3 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 00:48:15 ID: FuPMAjuq0

(´・ω・`) 「……おまえ誰?」

 

叔父さんの第一声に、俺はたじろいだ。
故郷から遠路数十キロ。俺はやっと目的地である叔父の家に辿り着いた。
しかし、叔父の経営している居酒屋は何故か店を閉めていて、
俺が久方ぶりに出会った叔父さんの姿は、酷くだらしないものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

('A`)ドクオは夏の旅に出るようです

 

 

6 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 00:49:43 ID: FuPMAjuq0

(;'A`)「あのー……、俺はVIP県から来たドクオです」

(´・ω・`) 「はて、ドクオなんて俺の知人にいたかな?」

酒気を帯びた叔父さんの、ヨレた口調が店内に響く。
すると、奥の椅子に座っていた二人の男性のうち、
手前にいた中肉中背の男性が口を開いた。店員さんの一人だろう。

( ゚∀゚)「店長、その子がお兄さんのムスコさんじゃないっすか?」

(´・ω・`) 「長岡!おまえ皿洗いすんだのか?」

ジョルジュと呼ばれた男の人は、「へへっ、すいません」と軽く笑った。
そして、店の奥へと歩いていく。

('A`)「ああ、ハイ。そうなんです」

(´・ω・`) 「何、するとキミは兄貴の一人息子であるドックゥオ君か」

(;'A`)「そ…そうです。お世話になります」

 

 

8 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 00:52:36 ID: FuPMAjuq0

叔父さんはお酒が入ったコップを最寄のテーブルにそっと置き、
俺の顔をまじまじと見つめ始める。

(´・ω・`) 「ふーむ。確かに似てるな。あまりパッとしない辺りが」

(#'A`)(自分だってショボくれてるような顔してる癖に何言ってんだ)

そして、
叔父さんは腕を組み、一人で何やら考え事をし始めた。
天井を見つめながら、何かを思い出すように。

(´・ω・`) 「……」

(´・ω・`) 「ああ、思い出したぞ」

(´・ω・`) 「電話もらったけな。そういえば」

段々、叔父さんから酒気が抜けて素面になってくるのを感じた。
するとなんだか、理知的な雰囲気が出てくるのがちょっとだけ悔しい。

 

 

11 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 00:54:58 ID: FuPMAjuq0

(´・ω・`) 「…で、俺はキミに何を施せばいいのかな?」

('A`)「とりあえず、一週間程度お世話になるという話しで……」

(´・ω・`) 「そうかい。まあ、こんな汚い家だけど……」

叔父さんの髪を掻きむしる姿の後方から、
また快活な声が届く。

( ゚∀゚)「家族が一人増えたっすね!!」

(´・ω・`) 「うるせえ。手前は皿でも洗ってろ」

( ゚∀゚)「はい!!」

 

('A`)「それで……」

('A`)「ただお世話になるのもアレなので、店の手伝いをさせて欲しいのですが」

 

 

12 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 00:57:59 ID: FuPMAjuq0

これは、旅に出る前から何気に心に決めていたことだった。
バイトの一つもこなした事がない俺。
だけど、親戚の店の手伝いくらいなら自分にもこなせるかもしれない。
その経験が今後の人生で、何か役に立てたらいいな。
そんな茫漠で単純な理由付けだけど、とりあえずは決めておいたことなのであった。

 

 

だけど叔父さんはアッサリと答える。

 

 

(´・ω・`) 「あれ?入り口で言わなかったっけ」

(´・ω・`) 「もう、この店は潰れたんだよ」

「いいや――――!!自分はまだ諦めたくないっす!!!!」

(ω・`#)「さっきからうるせーんだよドアホウがっ!!」

('A`)「…」

 

 

14 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 00:59:29 ID: FuPMAjuq0

潰れる、とか、そこらの事情は詳しく尋ねても良いだろうか?
そんなことを思って暫しぼーっとしていた。
外見は確かにちょっと汚れてて、存在感がなかったけど、テーブルはきちんと綺麗に拭かれている。
薄暗くて入った途端はよく分からなかったけど、店内は一応清潔を保っていたのだ。
お品書きの張り紙もまだ付いたままだし、
経営不振ではなく、何か他に事情があるのではないだろうか。
だけど、そこらの事情を詳しk(ry

 

 

 

 

(´・ω・`) 「手伝うんなら海へ行けよ」

('A`)「海?」

叔父さんはスモークがかかった窓を指差して言った。
その方向には海水浴場がある。
だけど、何故に海?

(´・ω・`) 「行けばわかるさ。さあ行け。ほら行け!」

 

 

16 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:02:58 ID: FuPMAjuq0

なんだか疎ましがっている様子だ。
叔父さんはテーブルに戻り、コップに酒を注ぐ。
きっと酒盛りの続きをしたいのだろう。せっかく尋ねてきたのに、何だか複雑な気分だ。

('A`)「はぁ。分かりました」

('A`)「とりあえず荷物置かせてもらったいいですか?」

 

(´・ω・`) 「…おう」

(´・ω・`) 「おい杉浦、ドク坊を案内してやれ」

叔父さんは背中を丸めて、コップに注がれた酒を少しずつ飲む。
上窓から差し込む太陽の光が、その姿に哀愁を醸し出していた。

 

20 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:05:45 ID: FuPMAjuq0

杉浦と呼ばれた、細身でどこかインテリそうな雰囲気の、
もう一人の店員が俺を招く。

 

 

( ФωФ)「こちらです」

('A`)「はぁ」

 

 

俺は二階の、そこそこに広い部屋へと案内された。
ツンのときと同じく、この広々とした空間で寝られると思うと嬉しい。

 

 

22 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:09:20 ID: XF8WAakO0

俺は二階の、そこそこに広い部屋へと案内された。
ツンのときと同じく、この広々とした空間で寝られると思うと嬉しい。

荷物を整理しながら、俺は杉浦さんに尋ねた。

('A`)「杉浦さんと長岡さんは、ここに住み込みで働いているんですか?」

大きな瞳がギョロリとこちらを見つめる。
そして、こう返答した。

( ФωФ)「ええ。それはもう家族のようなお付き合いです」

( ФωФ)「まあ、私も長岡も、先代への恩を返すために働いているようなものです」

( ФωФ)「今は休業中ですがね」

( ФωФ)「夏休み中は学生さんが結構御出でになるので、もったいないのですよ」

 

先代…? 恩返し? また謎が増える。

 

 

26 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:12:42 ID: XF8WAakO0

('A`)「ここって、叔父さんが開いたんじゃないんですか?」

( ФωФ)「いや、先代の荒巻スカルチノフという方が建てたんです”しょぼくれ酒場”は」

( ФωФ)「ここで店長も、住み込みで働いていたんですよ」

 

 

 

( ФωФ)「荒巻さんの娘さんが、今の店長の妻なわけなんですけどね」

 

 

29 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:16:07 ID: XF8WAakO0

―――叔父さんの家内。確かしぃさんという人だ。
親戚の集まりで、何度か顔を見たことがある。でも、店にはいなかった。
二階の居住のスペースにも、いる気配はない。

 

しかし、なんとなく理解してきた。
海へ行けばそれは確信へと近づくだろう。

('A`)「有難うございました」

 

 

 

俺は、荷物から小リュックを取り出した。
そして、それに財布など必要最低限の持ち者を放り、背負う。

 

 

30 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:16:36 ID: XF8WAakO0

階段を下りると、叔父さんはすっかり酔って眠っていた。
威勢のいいイビキを他所に、俺は店を出た。

 

( ゚∀゚)「皿洗い終わったっすよー!」

( ゚∀゚)「…あら」

 

(´ ω `)「……ぐおー ぐおー」

 

32 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:18:27 ID: XF8WAakO0

/ ,' 3「ショボン、ワシがなぜここを数十年前に”しょぼくれ酒場”と名づけたか分かるか」

(´・ω・`) 「はい! この…暖簾(のれん)を潜る人はみんなショボイからです!」

/ ,' 3 「馬鹿者!!」

(;´・ω・`) 「しまった! すいません…」

 

/ ,' 3 「……ワシのついついお節介になってしまう性格からかのぉ、
     ここに集うお客さんは、どこかしら影があるんじゃ。落ち込んでるんじゃ。そして、よくワシに相談を持ち寄ってくる」

 

 

 

/ ,' 3 「料理を出しつつ、そいつらの話しを聞いてやるのも人生の楽しみでなあ!」

 

 

33 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 今日俺ミス多すぎごめん・・・ 投稿日: 07/11/04(日) 01:19:19 ID: XF8WAakO0

―――――――

 

/ ,' 3「ショボン、ワシがなぜここを数十年前に”しょぼくれ酒場”と名づけたか分かるか」

(´・ω・`) 「はい! この…暖簾(のれん)を潜る人はみんなショボイからです!」

/ ,' 3 「馬鹿者!!」

(;´・ω・`) 「しまった! すいません…」

 

/ ,' 3 「……ワシのついついお節介になってしまう性格からかのぉ、
     ここに集うお客さんは、どこかしら影があるんじゃ。落ち込んでるんじゃ。そして、よくワシに相談を持ち寄ってくる」

 

 

 

/ ,' 3 「料理を出しつつ、そいつらの話しを聞いてやるのも人生の楽しみでなあ!」

 

 

34 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:20:51 ID: XF8WAakO0

/ ,' 3 「おまえが始めてここに飛び込んできたときも、そうだったのぉ!」

/ ,' 3 「いきなり目から鼻から水出して、女の子の話しをするやいなや」

/ ,' 3 「その女の子が、おまえにお燗とおつまみを運んできたときは笑ってしまったわい!」

/ ,' 3 「あの時のおまえの顔は忘れられんな!!」

(*´・ω・`) 「わわわ!! 言わないでくださいよそのことは――」

 

/ ,' 3 「…まあ、お前になら、この暖簾も、娘も安心して預けられる」

/ ,' 3 「ショボン、この店を」

 

 

 

頼んだぞ……

頼んだぞ……………

頼んだぞ………………………

 

 

36 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:24:20 ID: XF8WAakO0

――――――

(´ ω `)「がってんです・・・・・」

 

 

(´・ω・`)

 

 

(´・ω・`) 「あれ? おい杉浦、ドク坊は?」

( ФωФ)「海水浴場に行きましたよ」

(´・ω・`) 「しぃの所か?」

( ФωФ)「恐らく」

( ゚∀゚)「皿洗い終わりまっした―――――!!」

(´・ω・`) 「うるせえ! そうか、まあいいか」

(´・ω・`) 「……はあっ」

 

 

38 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:28:32 ID: XF8WAakO0

俺は歩いて海へと向かう。
詳しい道順は分からないが、とにかく海が見えるほうへ歩けば着くのだ!
これも旅の醍醐味だろうか。

('A`)「……」

市営バスが通り過ぎる。
女学生のスカートの端が微かに揺れる。
行く先には陽炎が何重にも重なり揺らめいていた。

('A`)「ついに辿り着いたんだなあ……」

信号に足止めをされ、バスを見送る俺の目に入ったのは、
ラウンジのナンバープレート。

 

 

平和な、午後の散歩道だった。
勉強だの、成績だの、ゲームだの、ネットだの、それらを一切遮断し、関係ない世界で生きているような気がする。
いつまでもこんな生き方をしていたい。
でも駄目なことは分かっていた。

 

 

42 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:35:36 ID: XF8WAakO0

何かマイナスな思考をしてしまうと、
心の中に黒い点が現れる。そして、そこから淀んだ気分が放出される。

前々から仄かに気にしていたことが、くっきりと形になる。

 

 

”旅が終われば、また俺は元に戻ってしまうのではないか?”

 

 

 

 

45 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:38:06 ID: XF8WAakO0

……今はこんな日々送っちゃってるけど、ひとたび夏休みが終わってしまえば、また以前の俺!
机に突っ伏してただ同じような毎日をこなすだけの俺! 駄目人間! 劣等生!!

 

 

 

 

それは、恐怖だ。

 

 

 

 

 

そして、とても嫌なことだ。
だけど、強烈な不可抗力が、旅から戻ってきた途端、襲ってきそうな、
そんな余計な心配に心は揺れていた。
何故だろう。

 

 

47 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:41:15 ID: XF8WAakO0

('A`)(まあ精一杯楽しんでやるさ)

('A`)(あとからどうなるかなんて、今の俺には知らないことだ)

 

考え事をしながら歩いていると、いつの間にか俺は海水浴場に辿り着いていた。
堤防の上から、色とりどりのパラソルが見える。

海の香りが、する。

 

('A`)「うおー!海だあー」

 

両手を広げて小さく呟く。
海は広いな大きな。………でも俺の心は狭いな小さいな。

 

 

 

余計なことを考えてしまうのは俺の癖なんだ。
(これ久しぶりに言ったなあ)

 

 

50 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:42:49 ID: XF8WAakO0

早速堤防を降りると、足に砂の感触が。
だが、それは鈍いものだ。スニーカーを履いている性だな。
ああ! 裸足になりたい。サンダルでもいい。
自分の足元を憎みつつ、砂浜を散策する。

('A)(姉ちゃんいい乳してますね)

半袖長ズボンにリュックサックにスニーカー。
どちらかというと山に行く格好な俺は、明らかに目立っていた。
頭の中に微かに残るしぃさんの顔を捜しつつ、
遊びに来ている女の子を凝視しつつ………
俺は軽快に歩いていた。海にいる人たちが皆楽しそうな表情をしているので、
俺もなんだか上機嫌になるのだ。
さっきの暗雲どこへやら だ。

 

('A`)「あー そういえば腹減ったな」

 

 

海で泳げなくとも、
海に来たという気分を味わおうと思い、俺は海の家で何か食べ物を買うことにした。

 

 

51 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:46:19 ID: XF8WAakO0

('A`)(ここしかないのかな…?)

海の家は繁盛していて、少し長い列を成していた。
俺は列に並び、何を買い食いしようかと思案する。
旅路の半分を折り返したことだし、所持金もある程度自由に使える。

 

「焼きもろこし二本なんですー!」

「はい!おまち!」

 

若く元気な男性の声と、
透明感があり、それでいて筋がしっかり通っている女性の声が聞こえてくる。

列はどんどん消化され、俺の番が周ってきた。

 

 

54 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:50:20 ID: XF8WAakO0

( ><)「いらっしゃいなんです!」

「あんちゃん!何でもすぐ出せるよ! さあ何にする?」

('A`)「えっとー、焼きそばひとつお願いします」

後ろを向いていた女性が、俺の注文を耳にして、振り返る。
あ、これは見覚えがある……

(*゚ー゚)「はい焼きそばひと――」

 

 

 

 

(*゚ー゚)「……ドクオくん?」

 

 

59 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:53:07 ID: XF8WAakO0


(*゚ー゚)「まあ! それじゃ私たちを訪ねに」

( ><)「VIPからはるばる自転車で!?」

 

(*゚ー゚)( ><)「すごーい!!!」

 

(*'A`)「はは…」

しぃさんは海水浴場で海の家のアルバイトをしていた。
奥さんに逃げられたと叔父さんは言っていたが、随分近場に逃げたものだと思う。

( ><)「杉浦君と長岡君は家にいたんです?」

一緒にいたのが稚内ビロードさんだ。元はしぃさんと同じく店で働いていたが、
しぃさんが家を出るとき、心配して後を追ったらしい。

その挙句、”何かと助かるから”と、海の家で一緒に働く羽目になったらしい。
優しげな瞳となで肩が特徴的だ。

 

 

60 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 01:56:36 ID: XF8WAakO0

('A`)「はい、杉浦さんはひたすら読書、長岡さんはひたすら皿を洗っていました」

( ><)「そうなんです……」

(;><)「て、店長は?」

ゴミを片付けながら、しぃさんは呆れた声で言う。

(*゚ー゚)「どぉせ昼間っからお酒飲んでるんでしょー?」

 

(;'A`)「…その通りです」

 

(*゚ー゚)「まったく……」

 

62 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 02:00:39 ID: XF8WAakO0

(*゚ー゚)「まったく……」

 

('A`)「お世話になる代わり、居酒屋を手伝おうと思ったのですが」

('A`)「あの有様で…」

('A`)「だから叔父さんから海に行ってこいと言われ」

('A`)「辿り着いたのですが」

( ><)「もう今日はおしまいなんです!」 

(;'A`)「そうなんですよね……」

 

 

 

(*゚ー゚)「ビロード!お疲れ!今日はもう帰るよ!」

 

 

64 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 02:06:15 ID: XF8WAakO0

しぃさんは話している合間にさっさと帰る準備を済ませていた。

('A`)「…あの家に帰るんですか?」

(*゚ー゚)「まーさか! 友達の家に泊まらせてもらってるわ」

(;><)(私は家に帰るしか術がないです… 毎晩気まずいんです…)

しぃさんの物憂げな表情を見ると、俺の頭に電球が浮かんだ。
しかし、この考えが良いものかは定かではない。

 

('A`)「あの、今日は一緒に店のほうへ帰ってみませんか?」

 

 

しぃさんの表情が一瞬にして強張る………

 

 

69 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 02:15:33 ID: XF8WAakO0

しかし、ビロードさんがとっさにフォローを入れてくれた。

(;><)「し、しぃさん! それがいいんです。今日は一緒に帰るんです!」

(;><)「ほら、ドクオくんも来てくれたんだし、おもてなししましょうよ!」

(*゚ー゚)「うーん……」

(*゚ー゚)「ビロード君がそう言うのなら…」

(*゚ー゚)「…じゃあ、そうしようかな!」

(;><)(毎晩店長や長岡くんの夕飯作りは辛いんです… 良かった良かった)

――――

( ゚∀゚)「コップ洗いおわったっす!!!スプーン洗いおわったっす!!!テーブル拭き終わったっす!!!」

(´・ω・`) 「馬鹿野郎!! 洗い物ばっかしてねーで何か作れよ!」

( ФωФ)(ビロード遅いですね。何をぐずぐずしてるのでしょうか)

 

 

70 名前: ◆ps3CKPkBXIMail: 投稿日: 07/11/04(日) 02:18:05 ID: XF8WAakO0

( ><)「何か旅の話しでも聞かせてくださいなんです!青春なんです!」

('A`)「え、えーっとですね…」

(*゚-゚)「…」

(A`;)(余計なこと言わなかったほうが良かったかなあ…)

 

 

 

こうして俺とビロードさんとしぃさんは、一緒に帰ることになった。
俺はしぃさんとショボンさんの間に起きたことを何も知らない。何も分からない。
ただ一つ言えることは、
しぃさんの今一つ晴れない顔を見ると、

何か一波乱が起きそうな予感がしてならなかった。

 

(やくそく編その2 おわり)

 

 

 

戻る

inserted by FC2 system