あのあと、俺は>>135にGJと告げ、パソコンの電源を落とした。
「旅に出ます 探して下さい」・・・・・
このメールの真相を追って、俺が立てたスレ「変なメールがきた」は、俺が去ったあとも結構落ちずに伸びた。
俺はというと・・・
71 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 01:44:33 ID: qQOWA6bH0
('A`)「かーちゃん」
J( 'ー`)し「なんだ。小遣いならやらんぞ」
('A`)「旅に出たい」
J( 'ー`)し「ん?なに?」
('A`)「・・・・」
( A )「・・・うーん?」
この時点で俺はもう気付いた。あぁ・・もう、なんか俺は、NGだな。って。
普通、お母さんに最初相談するかな・・・ こういうのって。
すいません駄目で。
・・
だれにはなしかけているのだ
72 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 01:45:24 ID: qQOWA6bH0
J( 'ー`)し「はっきり言いな」
('A`)「・・旅」
J( 'ー`)し「たび?」
('A`)「旅に出てぇの」
J( 'ー`)し「・・あ」
どーした。トイレの電球替えなら明日にしてくれ。ところで俺が言ってるのは、旅だよ。トラヴェル。
J( 'ー`)し「旅とは違うかもしれないけどね」
J( 'ー`)し「ショボンおじさんがいつか遊びに来いって言ってたよ」
75 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 01:55:52 ID: qQOWA6bH0
('A`)「・・!でも、それっていつの話し・・?」
J( 'ー`)し「おまえが小学校の高学年の頃だねえww」
5年前とは随分ミドルな昔の話しである
('A`)(でも”いつか”の期限は切れてないかな)
('A`)「ショボンおじさんってあの・・・」
J( 'ー`)し「うん、親類の中でもちょっと変わった人ね」
J( 'ー`)し「でも悪い人ではないんじゃない」
('A`)「・・親類に悪い人がいたら大変だろうかーちゃん」
J( 'ー`)し「そうねぇwおほほほ」
76 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 01:57:54 ID: qQOWA6bH0
そうねぇw じゃねーんだよ。
ショボンおじさんは正直、やばい人だ。
確か片田舎でバーを営んでるんだが・・・
穏やかな顔つきの割に、性格はなんだか悪ノリしすぎの中学生のようだ。
いつかの結婚式のあと、この家で三次会をしたときに会ったのが最初で最後だ。
無理矢理酒を飲まされて・・・ 酔って・・ ゲロ吐いて・・ 小学生になにしやがるんだってとーちゃん笑ってたな。
こっちは笑われている場合じゃないというか・・ 最悪の思い出だよ。
その鬼人の元へ行けと?かーちゃんよぉ。
・・まぁ、今日のところはいいや。
('A`)「・・そうか、じゃ、寝るわ」
J( 'ー`)し「おやすみ」
81 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 02:13:12 ID: qQOWA6bH0
”夏を何かの一大イベントとかと間違えてる奴らがキライ”と俺は言った。
でも、今、俺もその波に乗っかろうとしている。夏の波に。
俺は嫌がるどころか、妙な充実感・・ いや、妙じゃない。しっかりと確信できる充実感を得ていた。
ここで一つ気付いたことがある。
嫌悪していたんじゃない・・。
嫉妬していただけなんだ・・。波に乗っている奴らにな。
誰に見抜かれるわけでもないのに、必死で嫌悪感を心の表面に押し出して、嫉妬・・劣等感を隠していたんだ。
・・あの不思議なメール一通で
俺は俺のことをこんなに素直に見つめることができたなんて・・・
未来は俺をどうしたいんだろう。
一体・・・・。
88 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 02:30:37 ID: kF+nU0350
翌日。
・・・そんな普段の俺とはかけ離れたフレッシュな気分なんて、そう長く続くはずがなかった。
そーだよなwww ま、あったりまえのことよーーーーww
('A`)(ふぅ・・ 講習終わった。図書館で何か本借りに行こうかな)
「待ちなさい」
('A`)「先生・・ なんですか」
「おまえは残れ」
('A`)「はぁ」
「期末テストの成績が著しく悪い者は、午後から補習だと、終業式のあとの学年集会で言っただろう」
('A`)(んなもん爆睡してて聞いてねーーや)
「弁当がないなら最寄りのコンビニに行ってこい。夏休み中は購買部が開店していないからな」
('A`)「・・へい」
89 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 02:31:08 ID: kF+nU0350
('A`)「・・すぐそこサンクスとかって言うわりには、学校から遠いんだよココ」
('A`)「しかも、いつもクーラーけちってんだよね・・」
('A`)「・・・嫌な空気だ」
「おい・・ あれ、ドクオじゃねぇか?」
「本当だ。馬鹿白豚のドクオだ」
('A`)(・・・豚丼買おうと思ったがやめよう)
「おww 豚丼を置いたww」
「やっぱ共食いはよくないよなww うんww」
('A`)(死ね、カス、頭くるくるぱーめ)
('A`)「実際に口に出せたらどれだけ爽快だろうね」
90 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 02:33:27 ID: kF+nU0350
「なんかボソボソ言ってるww」
「きめぇ・・・ww」
('A`)(・・っ。こんあ状況でレジになんか並べねぇよ)
('A`)(飲み物は・・どこかの自販機で買おう)
('A`)(食料は・・・諦めよう)
「おいww 出やがったぞw」
「何か買っていけよなw 冷やかしかよww」
('A`)「・・・最初から最後までなんであんなに俺の行動一つ一つに・・・」
・・
悔しいなあ。 むかつくなあ。 ぶん殴りたいなあ。
でもできないよ。 俺はそういう人間。 利口なんじゃないよ? ははは。 怖いんだ。
・・・くそっ。
94 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 02:45:56 ID: kF+nU0350
('A`)ぽけーーっ
「・・で、ここをαと置くことができるんだけど・・」
「おい、ドクオ」
('A`)「はい」
「この続きわかるか?」
('A`)「わーりません」
「・・ここをαと置くだろ、で、二本の式を・・」
「よし、ここでのaの値はどうなる?」
('A`)(腹減って何も考えられねーよ)
('A`)(・・・だが、リアルに)
('A`)「わーりません」
「・・そうか。」
95 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 02:57:28 ID: kF+nU0350
先生。 俺をそんな目で見るなよ。 こっち見るなよ。
ああ、そうだよ。 自分のレベル知らないでたまたまこんな高校に入ってきた俺が馬鹿だったのさ。
・・・はぁ。腹減った。
('A`)「終わった終わった・・ 俺は今からフリーダム」
('A`)「・・・」
俺は、手を繋いで駅へと急ぐカップルが見たくなかったから、うつむいて携帯を取り出した。
別に、自宅までの数百メートル、ゲームとか、2chをするわけじゃない・・
昨日のメールを、ただただ読み返すだけだ。
96 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 02:58:51 ID: kF+nU0350
NO.1 2007 9/3 17:00
From dokudoku7-17@xxxxxx
Sub (non title)
本文
旅に出ます 探してください
なぜか知らないが自分のメールアドレスから
なぜか知らないが約一ヵ月後の日付から
突然送られてきた一通のメール
俺はこれに導かれているような気がしてならない。どこへ?と尋ねられたら困るが。
今の俺にはこれだけが希望なんだ
いくら馬鹿にされても いくら頭が悪くても
このメールを見るとなんだかほっとするんだ・・・・・・・・・
97 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 03:01:10 ID: kF+nU0350
この日に何が起こるのか?
このメールを送ったのは誰なのか?
未来の自分・・・・ か?
だとしたら、俺は何を考えてこんな変な文章を打ったんだ?
俺は今からどうなるんだ?
想うことは一つ
・・でもないけど、一番多くを占めているのは
旅に出なければ、その未来は変わってしまう ・・んじゃないかなぁ?
・・ということだ(なんて曖昧な俺)
100 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 03:16:17 ID: kF+nU0350
('A`)「・・・もぐもぐもぐもぐもぐ」
J( 'ー`)し「今日はよく食べるわねー」
trrrrrr
J( 'ー`)し「はい、もっしー?」
(´・ω・`)「・・・ども」
('A`)(誰と電話しているんだ?)
J( 'ー`)し「あ、久しぶりですねぇw」
(´・ω・`)「・・はい」
(´・ω・`)「昨日の電話の件・・・」
J( 'ー`)し「ああ、はいw息子がお世話になりたいらしくてww」
(´・ω・`)「いいですよ」
101 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 03:16:53 ID: kF+nU0350
俺はメシを食べるのに集中しすぎて、かーちゃんがどんな会話をしているのかさっぱりわからなかった。
でも、ガッツポーズははっきり見えた。
ガッツ・・?
J( 'ー`)し「良かったわね〜ww」
('A`)「げふん。おかわり・・ 何が?」
J( 'ー`)し「旅に出られるわようww」
('A`)「・・ショボンおじさんの件?」
J( 'ー`)し「うーーんww」
('A`)「そっか・・・」
J( 'ー`)し「何か嫌なの?」
('A`)「あ、いや・・」
103 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/07/23(月) 03:29:04 ID: kF+nU0350
俺は”これでいいんだろうか”と悩んだ。
旅っていうのは、自分で目的を決めて、自分で用意をして・・・って
そして、自分の好きな場所を思い思いに巡るのが、旅ってもんじゃないか?(勝手なイメージね)
なのに、俺はかーちゃんから何から何まで決められて・・ まあかーちゃんに話しを持ちかけた俺も駄目だが。
それに・・・ ショボンおじさん自体、なんかもう・・ ボツだよな。
あぁ、どうしたらいいんだろう。またスレを立てるか? いや、そんなヘタレな真似はしたくない。
贅沢なのだろうか・・? わからん。
また俺は、自分の行動力の無さに落胆した。誰かに頼らないと何もできないのかと。
しかしながら今夜も俺は、受信ボックスの9/3という日付を眺めながら、旅立ちの予感を沸々と感じていた。
確実に、確実に、その日は近づいてきている・・・
そう感じたんだ。
(旅立ち編2 おわり)