらいは止めてくれるはず、という祈りを込めて振り返った
(*‘ω‘ *) 「ポッキーーうめぇっぽwwww」
(;><)「ちょwwww」
使えない!
32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:57:49.41 ID: gvcUXRJD0
さっきからずっと食べてるだけだ!
僕はすぐさま姉が助けてくれるという希望を諦めて今度は幼馴染であり親友のワカッテマスくんを見た
たった今有りえないベタなボケをかましていたけど、普段は頭も良くて頼れる親友なんだ
ワカッテマスくんなら…ワカッテマスくんならきっとなんとかしてくれる!
(;><)「ワカッテマスくん! 助けてなんです!」
( <―><―>)「私は、何も見てません」
(;><)「使えなーい!」
今わかった、此処にいる人たちは全員僕の敵だ!
気がつけば下が全て脱がされていて、目の前には自分でもまだ見たことがない未知の領域が広がっていた
ハインさんの指が僕の胸の突起を弾いたとき、なんだかどうしようもなく自分が情けなく感じて
じんわりと視界がぼやけていった
(;><)「ひ、ひ…」
( 。><)「うわああああああ〜〜〜ん!」
从 ゚∀从「あ、やべ」
川 ゚ -゚)「いじめすぎたか」
33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/01(木) 23:58:43.07 ID: gvcUXRJD0
(((.。><)))「僕は…僕は…」
≡≡≡*.( 。><)「僕は、男の子なんですーー!」
泣きながら部屋を飛び出した
しかし後ろから僕を引き止めるみんなの声が聞こえてきたので一瞬だけ足を止める
( <●><●>)「待ちなさいビロード! 今の君じゃ外は危険がいっぱいです!」
从 ゚∀从「だからお前それビロードじゃねえって ぬいぐるみだって」
川 ゚ -゚)「しかし良い乳だった…」
(*‘ω‘ *) 「サブレうめぇっぽwwww」
…気のせいだったみたいなのでやっぱり家を出て行くことにした
( ><)「と、家を飛び出してみたものの…これからどうしよう…なんです」
37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:00:05.30 ID: rLDEmHE30
目の前に広がるは住宅街
見慣れた景色がほんの少しだけ心を和ませてくれたが状況は何も変わっていない
それどころか近所には同じクラスの友達も沢山住んでいるし
いつ見知った人間に会ってもおかしくないのだ
僕はすぐに家を飛び出したことを後悔し始めた
( ><)「戻ろうかな…」
( ><)「…………」
(;><)「いや、ここで戻ったら男が廃るんです!」
大体髪が伸びている訳でもないし、少し背が低くなって声が高くなったことを除けば女になった、なんて気づく人はいないだろう。
というかそんな発想する奴がまずいない。いたらそれはきっと変態さんだ
ただ突出した胸だけはどうにも目だってしまうし、違和感がある
( ><)「…重い…」
俯いて胸を見た
普段はまっ平らな部分にくっつく二つの重り。そのせいかさっきから肩が凝って仕方がない
せめてこれをどうにかできたらいいのに。
39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:01:24.12 ID: rLDEmHE30
(;><)「うー」
両手で服の上から胸を押しつぶしてみたがそれでも大して小さくはならない。
それどころかその柔らかな感触になんともいえない気分になった。
ダメだこれじゃ
( ><)「そもそもどうしてこんなことになったんです…?」
昨日までは確かに男だった筈なのに
( ><)「…そうだ、原因を探らなきゃなんです!」
こんなところで突っ立ってる場合じゃない
最初に気づくべきことだった!
( ><)「昨日何かあったか、思い出すんです!」
( ><)oO(ええと…)
昨日は、確かいつもどおりの一日だった。
朝起きて学校に向かい、授業を終えた後は、家に帰った。
ワカッテマスくんが委員会だったから一人で帰ったけど特別何があったわけでもない。
見知らぬおじさんに何かを貰ったくらいだ
それから帰宅し夕食を済ませ、お風呂に入って就寝。
お風呂に入ったときはまだ男だったのを覚えてる。
改めて考えてみると別におかしなところなんてないなあ…
42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:02:53.22 ID: rLDEmHE30
( ><)
( ><)「…………………あれ?」
ちょっと待て
見知らぬおじさんって誰だ?
(;><)「あれ?あれ?」
うまく思い出せないけどなんだかすごく重要なことだった気がする。
頭の中に霧がかかったように曖昧な映像を頑張って思い出していく
_、_
( ,_ノ` )y━・~『ボウヤ、いいもんやろうか…? といっても俺のおいなりさんじゃないんだぜ…?』
そう、たしかこんな感じの顔だった
まっ昼間から足元まである長いコートを着こんで、銜え煙草をしながら話しかけきたんだ。
今思えば姿もセリフも怪しさ満点なのに僕はといえば何故かうきうきで
( ><)『いいものってなんですか!? わかんないんです!』
とか答えて……
(;><)「あれえええええ!?」
いや、おかしい!
どう考えてもおかしい!
普段からワカッテマスくんに『知らない人から物を貰ってはいけません』と言われている僕だもの!
43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:04:38.23 ID: rLDEmHE30
そんな簡単にほいほいものを貰うはずが…
はず、が……
(;><)「…こっから先が思い出せないんです…」
どうしてだろう
頭の中にいくつかの映像が浮かんではいるものの、そのシーンのセリフがまったく浮かんでこないのだ
まるでテレビの一場面を無音声で所々見せられている、そんな感覚
( ><)「でも、きっとこの人が原因なんです…」
話の展開的にもそうとしか考えられない
びゅう、と突然強く吹いた風が僕の決意を後押しするように髪を揺らした
これからの行動は決まっているようなものだ
( ><)「…あのおじさんを探し出すんです!!」
決意を新たに、僕は住宅街を走り出した。
44 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:05:51.91 ID: rLDEmHE30
※−−−−−−−−−−−−※
走り出して数分、僕はすでに後悔していた。
_
( ゚∀゚)「あれー、ビロードじゃん、お前学校サボって何してんの」
( ><)
((((;><)))))
突然遠くからかかった聞き覚えのある声
明るく屈託のないその声が、今の僕にとってはこの上なく厄介なものだった
_
( ゚∀゚)「とかって俺もサボリなんだけどなwww ワカッテマスは一緒じゃねーの?」
朗らかに話しかけてくるけれどこっちはそれ所じゃない
頭の中がぐるぐると渦を巻き周りの景色まで揺れている。
ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイ!
よりによってジョルジュくんに会ってしまうなんて!
47 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:07:09.31 ID: rLDEmHE30
( )「ジ、ジョルジュくん! 久しぶりなんです!」
_
( ゚∀゚)「いや、昨日会ったけど…、え、何でいきなり後ろ向いてんの?」
( )「後ろなんて向いてないんです!」
_
(;゚∀゚)「向いてるだろどう見ても! そこは否定すんなよ!」
そんなこと言われてもそっち側を向くわけにはいかないんだ。
彼の名はジョルジュ長岡
僕と同じ高校に通うラスメートだ。
普段はとても良い人で何かと仲良くしてもらってるけど、それと今とでは別問題。
_
(;゚∀゚)「いいからこっち向けって」
( )「ジョルジュくんが何言ってんだかわかんないんです!」
_
(;゚∀゚)「え!? 俺なんかわかんないこと言ってる!?」
( )「さっぱりなんです! ばいばいなんです!」
そのまま振り返らずに走り出した。
別にジョルジュくんのことが嫌いなわけじゃない、むしろ友達として大事に思っている。
けど、今のこの姿を見られて怖がられたり気味悪がられたりするのが怖いのだ。
48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:09:03.41 ID: rLDEmHE30
ワカッテマスくんは普通…いや、ちょっと動揺していたけどそれでも普通に接してくれた。
だけど皆が皆ワカッテマスくんと同じように普通の態度でいられるわけがない。
昨日まで男だったのにいきなり女の子になってるクラスメートを見て、動揺しないはずがないんだ。
きっとジョルジュくんだって引くに決まってる
_
(;゚∀゚)「ちょ、待てって!なんでいきなり全力疾走!?」
そう言ってジョルジュくんも追いかけてきた。
なんで追いかけてくるんだよ!
これだけ一生懸命逃げてるんだから空気を読んでその場で呼び止めるくらいにとどめてくれれば良いのに!
しかも不運なことに僕は運動が苦手なタイプの文化系だった
(; )「はぁー…はぁー…げほっ…はぁー…」
数分も走らないうちに息が切れてスピードが落ちてくる。汗が頬を伝ってぽたりと落ちた
対するジョルジュくんは陸上部所属の体育会系。
僕がちょっと休憩するつもりでしゃがみ込んだ瞬間背中に飛びついて…
50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:10:48.03 ID: rLDEmHE30
_,
(つ゚∀゚)つ「っしゃあ!追いついたぞコノヤロー!」
\(; )/「うひゃああああああ!」
むにゅ
_
( ゚∀゚)「ん? むにゅ?」
むにゅ、むにゅ
(; )「ひ、ひ…」
後ろから回り込んだ手が僕の胸を鷲掴みにした。
ジョルジュ君も何が起こったのか把握してないのか感触を確かめるように両手で揉んでくる
数秒、痛々しい沈黙が続いた
_
(;゚∀゚)「…ビロード?」
(;><)「………………」
_
( ゚∀゚)「……………お前、女だったっけ?」
固まってしまった僕の前からジョルジュくんの声が聞こえてきた
僕は今どんな顔をしているのだろう。困っている?泣きそう?真っ赤?いや全部かな
それは自分でもわからない。ただ目を瞑って何も見ないようにしているのだけはわかる。
目をあけて、そこに軽蔑するような顔をしたジョルジュくんがいたら、僕はきっと泣いてしまうだろうから
友達に嫌悪の目で見られるのだけは嫌なんだ
52 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:12:14.95 ID: rLDEmHE30
(;><)「わ、わかんないんです…」
搾り出すような声
わかんないというか、もう何もかもがわかんないんです
どうしてこんなことになったかも、今のこの状況も
耳がガンガンと鳴り響いて頭も痛い、倒れてしまいそうだ
( .><)「わかん、ないんです〜…」
_
(;゚∀゚)「おい、な、泣くなよ…! 俺が悪かったから!」
慌てたような声、あまりにもおろおろしたその声に恐る恐る目を開けると、声と同じくらい慌てた顔のジョルジュくんがいた。
泣き出した僕をどう扱って良いのかわからないのか、必至に慰めてきてくれる
_
(;゚∀゚)「な、なんつーか…、形のいいおっぱいだったぜ!」
_
(;゚∀゚)「やっぱおっぱいは量より質だよな!」
_
(;゚∀゚)「でもお前質も良くてでかいな! 最強だな!」
_
(;゚∀゚)「お前の姉ちゃんもおっぱいでかいもんな!」
_
(*゚∀゚)「もっかい触って良いかな!」
…慰めてる…?
( 。><)「う…」
_
(;゚∀゚)「うおおお冗談だよ! 悪かったって!」
54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:14:13.76 ID: rLDEmHE30
再びおろおろと行き場のない手を振り回すようにして覗き込んできた。
ジョルジュくんは別に悪くないのに、ここまで気を使わせるのもなんだか申し訳ない気がしてきて、僕は顔を上げる。
今のジョルジュくんの顔に戸惑いはあれど嫌悪はない。
なら、いっそのこと全部話してしまったほうが楽なのかも…
そう思って、今度はまっすぐジョルジュくんの方を見た
_
( ゚∀゚)「どうした?」
( ><)「僕のこと、気持ち悪くないんです? 急に女の子になってるなんておかしいんです…」
_
(;゚∀゚)「ま、あ驚いたけど…。 友達だし、気持ち悪くはねえよ」
( ><)「……………」
( ><)「あの…驚かないで聞いて下さいなんです…」
僕は決意した
話そう、ジョルジュくんなら、きっと元に戻るために協力してくれる。
確証はないけど、そんな気がしたんだ
_
( ゚∀゚)「おう、任せろ」
57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:16:03.59 ID: rLDEmHE30
さっきまで恐怖の対象だったその声も、胸を張って笑うその顔も今では頼もしい
震える唇を、恐る恐る開いていく
( ><)「………………実h
_ グハァーーー!
川 ゚ -゚)从 ゚∀从「ハップ―――――!」≡つ(; ∀ ) ゚ ゚
(;><)「じょ、ジョルジュく――――――ん!」
瞬間
どこからか、風のように現れたその人たちによってジョルジュくんは風となった。
長身な女性二人のハイキックが綺麗に決まり、美しい曲線を描きながら彼は地面へと落ちていく
僕が近づこうとした時、その後ろから良く知る幼馴染が焦ったように駆けてきた。
( <●><●>)「無事ですかビロード!」
(;><)「ワ…ワカッテマスくん!」
60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:17:07.48 ID: rLDEmHE30
( <●><●>)「大丈夫です、私g
从 ゚∀从「元気元気にハイン様さーんじょっ! 助けに来たぜビロード!」
(;><)「ハインさん!」
( <●><●>)「………………」
( <●><●>)「大丈夫です、私が来たからにはm
川 ゚ -゚)「同じく!しゃなりしゃなりとクー様参上! 遊びに来たぞビロード!」
(;><)「クーさん!」
( <●><●>)「………………」
( <●><●>)「大丈夫です、私が来たからにはもう安しn
(;><)「ていうかジョルジュくん、大丈夫なんです!?」
( <●><●>)「………………」
僕はすでに地面へと落ちて、苦しそうに呻くジョルジュくんへと駆け寄った
突飛な登場に気を取られたけど、この二人の蹴りを食らって無事ですむワケがない。それは昔プロレスごっこの練習代にされてから承知の上だ
_
( ∀ )「うう…」
( ><)「よかった!生きてるんです!」
61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:19:20.24 ID: rLDEmHE30
とりあえず安堵して、後ろを向いた。
そういえばどうして皆が此処にいるんだろう?
一番聞きやすそうなワカッテマスくんの方へと顔を動かすと彼はなんだかむっとした顔をしていた
( ><)「あれ? ワカッテマスくん、どうかしたんです? なんか怒って…」
(#<●><●>)「なんでもないですよバカ野郎!」
(;><)「バ、バカ野郎!?」
なんだか分からないけどワカッテマスくんが怒っている!
経験上、人を怒らせるとろくな事にならないと知っている僕は仕方なく残りの二人に目を向けた。
あの人たちが素直に教えてくれるとは思っていないけど、それでも聞かないよりはマシだ。
( ><)「ハインさん、クーさん」
从 ゚∀从「それにしてもちんぽっぽの作った発信機って良く出来てるよなぁ、つーかアイツって何でも作れるよな
アタシも一個貰おうかね」
川 ゚ -゚)「万歩計機能もついてしかもポストペットも育てられるなんて超お得ぅ! 一家に一台発信機だな」
从 ゚∀从「ところでなんか言ったかビロード?」
( ><)「いや、もういいんです。 今なんとなく全てを理解したんです」
いつの間に付けられていたんだろう…
64 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:22:05.36 ID: rLDEmHE30
ふと、ジーンズのベルト部分に黒い塊がついているのが目に入った。
存在をアピールするようにチカチカと光っている
ああ、これか…お姉ちゃんてば、弟に発信機つけないでよ
( ><)「そういえば、お姉ちゃんはどこなんです?」
辺りを見回したがそれらしき姿は見えない
するとハインさんが頭をかきながら事も無げに言い放った
从 ゚∀从「家で寝てるけど?」
( ><)「………………」
どこまで僕に感心がないんだろう、あの人は
実の姉弟だというのに、ほんのちょっとだけ泣きたくなった。
川 ゚ -゚)「麗しき姉妹愛だな」
(;><)「どこがなんです!? ていうかどさくさにまぎれて姉妹とか言わないで欲しいんです!」
川 ゚ -゚)「貞操の恩人に向かってなんて言い草だ、お姉ちゃんショック」
(#><)「クーさんは僕のお姉ちゃんじゃないんです! ていうかそもそも貞操って何のことなんです!?」
从 ゚∀从「んあれ? お前このチャラい兄ちゃんに襲われそうになってたんじゃないの?」
これ、と気絶しているジョルジュ君を指差して見た。
68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:24:41.92 ID: rLDEmHE30
(#><)「ジョルジュくんは同じクラスの大切な友達なんです! ワカッテマスくんなら知ってるはずでしょ!」
( <●><●>)「それが違うかもしれないということはわかってます」
(;><)「わかってないんですー!」
普段は冷静なワカッテマスくんが、朝から随分壊れてる。
だめだこの友人……早くなんとかしないと!
かばうようにジョルジュくんの前へ立っていると、それを押しのけるようにハインさんがその体を掴み上げた
女の人の細腕で大の男一人軽々持ち上げている姿は見ていて中々壮観だけど、それをのんびり眺めてられる余裕もない
( ><)「な、何を…」
从 ゚∀从「まぁいーや、とりあえずコイツは埋めとこうぜ」
川 ゚ -゚)「念のためシャベルを持ってきて正解だったな」
(;><)「犯罪者の思考なんです! ワカッテマスくんも止めて欲しいんです!」
( <●><●>)「しかしビロードの胸が揉まれていたのもまた事実」
(;><)「一体いつから見てたんですか!?」
やばい、このままじゃ大切な友人が心無い人たちに埋められてしまう。
すでに近くの空き地にシャベルで穴を掘りだしているハインさんたちを止めるべく、僕は頭を悩ませた。
何か、何かないだろうか…!この人たちが食いつきそうな面白そうな話題…!
69 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:27:32.69 ID: rLDEmHE30
( ><)「は!」
その時、僕の頭の中で何かが閃いた。
そうだよ、さっきまで考えていたことを言えば、この人たちはきっと止まってくれる
何せ自分が一番の思考回路を持っているんだ、より楽しそうな方へと意識はずれていくはず!
从 ゚∀从「よし掘れた。んじゃ埋めまーす」
川 ゚ -゚)「まーす」
(;><)「ちょ、ちょっと待ってなんです!!」
从 ゚∀从「んあ?」
二人とも面倒そうに振り返る
(;><)「僕が女の子になっちゃった原因がわかったんです!」
( <●><●>)「私とキャラがかぶるのでビロードはわかった等の単語を使わないで下さい」
(;><)「そんな無茶な! ってそうじゃないんです!」
71 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:30:13.29 ID: rLDEmHE30
真剣な顔で訳のわからないことを言うワカッテマスくんを押しのけ
( ><)「僕がこうなった原因は、変なおっさんのせいなんです!」
なるべく関心をこちらへ向けるように、熱を入れて言った。
実際、熱が入っていたと思う。なにせ自分の人生に関わることだ
思ったとおりハインさんはその可愛い顔をにやりと歪め、目を輝かせて聞いてくる。
クーさんは何故かシャベルを振り回していた。
…ワクワクしてる、のかな?
从 ゚∀从「つまりどゆこと? 三行で言ってみー」
( ><)「謎のおっさん!
僕、記憶曖昧!
他に原因考えるの面倒! なんです!」
川 ゚ -゚)「把握」
( ><)「(今のでわかったんですか…!?)」
自分で言うのもなんだけど、よくわからなかったのに!しかしハインさんも把握したようだった
从 ゚∀从「つまり…そいつを見つければ性別反転は思いのままってことなんだよなぁー…」
74 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/11/02(金) 00:34:03.45 ID: rLDEmHE30
ニマァ、と八重歯を見せながら楽しそうに笑うハインさんを見て僕は確実に良からぬことを企んでいるのだろう、と悟った。
悟ったけど何も言わないでおいた(怖いから)
クーさんはようやくシャベルを脇に置き、いつものようにクールに言い放つ
川 ゚ -゚)「では、探しに行くとするか。 面白半分に世界中の人たちの性別反転させるため」
(;><)「言ってはいけないことを!!」
( <●><●>)「私はビロードが元に戻ればそれでいいです」
( ><)「ワカッテマスくん…」
从 ゚∀从「そんじゃ、探しにいくぞそのおっさん! アタシがリーダー!」
腕を振り回して、その場を後にした。気絶しているジョルジュくんのことも気になったけど
これ以上一緒に居る方が危険だと判断して、その場においてきた。
元に戻ったらとにかく謝ることにしよう
ともかく、僕たちはとりあえずその謎のおじさんの行方を探ることとなった。
前編、了