2 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:05:11.93 ID: nfAzO+IA0
前>>251
かいてみた。かなり色々ゆがんでるが、こんなんでどうだ。
兄者だけだと華がないんでツンも。俺がかくと萌えない可愛くない。
http://imepita.jp/20070924/762320

 

 

4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:06:39.97 ID: nfAzO+IA0
(*^ω^)「さああ!皆、練習だお!!!」

ξ゚听)ξ「う、うん…そうね」

('A`)「まあ…そうだな…いくか」

口篭りつつ答える。
出来れば彼と関わりあいたくないと二人は思ったが、そうもいかない。
文化祭はもうすぐなのだ。練習もせずに本番を迎えるのは嫌だ。
逃亡するのも、嫌だ。

ξ゚听)ξ「どこだっけ?」

( ^ω^)「第二体育館だお!もー皆忘れっぽいお!」

笑顔を振りまいて、2人を急かす。
2人。1人足りないことに気付き、ブーンは彼の席へと走った。

( ^ω^)「兄者も早くするお!いつまでノート取ってるんだお!」

(;´_ゝ`)「あっ…ああ…」

一瞬怯えた表情を見せる。そしてあからさまに顔をそらす。
さっ、と泣きそうに、顔を赤らめたのはブーンの気のせいか、否か。

( ^ω^)「兄者………」

覚悟はしていても、いざ避けられると心苦しい。
兄者だけではない。今日は誰もブーンと目を合わせようとしなかった。

 

 

8 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:09:06.90 ID: nfAzO+IA0
昨日の今日。
クラスの殆どの生徒の目の前で、暴力を振るったブーンに対する風当たりは冷たそうだ。
ブーンは落胆する。

ξ゚听)ξ「叩けるようになった?」

(;'A`)「うーん、なんとか。でもまだ途中で
    自分がなにやってるかわからなくなってぐちゃぐちゃになるんだよ」

( ´_ゝ`)「練習しかないだろう」

ξ゚听)ξ「私の歌ってる途中に止まらないでよね。恥ずかしいから」

(;'A`)「がんばります」

(;^ω^)「ちょ、ちょっとちょっと」

彼らを待っていたというのに、自分を無視して行こうとする3人。
追いかけて、話にまざろうとしても”いない人”のように扱われる。

(;^ω^)「ブーンも頑張って練習したお!全部ひけるようになったお〜」

ξ゚听)ξ「……」

(*^ω^)「お?」

ツンが微妙に目線をブーンの方に、向けようとして急いで逸らした。

 

 

9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:11:01.27 ID: nfAzO+IA0
( ^ω^)「どうしたお?」

ξ゚听)ξ「あのね」

目的方向をじっと見る。
少し足早になった。

ξ゚听)ξ「話かけないでくれない?仲間だと思われたくないわ」

バンドはもう組んでしまった。
後戻りのできないことだけれど、ツンはどうしてもブーンといることに耐えられなかった。
ドクオも兄者も、何も言わないが、言わないことが同意を示す。

( ;ω;)「なんでだお……どうしてだお……昨日まで友達だったのに…」

('A`)「おまえなんか、友達でもなんでもねえ。勘違いすんな」

泣きつくブーンを一蹴する。

( ;ω;)「そんな…ひどいお…!ずっと、ずっとそう思ってたのかお!?」

ξ゚听)ξ「だって事実だし」

( ;ω;)「ツンまで……。兄者…兄者からもなんか言ってくれお!」

(;´_ゝ`)「ひっ…あまり近づかんでくれんか…」

腕を掴もうとしたら全力で避けられた。
皆に嫌われてしまったという思いで、ブーンの心は張り裂けそうだ。

 

 

10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:11:42.09 ID: nfAzO+IA0
ξ゚听)ξ「っていうか、気持ち悪い」

( ;ω;)「き、気持ち悪い!?気持ち悪いって言ったかお?」

('A`)「気持ち悪いから気持ち悪いって言ってんだよ、気持ちわりぃな」

( ;ω;)「3回も気持ち悪いって言わなくても良いと思うんだお!!」

地面に崩れ落ちた。
土下座のようにうなだれ、こうべをたれる。

ひらり、と短いメイド服のスカートがめくれ

(;'A`)「それ以上はストップストップ!なし!なしだ!!!やめてくれ!!」

ξ;゚听)ξ「うっぷ……見たくもないものを見ちゃったわ」

( ´_ゝ`)「俺的には既に存在自体が無しなんだが」

 

( ;ω;)「兄者がやれっていったんだおおおおおおおおおおおおおおお」

ブーンの叫びは第二体育館に響き渡った。

 

 

15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:16:47.52 ID: nfAzO+IA0
( ´_ゝ`)「いや、俺じゃないし。弟者だし」

(#^ω^)「もとはと言えば!」

( ´_ゝ`)「元はと言えば?ん?何だったっけ?」

(*^ω^)「ごめんなさいですお」

「こいつめ☆」と星をつけて、ブーンは自分の頭をコツン。と叩く。
それを誤って見てしまった者は吐き気を訴え、戦意を喪失させた。

本日、朝、学校に来てからブーンはメイド服で過ごしてきた。
登校した際に、既にブーンの机にぽつんと置いてあった紙袋。
ブーン当ての袋を開けると、中に入っていたのは、サイズの合わないメイド服。

(;^ω^)「あー、力を抜いたらやぶれそうだお」

(;'A`)「それマジ勘弁してくれ」

ξ゚听)ξ「見たくないわ。全力で見たくないわ。見たら死ぬ」

こんな調子で練習が出来るのか、不安で堪らない。
それでも、間近に迫った文化祭に向けての練習はしなければならない。
もししなかったならば、恥をかくのは自分達なのだ。

( ´_ゝ`)「えーっと。俺はじめて合わせるんだが、どこまで行った?」

アンプを繋げる。
音量を調節して、設置済みのギターを鳴らす。

 

 

16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:18:49.85 ID: nfAzO+IA0
('A`)「俺らも2度目だから。
   ていうか前合わせた時は酷かったし、今日はじめてでもかわんね」

(;´_ゝ`)「本気で大丈夫なのか?」

( ^ω^)「なんとかなるなる」

(*'A`)「ケンタッキー」

( ´_ゝ`)「それ、食べたくなるなるだから」

(*'A`)「誰かケンタッキー行ってフライドチキン買ってこいよ。勿論おごりで」

ξ゚听)ξ「自分でいけ」

( ´_ゝ`)「おまえが池」

( ^ω^)「ひとりでいけお」

('A`)「うん、そう言われると思ったけどさ。
   もう少し、いいねーとかいう反応が欲しかったな」

( ´_ゝ`)「いいねー。食べたいねー。

                                早く買ってこいよ」

 

 

17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:19:10.14 ID: nfAzO+IA0
( ;A;)「知ってたさ、おまえらが冷たいヤツだってことくらい、知ってたさ」

ξ゚听)ξ「そんなことどうでもいいから早く始めましょ。時間は有限なのよ」

(;^ω^)「いつの間にか昼休みが残り30分に」

( ´_ゝ`)「じゃあこれから。ドクオカウント」

(;'A`)「え?何それ?」

( ´_ゝ`)「え?」

 

 

20 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:20:50.77 ID: nfAzO+IA0

 

 

 

(;^ω^)「なんかあんまり練習できなかったお」

ξ;゚听)ξ「まさかイントロで躓くとは予想外だったわ」

(;'A`)「う、うん。でもドラムは上手くなった気がする」

(;^ω^)「ベースもだお。その部分だけ」

昼休み終了のチャイムが鳴るまで練習し続けた。
だが、思ったより成果はなかった。
バンドなどもっと簡単に出来るものだ。と、いう甘い考えがブーン達にはあった。
それこそ、ちょっと練習すれば出来ると。

カシャ。と音がして、閃光が目に焼きつく。

21 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:21:34.22 ID: nfAzO+IA0
  _
( ゚∀゚)「頑張ってんじゃん?どうよ、進み具合は」

ジョルジュの構えたカメラが発光源だった。
人好きのする笑顔が、一眼レフに隠れて見える。

( ´_ゝ`)「最悪」

( ^ω^)「っていうか、ジョルジュは何やってるんだお」
  _
( ゚∀゚)「部活だぜ!今年の写真部は忙しいんだ。おっとそうだブーンも一枚」

レンズを覗いてブーンを写す。ブーンは条件反射でピースをした。

(*^ω^)「いえーい」
  _
( ゚∀゚)「いえーい。ミスターアホゲット」

( ^ω^)「え?」
  _
( ゚∀゚)「ほら、こないだのミスターミスアンケートあっただろ?
     その中の…まあ当日に廊下に貼られるだけだから気にすんな」

ミスターVIP、ミスVIP。
全校生徒+ゲストにアンケートを取って決める、所謂ミスコン。
単純にそれだけではなく、いくつかのジャンルに分かれていて、ジャンル別に投票するのだ。
一位になった生徒には、何かが送られるとかという噂。

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:23:48.37 ID: nfAzO+IA0
(*^ω^)「おっおっ。ブーンがミスターVIPなのかお!?」
  _
( ゚∀゚)「そういうことにしといてやるよ」

ξ;゚听)ξ「ていうかブーン、その格好でいいの?」

(;^ω^)「あ」

 

(*;ー;)「きゃはははは!!ブーンクンこれはないわ!!!」

人。人。人。
文化祭が始まると、学校の生徒だけではなく、他学校からも生徒が来る。
それ以外にも、学生の身内、ご近所さん。来校するのは様々だ。

そんな中、女子生徒が廊下の壁に向かって指を刺す。
一緒に居た友人と、奇妙な物体を見つけたように笑い合っていた。
声を聞きつけて、偶然その場に居合わせたブーンが一緒に回っていたツンに話題をふる。

(*^ω^)「もしかしてミスター&ミスのアンケートやってるのかお?」

ξ゚听)ξ「へえ、誰がエントリーされてるのかしら」

人だかりの中に入り込む。
学年順にかなりの写真がずらりと壁に並んでいて、その下には番号が書かれている。
変態対策として、名前は書かれていない。

26 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:25:43.89 ID: nfAzO+IA0
横の机にはアンケート用紙と、アンケートBOX。
紙の上には、ミスター、ミスアンケート。と、手書きの文字がデカデカと場所をとっていた。
そして、ミスターVIP、ミスVIPに相応しいと思われる人の番号を書いて下さい。
と、カッコが用意されている。

ξ゚听)ξ「ああ、だから私たちも番号つけろって言われたのね」

制服の端に丸く赤い番号札。
選抜したのは、各クラスの実行委員か何かだろうか。

(*^ω^)「ブーンとツンで、ミスターVIPとミスVIP取れたらいいお」

ξ゚听)ξ「私はともかく、ブーンがとれるわけないじゃない」

(;^ω^)「やっぱそうかお…。でもツンは可愛いからミスVIPに選ばれるかもしれないお」

ξ ///)ξ「な、何言ってんのよ!」

(;^ω^)「でもなってほしくないお…。皆がツンを狙ってるってなると、不安だお…」

ξ ///)ξ「不安になることなんかないじゃない!別に付き合ってるわけじゃないんだから!」

27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:26:38.42 ID: nfAzO+IA0
( ^ω^)「そうだおねー」

ξ#゚听)ξ「もっと不安がれよ」

良い雰囲気になりそうで、ならない。
その後方で、ドクオと兄者は彼らをタシロしていた。

( ´_ゝ`)「いやーそこは、私にはブーンしかいないわよって言うとこだろ」

('A`)「ツンに言えるわけがない」

( ´_ゝ`)「進展は皆無っぽいな」

('A`)「そうだなぁ」

聞き耳を立てる。
周りの音がかなりうるさいので聞き取り難い。

これ以上後をつけても無駄だと察して、来た道を戻った。
地べたに座りやがってる生徒が邪魔でならない。

30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:28:32.56 ID: nfAzO+IA0
('A`)「っていうか、いいのか?弟者はどうした?」

( ´_ゝ`)「あんなやつなんか…。前半に入りやがって…俺ら後半なのに…」

('A`)「ああ、なるほどね」

( ´_ゝ`)「からかいに行ってやろうぜ」

2年の教室に向けて歩きだした。
VIP高祭が始まって、それほど時間は経過していないので、本校生が多い。
だから、違う制服がいると目立つ。

('A`)「おばけやしきだよな。すごい大掛かりにつくってたけど、どうなったんだろ」

( ´_ゝ`)「さあ?秘密らしいからなあ」

(;'A`)「俺あんまり怖いの得意じゃないん―――っ」

( ´_ゝ`)「おっと」

足をひっかけられ転びかけたドクオを、兄者は支える。
誰だ。と足の先を辿ると、学ランの高校生だった。

(;'A`)「うわ…ラウンジかよ……」

(´・ω・`) 「なに?いちゃ悪い?」

(;'A`)「あっ、いや、何でもないっす」

31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:30:06.10 ID: nfAzO+IA0
思わず零れ出た言葉を聞かれて、ドクオは焦った。
このへんで学ランといえば、悪名高い、あのラウンジ高。
かつあげ、万引き、なんでもござれ。
周囲からしてみれば、潰れてないのが不思議でたまらない。

中学の時に、ドクオはラウンジ高の生徒にかつあげされたことがあり、
それ以来学ランは苦手だった。

(´・ω・`) 「あっそう。次からは気をつけてね」

(;'A`)「はい、すみません。気をつけます」

へこへこと頭を下げる。
その間、兄者はしょぼくれた顔の青年が立ち去るのを眺めていた。

(;'A`)「な、なんで謝らないんだよ!怒られたらどうすんだ!」

( ´_ゝ`)「俺何もしてないし」

(;'A`)「何もしてなくても謝んなきゃ駄目なんだよ!相手はラウンジだぜ!」

( ´_ゝ`)「意味がわからん」

(#'A`)「わかんなくてもあやまる!!いいか!とりあえず謝れ!話はそれからだ!」

(;´_ゝ`)「ご、ごめんなさい」

(#'A`)「わかればいいんだよ、わかれば」

(;´_ゝ`)「あのなぁ…」

34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:32:27.08 ID: nfAzO+IA0
何か言いかけて、途中で言葉を失う。
異様な雰囲気が前方に感知されて、何を言おうとしたのか忘れた。

人が何人も並んでいるけれども、何故かそこだけ別空間のよう。
廊下の窓に、赤いセロファンが何重にも貼ってあり、近づくだけで真赤な世界が近づく。
天井からは妙にリアルな蜘蛛やこうもりの玩具がぶら下がっていて、

(´<_` )「なんだ、来たのか」

ヴァンパイアが受付をしていた。

( ´_ゝ`)「ちょwwwwwwwwをまwwwwwwwwwwwww」

(´<_` )「うるさいな。冷やかしなら帰れ」

(;'A`)「暑くないの?」

(´<_`;)「クソ暑いわ」

燕尾服の上に黒いマント。吸血鬼をイメージした服装。
9月に入ったとはいえ、まだまだ残暑が厳しい。この時期にする格好ではない。
受付は二人居て、弟者の隣に座っていた生徒は、魔女の格好をしていた。
おばけやしき、というより、ハロウィンを連想させてしまって、兄者は笑う。

( ´_ゝ`)「うけるwwwきめえwwwwww視界に入んなwww暑苦しいwwwwww」

(´<_` )「ならあんたがくんな」

35 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:33:01.06 ID: nfAzO+IA0
( ´_ゝ`)「お化け屋敷って知ってる?幽霊よってきやすくなるんだぜ。
      もしかしたらここにも…」

(´<_`;)「わあああ!!ああああ!!」

( ´_ゝ`)「こういう話をしてても……」

(´<_`;)「ない!!ないから!!!!」

強気だった姿勢が一転。弟者は耳を伏せて、その上から更に手で塞いだ。
辺りを気にしだしたりして、行動がどこか挙動不審である。相当怖いらしい。

( ´_ゝ`)「トイレにも一人でいけなくなっちゃったなーかわいそうに…」

(´<_`#)「いけるわ馬鹿!」

(;'A`)「弟者って怖がりなのか…」

(´<_`#)「なわけないだろ」

36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:33:39.36 ID: nfAzO+IA0
( ´_ゝ`)「そういえば、VIP7不思議って知ってる?」

('A`)「あーあれだろ?音楽室のベートーベンの目が動くーとか。誰がみたんだよそんなの」

( ´_ゝ`)「今度調べてみないか?みんなで」

('A`)「肝試し?夏もう終わるけど」

( ´_ゝ`)「秋の夜の校舎も乙だよな」

( <_  )「マ ジ か え れ」

教室に入っていた生徒の悲鳴をバックに、蹴飛ばされながらその場を後にした。
既に体験した生徒同士の会話では”本当にこわい”らしいが、
この分では近づいただけで追い出されそうだ。

41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:36:33.19 ID: nfAzO+IA0

 

ツンを先頭に、ブーンは歩く。
人の隙間を足早に進む彼女に置いて行かれないように、
色々な人にぶつかりそうになりながらも、ブーンはついていった。

ξ゚听)ξ「って言っても、特にすることがないわ」

一旦座りましょう。とツンが提案して、自分のクラスの出し物をしている一角を借りた。
敷地だけは無駄に広いVIP高なので、各部室も広い。

( ^ω^)「じゃあ、別な学校でも行ってみるかお?」

ξ゚听)ξ「いやよーめんどくさいわ。暑いし。もうすぐ後半も始まるし」

( ^ω^)「後半…」

ξ;゚听)ξ「ちょっと!そんな不安そうな顔しないでよ!私まで心配になるでしょ!」

どこかのクラスが売っていたたこ焼きを頬張る。
暖かくはないが、冷たいままで売れるようになっている。
意外といける。と、ツンはもう一つ爪楊枝を刺した。

ξ゚听)ξ「ちょっとくらいミスったって良いわよ、どうせ文化祭だし、
      それに兄者がカバーしてくれるでしょ」

( ^ω^)「うーん。でもやっぱりかっこよく決めたいお」

42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:39:05.51 ID: nfAzO+IA0
今の時間も練習をしたい。と、ブーンは指を動かす。
けれど自分の楽器をもっているわけでもないのだ。
学校にある台数は限られていて、今は全て使用されている。

ξ゚听)ξ「あんたにかっこよさなんか、誰も求めてないわよ」

(;^ω^)「さり気にひどいおー。どうせブーンはかっこよくないお」

ξ゚听)ξ「かっこよくなくても別にいいの。ブーンのそういうとこを好きなわけじゃないし」

( ^ω^)「ならどういうとこが好きなんだお?」

たこ焼きを口に入れながら、ツンはしまった。と、顔を赤くする。
わたわたと食べ終わってからようやく口を開く。

ξ〃)ξ「だっ…誰もあんたなんか好きなわけないじゃない!勘違いしないでよね!」

(;^ω^)「あうあう…でも今……」

ξ〃)ξ「ブーンの耳が悪くなったの!!頭がおかしいの!」

(;^ω^)「めっこり落ち込みんぐ」

結局はここで二人で時間をつぶす。
内容の被っているクラスも多く、食べ物を扱っているところは満腹になれば行く気もしない。

45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:41:19.71 ID: nfAzO+IA0
( ´_ゝ`)「なんだ二人とも、ここにいたのか」

そろそろ時間だ。と、スタンバイをしに来た二人が、ブーンたちに声をかけた。
二人とも見事に手ぶらだ。その辺をうろうろしただけで終わったのだろう。

( ^ω^)「お、兄者だお。暇だったからツンとしゃべってたんだお」

('A`)「あーいいですねーお二人はラブラブで」

ξ///)ξ「そ、そんなんじゃないわよ!勘違いしないで!」

赤面したツンの拳がドクオの頭蓋骨を打ち砕く。
勢い余って脳が飛び散り、テーブルの上や床、
更には飲み物の中にまでドクオの破片らしきものが落ちる。

(; A )...。「あっ」

飛び出てドクオから孤立した目が、ぎょろりと兄者を見た。

48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:43:48.62 ID: nfAzO+IA0
(; _ゝ )「ああああああああああああああああああああ!!!」

テーブルを散らし、椅子を散らし、チラシを散らし。
兄者は転びそうになりながら、人にぶつかりながら、剣道部の部室から出た。

(;^ω^)「ちょ、まてお兄者!」

ξ;゚听)ξ「どこに行くの!?」

(; A )「怒りに我を忘れてる、鎮めなきゃ!」

頭の上半分を失っているドクオが、再生をしながら兄者に続く。

大した距離ではないものの、兄者は走り疲れ、壁に手をかけ全力で呼吸をしていた。
もう大丈夫だろう。自分は何も見なかった。何も、見なかった。と、自己暗示。

(;´_ゝ`)「はぁ…はぁ………ん?」

(; A )「おーい。どこまでいくんだー!」

振り返ってみてみれば
頭部をぐちょぐちょとうねらせながら走ってくる、級友だった者の姿。

(  _ゝ )「――――――――――!!!!」

53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:47:59.63 ID: nfAzO+IA0
その軽くホラーな物体が、自分を目掛け近づいてくる。
周りから見れば、微笑ましい追いかけっこ。
しかし、グロ画像の苦手な兄者にとっては、死んだ方がマシと思えるほどおぞましいものだった。

(; A )「もうはじまるぞー後半〜準備しねえと」

(; _ゝ )「くるな!よるな!!」

(; A )「ええ!?そんなこと言われてもこまるし!」

見ないように努力をしていても、どうしても視線が頭部に行ってしまう。
動いているものを無意識に追ってしまう。というのは、何と不便な機能なのか。

(; A )「ほら、戻るぞ」

腰の抜けてしまった兄者に、ドクオは手を差し伸べる。

( A )「兄者、行こう。俺たちのクラスへ。皆待ってるんだ」

その手が徐々に迫ってくる。
ぴちゃり、くちゃり。彼の頭上で音がする。

57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:50:20.26 ID: nfAzO+IA0
( ;_ゝ;)「………!」

足が立たない状態にも関わらず、兄者はドクオから逃げようとする。
自分を叱咤するも、目の前の現実を直視してしまえば全身から力が抜けてしまう。

( ;_ゝ;)「ひっ……ひああっ……ひゃあああ……」

(;'A`)「どうしたっていうんだよ」

ドクオは、何故兄者が急に自分を怖がりだしたのか理解ができなかった。
ツンに殴られて、叫んだのが兄者。
痛かったのは自分なのに、何故兄者が。そういう気持ちでいっぱいだった。

前半と後半、交代のアナウンスが流れる。

58 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:54:02.88 ID: nfAzO+IA0
(;'A`)「おちつけって」

ナウシカを包む王蟲如く、ドクオは兄者を包んだ。
逆効果だとも知らずに。

(|ll! _ゝ )「…はっ……ひゃぁあ………ひっ」

ドクオの頭部が再生されるたびに
少しずつ治っていくたびに
やわらかいゼリー状のものが、ぼたり、ぼたりと床に、兄者に、落ちる。

服につき、真赤な染みをつくる。
あるいは、するりと肌を、重力に従い舐める。

('∀`)「おいで、さぁ。ほら、怖くない。怖くない。
    ほらね、怖くない。ね?怯えていただけなんだよね」

すっかり元の姿に戻ったドクオが笑いかける。
が、そこにいるのは、頭からドクオの血を被って、真っ白に燃え尽きた兄者だった。

 

↓何事もなかったかのように文化祭は続きます

61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 22:58:28.37 ID: nfAzO+IA0
( `ω´)「みんなああああああいくおおおおおおおおおお」

('A`)「おー」

ξ゚听)ξ「おー」

( ^ω^)「ちょwwwwwwテンション低いおwwwwww兄者に至っては返事なすwww」

ξ゚听)ξ「いいから早くはじめなさいよ」

('A`)「そうだそうだ」

( ^ω^)「いやいや、はじめるのはブーンじゃなくてつn」

('A`)「いっちにーさん、はい」

( ^ω^)「やるきNEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE」

(*゚ー゚)「gdgdはんたーい」

( ^ω^)「すまんこまんこ。それでは”ブーンと愉快な仲間たち”が3曲ほどお送りしますお」

ξ゚听)ξ「誰が愉快な仲間たちだって?」

(;^ω^)「改め”ツンとその下僕たち”がお送りします…どうぞ聞いてください……」

はじめの一曲はツンがカウントをする。
ドラムが始めに入っているために、ドクオはカウントがとりにくいのだ。
制服を叩くように、体全体でリズムを取る

66 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:02:16.97 ID: nfAzO+IA0
ξ゚听)ξ「1,2,3,4」

1に合わせて怒涛の如くスネアを叩く。
すぐにギターが合わさり、ベースも混じった。

(;´・ω・`) 「こ…これは……」

かにミソを食べていた男が感嘆の声を上げる。

(;´・ω・`) 「ロックなアソパソマソ…!なんというセレクト!!」

(*゚ー゚)「おかわりはいかがでしょうか、旦那様」

(´・ω・`) 「いただこう。ミルナもどうだい?」

( ゚д゚ )「いや、オレはいい。見ているだけで吐きそうだ」

先ほどドクオが会った男と同じ制服を着ている、ミルナと呼ばれた男が眉をしかめた。
どうしてこんなものを食べれるのか。といった目だ。
それを察したのか、男がミルナに目配せする。

(´・ω・`) 「大人の味ってやつだよ」

( ゚д゚ )「ショボンは何でもお見通しなんだな」

(´・ω・`) 「君の目が何でも語りすぎなんだよ」

見つめあう男と男。はたから見れば変な二人だ。
更に、ラウンジの学生である。ということも付加されて、余計に周囲はピリピリとしてしまう。

68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:06:19.56 ID: nfAzO+IA0
(*゚ー゚)「お待たせいたしました。かにミソでございます」

(´・ω・`) 「うむ。苦しゅうない」

( ゚д゚ )「どこの時代の人間だ?」

(´・ω・`) 「僕時代の人間さ」

いつものことなのだろう。ミルナはショボンの台詞を無視する。
目の前の男から、ウエイトレス改め、執事の格好をした女に目線を送る。

( ゚д゚ )「ところで、アンタ」

(*゚ー゚)「こっちみんな」

( ゚д゚ )「………」

(  ゚д)「2年の河内というやつを知らないか?」

(*゚ー゚)「こうち?聞いたことありやせんぜぇ旦那ぁ」

( ゚д゚ )「そうか、それは失礼」

(*゚ー゚)「こっちみんな」

( ゚д゚ )「………」

(´・ω・`) 「………」

73 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:11:24.23 ID: nfAzO+IA0
それ以上喋らなかったミルナと同じく、ショボンは沈黙していたが、その心は違うものだった。
軽口を叩くしぃに対し、睨みを利かせる。
しぃはブーンたちに野次をいれていて、全く気付いていなかった。

(´・ω・`) 「2回も言われて腹立たないの?あんな女ぶっとばしてやればいいのに」

( ゚д゚ )「オレは女に手をあげない主義なんだ」

(´・ω・`) 「…そういえばそうだったね。でも少し語弊があると思うけど」

ξ゚听)ξ「―――――以上〜ありがとうございましたー」

言葉を言い終わるか否か、部屋の中に拍手が沸き起こる。
ショボンも立ち上がって、拍手を送った。

(*´・ω・`) 「ヒュー!いかしてたぜー!!」

ξ///)ξ「べっ別に拍手なんかもらってもうれしくないんだから!!」

ツン達が下がる。少し間をおいて、別な組が入ってきた。

( ゚д゚ )「いつまでもこうやって時間ばかり潰してもいられないな。収集をかけるか」

(´・ω・`) 「もうそんな時間か。腹ごしらえも済んだし、僕はもういいよ」

( ゚д゚ )「ああ」

76 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:13:33.03 ID: nfAzO+IA0
携帯を鳴らす。
今度のバンドのBGM。
激しい鼓動が、これからの自分たちにはぴったりだ、とミルナは思った。

 

 

ぱぱぱぱん。ぱぱぱ。ぱん、ぱん。

甲高い、軽い音なのに、心臓まで響く。
それが校舎全体から発せられ、窓硝子の割れる音も混ざっていた。
続いて、悲鳴。

この剣道部室にも仕掛けられていたらしく
バンドの音楽に割り込むように鳴ったあと、メロディは中断された。

80 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:20:13.65 ID: nfAzO+IA0
(;^ω^)「な、なんだお?」

( ´_ゝ`)「爆竹か。誰かが仕掛けたようだな」

椅子やテーブルの下に置いてあったために、殆どの人は立ちっぱになっている。
兄者は音の元へと行き、黒く火薬の抜けた爆竹をつまむ。

ξ;゚听)ξ「ちょっと、危ないわよ!」

( ´_ゝ`)「これ以上はならん。悪趣味なイタズラだな」

( ゚д゚ )「悪趣味で悪かったな」

(;^ω^)「!?」

82 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:21:52.66 ID: nfAzO+IA0
一斉に、この場にいる全員が彼らを見た。
ミルナとショボンの後ろに、数名の同じ制服を着た生徒が立っている。
ラウンジ。ラウンジだ。と囁く声も聞こえる。

(´・ω・`) 「ああ、そうだ。僕らはラウンジだ」

(;^ω^)「ラウンジの人が、VIPなんかに何の用なんだお?」

( ゚д゚ )「礼を返すだけだ」

(;'A`)「礼?」

( ゚д゚ )「そうさ、礼さ。…これ以上あんたらに言う義理はないな」

(´<_`;)「兄者、大事はないか!?」

騒ぎの中、弟者が駆け込んできた。
異様な雰囲気に呑まれ、たたらを踏むも、兄者の姿を見つけてかけよる。
爆竹を持ったままぼーっと突っ立っていたので、弟者は兄者の手から爆竹を叩き落とした。

86 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:24:34.74 ID: nfAzO+IA0
(´<_` )「何もってんだ!爆発したらどうする」

( ´_ゝ`)「おいおい、見ればわかるだろうに。既になっている」

(´<_` )「もし一つでも残ってたら?これ以上何もないという証拠でもあるのか?」

(;´_ゝ`)「相変わらず弟者はネガティブだな。そんなんじゃ生きていけんぞ」

(´<_`#)「兄者が何も考えなさすぎなんだ!」

両肩を引っ掴んで兄者の目を見る。
最初は兄者も、反抗するように彼の目を見ていたが、徐々に耐えられなくなり自然と俯いていった。
耳まで後ろにヘたれている。

( ゚д゚ )「………」

そんな二人のやりとりを、ミルナはじっと見つめていた。
真っ直ぐな表情は、真っ直ぐすぎて、何を考えているのか理解しにくい。

( ゚д゚ )「見るに耐えないな」

ぽつり。

90 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:27:55.03 ID: nfAzO+IA0
(;´_ゝ`)「え?」

( ゚д゚ )「兄弟とは、もっと殺伐としているべきだ」

(´<_` )「何だこいつ?」

( ´_ゝ`)「多分この騒動の犯人」

(´<_` )「へえ」

( ゚д゚ )「気分が悪い。………さっさとその手を放せ!」

大振りに殴りかかる。
兄者を引いて、弟者は軽く避けた

(´<_` )「ああ、どこかで見たことあると思ったら。あんた河内の弟だろ」

(#゚д゚ )「ふざけたことを抜かすな!誰が!」

(´<_` )「”おにいちゃん”に構ってほしくてイタズラか。
      いやはや、可哀想な弟もいたもんですな」

(#゚д゚ )「てめえ…!」

殴りかかろうとしたら、今度はテーブルクロスを頭からかけられた。
ショボンが呆れた様子で取り外す。

91 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:29:16.37 ID: nfAzO+IA0
( ´_ゝ`)「河内って誰だ?」

(´<_` )「(,,゚Д゚)」

(;´_ゝ`)「え?マジで?」

(´<_` )「まじで。河内ギコと、河内ミルナ。一部の地域で有名だぞ」

( ´_ゝ`)「知らんかった。別にどうでも良い情報だったが」

(´・ω・`) 「どうでも良くても別にいいよ。僕らはこれからVIPを潰すんだ」

(;^ω^)「潰すって?意味がわからんお」

(´・ω・`) 「時期にわかるさ」

95 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:31:28.50 ID: nfAzO+IA0
ショボンが不適に笑う。
元が情けない顔のせいで、余計に気味悪いものがあった。

『ブッ――VIPの皆さんと、ご来訪の皆様にお知らせなんです!』

( ゚д゚ )「…」

突如男の声がスピーカーから流れる。
何が起こっているのか知りたいと、各教室で人々は耳を澄ました。
男は続け

『今のb―――邪魔だ、どけ!この学校は、我々メガネンジャーがのっとった!』

彼を突き飛ばすようにして
女の燐とした声が、聞きやすい音量で、はっきりと宣言した。

『死にたくないやつは、とっとと失せろ。でなければ命の保障はないぞ!』

100 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: ヘッドはミルナ。サブショボン 投稿日: 2007/09/24(月) 23:35:32.44 ID: nfAzO+IA0
『な、何をするですかー!邪魔しないでほしいんです!』

『黙れ』

『り…了解なんです!』

(;'A`)「?」

(´・ω・`) 「!」

( ゚д゚ )「……」

『そういうわけだ。これを信じるも信じないも勝手だがな。後悔はしてからでは遅いぞ―――ブッ』

放送の始まった時と同じくらい唐突に切れる。
女の声。VIPの生徒にとって、この声はどこかで聞いたことがある。

105 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:38:13.80 ID: nfAzO+IA0
( ´_ゝ`)「何してんだ、須名のやつ」

('A`)「確か演劇部で何かするとか言ってたな」

(;^ω^)「なんというタイミング、だお」

呆れた声を放つVIPの生徒とは対象に、ミルナとショボンは顔を曇らせた。
VIPの生徒に命令された、その声は二人の知っているものだったからだ。

( ゚д゚ )「…ビロードか」

(´・ω・`) 「VIP内くらい、一人でいけると思ったんだけどなぁ」

( ゚д゚ )「所詮バカはバカか。喧嘩も出来ない。頭も悪い。全く生きる価値なしだな」

(´・ω・`) 「そこまで言うんだ。友達じゃなかったの?」

( ゚д゚ )「ああ、良いパシリだ」

(´・ω・`) 「酷い男だね」

108 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:41:55.89 ID: nfAzO+IA0
酷いとは言っておきつつも、特に酷いとは思っていない。
それが当たり前。悪いのは、弱者。
そして自分達が悪にならないために、彼らは来たのだ。

( ゚д゚ )「酷いのはVIPだ。オレたちはただ復讐をしにきたんだ」

(´・ω・`) 「うん」

( ゚д゚ )「そして、おまえ。河内ギコを知っていると言ったな?」

ショボンから弟者に目線をうつす。

(´<_` )「知ってるっていうか、クラスメイトなだけだが」

110 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:43:30.06 ID: nfAzO+IA0
( ゚д゚ )「どこにいる?」

(´<_` )「そこまでは知らん」

肩をすくめ、首を振る。
飄々とした態度が、ラウンジの生徒にとっては馬鹿にしているとしか思えなかった。

('A`)「っていうか、兄弟なんだから家で会わないの?」

(´・ω・`) 「あ、それ禁句」

( ゚д゚ )「……」

ミルナは静かにドクオに近寄った。
あまりにも穏やかに近づいたので、ドクオはビクビクとしながらも逃げようとはしない。

115 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:47:04.44 ID: nfAzO+IA0
次の瞬間、ドクオの頭部は体から離れた。
ミルナがドクオを殴ったのだ。

(; _ゝ )「うわああああああああ!!!あああああ!!!」

(´<_`;)「落ちつけ兄者。ドクオが分裂しただけだ」

(#'A`)「何しやがんだ!!クソやろうめ!!!」

転がったドクオの頭部がミルナを罵倒する。

( ;_ゝ;)「ああああああああ!!!あああああああああああ」

(´<_`;)「落ちつけって!!」

おばけは駄目だがグロは平気な弟者が、兄者を必死に拘束した。
そうでもしなければ、死ぬまでどこか走って行きそうな勢いだ。

120 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:50:00.30 ID: nfAzO+IA0
( ゚д゚ )「………」

ミルナはドクオを見ていた。
ツンとしぃによってサッカーをされる頭。
それを止めようと、自分の頭を探そうと、動く体。だが転んだ。

殴った手を見る。
そしてもう一度、ドクオの頭部を見る。
ただ殴っただけだ。それなのに異様な感触が腕に響いた。

(; д )「うああああああああああああああああああああ!!!」

(;´・ω・`) 「おまえもかあああああああ!!!」

今まで何人も殴ってきた。病院送りにしてきた。
しかし、首が飛ぶ。というメルヘンな事態に遭遇したことはない。
錯乱したミルナは>>205をした

121 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:50:15.84 ID: nfAzO+IA0
ちょww105wwww

122 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:50:32.93 ID: UPqWVvlB0
とwwwwwwwwwwwwおwwwwwwwwwwいwwwwwwwwwwwwww

123 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:50:37.20 ID: nfAzO+IA0
なんどもすいませんすいません、125です。

124 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:50:47.14 ID: a7updOvUO
遠すぎwwwww

125 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:50:47.87 ID: NC9nUCoE0
兄者の反応のが普通だろww
何故みんな受け入れてるんだw

126 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:51:11.53 ID: zLXPppi+0
兄者を誘拐

128 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:51:31.76 ID: NC9nUCoE0
ぎゃあスマン

129 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:51:34.55 ID: nfAzO+IA0
あああもう安価のばか!!

130 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:52:10.60 ID: nfAzO+IA0
自分の安価ミスばか!もっかいやりなおしていいですかすいません!

131 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:52:15.76 ID: S1O/Pk/jO
再?

132 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:52:53.67 ID: zLXPppi+0
>>126じゃ……だめかな?

133 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:53:06.39 ID: j78C5hjfO
遠すぎるwww

安価なら裸踊り

134 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:54:39.54 ID: ZhySvqnq0
遠すぎだろww

安価なら泣く

135 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:55:00.15 ID: jf1QStSrO
皆のレスに噴いた

136 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:57:54.03 ID: nfAzO+IA0
うあああ焦りすぎてみのがしてた!
125って言ったので126のでいいかな!

どうしていいのかわからなすぎてどうもできてないよ!

 

137 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:58:52.07 ID: ZhySvqnq0
落ち着け。

>>126にするか安価やり直すか。どっちかをお前が決めろ

138 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:58:52.23 ID: jf1QStSrO
126でいいとおもうよ!!

139 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/24(月) 23:59:38.39 ID: zLXPppi+0
>>126でいいとおもうんだ

140 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:00:33.74 ID: krlhM2Pu0
大変失礼。
>>126で行こうと思う

148 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:14:04.56 ID: krlhM2Pu0
ξ゚听)ξ「反動蹴速迅砲!!!!」

(; A )「ぐわあああああああああああああ」

(;*゚ー゚)「し、しまったああああああ!!」

ドクオボールをシュートする。
兄者の目の前を掠め、ゴールポストに見立てた窓を突き破って、頭部は外へ飛び出してしまった。

( ;_ゝ;)「あああああああああああああ!!!」

(´<_`;)「あっ…兄者!」

弟者の腕を振り払って、兄者はその場から出て行こうとした。

(;´・ω・`) 「なんという…」

(; д )「うおおおおおおおおおおおお」

(;´・ω・`) 「いい加減落ちつけって!!」

( ;_ゝ;)「うあああああああああ」

そして、ミルナにぶつかる。

151 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:21:49.59 ID: krlhM2Pu0
(; ゚д゚ )「はっ…」

衝撃で、我に返ったミルナは目の前の惨劇に冷静に対処しようとした。
これはツクリモノ。ツクリモノ。
血の臭いも気のせい。

( ;_ゝ;)「うっ…うううう……」

( ゚д゚ )「…!」

ふらふらと離れていく青年の首を、左腕で固定する。
少し力を入れれば、首が絞まるだろう。

( ;_ゝ;)「な、なに………」

( ゚д゚ )「放送室へ案内しろ」

そして、脅すために力を入れる。

156 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:26:37.98 ID: krlhM2Pu0
細い首。ぐにゃりと、柔らかい体。
少し力を入れるともげそうなほど。

( д )「うおおおおおおおおおおおおお」

そこまで想像して、ミルナはまた首が取れるのではないかと考えてしまった。
首から腕を外し、肩に抱えて走り去る。
自分がど何をしようとしているのかすら、殆ど忘れ去っていた。

(;´・ω・`) 「おい、ミルナ、まてよ!」

(´<_`;)「兄者!」

二人を追って、ショボンと弟者が走る。
剣道部室内はサッカー場に変わり果てていた。

162 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:35:38.84 ID: krlhM2Pu0
どこまで走ったか。
校舎の勝手を知らないミルナには当然わかるはずもなく。
追いかけていた二人も、ミルナの足の速さについていけず、
廊下で止まってしまっていた。

(; ゚д゚ )「はぁ…はぁ…はぁ……はぁ…」

至る所の窓硝子が割れている。
下手に歩いたら、靴に刺さりそうだ。

そんなことも気にせず、ミルナは走った。

最後にあけた扉は、第一体育館。
誰も居ない空間は奇妙に静まりかえっていた。

167 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:45:46.63 ID: krlhM2Pu0
床に、ミルナは兄者を放り投げる。
躓いて転んだ兄者はそのまま座った。

(;∩_ゝ`)「なんとも…いや、すまん。助かった」

( ゚д゚ )「助かっただと?自分の状況を把握してから物を言うんだな」

( ´_ゝ`)「体育館で休憩。一休みしたら放送室」

(; ゚д゚ )「一応聞こえてたのか」

( ´_ゝ`)「それで、何でまたVIPに?」

( ゚д゚ )「お前には関係のないことだ」

ミルナは体育館の壁を睨んだ。憎しみの感情が、壁を焦がす。
兄者は体育館が火事にならないように、壁の小さな火を吹き消した。

172 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:52:18.91 ID: krlhM2Pu0
( ´_ゝ`)「ギコはあんたの兄なんだろう。見つけてどうするんだ?」

( ゚д゚ )「あんなやつ、兄でも何でもない」

( ´_ゝ`)「そういうからには何か理由があるはずだ。
      同じ兄という立場からしては見過ごせんな」

( ゚д゚ )「お前は兄だったのか。てっきり弟の方かと思った」

(#´_ゝ`)「なんだと!?お前は言ってはいけないことを言ってしまった!」

素早く立って、兄者はミルナの胸倉をつかんだ。
怒ることもなく、ミルナは残念そうに兄者を見る。

175 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 00:58:46.56 ID: krlhM2Pu0
( ゚д゚ )「おまえみたいな、弱そうなやつが兄だったらよかった」

(#´_ゝ`)「弱そうだと!?なんだとヤってみるか!?」

( ゚д゚ )「結果が目に見えすぎている」

(#´_ゝ`)「腹がたつ!弟というものは何故どこも腹立たしいんだ!」

( ゚д゚ )「さぁ―――」

 

バ――ソと盛大に音を立てて教室の扉が開いた。
驚いた弟者が振り向く。

川 ゚ -゚)「いたぞ、貴様が犯人か!」

(´<_` )「いいえ違います」

(;><)「この人が犯人なんです!!」

川 ゚ -゚)「ほうらみろ、彼もこう言っている」

(´<_` )「はぁ。今急いでるんで後でもいいですか」

177 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:00:57.06 ID: krlhM2Pu0
川 ゚ -゚)「あるときはクラスメイト、あるときはバスケ部員、あるときは弟…果たしてその実態は!」

(´<_` )「果たすまでもなく弟者です」

( ><)「白状したんです!!」

川 ゚ -゚)「ほうらみろ、彼もこう言っている」

(´<_` )「ほんと急いでるんで後でもいいですか」

(´・ω・`) 「何やってるの?ビロード」

(;><)「あっ…ショボンさん…!」

182 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:07:40.33 ID: krlhM2Pu0
ビロードと呼ばれた、ショボンと同じ制服を着ている男が体を固くさせた。
威圧感。オーラなど見えない弟者だが、感じられるほど。

(´<_` )「だが俺は行く」

川 ゚ -゚)「なんという卑怯者。この私が成敗してくれる。…変態!」

そう叫ぶと、クーは胸元からメガネを取り出し

川 @-@)「メガネンジャースカイ!!」

(´<_` )「眼鏡かけただけだろ」

川 @-@)「メガネンジャーの力を甘くみてはいけないぞ、弟者くん。
      メガネンジャーが眼鏡をかけたとき、真の力が発揮されるのだ」

(´<_` )「伊達のクセに真の力とか言うのか」

パリィン。
美しい音が響き、クーのつけていたメガネが割れる。
破片が目に刺さらないのは、メガネンジャーだからだろうか。

188 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:14:18.27 ID: krlhM2Pu0
川;゚ -゚)「くっ…なんという魔術を…。きさま、只者ではないな」

(´<_` )「うん、だから弟者だって」

川 ゚ -゚)「お前が仲間になってくれたら、これほど心強いものはない…。
     メガネンジャーになってみないか?」

(´<_` )「ほんと遠慮しますんで」

川 ゚ -゚)「今ならなんと99.8万円!!99.8万円でのご奉仕です!」

(´<_` )「高すぎだから!」

川;゚ -゚)「むう、これでもかなり安くなっているのだぞ。変身機能つきなんだ」

(´<_`;)「あんたと話してると兄者以上に疲れるよ…」

はぁ。と溜息をついた時、隣でボコッと何かがめり込んだ音がした。

192 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:19:54.87 ID: krlhM2Pu0
(#;;><)「い、痛いんです…!」

(´・ω・`) 「そうだろうね。僕の手も少し痛いよ。知ってる?殴る方も痛いんだ。
      心は痛まないけど」

(#;;><)「それは大変なんです!」

(´・ω・`) 「うん、そうだね」

川 ゚ -゚)「何をするだー。そいつは我がしもべだー」

(´・ω・`) 「僕らのパシリだよ」

川 ゚ -゚)「だが今は違うだー」

(´<_` )「いみわかんねぇよ、変な喋りすんなよ」

川 ゚ -゚)「メガネンジャーは眼鏡が割れると、普段通りしゃべりができんのだ」

(´<_` )「今してんじゃん」

196 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:25:56.43 ID: krlhM2Pu0
弟者は頭を抱えた。
今こんなところで、こんなやつらと時間を潰している場合ではないのだ。

(´<_` )「なあメガネンジャー。兄者がどこにいるかしらんか?」

川 ゚ -゚)「む。メガネンジャーに出来ないことはないぞ。
     スーペーアー」

クーは今度はポケットから眼鏡を取り出した。
同じ色、同じ形状。いくつもっているのだろう。

川 @-@)「見える…見えるぞー!」

(*^ω^)『やったおー!ツンに勝ったおー!』

ξ#゚听)ξ『何を!ブーンのくせに!!』

(´<_` )「それじゃなくてね?」

198 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:28:19.14 ID: krlhM2Pu0
川 @-@)「兄者は今第一体育館だな」

(´<_` )「それはどうも」

弟者は走った。信憑性があるのかと問われれば、信用ならないが。
それでも今はクーにかけるしかない。

(´・ω・`) 「やるっていうのかい?」

川 @-@)「ふっ…手下をやられて黙っているほど、私は小心者ではないのでね」

(´・ω・`) 「それは頼もしい」

背後で意味のわからない戦闘がはじまったが、それは弟者には関係のないことだ。

208 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:32:33.39 ID: krlhM2Pu0

 

( ´_ゝ`)「こっちこっち」

兄者が先導して歩く。
この辺の廊下には人は殆どいない。
先ほどの騒動のせいか、放送のせいか。

( ゚д゚ )「本当にここにいるのか?」

( ´_ゝ`)「多分」

いや、売店が近いからだろう。

( ゚д゚ )「いなかったらどうなるかわかってるよな」

( ´_ゝ`)「アイスでも奢ってくれるのか?嬉しいなぁ」

( ゚д゚ )「拳を70発おみまいしてやるよ」

( ´_ゝ`)「中途半端な数が嫌だ」

216 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:40:49.91 ID: krlhM2Pu0
人の声が聞こえてくる。それも複数。
兄者は少し緊張した。

角を曲がる手前で止まる。

( ゚д゚ )「ん?どうした?」

( ´_ゝ`)「いや、ここなんだが」

「プギャーーー!!!バカバッカー!!!」

そこから聞こえる声が、聞き覚えがありすぎて、進む気がしなかった。

221 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:45:48.89 ID: krlhM2Pu0
ミルナが角を曲がる。
そして立ち尽くした。

壁|_ゝ`)「おい、どうしたんだ?」

こっそりと顔を出してみる。

人、人、人。
裸体が地面を這いつくばっている。
色んなところを殴られ、蹴られ、血を出しながら。

(;´_ゝ`)(これは酷い…)

その倒れている人は全て、水魚のポーズだったのだ。

227 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 01:57:40.48 ID: krlhM2Pu0
(#゚д゚#)「きさまあああああああ!!!!」

声を張り上げる。
それらの一番奥にいた男がミルナを見た。

(,,゚Д゚)「あ?なんでお前がここにいるんだ?」

(#゚д゚ )「いけしゃあしゃあと!」

全員の写メを取ったらしく、ギコの手には携帯が握られていた。
新鮮な水魚は、どれもこれもラウンジの人間。
それもミルナの見知った生徒だったのだ。

(#゚д゚ )「貴様だけは許さん!!オレだけでなく、こいつらにまで!!!」

(,,゚Д゚) 「しらねえよ、おまえらがオレのテリトリーに入ってきただけだろ。
     誰をどうしようがオレの勝手だ」

(#゚д゚ )「テリトリーの意味を知ってて言っているのかあああああああ」

(#゚Д゚) 「当たり前だ!!部屋って意味だ!!」

(#゚д゚#)「それはルームだああああああああ」

228 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:03:42.85 ID: krlhM2Pu0
(#゚Д゚) 「くっ…秀才ぶりやがって…!」

( ´_ゝ`)「いや、ぶってないぶってない」

( ^Д^)「あ?そこにいんのは兄者じゃねえの?」

(;´_ゝ`)「いいえ、私は只者です。兄者ではありません。ちょっと通っているだけです」

兄者は角から顔を引っ込めた。
面白いものを見つけた、といわんばかりにプギャーが追いかける。

(#゚д゚ )「何故おまえはそんなにも水魚のポーズにこだわるんだ」

(,,゚Д゚) 「ふん。おまえなんかにわかるか、この気持ちが」

ギコはあれから、水魚のポーズに悩まされ続けたのだ。
何をしようとも、どこにいようとも、あの写真が脳裏を掠める。

235 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:15:09.85 ID: krlhM2Pu0
そこでギコのとった行動は、その写真と同じポーズで、他の者たちを取ることだった。
今日で何枚目になる水魚のポーズだろうか。
数えられないほどの犠牲者が、ギコの携帯には保存されてあった。

その中には、ミルナや、ラウンジの生徒たちも。

( ゚д゚ )「分かるわけがない。オレのすることは、お前に復讐をして…」

一段と、ミルナの目力は強くなった。

(#゚д゚ )「お前の携帯のメモリー、そして心の思い出のメモリアルから
     オレらの記憶を消し去ることだ!!!」

怒声を上げながら、ミルナはギコに殴りかかった。
それを周囲の不良は止めにかかる。
彼らをちぎっては投げ、千切っては、投げ。

(,,゚Д゚) 「ふん、オレがお前に負けるとでも思っているのか?」

ミルナはギコの腹部に拳を入れた。
入ったはずなのに、痛むのはミルナの拳。

(#゚д゚ )「くそっ……!」

(,,゚Д゚)「鍛え方が違うんだよ、鍛え方が」

ギコの鋼の腹筋は、とてつもなくかたかったのだ。

242 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:29:10.80 ID: krlhM2Pu0
ミルナは愕然とした。
同じ年に、同じ時に生まれたというのに、どうしてこんなにも違うのだろうと。

一方は、手術してもメスすら通らないほどの腹筋。
一方は、普通の、硬い腹筋。

(#゚д゚ )「鍛え方のどこが悪かったんだ…。すまない…みんな……」

ミルナの声は、彼らには届かなかった。

 

廊下。廊下。
左に曲がって、階段。いや、階段は駄目だ。
足では負けるから、なるべく入れないような―――

(;´_ゝ`)「うあっ!!」

兄者は段差に躓いて転んだ。
急いで立とうとするも、今度はプギャーによって阻まれる。

( ^Д^)「よお、久しぶりだよな」

体育館に戻ってきた。
さきほど歩いた道だから、体が勝手にこちらへ向いた。
誰もいないのだから、避けるべきであった。

247 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:40:03.70 ID: krlhM2Pu0
(#^Д^)「この間はおかげで酷い目にあったぜ」

(;´_ゝ`)「あれは、俺のせいじゃないだろう」

( ^Д^)「いいや、兄者のせいだ」

思えば、昔は兄者に苛められてきた覚えがある。
何かあればすぐに殴られ、荷物を持たされ。

体格が自分の方がよくなっても、引きずっていた部分があった。
だが、あの頃の屈辱を、今なら返せる。
なんたって、彼は

( ^Д^)「まさか、兄者が女だとはなwwwwwwwwww
      何度考えてもウケるwwwwwwwwwwwww」

(#´_ゝ`)「なっ…てめえ……!」

兄者は倒れたまま、プギャーを蹴る。

( ^Д^)「おっと、もう前のようにはいかないぜwwwwwww」

今度は、あそこを蹴られないように、プギャーは兄者の足を、自分の足で押さえた。

248 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:40:44.25 ID: krlhM2Pu0
俺がやるとグロになりそうなので次の展開>>252

249 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:42:02.05 ID: Bn5BULDqO
KSK

250 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:42:58.51 ID: Bn5BULDqO
KSK
つーか俺だけのヨカン

251 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:43:12.47 ID: o+3k7Grl0
反対の足でプギャーに電気アンマ

252 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 02:43:23.24 ID: U2ASjmOD0
お前だけじゃないぜ!

261 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 数レスまってくれ 投稿日: 2007/09/25(火) 02:53:27.84 ID: krlhM2Pu0
(#´_ゝ`)「くそが……!!」

兄者は体を捻って彼から逃げ出そうとする。
だが、この負荷で抜け出ることは難しかった。

絞れるほど、首を掴まれる。

(#´_ゝ`)「ぐっ……」

息が完全に出来ないほどではなかった。
それでも喉が潰れる感覚があり、徐々に顔に血が溜まっていく。

(;´_ゝ`)「ぁっ…ぅっ……!」

声を出そうとしても、出ない。
空気の擦れる音が、自分にだけ聞こえる程度発せられるだけだった。

( ^Д^)「プギャー!!!!良い眺めなんじゃねえの!」

266 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 03:02:39.58 ID: krlhM2Pu0
(;´_ゝ`)「げっ……ぐっ……げほっ……」

プギャーが首から手を放す。
痛みのあった喉が開放されて、空気の通りが元通りになって、
兄者は肺に、足りない分の酸素を送った。

これだけではプギャーは兄者を離す様子はなさそうで
気味の悪い笑みを浮かべている。

(;´_ゝ`)「だ…だれk……!」

人を呼ぶのは我慢ならないが、これ以上プギャーなんかに好きなようにされては堪らない。
だが、叫ぼうとしても、かすれてしまって、どうにも声がでない。

( ^Д^)「プギャプギャプギャー!!」

プギャーはポケットから、折りたたみナイフを取り出した。
くるっと手首を返すと、真っ直ぐになって、刃部分が光る。

272 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 03:10:31.39 ID: krlhM2Pu0
(;´_ゝ`)「ひっ……」

兄者は息をのんだ。
彼がこんなものを持ち歩いているとは。

( ^Д^)「安心しろよ、誰もこねえから」

刃先で首を舐める。
すっと、冷たいものが滑って、すぐに燃えているのかと思うほど熱くなった。

先からは赤い液体。

プギャーが今度は兄者の胸にナイフを当てる。
服の上からなので、すぐに切れることはないけれど―――

(´<_` )「はいはい、そこまで」

弟者がプギャーの首を後ろから握り、持ち上げた。

277 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 03:16:25.41 ID: krlhM2Pu0
(;^Д^)「は!?なに!?」

体が急に宙に浮いた。
そして理解する前に、ステージの角に頭をぶつけ、床に転がる。

(´<_` )「………プギャーか……」

頭を抱える物体を弟者は見下げた。

(´<_` )「そういえば、昔は散々苛めてくれたよな。忘れてたけど」

その度に兄者が助け。
それをプギャーはうらみに思う。

(;^Д^)「は?そんなこと忘れたね!」

(´<_` )「じゃあ思い出すまで殴られてみる?」

(;^Д^)「え、ちょwwwwwっをまwwwwwww」

弟者はプギャーを立たせると、壁に押し付けて、一つ、二つと。

(; Д )「ぎ!!ぐえっ…ぐはっ!!」

281 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2007/09/25(火) 03:20:57.71 ID: krlhM2Pu0
(;´_ゝ`)「お、弟者?」

(´<_` )「うん、まあ間に合ってないけど、間に合ってよかったよ」

冷たい声で、プギャーを殴りながら。
その遠く向こうで

('A`)「来てたのは、お前だけじゃないぜ!!」

ドクオが壁から覗きながら手を振っていた。

(´<_`#)「役立たず!しね!」

(;'A`)「ほんと、ごめんなさい」

 

 

 

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