52 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:20:14.37 ID: lUZyMljBO
第3話【雷鳴、崩壊】

俺としたことが、重大なミスを犯してしまった。
今日はツンの誕生日だっつーのに、プレゼントを買い忘れていたなんて。

俺はプレゼントを買いに駅へ出た。
ブーンのやつはちゃんとプレゼントを買っただろうか。
たしか去年あいつはコンビニのアイスを買ってきたな。
しかもツンのやつ、俺があげたくまのぬいぐるみは

ξ///)ξ「こ、こんなのもらっても、ちっとも嬉しくないんだからねっ!」

とか言いやがって。
ブーンのコンビニのアイス>俺が勇気出して買ったぬいぐるみ
かよ。
今年はもっとツンの喜ぶようなものを買わないとだ。

俺はチェック柄のハンカチを選んだ。これなら実用性もある。
しっかり包装してもらい、俺は店を出た。

 

55 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:21:44.57 ID: lUZyMljBO
('A`)「ん?」

店の入り口からは駅のホームが見える。
ちょうど電車が入ってくる直前に、俺は見覚えのある顔を見た。

('A`)「ブーン?」

間違いなく、ブーンだった。
いったいどこへ向かうんだろう。
俺の脳裏に、不安がよぎった。
もしかして、今日がツンの誕生日会だということを忘れてるんじゃないか。
いや、いくらブーンでもそんなことあるはずがない
と思う。

昔なら、俺はブーンのことをすぐに信じることができた。
なのに、なぜか今のブーンは簡単に信じることができない。
ブーンが雷に撃たれてから、なんだか遠い存在になってしまったように思えた。

 

56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:24:05.91 ID: lUZyMljBO
〜〜〜〜〜〜

 

( ^ω^)「おいすー」

このスタジオも今日で3回目になる。

( ,,゚Д゚)「よぉ。友だちとは仲良くしてるか?」

( ^ω^)「してますお」

半分、嘘かもしれない。
用事がない日はドクオと一緒に帰ってるが、前より話すことが減った気がする。

( ^ω^)「午前中に終わるんですかお?」

( ,,゚Д゚)「そうらしいが。なんか用事でもあるのか?」

( ^ω^)「いや、別にないですお」

今度は嘘だ。
この人は見かけによらず優しいから、用事があるなんて言ったら無理やり中止するかもしれない。

( ,,゚Д゚)「ふーん。あと30分ぐらいで始まるからな」

( ^ω^)「わかりましたお」

 

60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:30:15.38 ID: lUZyMljBO
しかし、予定時刻を40分過ぎても撮影は始まらなかった。

( ^ω^)「遅いですお」

( ,,゚Д゚)「なんかあったんか?」

(´・ω・`)「すみません。こちらのミスで、ギネスの方々の到着があと1時間ぐらいかかるらしくて」

( ,,゚Д゚)「おいおい、しっかりしてくれよ」

僕は携帯を開いた。そうだ。雷に撃たれたとき以来使えないんだった。
電気の調節ができるようになったから壊れることはないが、常に圏外だ。
それから1時間と30分ぐらいしてギネスの人たちが来た。

(´・ω・`)「すみません、この調子だと午後までかかりますね」

( ,,゚Д゚)「俺は別にかまわねえけど、ブーンは?」

( ^ω^)「えっと…」

(´・ω・`)「2時には終わると思いますよ」

( ^ω^)「じゃあ大丈夫ですお」

( ,,゚Д゚)「ほんとに大丈夫だな?」

( ^ω^)「大丈夫ですお」

2時に終わるならぎりぎり間に合うだろう。
どっちにしろもう断れないし。

 

61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:31:43.07 ID: lUZyMljBO
審査も授賞式も撮影も何事もなく終わった。
僕はひと時、ツンの誕生日会のことも忘れ、トークを楽しんだ。

(´・ω・`)「ブーンくん、もう君の仕事は終わったよ」

( ^ω^)「じゃあ僕は先に帰りますお」

( ,,゚Д゚)「おう。お疲れ」

2時6分。
直接ツンの家に行けば10分ぐらいの遅刻で済む。
僕は賞状を入れた袋を提げ、電車に乗った。
誕生日会が楽しみだ。
早くツンの笑顔が見たい。早くドクオとバカ騒ぎがしたい。

 

63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:33:49.31 ID: lUZyMljBO
( ^ω^)「お?」

電車のスピードが急に落ちた。
まだ次の駅じゃないはずだ。
僕はiPodのイヤホンを外した。

『停止信号です。しばらくお待ちください』

おいおい。なるべく早く発車してくれよ。

『ええーただいまニュー速駅のホームで、お客様が電車に接触したとの情報が入ってきました
ご乗車になってお待ちください』

最悪だ。

『ええーただいま事故の回収作業にあたっております
運行復旧のめどはたっておりません』

事故の『回収作業』とは、なんというぐちゃぐちゃフラグ。
これは誕生日会にはかなり遅刻するな。

 

66 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:35:46.54 ID: lUZyMljBO
〜〜〜〜〜〜

 

約束の時間を1時間過ぎても、ブーンは来なかった。

ξ゚听)ξ「ブーン、遅いね」

('A`)「…」

何やってるんだあのやろう。まさか本当に忘れてるんじゃないだろうな。

ξ゚听)ξ「ケーキマズくなるし、先食べてようよ」

('A`)「…」

あのときブーンはどこに行くところだったんだ?
俺の知ってるブーンは休みの日にわざわざ外へ出かけたりしない。家でパソコンかゲームだ。俺の知ってるブーンは。

ξ#゚听)ξ「ねぇ聞いてんの!」

('A`)「え?」

ξ#゚听)ξ「もういい!私先に食べる!」

('A`)「待てよ。俺も一緒に食う」

ξ#゚听)ξ「勝手にすれば!」

なんでこんな怒ってるんだ、ツンは?

 

69 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:37:50.41 ID: lUZyMljBO
('A`)「…」

ξ#゚听)ξ「…」

('A`)「…」

ξ#゚听)ξ「なんか話しなさいよ」

急になんか話せと言われても。

('A`)「そういえば今日午前中ブーン見たぜ」

ξ#゚听)ξ「それ以外の話」

('A`)「えぇー」

ξ゚听)ξ「あんた女の子と2人きりなのにそれしか話すことないの?寂しい男ね」

俺はツンを女子として見たことはない。
そりゃ女子としたらかなり可愛いほうだが、友達としているほうが楽しい。

 

73 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:39:45.98 ID: lUZyMljBO
('A`)「じゃあ何話せばいいんだよ」

ξ///)ξ「そ、それは、たとえば、たとえばだけど、好きな人いるのかとか、もういいうるさいバカ!」

('A`)「えぇー」

なぜそこでキレる。

('A`)「先にプレゼント渡すか」

ξ゚听)ξ「プレゼント?」

('A`)「誕生日プレゼントだよ」

ξ///)ξ「ふ、ふーん、気がきくじゃない」

('A`)「そういえば、去年あげたくまのぬいぐるみは?」

ξ゚听)ξ「ど、どっか行っちゃったわよ」

('A`)「酷っ!まあ別にいいけど。はい」
そう言って俺は綺麗に包装されたハンカチを渡した。

ξ///)ξ「!!…なかなかいいじゃない。あ、ありがと…」

('A`)「…お前が礼を言うなんて珍しいな」

ξ///)ξ「うっさいわね!この私が礼を言ってんのよ!喜びなさい!」

 

75 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:43:16.41 ID: lUZyMljBO
もう日が沈むのに、ブーンは来ない。
今日はツンの両親は家にいないらしく、俺とツンのふたりっきりだ。
だから俺たちが何か話さないと家中が静まり返る。
だけど、俺の頭の中はブーンでいっぱいだ。なんで来ないんだ、あいつは。

ξ゚听)ξ「ねえ、上の部屋に行かない?」

('A`)「え、なんで?」

俺は急なツンの提案に少し戸惑った。
ツンは下を向きながら俺の手を掴んだ。

ξ゚听)ξ「いいから行きましょ」

ツンの部屋は明るく、綺麗だった。
俺の部屋みたいに、床に一週間前のペットボトルが落ちてるなんてこともなかった。

 

79 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:46:24.01 ID: lUZyMljBO
ツンはベッドに座った。
俺も座っていいのか迷い、ふらふら周りを見回していた。
俺のあげたくまのぬいぐるみはベッドの横にあった。

ξ゚听)ξ「何突っ立ってるのよ。座りなさいよ」

(;'A`)「あ、ああ」

俺はツンのベッドに腰掛けた。そして、重大なことに気づいてしまった。

意識したことないけど、よく考えてみればツンは女の子だ。
女の子の部屋なんて初めて入ったけど、部屋が綺麗なのも当たり前なんだろう。

そして今、俺はクラス1美少女と呼ばれている女の子に連れられて、彼女の部屋にいるッ!
しかもツンは俺を無理やり部屋に連れ込んだ!ツンの両親は1日いない!
これはまさかの童貞さよならフラグなのか?!
ブーンのことなんか考えてる場合じゃなかった!
男としての俺の選択肢はただひとつ!

押し倒す

脱がす

ねじこむ

それしかない!
俺は童貞をやめるぞ!!ブーンッッ!!

 

82 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:49:08.91 ID: lUZyMljBO
俺は息子をスタンバイさせ隣のツンの顔を見た。

('A`)「え?」

ツンの目から、光の粒が零れ落ちた。…泣いてる?

(;'A`)「どうした?」

ξ;;)ξ「べ、べつになんでもないわよ!」

('A`)「なんでもないわけあるか。いきなり泣かれたらこっちが困る」

少し、沈黙が流れてから、ツンが口を開いた。

ξ;;)ξ「…ブーン、来ないね」

('A`)「…そうだな」

ξ;;)ξ「ブーン、私たちのこと、どうでもよくなっちゃったのかな」

('A`)「…そんなことないって」

ξ;;)ξ「今までずっと3人一緒だった…
       でも今は、ブーンが遠いところに行っちゃった気がする」

('A`)「…」

ξ;;)ξ「さびしいよ…昔に戻りたいよ…」

 

84 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:52:54.43 ID: lUZyMljBO
ツンがこんなことを考え、悩んでるなんて意外だった。
小学生のころ、上級生とケンカしても泣かなかったツンが、泣いていた。

('A`)「そのうちブーンも戻ってくるって。昔みたいに3人で一緒になれるって」

ξ;;)ξ「ほんと?」

('A`)「ああ」

俺は、自分の心と反対のことを言った。
もしかしたらこのままブーンは、俺たちから去ってしまうんじゃないかと不安だった。
俺の言葉は、自分を励ます言葉でもあった。

('A`)「だから泣くなよ。ツンらしくないぞ」

ξ;;)ξ「うるさいわね!女の子が泣いてるんだからもっと気を…」

俺はツンを優しく抱きしめた。
それが俺にできる、ツンを励ますための精いっぱいのことだった。

ツンの呼吸、鼓動、体温、匂いの全てが感じ取れた。
ツンの気持ちも感じ取れた。
俺だって寂しいし怖い。ブーンが俺たちから離れて行くのを考えると。

 

85 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:55:23.56 ID: lUZyMljBO
〜〜〜〜〜〜

 

やっと電車が動いたと思ったらまた止まりやがって。もう辺りは真っ暗だ。
きっとドクオもツンも怒ってるな。

( ^ω^)「あーあ」

僕は溜め息をつきながらツンの家に向かった。

( ^ω^)「お?」

ツンの家は一階も二階のツンの部屋も電気は消えている。
いないのだろうか。

( ^ω^)「まったく、どこへ行ったんだお」

電話がしたいにも携帯は使えない。
ドクオの家にでもいるのだろうか。

J( 'ー`)し「ドクオ?帰ってきてないわよ」

( ^ω^)「そうですかお」

なんだかもう疲れてきた。
そういえば昼ご飯も食べてない。
僕は諦めて家に帰ることにした。

 

87 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 00:58:20.02 ID: lUZyMljBO
(*゚ー゚)「おかえりぃ!ご飯にする?お風呂にする?それともあたし?」

どこでそんなセリフを覚えたんだ。
もちろん3つ目の選択肢を選びたいとこだが、兄としての理性が許さない。

( ^ω^)「お風呂にするお」

(*゚ー゚)「はーい!」

( ^ω^)「そうだお。しぃ、これを見るお」

僕はしぃに賞状を見せた。

(*゚ー゚)「なにこれ?」

( ^ω^)「お兄ちゃんがせかいいちになった証拠だお」

(*゚ー゚)「すごい!きらきらしててきれい!」

しぃはずっと目を輝かせて賞状を眺めていた。
その、賞状にも負けないぐらい綺麗な瞳を見ていると、僕も幸せだった。

 

89 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:00:26.57 ID: lUZyMljBO
〜〜〜〜〜〜

 

結局昨日帰ったのは夜の1時だった。カーチャンはすでに寝ていたから、風呂に入ってとっとと寝てしまった。

今日、ツンと会ったらどうやって話そう。
昨日の夜あんなことがあったから、かえってきまずい気がしてきた。
とにかく今日は、まずブーンの言い訳をきかなきゃ気が済まない。
ツンとはいつもどおり接すればいい。別に悪いことをしたわけじゃない。
『大人が咎めるいやらしいことは、きっと楽しいことだ』って前に読んだ小説に書いてあったぞ。

理由はともあれ、ツンは俺に助けを求めてきた。普段見せない涙を流してまで。
だから、俺はブーンをなんとかしなきゃいけないという義務感で溢れていた。
それは、俺自身の希望でもあった。

 

91 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:02:53.88 ID: lUZyMljBO
教室に入って最初に入って見たのは、ツンの寂しそうに笑った顔だった。
教室の真ん中にはジョルジュやプギャーたち、いわゆる活発系が集まっていた。
そしてその輪の中心にいたのは、顔いっぱいに笑みを浮かべたブーンだった。

( ゚∀゚)「おーい、ドクオもたまには来いよ!ブーンがギネスに認定されたんだぞ!」

( ^Д^)「やめとけって。あのネクラが他人の幸せを喜ぶと思うか?」

今までなら喜ばないはずがなかった。俺とブーンは兄弟みたいなもんだった。
でも今は喜んではいられなかった。

 

94 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:05:21.09 ID: lUZyMljBO
('A`)「ブーン、その賞状どうしたんだ?」

( ^ω^)「えっと」

( ゚∀゚)「昨日ギネスの授賞式があったんだよ!世界一だぜ?外国からもきっとテレビ来るぜ!」

('A`)「昨日ツンの誕生日だって知ってたよな?」

( ^ω^)「知ってたお」

('A`)「知っててなんで来なかったんだよ?」

ブーンは少し考えて答えた。

( ^ω^)「世界一になれるチャンスだったんだお。これを逃したら二度と来なかったんだお」

そうか、昔からの友達よりその紙の方が大切か。
でも、おまえのせいでツンは苦しんでたんだぞ。
おまえのせいでツンは泣いてたんだぞ。

俺の中で何かがキレた。

 

101 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:09:46.16 ID: lUZyMljBO
〜〜〜〜〜〜

一瞬、視界にドクオの拳が映る。左の頬に衝撃が走り、地面に叩きつけられた。

( ^ω^)「何するんだお!」

('A`)「おまえふざけんなよ!」

口の中に血の味が広がってきた。

( ^ω^)「意味わかんないお!」

立ち上がった僕のシャツの襟をドクオは掴んだ。

(#'A`)「もう一度きく。なんで昨日来なかった!」

ドクオが怒ってる理由がわかった。僕がツンの誕生会よりもテレビの撮影を優先したからだ。
しかし急に殴られて逆上していた僕に、素直に謝ることはできなかった。

(#^ω^)「授賞式があったからだって言ってるお!」

(#'A`)「そんなにその紙っぺらが欲しかったのかよ!」

(#^ω^)「ああ欲しかったお!これさえあれば、僕はもう地味だとかいじめられることもないんだお!」

(#'A`)「結局は親友より自分か!ほんとカスになったな!」

(#^ω^)「ドクオにはわからないお!ネクラでもいいって開き直ってれば楽だお!」

 

103 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:13:14.41 ID: lUZyMljBO
言ってやった。ドクオは顔を真っ赤にして、僕を壁に押しつけた。

(#'A`)「てめぇ!!おまえのせいで!おまえのせいで!」

ジョルジュが戸惑ってるのがドクオの後ろに見えた。

(#^ω^)「そろそろネクラはネクラらしく教室のスミで座ったらどうだお」

(#'A`)「雷に撃たれてからだいぶ変わったじゃねえか。脳細胞ぶっ飛んだんじゃねえか?いい病院紹介してやろうか?」

(#^ω^)「心配してくれてありがとうございますだお」

(#'A`)「そういやおまえの妹もたしかおかしかったよな」

(#^ω^)「・・・・・・!!」

(#'A`)「おまえと一緒にキチガイ兄妹完成か!こりゃめでたいな!」

ξ゚听)ξ「ドクオ!」

さっきまでとは違う怒りがわいてきた。
心の底から震えるような。

(#^ω^)「しぃの悪口を言うなお・・・・・・」

(#'A`)「おぉ怖いねぇお兄ちゃん。そんなにあのシンショーが大切か?」

(#^ω^)「!!!」

 

106 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:15:45.00 ID: lUZyMljBO
一瞬、教室が真っ白になった。
その直後、耳がはちきれるぐらいの雷鳴が轟いた。
誰も何が起きたかわからなかったと思う。

視界が戻ってきて、僕は僕の襟を掴んでた親友を見た。
しかしそこには親友は居なかった。その代わりに、黒くどろどろに焦げた人型の物があった。
じゃあドクオは?さっきまで僕と口論していたはずなのに。

その肉塊の手は僕のワイシャツから離れた。そして、音をたてて倒れた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

誰かの叫び声で、僕の意識は現実に引き戻された。
たんぱく質の焦げる嫌な臭いが教室を漂い始める。
それと同時に、目の前に倒れている肉塊が、さっきまでの親友、ドクオだと理解できた。
誰かが吐いた。
誰かの悲鳴がまた誰かの悲鳴を生んだ。

 

110 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:17:58.31 ID: lUZyMljBO
急に胸から喉の辺りが熱くなり、僕は教室の床に突っ伏して吐いた。
顔を上げると、さっきまで親友だった、肉塊の窪みと目があった。

(;^ω^)「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

( ´∀`)「今の悲鳴は何モ…うっ!」

悲鳴で何人も教師が教室に飛び込んできたが、凄まじい異臭に耐えきれず口を塞いだ。

/ ,' 3「いったい、これは…何が起きたのか、誰か説明できる者は?」

そうだ。それだ。
いったい何が起きたんだ。なんでドクオがこんなことになっているんだ。

(;^Д^)「ブーンが…」

急に名前を呼ばれた。
なんで僕なんだ?僕は何が起きたのか全く説明できないぞ。

プギャーが口の周りについたものを拭きながら、震える声で続けた。

 

(;^Д^)「ブーンが、やりました…」

 

113 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/10/22(月) 01:20:10.11 ID: lUZyMljBO
頭が真っ白になった。
僕がやった?ありえない。きっとプギャーは頭が混乱しているんだ。

/ ,' 3「ブーンくん…君がこの状況を作り出したのかね?」

違う。そんなはずない。ありえない。僕がそんなことするわけない。ドクオは親友だ。僕は親友を殺さない。僕はやってない。僕じゃない。違う。僕じゃない。僕じゃない。僕じゃない。僕じゃない。僕じゃない。僕じゃない。僕じゃない

でも、僕以外に誰がこんなこと出来る?
誰が人を感電死させれる?
誰が教室で雷を落とせる?

僕だけだ。

 

 

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