4 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:19:55 ID: JMs7lmdW0
目的地であるショボンおじさんの家はラウンジ県にある。
そして俺の現在位置はVIP県。ラウンジに行くには、間に挟まれたもう一県、サロン県を越えなければならない。
順調に旅が進んでいれば、今日の午前中にはサロン県入りを果たせたはずだが、ここで初のトラブルが発生した。
(;'A`)「あwせdrftgふゅいlpp」
(;'A`)「やばい・・・ リュックのどこを探してもない・・・」
(;'A`)「どうしようどうしよう・・」
そう、財布を無くしてしまったのだ。
〜 ('A`)ドクオは夏の旅に出るようです 〜
5 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:21:57 ID: JMs7lmdW0
街は夏の日曜日ということで大変のどかだ。人も少ない。
しかしそんな街並みに似合わない形相で、必死で自転車をこぐ男が一人。俺だ。
(;'A`)「ぬわあああああああああああああ」
(;'A`)「確か昨晩は・・・、そうそう、空腹に負けてコンビニでおにぎりを買ったんだ」
(;'A`)「財布はそのままジーパンのポケットに入れておいたはずだ・・」
(;'A`)「そして、停まった公園で阿部さんと出会った」
(;'A`)「そこでの一悶着で、きっと公園のどっかに財布を落としてしまったんだな・・・」
ならばその公園に向かえば財布は見つかるか? ・・・世の中そんなに甘くない。
だって・・・・。公園自体見つからない。
6 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:26:19 ID: JMs7lmdW0
(;'A`)(はぁはぁ・・・ 昨日は気が動転して夢中で自転車を漕いでいたからな)
(;'A`)「公園へ戻る道がさっぱりわからん!!!!」
(;'A`)「右! 左! 左! 左! よし、ここで右だ!」
俺はハンドルを曲がり角のたび直感でさばいていく。
しかし、昨日立ち寄った公園にはなかなか立ち寄れない。
・・・そして何個目かの信号機に足を止められたときだった。
(;'A`)「あ・・! この看板!見覚えがあるぞ・・」
(;'A`)「こ、ここで左だっーー!!」
8 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:28:54 ID: JMs7lmdW0
なんとか俺は財布を落とした(と思われる)公園に辿り着いた。
夜のときはあんなに怪しい雰囲気だったのに、昼間はからっとひらけた場所に見える。
俺は早速ベンチやトイレなどを捜索してみた。
・・だが財布は見つからない。
絶 望 的 だ
9 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:30:19 ID: JMs7lmdW0
( A )「・・・・」
「おにーちゃん」
( A )「・・・?」
目線を下げると、ベンチで苦悩する俺のそばには4歳くらいの少年がいた。
なんだ?お金でもくれるのか少年よ。
「もしかして、おにーちゃん、さいふのひと?」
('A`)「・・!!」
10 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:33:28 ID: JMs7lmdW0
('A`)「そ、そうだ!おにーちゃんは財布の人だ!」
('A`)「ぼ、ボク?財布のこと何か知ってるのかな?」
少年に俺は全ての希望を傾けた。
・・だがしかし、返答は酷すぎるものだった。
「んとね、ボク、ラジオたいそうのかえりみちにおさいふみつけたんだけどね」
「あさごはんたべてまたここにきたら、なくなってた!」
( A )「・・・・・」
11 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:40:07 ID: JMs7lmdW0
今日も今日とて蝉は鳴きまくる。俺は心の中で泣きまくる。少年は友達に呼ばれて駆けていく。
「いかないと!じゃあね!おにーちゃん」
( A )「あい・・・」
朝の時点では財布があったんだ。
・・誰かが届けてくれたのか?
だが、そんな一縷の希望は、次の瞬間すぐさま吹っ飛んだ。
('A`)「・・・・このへんの交番に行ってみよう」
13 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:46:18 ID: JMs7lmdW0
('A`)「・・・・このへんの交番に行ってみよう」
がんっ!
('A`)「いてて・・、ぼーっとしてたから気付かなかった」
('A`)「・・あ、倒れちゃったよ」
俺が転倒させてしまった公園のゴミ箱から、放り出された見覚えのある柄の財布。
('A`)「!!!!!!!!!!! 俺のじゃないか!!!」
だがもちろん。
( A )「中身・・抜き取られている・・・」
14 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:50:18 ID: JMs7lmdW0
・・・・俺の目の前は真っ暗になった。
_そのころ、ドクオがいる公園から少し離れた通り。
DQNA「5万も入ってたぜーーww」
DQNB「だせぇ柄のわりにはたくさん入ってたな」
DQNA「よし!メシでも食おうかww」
DQNB「うひひひww」
N| "゚'` {"゚`lリ(・・・におうぞ)
DQNA「・・なんだあいつ?」
16 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:53:02 ID: JMs7lmdW0
N| "゚'` {"゚`lリ「待ておまえら」
DQNA「・・・あん?」
DQNB「誰だよてめぇ」
N| "゚'` {"゚`lリ「貴様らに名乗る必要はない」
N| "゚'` {"゚`lリ「その金はどうやって手に入れたんだ」
17 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:56:21 ID: JMs7lmdW0
DQNB「・・・はぁ?」
DQNA「さっきから意味わかんねーだよてめー」
DQNA「バイトで稼いだんだよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・」
すりすり
DQNA「ちょ!うわ!てめーー!!! なに下半身すりつけてんだよ!!!やめろーー!!」
18 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 15:58:49 ID: JMs7lmdW0
N| "゚'` {"゚`lリ「俺はノンケでも食っちまうような男なんだぜ」
N| "゚'` {"゚`lリ「本 当 の こ と を 言 い な・・」
すりすりすりすり・・・・
DQNA「ひっ!わ、わかった・・言うよ!だからやめろーー!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「よし」
DQNA「・・・"ハッテン公園"で拾ったんだよ。・・・な」
DQNB「・・・な」
20 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:03:40 ID: JMs7lmdW0
N| "゚'` {"゚`lリ(やはり・・・)
N| "゚'` {"゚`lリ「その金は俺の友人のものだ」
N| "゚'` {"゚`lリ「さあ、返すんだ」
DQNB「はあ!!??何言ってんだよ!もう俺たちの金なんだよ!」
DQNB「・・さっきからわけのわからないことばっか言いやがって・・」
DQNB「くたばれホモ野郎ーーーー!!!!!!!!!!」
がっ!!!
DQNB「・・っ、なんて力だよ・・!!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「ケ ツ の 中 で シ ョ ン ベ ン さ れ た い か?」
21 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:05:57 ID: JMs7lmdW0
DQNB「ひっ!!!!!!!!!」
DQNB「あ・・あ・・・・」
じょおおおおお・・・・・
DQNA「わ!きたねぇー!!なにおまえ漏らしてんだよ!!」
N| "゚'` {"゚`lリ じーーーっ
DQNA「・・・」
DQNA「けっ、返せばいいんだろ!! おらよ!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「よし。・・まったく、前戯もしないうちに漏らしちまうなんて」
22 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:09:23 ID: JMs7lmdW0
N| "゚'` {"゚`lリ「・・もう用はない。帰りな」
DQNA「おい、いつまで泣いてんだよ!行くぞ!」
DQNB「ひ、ひぃーー・・・」
N| "゚'` {"゚`lリ「ドクオくんは今、どこだろうか・・・」
23 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:10:57 ID: JMs7lmdW0
・・・・・・
俺は下をうつむきながら、街を自転車を押しながらふらふらしていた。
所持金が無くなった。まだ家を出て3日目だというのに。
自分の不注意で、盗まれた。王道的に盗まれた。ゴミ箱に空っぽの財布が捨てられていた。
お母さんからもらった二万円が盗まれた。貯金していたなけなしの三万円が盗まれた。
もう、駄目だ。お金が無ければ旅を続けられない。
続けられる術があるとしても、もう気力がない。何かがぷちんと切れてしまった。
ごめん、親父。
ごめん、お母さん。
ごめん、俺
もう、だめぽ。
25 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:17:46 ID: JMs7lmdW0
( A )「・・・ひぐ、ひぐっ」
旅に出てからまだ三日。
この旅において俺は初めて完璧に泣いた。子供のように嗚咽まじりで泣いてしまった。
俺、超絶かっこわりぃなーーー。
・・でもそれも最初で最後さ。
( A )「・・帰ろう」
30 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:43:15 ID: JMs7lmdW0
今日の日差しは一段と強い。
暑さと情けなさが一緒になって俺の体に襲いかかる。
・・・なんだかひどい臭いがする。そうか、もう三日も風呂に入っていないのか。
体くらいは綺麗にして帰ろう・・・
( A )「ポケットにかろうじて300円あった」
( A )「このお金で風呂に入って、そんで、帰ろう」
( A )「アニメでも見よう」
( A )「親父にぶん殴られるだろうな」
31 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:46:31 ID: JMs7lmdW0
しばらく街を人生の敗北者のように歩いた。
進行速度は亀のように遅い。かなりノロノロとしている。
・・銭湯はどこだろうか?癒されたい。心と体の疲れを癒したい。
('A`)「・・・あった」
銭湯は昼間というのになかなかの盛況だ。
('A`)「みなさんすまん・・・。ちょっと臭いが利用させてもらうよ」
銭湯の利用料金は250円だった。これで手元に残ったのは50円玉だけ・・。切なすぎる。
33 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 16:52:32 ID: JMs7lmdW0
('A`)「・・いい湯だ」
体を洗い、湯船に浸かる。
体を洗うことが、髪を洗うことが、風呂に入ることが、こんな気持ちよく感じるのは初めてだ。
外にいればガンガンに強く感じる日差しも、銭湯の窓を通せば、柔らかい光に変わる。
( A )「・・残念だ」
( A )「くそっ」
がらっ
そのとき、浴場のドアが勢いよく開いた。
いい体格をした男が、前を堂々と見せてずんずんと入ってくる。なんてデカイおいなりさんなんだ。
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・」
35 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:00:11 ID: JMs7lmdW0
湯を体に威勢よく3回ほどぶっかけ、その男は湯船に入ってきた。
湯気でよく分からないが・・・、見たことがある顔だ。 あ、阿部さんじゃないか!!!
ここで疲れを癒して、さあ帰ろうってときに・・なんでまた出会っちまうんだ。
元はおまえと出会ったせいで財布を無くしてしまったんだ。責任とれ!あほ!ホモ!!
('A`)(・・離れよう)
もちろん、ついてくる
( A )「・・・くっ」
36 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:05:38 ID: JMs7lmdW0
N| "゚'` {"゚`lリ「仕事の昼休みに時々こうして来ているんだけどね」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・ここはいい温泉だ・・」
N| "゚'` {"゚`lリ「色んなところを旅したが、こういうただの銭湯が意外といいんだ・・」
N| "゚'` {"゚`lリ「いい湯だろ、ドクオくん」
('A`)「・・そーっすね」
37 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:08:16 ID: JMs7lmdW0
N| "゚'` {"゚`lリ「それにしても、また君に逢えるとは嬉しいよ」
('A`)(俺はさっぱり嬉しくねーーよ)
N| "゚'` {"゚`lリ「昨日はすまなかったね。最初はひょんな気は起きなかったのだが・・・」
N| "゚'` {"゚`lリ「あの後ちょっと考えたんだが、やっぱり俺は君みたいなひたむきな青年は掘れないよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「か わ い す ぎ て ね」
('A`)「・・・・」
風呂に入っているのに鳥肌が出た。阿部さんは恍惚の顔で天井を眺めている。
38 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:13:53 ID: JMs7lmdW0
('A`)「・・・・」
風呂に入っているのに鳥肌が出た。阿部さんは恍惚の顔で天井を眺めている。
('A`)「それじゃ・・・」
俺はすぐさま浴場を出た。もう少しゆっくりしていたかったのに、あわよくば、のぼせるくらいずっと入っていたかったのに・・。
だがあのまま一緒に湯船につかっていたら、何をされるかわからない。本当に、怖い。
阿部さんはまだ恍惚の表情で入浴している。よかった。追ってこない。
('A`)「・・全力で自転車こげば着けるかな?」
俺は今後について、乾パンをかじりながら建物の外にあったベンチに座りながら考えていた。
・・・ぼーっとしていた。まるでボケた老人のように精力がない。
N| "゚'` {"゚`lリ「どうしたんだい?元気ないな」
・・気がついたら、精力みなぎる男・阿部が隣に座っていた。
・・・ベンチと彼は相性が良すぎる。
39 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:18:13 ID: R/Mjj4Ci0
俺は判断力が低下していた。「もーどーにでもなれー♪」ってなスタンスだった。
だが、それが幸を呼ぶことになるとは!
('A`)「・・もういいや。全部話してしまおう」
N| "゚'` {"゚`lリ「なんだい?」
( A )「お金を盗まれたんです・・・」
たのむから、「そうか。じゃあお金をやるからしゃぶれ」
なんて言わないでくれよ・・・?
N| "゚'` {"゚`lリ「・・やはりこれはドクオくんのだったか」
('A`)「!?」
40 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:18:54 ID: R/Mjj4Ci0
そういって阿部さんはポケットから封筒を取り出した
N| "゚'` {"゚`lリ「地元の不良たちが誰かの金を盗んでいたんだ」
N| "゚'` {"゚`lリ「俺の睨んだとおりだ。君のだったな」
晴天の霹靂だ。
ナイス阿部。 阿部サイコー。 掘られてもいい。 さきっちょだけならいい。 やっぱうそ。
でもキターーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
41 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:20:35 ID: R/Mjj4Ci0
('A`)「あ・・あ・・あ・・」
(*'A`)「ありがとうございます」
N| "゚'` {"゚`lリ「いや、礼には及ばんよ」
('A`)「それじゃあ・・・」
すっ 阿部さんは手をひっこめた。
N| "゚'` {"゚`lリ「でも、渡せないなぁ」にやり
(;'A`)「!?」
やばい。今 度 こ そ 処 女 奪 わ れ る ☆
43 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:26:50 ID: R/Mjj4Ci0
(; A )「んーーー!!!」
俺は無意味にケツの穴を全力で締めていた。
N| "゚'` {"゚`lリ「ふふ・・。なにやってるんだ。」
N| "゚'` {"゚`lリ「さっきもいったろう。俺はノンケでも食っちまうが、君みたいな、一つのことに一生懸命になっている奴は食えない」
N| "゚'` {"゚`lリ「まあリラックスして話しをきけ」
(;'A`)「それじゃ・・・。なんで渡してくれないんですか!?」
N| "゚'` {"゚`lリ「ふふ・・」
N| "゚'` {"゚`lリ「ドクオくん。君は俺のことを」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・ヘンタイだと思っているだろう?」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・正直に言わないと掘るよ」
44 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:30:25 ID: R/Mjj4Ci0
(;'A`)「ひっ!!!」
(;'A`)「は・・はい。思ってます。すいません」
N| "゚'` {"゚`lリ「うん。それでいいんだ。正直に言ってくれて嬉しいよ」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・でもそれじゃ」
N| "゚'` {"゚`lリ「君は旅人として失格だ」
・・・え?
45 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:39:13 ID: R/Mjj4Ci0
N| "゚'` {"゚`lリ「なんでだと思う?」
(;'A`)「・・・。わからないです」
N| "゚'` {"゚`lリ「ここで一つ聞くが、・・君は、なんの為に旅をしているんだい」
(;'A`)「え・・あの・・その・・それは・・・」
N| "゚'` {"゚`lリ「目的がいくつあるのか知らないが」
N| "゚'` {"゚`lリ「"たくさんの人と出会う"というのは含まれていないかい?」
(;'A`)「あ・・・あります」
N| "゚'` {"゚`lリ「だろう?」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・出会うのはいい人ばかりじゃない」
N| "゚'` {"゚`lリ「俺みたいなホモもいれば、お金を盗む悪いやつだっているのさ」
46 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:44:49 ID: R/Mjj4Ci0
N| "゚'` {"゚`lリ「いいかい?」
N| "゚'` {"゚`lリ「一度、旅立ったら」
N| "゚'` {"゚`lリ「どんな人とも対等に接することができる」
N| "゚'` {"゚`lリ「そんな柔らかい心を持ちな」
N| "゚'` {"゚`lリ「昨日や今日の俺に対する態度を見てたら、不安でしょうがない」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・俺が優しいホモで良かったと感謝してくれ」
47 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:51:36 ID: R/Mjj4Ci0
旅をすれば、優しい人に出会うだろう。
怖い人に出会うだろう。嫌な人に出会うだろう。可愛い人にも出会うだろう。
ホモの人にも出会うだろう。レズの人にも出会うかもしれない。子供と出会う・・。老人と出会う・・。
男と出会う・・。女と出会う・・・。
そんな当たり前のことを、俺は今ひとつ理解していなかった。自分の許容範囲を狭くしていたようだ。
('A`)「・・・・」
('A`)「そうですね・・。俺は旅人として失格でした」
('A`)「実は、もう旅を諦めようかと思っていたんです」
('A`)「でも阿部さんのおかげでまたやる気が起きてきました」
N| "゚'` {"゚`lリ「下のやる気もでてきたかい?」
(;'A`)「びくっ!!」
(;'A`)「・・・」
49 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 17:57:49 ID: R/Mjj4Ci0
(*'A`)「なに言ってんすか阿部さんwww」
N| "゚'` {"゚`lリ「ふふ・・そうだ。その精神を忘れるなよ」
そう言って、阿部さんは俺に金の入った封筒を手渡してくれた。
('A`)「それじゃあ・・。そろそろ行きます」
N| "゚'` {"゚`lリ「ああ。その前に」
N| "゚'` {"゚`lリ「下心まったく無しで、最後に握手をしよう」
そして俺と阿部さんはがっちりと握手をした。
彼の無骨な手を見ながら思う。阿部さんはホモだけど、男前だ。体じゃない、心がだ。
・・出発のときだ。阿部さん。本当にありがとう。
50 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 18:01:02 ID: R/Mjj4Ci0
('A`)「さよーならーー!!」
N| "゚'` {"゚`lリ「・・・・」
N| "゚'` {"゚`lリ(いい肌してたのにな)
封筒の中には、元の所持金5万円と、阿部さんが入れてくれたのであろう5千円札が入っていた。
ちょっと泣きそうになった。
それと・・・、底のほうに、阿部さんからの手紙と、地図が入っていた。
52 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 18:02:18 ID: R/Mjj4Ci0
N| "゚'` {"゚`lリ
しつこいようだが、世の中には俺みたいな人のいいホモばかりじゃない。
だから、ここにサロン県とラウンジ県のハッテン場をピックアップして記した。
赤文字で書いてある公園は、やばい奴らがたむろしている。躊躇なく掘られるだろうから、絶対行くな。
それ以外の場所はギリギリ大丈夫だ。それでも襲われそうになったら、俺の名前を出せ。
・・・それじゃあ、グッドラック。
ホモの阿部より
('A`)「阿部さん・・・・」
54 名前: 1 ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/07/29(日) 18:03:30 ID: R/Mjj4Ci0
阿部さんへの感謝の気持ちでいっぱいになりながら、
再び北へと自転車を漕ぎ始めた俺は、夕方6時ごろ、遂にサロン県入りを果たした。
(旅路編2 おわり)