314 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 13:51:23.99 ID: krlhM2Pu0
二人は小走りに。
(´<_` )「あれがいい」
弟者は指を刺す。
その先にはお化け屋敷。
( ´_ゝ`)「俺はジェットコースターの方がいい」
弟者はふくれっつらをした。
身長制限で、兄者は乗れても、弟者は乗れなかったのだ。
ここは遊園地。VIP県の中にある、大きいとは言えないけれど、そこそこの施設が整っている。
父者が彼らの後ろから「二人で仲良く遊びなさい」と言った。
( ´_ゝ`)「むう…弟者、早く大きくなれよ」
(´<_` )「…うるさい」
兄者は受付のカウンターに乗り出して顔を出した。
子供二人。
保護者が必要かと思ったが、そうでもないらしい。
315 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 13:53:01.54 ID: krlhM2Pu0
(*´_ゝ`)「いくぞー!」
(´<_` )「うむ」
はじめは乗り気でなかった兄者が、入り口の扉を開けてもらい、先に入る。
弟者はその中に入ろうとして、足を止めた。
( ´_ゝ`)「どうしたのだ?」
(´<_`;)「えっ…いや……」
扉を開けてすぐには、簡単なカラクリ人形のようなもの。
規則的に、大きな口を開閉している。
(´<_`;)「やっぱり、やめようかな…なんて」
( ´_ゝ`)「なんと!弟者が行こうと言いだしたのではないか」
恐らく明るいところでみたのなら、特に恐怖は感じないのだろうけれど、
そこは暗く、今にもでそうな雰囲気。
おばけやしきなのだから、当たり前の装飾ではあるのだが。
316 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 13:55:37.91 ID: krlhM2Pu0
( ´_ゝ`)「まあいいや。弟者が行かないのなら一人で行って来る。
すぐ戻るからそのへんで待ってろ」
(´<_`;)「あっ…まって兄者」
兄者が暗闇に消えた。
それを見て、どうするか散々迷った。だが、すぐに弟者も後を追った。
後ろで扉が閉まる。
(´<_`;)「兄者、兄者!」
弟者が兄者にくっつく。
( ´_ゝ`)「なんだきたのか弟者、歩きにくいから離れてくれんか」
(´<_`;)「むう」
暗闇と言っても完全に光がないわけではない。
ほんのり見える照明。その程度の光を残して、自分の歩く道が微妙にわかる。
317 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 13:58:11.40 ID: krlhM2Pu0
夜の学校が舞台なようで、音楽室。と矢印のかかった札が見えやすいように掲げてある。
( ´_ゝ`)「弟者。こっちかな」
(´<_`;)「うん」
( ´_ゝ`)「…弟者?」
引っ付いていた弟者を、兄者はようやく見る。
自分で来たいと言ったのではないか。と、もう一度もらす。
( ´_ゝ`)「弟者、目を瞑っていたら何もみえんが」
(´<_`;)「うん」
( ´_ゝ`)「目を開けろ。入った意味がないではないか」
(´<_`;)「うん」
(;´_ゝ`)「……」
完全に進行方向は兄者まかせ。
兄者の動きに合わせて弟者が歩く。
319 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 14:00:38.28 ID: krlhM2Pu0
時折、周りのものが動いた。
その音がするたびに、弟者は腕の力を入れる。
( ´_ゝ`)「何もないから、何も」
(´<_`;)「うん」
先ほどからそれしか言わない弟者に、兄者は呆れ顔。
その時後ろから何かが来た。
(;´_ゝ`)「うわっ」
(´<_`;)「え?なに」
それに追われるようにして走る。
とは言え目を開けようとしない弟者がくっついているので
どうしてものろのろとした歩みにしかならない。
(;´_ゝ`)「おい、弟者!」
(´<_`;)「うん」
(;´_ゝ`)「うんじゃなくて!」
兄者は弟者を引き剥がして、手を引っ張った。
後ろからは、亡霊。
321 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 14:01:29.35 ID: krlhM2Pu0
あわてて進む、進む。
音楽室など殆ど見れていない。
何かピアノがあったり、壁に色んな絵が飾ってあったりしたのは
視界の端にちらりと見えた。
( ´_ゝ`)「はぁ、はぁ」
(´<_`;)「兄者、まだおわらんのか?」
(;´_ゝ`)「歩いているだけのくせに偉そうに!」
次は何かと見てみれば、理科室と書かれた札。
あといくつの部屋を通れば終わりなのか。
( ´_ゝ`)「もういい、弟者こっちこい」
(´<_`;)「え?」
( ´_ゝ`)「背負ってやる。こっちの方がはやい」
兄者はしゃがんで、弟者に乗れ、と言う。
同じ年齢の子供同士とは言っても、彼らはかなり体格差があったので
兄者にとっては苦もないことなのだろう。
322 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 14:03:34.01 ID: krlhM2Pu0
( ´_ゝ`)「おまえがいたんじゃ、楽しめるもんも楽しめん」
(´<_`;)「うん、ごめん」
( ´_ゝ`)「早く大きくなればいいのだ。男のくせにうじうじしやがって」
(´<_`;)「うん…ごめん」
弟者は薄めを開いて兄者の背に乗った。
それだけで、周囲に恐怖を感じたらしく、勢いよくしがみつく。
(;´_ゝ`)「ぐえっ」
ぎゅっと目を閉じて、兄者の首に顔をうずめる。
まだまだ子供だな。
双子の弟に、そう微笑んで残りの道を進んだ。
323 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 14:06:05.48 ID: krlhM2Pu0
「おやおや、この子ったら」
出口で待っていた母者が笑う。
妹者は、父者に抱きかかえられて「兄者ー」と手をふった。
( ´_ゝ`)「弟者、ついたぞ、外だ」
(´<_`;)「うん」
兄者に降ろされた弟者は、それでも兄者に抱きついた。
「怖かった?」と問われた兄者は「普通」と答え
弟者は「怖かった」と答える。
( ´_ゝ`)「一度でも見た?見たのか?」
(´<_`;)「み、見たぞ。一度だけだけど…」
どこかの廊下のようなところ。
それしか覚えにないけれど、脳裏にしっかりと焼きついている。
兄者は、呆れたような、小ばかにしたような表情を弟者に向けた。
(´<_`;)「むう…」
しゅん。とした弟者の頭を撫でる。
くすぐったそうにして、けれど嬉しそうに兄者を見上げた。
じゃあ次はどこに行こう。
そう笑って、一日は過ぎる。
325 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 14:07:25.77 ID: krlhM2Pu0
おわりおわりー。子供時代の話
残ってたからついかいた。反省はしていない
こんな時間に支援さんくすw