1 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 00:51:19.47 ID: Vd46qG3Z0
― 6 ―
ドクオと別れ、村に戻った。
時刻は日沈。この時間、大人は決まって村にはいない。
暖炉の火がともされた石造りの家々では、子供たちが用意された食事をおいしくいただいているようだ。
静かな村の中を歩き、あたりに立ち上る夕食の香に鼻腔を震わせながら、
住まわせてもらっていたしぃちゃんの家へ帰りつく。そして、いつものように二人で食事をする
――はずだった。
(*゚ー゚)「お帰り! ブーン兄ちゃん!」
/ ,' 3「ブーン殿。お待ちしておりましただ」
3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 00:53:53.76 ID: Vd46qG3Z0
可愛らしいしぃちゃんの出迎えの声。
そのあとに聞こえたのは、村長のしわがれた声。
最近めっきり弱ってきていた彼は、足腰が立たないらしく、従者に背負われながらしぃちゃんの隣にいた。
( ^ω^)「……どうしたんですかお? こんな時間に」
/ ,' 3「いんやぁ。実はの、今日はブーン殿に来てほしかところさありましてな」
( ^ω^)「……」
いつもなら、特に不審には思わなかっただろう。
多分、明日の作業の打ち合わせとか、その程度のことと考えて特に疑問には思わなかったはずだ。
しかし、今日は違う。
真っ先にドクオの言葉が思い出された。
何かある。一年間抱え続けていた疑問を解決に導く何かが、僕の目の前に現れる。
それは予感ではなく、確信だった。
5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 00:56:21.35 ID: Vd46qG3Z0
(*゚ー゚)「いいなぁ! オラも行きてぇだぁ!」
/ ,' 3「しぃも大人さなったら連れてってやるだよ。だけん、大人しく待っといてくれだぁ」
(*゚ー゚)「うん! 約束だべ? 嘘ついたらハリセンボンだべさぁ!」
盲目的に村長の言葉に従うしぃちゃん。
その無邪気さが、この日の僕には哀れに感じられてならなかった。
何かを隠されている。しかししぃちゃんはそれに気づかないし、気づくことを許されてはいない。
子供を夕闇の村に残してまで守り通すほどの秘密とは、いったいなんだ?
/ ,' 3「さ、ブーン殿。わしらについてきてくだせぇだ」
( ^ω^)「……わかりましたお」
(*゚ー゚)「いってらっしゃいだぁ!!」
愛くるしいしぃちゃんの声に見送られ、僕は彼女の家をあとにした。
6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 00:59:05.38 ID: Vd46qG3Z0
すでに辺りは闇に沈んでいた。
うっそうと茂る森の中では、葉と枝の屋根にさえぎられ、満月の光が届くことはない。
村から連れ出された僕は、もうかれこれ十分近く、道とも言えない山道の上を歩いていた。
/ ,' 3「ブーン殿。わしらはお主に大変感謝しとりますだぁ」
迷ったら二度と出ることの出来なさそうな、真っ暗な森。
従者に背負われた村長の声が、僕に届く。
/ ,' 3「お主はこん村にさまざまな技術さ伝えてくれた。
わしらの伝統も理解し、村に何の混乱ももたらさんかった」
深く続く森の道。
まるで目的地を隠すようにひしめく、彼らの守人である木々。
ざわめくことすらなく、静かにそこにある。
9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:00:21.77 ID: Vd46qG3Z0
/ ,' 3「子供も大人もみな、お主を慕っとる。お主もこん村さ気に入ってくれたようじゃ。
そいでな、わしらはお主さ、こん村の一員さなってもらうことにしただ。
そういうわけで今、お主を連れ出してきただ」
( ^ω^)「それは……光栄ですお」
その申し出は素直にうれしい。
故郷も帰る場所も千年前に消えた僕にとって、この申し出を断る理由は無い。
しかし、なぜ村から連れ出されなければならないのだろうか?
もう二十分近く歩いている。こんな森の奥に、いったい何があるというのだろう?
尋ねてみた。
/ ,' 3「ブーン殿がそげん思われるのも当然ですじゃ」
僕の問いかけに、村長は気を悪くすること無く答えてくれた。
10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:02:09.12 ID: Vd46qG3Z0
/ ,' 3「わしらの村の一員さなるには、わしらと同じ神さ崇めてくれねばならね。
今日はそん儀式のため、ブーン殿さ、こげん山奥さ連れてきただぁ」
そう言うと村長を背負った従者は立ち止まり、その背の上で村長は前を指差した。
僕もすぐさま視線を動かす。
森が終わりを告げていた。
その先にあるのは、岩壁の表面に掘られた、明かりのともされた小さな洞窟。
その洞窟の奥に向け、村長を背負った従者が再び歩き出す。僕もそのあとを追う。
/ ,' 3「以前、お主にわしらの神の話さしましただ。じゃが、それには続きがあるとですじゃ」
洞窟は思いのほか奥に深い。どうやら人の手によるものではなく、自然と作られた洞穴のようだ。
窟内には異様な臭気が漂っており、
通路の壁面に置かれたたいまつのゆらめきが、その異様さをことさらに掻き立てていた。
生暖かい通路内に、村長の声がとてもよく響く。
12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:04:09.65 ID: Vd46qG3Z0
/ ,' 3「裁きの雷は木となっただぁ。
ところがそれさ祭ったとき、わしらの先祖はそん傍に不思議な植物さ見つけましただぁ。
そん植物は不思議なもんでしてなぁ。実を乾かして燃やせば、とても気持ちのよい煙さ出します。
わしらん先祖はそれを『神の実』さ呼んで、ありがたく頂戴しましたぁ」
(;^ω^)「実!? 煙!? ちょっと待つお! それってもしかして……」
/ ,' 3「そんで、わしらはそれを神の許しのしるしとして、そして神の洗礼として、
今もありがたく吸っとります。しかしなぁ、『神の実』は数があまり多くない。
じゃけぇ、これは大人だけしか吸うことを許されとらんのですじゃ」
通路の先に、ことさら強い明かりが見えた。どうやら最深部へと到達したようだ。
いやな予感が全身に走った僕を無視するように、村長は最深部の広場を指差しながら、言った。
/ ,' 3「村の一員さなるには、ブーン殿にも神の洗礼さ受けてもらわねばならね。
じゃから今から、ここでありがたい神の煙さ、ブーン殿に吸ってもらいますだ」
16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:06:30.84 ID: Vd46qG3Z0
(; ゚ω゚)「……これは……これは何だお!!」
最深部に広がる光景を前に、僕は唖然とした。
満たされていた異常な臭気を吸い込み、めまいを覚える。
村中の大人たちが、そこに集まって煙を吸っていた。
その誰もが地面に敷いたござの上に寝転がり、恍惚とした表情で脱力しながら、うつろな視線を宙に漂わせている。
だらしなく口元を緩め、よだれを垂れ流しているものさえいた。
村長と従者も輪の中に加わり、嬉しそうに煙を吸い始める。
(; ゚ω゚)「ゲホッ! ゴホッ! これはひどい……」
呆然と立ち尽くしたまま、漂う煙にむせかえり、僕は涙目で周囲を見渡した。
やせ細った大人たちがけだるそうに寝転んでいる。
そしてその隅に山積みにされていた、小さな豆粒のような物体。
内藤ホライゾンの知識の片隅にその正体を見つけ、僕は驚愕する。
17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:07:23.05 ID: Vd46qG3Z0
(; ゚ω゚)「これはケシの実じゃないかお!
これが神の実なのかお!? ということは……」
広場内に満たされていた煙は、はじめて村長の家を訪れたときにも嗅いだクレオソート油の匂い。
およそ一年前に嗅いだその香りの正体が、今になってようやくわかった。
同時に、これまで感じてきた疑問の多くが解決した。
この煙。この匂い。そして「神の実」の正体である「ケシの実」。
そう。彼らはアヘンを吸っていたのだ。
18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:09:00.61 ID: Vd46qG3Z0
アヘン。
かつては戦争の手段としても用いられ、一国を窮地にまで追いやったこともある存在。
一時は医薬品としても利用されていたが、
二十世紀初頭にはその危険性から世界各国で全面的に禁止された、正真正銘の麻薬。
古くからその存在が確認されていて、世界各地に幅広く分布しており、
人類の歴史にも深く根ざしていることから、
「宗教は民衆のアヘンである」とまで呼称され、引き合いに出されたこともある。
原産は地中海沿岸。最も栄えたのは中東、イスラム圏内。主に低緯度地域の高原で栽培されていた。
(; ゚ω゚)「それがなぜこんなところに……」
いや、そんなことはどうでもいい。ケシの実が
――アヘンが目の前に存在している。その事実だけで今は十分だ。
20 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:10:19.33 ID: Vd46qG3Z0
改めて周囲を見渡す。
やせ細った大人たちがゴザの上にぺたりと寝転がり、全身を弛緩させて、煙をむさぼるように吸っている。
この光景をどこかで見たことがある。もちろん僕ではなく、内藤ホライゾンが、だ。
確か大学時代、教養として東洋の歴史を学んだ際、全く同じ光景を彼は書物で目にしたはずだ。
記憶の引き出しをこじ開ける。思い出せ。今の状況に名前を付けろ。
(; ゚ω゚)「……アヘン……窟」
そうだ。アヘン窟だ。
東洋の大国に存在した、アヘンを吸うためだけに用いられた穴倉。
かつて目にした写真の中のアヘン中毒者は、目の前の村人たち同様にやせ細っていて、ゴロリと地面に寝転がっていた。
なるほど。これが「神の実」、そして「神の洗礼」とやらの正体なのだ。
22 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:11:49.25 ID: Vd46qG3Z0
/ ,' 3「ブーン殿、どうしたとですじゃ?
お主も思う存分吸いなされ。気持ちよくなるべぇ?」
穴倉の光景を前に思案をめぐらし、呆然と立ち尽くしていた僕に向け、
地面に転がった村長が見上げながら語りかけてくる。
その声に反応して、穴倉中の大人たちの視線が一気に僕へと集まる。
こけた頬。浮かんだ頬骨。
窪んだ眼骨の下にある、光の無い、餓鬼にも似た無気力な瞳。
麻薬中毒者特有の表情。
24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:13:07.85 ID: Vd46qG3Z0
/,' 3「さあ、ブーン殿」
だらしなく寝転がりながら薦めてくる村長の声。
反吐が出た。
彼らがアヘンを吸っていること自体、責めるつもりは毛頭ない。
善悪の判断は時代や文化、人によって様々だからだ。
僕が許せなかったのはそんなことじゃない。
彼らはアヘンが吸いたいがために、夜の村に子供たちを置き去りにしていた。
アヘンが吸いたいがために、風邪で苦しんでいたしぃちゃんを放って、村から消えた。
「神の洗礼」などとかこつけて、大切なものを置き去りにしたこいつらの精神が、僕は何よりも許せなかった。
27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:15:47.17 ID: Vd46qG3Z0
/,' 3「ブーン殿、いかがなすった?」
この村の大人たちがやせ細っていたわけ。子供が少ないわけ。
すべてに合点がいった。
アヘンに冒された体では、精神では、子作りなどおよそ出来はしまい。
彼らの愚かさに怒りがこみ上げてきた。
同時に、一年も同じ村にいながら気づくことの出来なかった、
そんなバカな自分にも怒りがこみ上げてくる。
( ^ω^)「ふざけるなお」
気づけば口に出してしまっていた。
続けて、僕に注がれていた大人たちの視線が豹変する。
明らかな怒気を含んだ、敵意むき出しの視線。
しかし、やせ細りだらしなく寝転ぶ彼らがどんな目をしようと、僕には恐怖など一切感じられない。
僕は続ける。
29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:17:06.06 ID: Vd46qG3Z0
( ^ω^)「何が『神の実』だお。それは『悪魔の実』だお。
あんたらは知らないだろうから教えてやるお。
あんたらが吸っているのは『アヘン』という麻薬だお。体も心も腐らせる、最悪の煙だお」
/ ,' 3「……ブーン殿、何を言っとるんじゃ?
いくらお主とて、わしらの神を侮辱することは許しませんぞ?」
( ^ω^)「何が神だお。アヘンをもたらす神なんかいやしないお。
もしそんな神がいるとしたら、崇めることなんかやめたほうがいいお」
その一言に、室内に満たされていた空気が変わった。
殺気の一語で表すに十分な雰囲気。
寝転がっていた大人たちが、ゆらりと立ち上がる。
僕に向け、彼らの憎しみのまなざしが送られてくる。
/ ,' 3「……やんれやれ。おめもドクオと同じことさ言うか」
( ^ω^)「ドクオ? どういうことだお?」
31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:18:16.76 ID: Vd46qG3Z0
/ ,' 3「簡単じゃ。大人になったあいつを、わしらはここさ連れてきた。
そすて、おめにも話した伝承さ伝えた。
じゃが、あいつもおめと一緒で、神の洗礼を否定しおった。わしらの神を否定しおった」
( ^ω^)「そういうことかお」
だから、村人はドクオを無視し続けた。
だから、ドクオは村から遠く離れたところに一人で住んでいた。
子供たちは何も知らない。
だから、しぃちゃんやギコはドクオをなんら否定しなかった。
ドクオを慕っていた。
( ^ω^)「……全部わかったお。だからあんたらはドクオを……」
32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:20:43.20 ID: Vd46qG3Z0
/ ,' 3「そうじゃ。あいつを村から追放した。
じゃが、あいつもわしらの村の子じゃ。さすがに命までは取らんかった。
だども、おめは違う。
おめは『死んだ大地』から来た、『ブーン』の名さ持つ男。神の名前さ名乗る男」
( ^ω^)「……神の名前かお」
なるほど。僕が適当に名乗った『ブーン』とは、彼らの神の名前だったのか。
だから、ドクオも村人もはじめは驚いていた。
伝承を知らなかったからこそ、しぃちゃんやギコは驚かなかった。
しきりに納得する僕。そして村長は、この世で最も面白い冗談を放ってくれた。
/ ,' 3「んだ。『ブーン』とは、この世を終わらせた裁きの神の名前だ」
33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:21:48.09 ID: Vd46qG3Z0
( ^ω^)「お? すまんお。もう一回言ってくれお」
/ ,' 3「……『ブーン』はわしらの神、そんでこの世を終わらせた裁きの神の名前だ」
( ^ω^)「……おっおっお。おっおっおwwwwwwwwwwwwwwwww」
/ ,' 3「……」
おかしかった。ここまで笑ったのははじめてだ。
滑稽だ。あまりにも滑稽すぎる。
( ^ω^)「ブーンがこの世を終わらせた神で、おまけに裁きの神かおwwwww」
確かに、内藤ホライゾンはこの世の終わりに加担した。
世界を終末に導いた根本だと言っても過言ではない。
そして、その体を引き継いだ僕が名乗った名前が、この世を終わらせた神と同一のもの。
おまけに、裁きの神ときたもんだ。
37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:23:14.49 ID: Vd46qG3Z0
( ^ω^)「何を言っているんだおwwww
裁きを受けるべきなのは内藤ホライゾンじゃないかおwwwww
それともこの体を受け継いだ僕が、内藤を裁く神になれってかお?
冗談にしては面白すぎるおwwwww」
ひとしきり笑い転げたあと、笑い涙をぬぐって周囲を確認した。
村長も周囲の大人たちもみな、そろって殺意に満ちたまなざしで相変わらず僕をにらみつけていた。
/ ,' 3「……ともかく! そげなおめがわしらの神さ否定するってこたぁ、
おめは神なんかじゃね。偽もんの神、悪魔じゃ!
悪魔は災いさ村にもたらす。村さ滅ぼすにちげぇねぇ。その前に、わしらは悪魔を殺さねばならねぇ」
( ^ω^)「……僕を殺すつもりかお?」
/ ,' 3「ああ。死んでもらうだ」
39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:24:43.34 ID: Vd46qG3Z0
村長の一言を合図に、大人たちが僕を取り囲み始めた。
僕が背にした出口の方からも、人の足音が聞こえてくる。
逃げ場は無い。アヘンを拒むのであれば、戦うほかに道はない。
懐に手を入れ、銃のセーフティをはずす。身構え、いつでも抜けるようにする。
従者に背負われた村長が、ゆっくりと語りかけてくる。
/ ,' 3「おめがしぃとギコに連れられてきたとき、
わしはおめさんを神さんか、もしくは神の使いかと思っただぁ。
おめはわしらの神さ名乗った。おまけに大した技術さ、わしらに教えてくれた。
わしがそう考えるのも当然じゃ。じゃが、違ったようじゃのぅ。
これまでうまく騙してくれたなぁ。もう少しで大変なことさなるところだったぁ」
( ^ω^)「ふざけるなお。今のままの方がもっと大変なことになるお。
有りもしない神と神の実とやらに頼っているうちは、あんたたちに未来は無いお」
/ ,' 3「戯言は結構じゃ。悪魔の言葉なぞ聞く耳持たんわ。
神を侮辱した罪、死んで償ってもらうだぁ!!」
41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:26:30.24 ID: Vd46qG3Z0
大人たちが腰を落とし、身構えた。
一気に僕へと向かってくるつもりだ。
だけど、残念だが、ここで死ぬわけにはいかない。
こんなくだらない理由で殺されるわけにはいかない。
銃を取り出す。
威嚇として一人、打ち抜かなければなるまい。
初めて本気で人を撃つ。抵抗はあるが仕方がない。
覚悟を決め、引き金を引こうとした。そのときだった。
('A`;)「ブーンさ! こっちだぁ!!」
43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/12/19(水) 01:28:06.97 ID: Vd46qG3Z0
僕の背後、出口の方から声が聞こえた。
間違いない。ドクオのあの声。
僕は一目散に出口へと駆け出す。
たどり着いた出口には、ドクオに殴り倒されたらしい見張りの村人が転がっていた。
そしてドクオも、そこにいた。
('A`;)「急げ! 早く!」
(;^ω^)「助かったお! でもどうしてここに!?」
('A`;)「わけはあとで話す! 今は逃げることが先決だべぇ!」
(;^ω^)「把握したお!」
ドクオの言葉に従って、僕は森の中へと駆け出していった。