4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:03:32 ID: Yv/hnhLR0

8月29日 (水)

チャイムがなった。
昼食は既に3時間目の休みに済ませた。
準備は満タンだ。

( `ω´)「看板作りだおおおおおおおおおおおお」

板用意!
バケツ用意!
絵の具用意!
筆用意!

ξ゚听)ξ「ちょっと、この絵の具水性よ?アクリル持ってきなさいよ、アクリル」

( ´ω`)「……すまんお…」

 

 

 

7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:05:48 ID: Yv/hnhLR0

( ´_ゝ`)「む、そういえば結局何になったんだ?」

('A`)「そっか、兄者はあの時いなかったんだっけな」

(;´_ゝ`)「…うむ」

嫌な思い出が蘇る。
今日もプギャーは休みだったのが嬉しい限りだ。
心とちんことケツの痛みで休みなんだろう。同情はしない。

( ^ω^)「バンド演奏だお。前半と後半に人を分けて演奏するんだお」

ξ゚听)ξ「でもそれだけじゃお金がかせげないから、演奏に入ってない人たちが
      執事喫茶をしながら飲み物とかカニみそを売るの」

( ´_ゝ`)「バンドと執事喫茶はともかく…カニみそ……」

( ^ω^)「安価全部とりいれたら、安価の意味なくないかお?」

ξ゚听)ξ「いいのよ、メインがそれなら」

( ´_ゝ`)「俺は何すればいいのだ?」

ξ゚听)ξ「ギター出来るって聞いたから、ギターになったわよ。はい、これ楽譜」

(;´_ゝ`)「ええええ、あと4日しかないだろう。練習は?」

(*^ω^)「ふっふーんだお」

( ´_ゝ`)「きめえ。てか答えろピザ」

 

10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:07:50 ID: Yv/hnhLR0

(*'A`)「ちなみに俺ドラム」

ξ゚听)ξ「私がボーカル」

(*^ω^)「ベースですお」

( ´_ゝ`)「できんの?」

('A`)「いや」

( ^ω^)「したことないお」

ξ;゚听)ξ「大船にのったつもりで云々言ってたくせに…」

ツンは呆れた様子でブーンを見た。
持ってこさせたアクリル絵の具をパレッドに押し込む。

(((赤ばっかりそんなにだして、どうするんですか、ツンさん)))

彼らは思ったが、ツンが怖いのでそんなことを言う者などいない。
鉛筆で軽い下書きを済ませた板に、色を塗っていく

 

12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:10:24 ID: Yv/hnhLR0

ξ;゚听)ξ「………」

(;^ω^)「………」

ドクオと兄者は、真剣な目をした彼らの手元をじっと見る。
こまごまと少しずつだけれど、綺麗に引いていくツン。
ゆっくりと、丁寧に塗ろうとして、結局震えて線からはみ出すブーン。

ξ#゚听)ξ「ちょっと、せっかく人が綺麗にやってるのに、ブーンの、何よそれ!」

(;^ω^)「そ、そんなこと言われても…。ブーンはこれでも一生懸命…」

筆を持ったまま固まる。

ξ#゚听)ξ「一生懸命やったって、結果が伴わなきゃ意味ないのよ!バカ!」

(;^ω^)「結果が全てじゃないお。過程が大事なんだお…」

ξ゚听)ξ「来てくれた人は過程見れないでしょ、結果しか見えないのよ!
       もういいわ、代わりに兄者手伝いなさい、器用だったわよね」

しっしっ。と手で追い払う。
固まったままのブーンから筆をもぎ取り、兄者につきつけた。

( ´_ゝ`)「え?ああ、まあ普通に」

目の前に出されておずおずと取る。
ちらっとブーンを見たが、彼はまだ固まったまま。

 

15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:12:36 ID: Yv/hnhLR0

(;^ω^)「………」

所在無げに場所を譲る。

( ^ω^)「………」

( ;ω^)「………」

( ;ω;)「………」

(;'A`)「お、おい!ブーン!」

ほろほろと泣き出したブーンを追ってドクオが教室を出る。
どうしようか迷った兄者は、結局ツンの横で色を塗り始めた。

横からちらりと見えるのは、必死に看板を塗る細い指。

( ´_ゝ`)(一見口悪いけど、良い子なんだけどなー)

彼女にするには重いけど。
その前に、友の思い人に手を出すほど外道じゃないし。

( ´_ゝ`)「ここ何色?」

ξ゚听)ξ「あ…そこはオレンジ」

 

19 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:15:41 ID: Yv/hnhLR0

声量の落ちた声で答える。
ブーンが去っていったことを本人も気にしているのだ。

ξ゚听)ξ「………できた」

それから暫く塗り続けた。
ツンを包むのは嬉しい感情のはずだった、けど今は悲しい。

( ´_ゝ`)「素晴らしい。なんというカオス」

ξ;゚听)ξ「私が構図考えたわけじゃないわよ、ブーンが」

( ´_ゝ`)「なるほど、ブーンらしい」

ξ;゚听)ξ「私も思ったんだけどね、他に誰も案を出さないからこうなっちゃったの」

( ´_ゝ`)「みんなさー実はやる気ないだろ」

文化祭。もとい、VIP高祭。
どうでも良い話だが、第二高等学校といいつつ、一高はない。

ξ゚听)ξ「そんなことないわよ、じゃなかったらこんなに色々準備しないでしょ
      …皆楽しみにしてるわ…」

二人は下敷きでパタパタと板を乾かす。
高校の中は文化祭一色。お祭り好きが多いため、熱気で満ち溢れている。

今はどこの廊下も、準備のために人でごった返しだ。

 

21 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:18:20 ID: Yv/hnhLR0

 

 

 

( ;ω;)「………」

(;'A`)「おいブーン」

肩を叩く。反応はなしだ。完全に自分の世界に入り込んでいる。

( ;ω;)「ブーンはダメダメなんだお。何をやってもうまくいかないんだお。
      人間の屑なんだお。人間ですらないんだお」

(;'A`)(なんというネガティブ。ツンに言われただけでこの落ち込みよう)

かつてないほど暗い彼。
いつも怒鳴られ、けれど全く意に介さないブーンだというのに珍しい。

(:'A`)「そこまで落ち込むこたーないだろ。少し塗るとこがずれただけだし」

( ;ω;)「きっとツンはそのことだけに怒ってたんじゃないお…
      ブーンがいつも気がきかないから…つまらない男だから…」

(;'A`)「おお、ブーンよ、どうした今日は」

壁に額をつけて泣き続ける。
周りの目を気にしながら、ドクオは宥めようとする。

 

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:20:47 ID: Yv/hnhLR0

(  ω )「いつもだったら、色々いいつつも最後まで付き合ってくれるのに…
      兄者に交換させられたおおおお!!ブーンはもう終わりなんだおおお!!」

('A`)「ああ、そっちで落ち込んでるのね」

ドクオは親友のことなど、どうでもよくなった。

はたから見れば、どうがんばっても恋人同士にしか見えない彼ら。
相思相愛だというのに、互いに不器用な性格から恋人同士になれないでいた。

ドクオは特にツンが好き、というわけではない。
友達としては好きだが、異性としては普通の関係だ。
けれど、放置しておけばラブラブである彼らを応援する気は全くない。

(  ω )「ドクオ…ドクオ……どうすればいいお?どうすれば…」

('A`)「しらね」

だから、意地悪を言ってみたくもなる。

('A`)「でもいいのかなー?こんなところで油を売ってても。
    兄者とツン、結構良い雰囲気だったぜ?」

ニヤっと笑う。
ブーンはその笑みを見ることはなかったけれど、その場で愕然と目を見開いたことが、
ドクオの言葉が彼の心に多大な影響を及ぼした。という何よりの証拠だ。

 

29 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:24:48 ID: Yv/hnhLR0

 

 

 

 

( ´_ゝ`)「なあ」

ξ゚听)ξ「なによ」

兄者は出来上がった看板を、教室の後ろに立てかけた。
一度倒れそうになったが、その辺に置いてある物で固定する。

( ´_ゝ`)「あそこまで言うことなかったんじゃないか?」

ツンは口が悪いけれど、今回はいつにも増してきつい言い方だった気がする。

ξ゚听)ξ「……別に何だっていいでしょ」

あんたには関係ないわ。
そう暗に言われて、兄者は非常に愉快な気分になる。

にやにやと気持ちの悪い笑みを向けられて、ツンは何?と兄者を殴る。
ひょい、と交わして、まだ笑う。

 

31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:27:01 ID: Yv/hnhLR0

(*´_ゝ`)「いやいや、何でもないですよ?
      ブーン君の考えた案だから綺麗につくりたい、と思ってる。なーんてこと
      僕にはバレバレだなんて言ってませんから」

ξ;〃)ξ「ちょ、ちょ……思ってない!思ってないわよ!!」

図星をつかれて、ツンは赤面した。
その顔を見られたくなくて俯く。兄者はそんな彼女の顔をみてやろうと、嫌がらせで覗きこむ。
真赤になって、兄者のことを弱弱しく手で押した。

( ゚ω゚)「………」

(;'A`)「え………?」

ドクオの言葉にダッシュで戻った。
教室の後ろ扉を開け、探すことなくツンを見つけた。

( ゚ω゚)「なんで…なんでだお……」

ブーンに見えたものは、愛しの思い人が、友人にキスをされ、真赤になっているシーン。

 

34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:29:19 ID: Yv/hnhLR0

( ´_ゝ`)「おおブーン、戻ったのか。悪いが看板は―――」

( ゚ω゚)「戻ったのか…じゃないお………何してたんだお…」

明らかに様子の違うブーンを疑問に思いながらも、兄者は友が帰ってきたことに笑みを浮かべる。
はにかんだその笑みも、ブーンの怒りに油をそそぐ結果になっただけだった。

( ´_ゝ`)「看板をつくっていた。お前が考えたのに悪―――」

( ゚ω゚)「そこじゃないお!!その後だお!!!」

( ´_ゝ`)「?」

( ゚ω゚)「ツンに何したお!!」

( ´_ゝ`)「後?後ってあれか?ちょっとからかっただけだが」

か ら か っ た ?

同じ単語が、何度もブーンの頭のなかで反響する。

 

40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:32:34 ID: Yv/hnhLR0

カッとなって、ブーンは兄者の頬を殴り、
倒れそうになった彼の胸倉をつかんで、強制的に立たせた。
ふらふらと、兄者はブーンの手を掴む。

( ゚ω゚)「兄者はツンを玩んだのかお!?そんな軽い思いでツンに触れたんだお!?」

(;´_ゝ`)「ブーン?とりあえず落ち着いてくれ、意味がわからない」

( ゚ω゚)「意味がわからないのはこっちだお!!!」

掴んでいた兄者を突き飛ばす。
机にぶつかって、大きな音をたてながら、椅子と一緒に兄者は倒れた。

(;´_ゝ`)「ああ、最近こんなんばっか…」

起き上がりながら呟いた兄者に馬乗りになって、ブーンは殴りかかった。
抵抗も満足にできずに殴られ続ける。

 

41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: すまんな好きなんだ 投稿日: 07/09/19(水) 22:33:59 ID: Yv/hnhLR0

ξ#゚听)ξ「ちょっと、ブーン!いい加減にしなさいよ!!!」

( ゚ω゚)「ツンはいいのかお!!あんなことされて!!!兄者がそんなにいいのかお!!」

ξ#゚听)ξ「そうね!今のあんたの100倍は良いわ!早く止めなさいよ!」

(;'A`)「ツンそれ今は逆効果…」

怒りに身をまかせて兄者を殴る。

なんで?なんで?なんで?なんで?
疑問が頭をこだまする。
昨日まで、良い雰囲気だったじゃないか。
どうして今日になって、兄者にとられなきゃならないんだ?

(  ω )「うおおおおおおおおおおおお……!!!!」

嫉妬は醜いというけど、実際醜いと自分でも思う。
けれど構っていられるほど心は冷静じゃない。

熱くて暗くて冷たい炎が、心と身を焦がす。
痛くて辛くて悲しくて。どうすれば治るのかわからなくて。
こんなことをしても意味がないと、わかっていても、わからない。

止めに入るドクオもふっとばし
叫ぶツンの声も聞かず。
腕が疲れても、止められない。

これが、悲しみ。これが。

 

44 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:35:44 ID: Yv/hnhLR0

(´<_` )「何やってんの?」

振り上げた瞬間に腕が拘束された。
打ち下ろそうとした拳が宙に止まる。

( ゚ω゚)「誰だお!邪魔しないでほしいお!!」

(´<_` )「弟者です。だが断る」

もう一方の手も振り上げた。振り上げたまま、両手が止まった。
外してやろうと、こいつも殴ってやろうと、激しく腕を動かしても、動かない。

ξ#゚听)ξ「…この…!!」

(  ω )「……!」

何が起こったのか理解ができない。
顔がえぐれたんじゃないかと思うほどの衝撃。
声すら出なかった。

パーでなくて、グーなのが、ツンらしい。

 

45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 先をよむなwww 投稿日: 07/09/19(水) 22:36:32 ID: Yv/hnhLR0

本気をだして殴ったのだろう。ブーンは弟者に掴まれながら気絶した。
5時間目のチャイムが鳴る。

騒ぎが収まったことで、まわりの生徒が騒ぎ出す。
話のネタは今起きたばかりの事件。

(´<_` )「話は後で聞くからいいけど」

気絶したブーンと、起き上がることさえ不可能になった兄者を抱え
弟者は保健室に向かおうと教室を出た。

(;'A`)「俺も手伝うよ」

(´<_` )「それは助かる」

(;'A`)「うおっ!」

ブーンを放り投げるようにドクオに渡した。
予想外の重量に、彼を落としかける。

兄者を抱えなおすと、通りかかった次授業の担当教師に一言加えてから足早に歩く。
遅れながらも、ドクオは彼を追った。

 

48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:38:34 ID: Yv/hnhLR0

(´<_` )「内藤が切れるとは珍しいな。このバカは何をやったんだ?」

(;'A`)「それなんだが…ツンとキスをだな…」

キスという単語を出すのに、ドクオは躊躇って小声で言った。
まだ色々と経験していなく、慣れない単語なためどうにも恥ずかしいのだ。

(´<_` )「ツンと?それはまた突拍子のない話だ。しかし信じがたいな。あのツンが許すと思うか」

全く信じていない声色。
ドクオは頷いた。

('A`)「角度的にそう見えただけだと思うんだけどな。いつもだったらブーンもあんなことしないのに」

(´<_` )「冷静ではなかったようだったな。まるで闘牛だ」

('A`)「ブーンの場合は闘豚だな。ツンにふられたって落ち込んでたんだ。
   それで俺が、兄者とツンが良い雰囲気だったぞって言ったら…」

教室まで駆けていって、見たものが彼らのキスシーン。
もとい、世間話。

 

53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:39:47 ID: Yv/hnhLR0

(´<_` )「ふむ。全面的に欝田が悪いフラグか」

(;'A`)「えええ…マジかよ……勘違いしたのはブーンだぜ」

(´<_` )「アホの内藤が理性的に物事を判断できるとお思いか」

('A`)「ムリだなそりゃ」

息切れし始めたドクオの歩幅にあわせて、弟者はゆっくりと歩く。

(´<_` )「変わろうか」

(;'A`)「なんのこれしき」

持ち直そうと、負っているブーンごとドクオはジャンプした。
一瞬浮いたブーンが、重力と体重と仲良く手を繋いで落ちてくる。

(´<_` )「闘豚だし」

(;'A`)「限界は突破できませんでした」

ぐしゃ。と潰れた音がして、ブーンと床の間にドクオが挟まった。

 

57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:42:48 ID: Yv/hnhLR0

 

 

 

(;'A`)「どっこいしょ」

非常に疲れた様子で兄者を保健室のベッドに乗せる。
はー。と大きな息を吐いた後、隣のベッドに腰掛けた。

('A`)「いやー、ブーンのあとで兄者を持つと軽く感じるな」

(´<_` )「ははは」

弟者は兄者の顔に手を当てた。
ところどころが青くなっていて、唇は切れている。
シャツに隠れて見えないが、腕で顔を覆ったためにそちらまで痣がある。
目も当てられない。

(´<_` )「随分と派手に殴られたもんだ」

独り言のつもりで言ったものの、他に誰もいない保健室。部屋に響く。
兄者の耳がぴくりと動き、何度か呻いた後に、目を開けた。

 

61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:45:49 ID: Yv/hnhLR0

(li;;:_ゝ )「うーむ…」

(´<_` )「おはよう兄者」

(i;;´_ゝ`)「おはよう弟者?欝田?ここどこだ?」

(´<_` )「保健室」

(;;´_ゝ`)「なんで?」

(´<_` )「内藤に殴られたの覚えてないのか?」

(i;;´_ゝ`)「覚えてるような覚えてないような。体のあちこちが痛い気がするようなしないような」

('A`)「どっちだよ」

 

66 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:49:10 ID: Yv/hnhLR0

やっとの思いで起き上がる。
ドクオが消毒液を持ってきたので、必死に首を振った。
殴られるよりも、しみる方が嫌らしい。

(;´_ゝ`)「まてまて!そんな物騒なもんを持ってくるな!」

(;'A`)「物騒ってなんだよー。ただの消毒液だろ」

(;´_ゝ`)「ダメだ!それは有害すぎる!」

(´<_` )「お前の脳の方が有害だ」

(;´_ゝ`)「あ、ちょっと…欝田さん、ドクオさん……
      ごめんなさい!すいません!俺が悪かったですからそれだけは!」

(#'A`)「悪人だろうが、善人だろうが、これだけは譲れん!保険委員の名にかけて!!!」

(;´_ゝ`)「あ、やめ…おい弟者!!放せ!!!」

(´<_` )「脳内も消毒できたらいいのにな」

( ;_ゝ;)「い、いやああぁぁぁあ!!!」

 

74 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:53:11 ID: Yv/hnhLR0

 

( ´_ゝ`)「…さっさとくっつけばいいのに」

息も絶え絶え、涙の痕も拭わずに兄者はベッドに横たわりながら呟いた。

('A`)「え?」

( ´_ゝ`)「だから、アイツ等。なんでまだ付き合ってないんだ?」

(´<_` )「唐突だな」

( ´_ゝ`)「俺がなんで殴られたと思ってるんだ?
      よくわからんが、あのアホが俺に嫉妬したんだろ。取られると思って」

('A`)「まあ……」

( ´_ゝ`)「…だろ?………」

 

(* _ゝ )「ふっふっふっふ……」

神妙な面持ちで話し始めたと思ったら、今度は枕を抱えて笑い出す。
ドクオと弟者は、気持ち悪いものを見る目で兄者を見た。
殴られすぎて、頭がおかしくなったのだろうか。

 

78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:56:25 ID: Yv/hnhLR0

(*´_ゝ`)「俺に嫉妬wwwwwww流石だよな俺wwwwwwwww
      嫉妬させるほどイイ男wwwwwwwwwwwwww」

(´<_` )「うるさいバカ」

(;´_ゝ`)「あたっ!」

('A`)「じゃあさ、さっさとくっつければいいんだろ?」

( ´_ゝ`)「殴られたのに恋路を応援するのか?理不尽だ」

(´<_` )「なら理不尽に殴られまくればいい。そして死ねばいい」

(;´_ゝ`)「つめてえええええええ!!!
      おにいちゃん、そんな弟に育てた覚えはないよ!?」

 

80 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 22:59:24 ID: Yv/hnhLR0

(´<_` )「あんたに育てられた覚えはない」

(#´_ゝ`)「なんだと!?2-2の出し物、お化け屋敷のクセに!」

(´<_`;)「関係ないだろ」

(#´_ゝ`)「兄者〜こわいよ〜!ってまた泣きついてくるんだろ、どうせ!」

(´<_`;)「文化祭のお化け屋敷なんかで泣くか、バカ!!
      しかも自分のクラスので!」

( ´_ゝ`)「ほー言ったな?言ったな?泣いても助けてやらんからな?」

(´<_`#)「泣くわけないだろう!イツまで頭沸かしてんだ!」

( ´_ゝ`)「本当に泣かないって言えるのか?泣き虫弟者」

(´<_`#)「てめえええええぶっころす!!」

 

85 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:03:37 ID: Yv/hnhLR0

(;'A`)「あのー話戻していい?」

兄者の首を絞めにかかった弟者の襟首を引っ張った。
ぐえ。と蛙の潰れるような声がして、今度は怒りの矛先をドクオに向ける。

(;'A`)「落ち着きましょうよ、ね?」

(´<_`#)「お前を殺してからな」

君子危うきに近寄らず。
ドクオは今このときになって、自分が君子ではないことにようやく気付いた。

数分間。
そんな短い間がドクオには数時間にも思えた。
重い、重い拳がドクオの体に豪雨の如く降り注ぐ。

 

89 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:06:41 ID: Yv/hnhLR0

('A`)「ああ、死ぬかと思った」

全てが終わった後、無傷のドクオがそこにはいた。
サンドバッグもびっくりだ。

( ´_ゝ`)「まあ弟者の気も済んだところで」

(´<_` )「本当は殴られたいんだろ?そうなんだろ?思う存分いたぶってやるよ」

(;'A`)「なあ、二人の空間つくんのやめてよ。話がすすまないじゃん」

( ´_ゝ`)「すまんすまん」

('A`)「つまりさー。ブーンとツンをくっつければいいんだろ?」

( ´_ゝ`)「殴られた慰謝料は?」

(´<_` )「別にいいんじゃない?殴られたかったんでしょ、邪魔してごめんね。
      死ぬまでほっとけばよかったね」

( ´_ゝ`)「………」

 

92 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:09:09 ID: Yv/hnhLR0

(´<_` )「しかしどうやってくっつけるんだ?」

(;'A`)「俺に言われてもな…」

どうせ俺は年齢=彼女いない暦ですよ。
口の中だけでぶちぶちと言う。

( ´_ゝ`)ノ「はいはーい」

('A`)「なんですか兄者クン」

( ´_ゝ`)ノ「津出を誘惑して、逆上した内藤にその場の勢いで言わせる」

(´<_` )「津出にも内藤にも殴られそうだな。よかったじゃん、そうすれば」

( ´_ゝ`)「………」

(;'A`)「同じ話繰り返しそうだから、とりあえず却下の方向で」

うーむ。
ドクオは唸った。
頼みの綱は弟者なのだが。
かったるいオーラが全身から出ている様子を見ると、協力する気はさらさらなさそうだ。

('A`)「じゃあ、>>97」

ドクオは堂々と二人に言い放った。

97 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/19(水) 23:11:13.72 ID:hPFG/Ei0O
兄者レイプタイム

 

113 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:22:43 ID: Yv/hnhLR0

( ´_ゝ`)「へ?」

(´<_`;)「何いってんの?」

あまりの突飛な台詞に二人は呆然とする。
そんな彼らをよそに

(#'A`)「保健委員的指導だ!!」

ドクオは叫ぶと、寝ている兄者に馬乗りになる。
急な行動に、兄者はドクオを見上げたのだが、その表情は冷静…

いや、恍惚としていた。

 

122 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:32:18 ID: Yv/hnhLR0

性急に兄者の服を剥ごうとする。
兄者は何故かうっとりとした目でドクオを見つめるだけで、抵抗をしようとはしなかった。
唯一ドクオと兄者の間を阻むのは、やんわりとドクオの胸を押さえる兄者の手だけ。

(´<_`#)「欝田ぁああ!!!」

暫し唖然とその様子を見ていたが、はっと思い起こしてドクオの名を呼ぶ。

(*´_ゝ`)「…欝田……」

が、兄者が愛しく彼の名前を呼ぶものだから、
もしや彼はドクオのことを好いているのではないかと立ちすくんでしまった。

(´<_`;)「そんな…いや、まさか……」

もしそうだったら、弟として兄者を、彼女を祝福してやらねば。
ここで彼を押しのけるのは、水を差す好意そのもの。
今まで散々、男だ女だと議論してきた自分がする行為ではない。

兄者は戸惑ったように、それでも嬉しそうに、恥ずかしそうに、

(*´_ゝ`)「それは…つまり…俺が津出をレイプするんだな?」

 

131 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:41:31 ID: Yv/hnhLR0

(*'A`)「うん?」

思いもよらなかった台詞。
準備万端に整って、目の前の兄者もその気でいるものだと思っていたドクオは
いまいち理解を示さなかった。

(*´_ゝ`)「許しが!許しがでたぞ!!俺にも春が!!青い春が!!」

レイプで青春とみなすとはどういう了見か。
一瞬思ったが、さっきの言葉は聞かなかったことにしよう。

(*'A`)「そうだな、青春だな」

ドクオは一旦とめた手を突き進めた。
しかし衝撃が。頭から隣のベッドへダイブする。

(´<_`#)「お前は一人で寝てろよ!兄者もだ、バカ!!」

(*´_ゝ`)「何をいう弟者!ドクオの言葉は絶対だぞ!俺がやらねば誰がやる!」

(´<_`#)「やらんでいいわ!」

 

136 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:49:32 ID: Yv/hnhLR0

頭を叩いてやろうと思ったら、勢いよく兄者がベッドから飛び出して、空を切った。

(*´_ゝ`)「こういう時のために!俺でもおにゃのこをイイ気分にさせれるように!」

どこに隠しもっていたのか、兄者は物体を弟者の目の前に出した。
青色の、色はパステルで可愛いかもしれない。
だがどこからどうみても、

( <_ #)「そんな卑猥なもん持ち歩くなああああああああ!!!!」

バイブです。本当にありがとうございました。

( ´_ゝ`)「なんだ、弟者は気に食わないのか?見た目か?」

それならこっちはどうだろうか。
と、今度はパット見何かわからない。
ペンだか化粧品か何かかと見間違うようなローターを取り出す。

 

146 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/19(水) 23:57:08 ID: Yv/hnhLR0

( ´_ゝ`)「津出はどっちが好きだと思う?」

(´<_`#)「知るかバカ!!」

兄者はそのスイッチを押す。
独特の動きが、弟者の目の前で蠢いた。

カッと顔が赤くなる。

 

この後のどっちかの言動
>>151

 

151 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/19(水) 23:58:24.15 ID:qgUKA/cw0

貸せ!お前に突っ込んでやる!

 

165 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 00:11:05 ID: XkwYAy+a0

真面目な顔をして手にもって、弟者を見つめて問うてきた。
不気味に動くソレを引っ手繰る。

(´<_`#)「貸せ!お前に突っ込んでやる!」

細めのローターが今度は弟者の手の内で唸る。
何を言われたのかもわからずに、兄者はベッドにうつ伏せに押し倒された。

( ´_ゝ`)「ん?えっ?」

それでも何が起きたのか理解できていない。
雰囲気も情緒もへったくれもなく、弟者は兄者のズボンをずりさげた。

(;´_ゝ`)「え?おい?弟者?」

何してるの?と、首を捻る。
こんな時まで自分に信用を置いている兄者が憎い。

 

174 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: おまえら鬼畜だな 投稿日: 07/09/20(木) 00:24:01 ID: XkwYAy+a0

(´<_`#)「人にしようとしてるんだったら、勿論自分も体験済みだよな?」

(;´_ゝ`)「は?そんなわけないだろう、女の子用だぞ、それは」

(´<_`#)「へーふーんそー」

お前も女だろ、と突っ込みたくなったが、ここで怒りを買うのは得策じゃない。
弟者は兄者の内太ももを、触るか触らないか、微妙なラインでなでた。
ビクリと体が跳ねる。

(;´_ゝ`)「なんだ、かまってほしかったのか?
      最近部活で忙しいって言ってたじゃないか。そうなんだろ?」

(´<_` )「そうですね、じゃあ部活で疲れた可愛い弟を癒してくれるんですか?」

(;´_ゝ`)「何を言っているんだ、俺の存在が癒し系だろ。
      つか自分で可愛いとか…っ!」

ゾクリ。と何か、今まで感じたことのない感情が背筋を舐めた。
恐怖に似ているけれど、もっと柔らかい何か。
急激に涙が溢れそうになった。

ガタン、と、隣の部屋で音がした。

保健室と、このベッドルームは一枚隔てた壁の向こう。
生徒が安静に寝れるように、ドアを一枚隔てた、向こう。

 

181 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 00:33:50 ID: XkwYAy+a0

(´<_` )「………」

ローターを兄者の股間に挟んで、トランクスと共に、ズボンの位置を戻す。
ご丁寧に、ベルトまできつめに締めた。
涙目の兄者が、弟者を見ようと振り向いて、その顔に布団が被さる。

(; _ゝ )「お、おと…おと……」

(´<_` )「うるさい黙れ」

(; _ゝ )「…う…おと……うう…」

(´<_` )「黙れと言ってるんだ」

ノブを回す音が響いて、扉が開いた。

 

190 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 00:40:56 ID: XkwYAy+a0

そこから入ってくるのは無表情のブーン。
少し諦めが入っていた。

( ^ω^)「………」

部屋を見渡して、ドクオを見つける。
彼を通り越して、今度は弟者を睨んだ。

( ^ω^)「…わからないお……」

(´<_` )「何がだ?」

( ^ω^)「何で、ツンは兄者を選んだんだお…?」

(´<_` )「勘違いだろう、兄者は(しようとしていたが)何もしてないぞ」

( ^ω^)「だって、ブーンはみたお。見たんだお」

(´<_` )「なら……」

弟者は俯いた。
悔しそうに、とても悔しそうに、声を震わす。

 

194 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 00:49:22 ID: XkwYAy+a0

( <_  )「なら、何故あんなに兄者はおびえている!
      お前に…友人に殴られて…兄者は……!!」

(;^ω^)「…えっ……」

ブーンは、そんなバカな。と、動揺した。
弟者の後ろで小刻みに震えているベッドを見る。

おそるおそる近寄ると、兄者が目に涙をためて、苦しそうに呻いている。

(;^ω^)「兄者……」

声をかけると、兄者はブーンを見上げた。
肩を震わせて、自分を抱くようにして横たわっている。

(;^ω^)「そんな…ブーンは………」

もう一度声をかけようと、布団の上から兄者に触れた。
今度は大きく体が跳ねる。

( ;_ゝ;)「……う…うう…あう……」

こんなにも、自分の勝手な考えが、親友を怖がらせてしまったのだ。
ブーンは何よりも自分の行動に後悔した。

 

200 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 00:57:34 ID: XkwYAy+a0

(; ω )「…ごめんだお…ごめんだお、兄者……」

ブーンはそっと兄者の肩を掴んだ。
触るたびに、ブーンが肩を揺するたびに兄者はびくつく。
目に溜まっている涙は、止まることを知らない。

(; ω )「謝っても許してもらえないだろうけど……」

(´<_` )「兄者。内藤が…」

兄者の上半身を起こす。
手を布団の中から出そうとしなかったので、ムリヤリ引っ張って上にださせた。

 

206 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 01:04:04 ID: XkwYAy+a0

ぎこちない動きで首を振る。
出された手は、上げることも下げることもなく、空をつかんでいた。

( ^ω^)「兄者……」

( ;_ゝ;)「ひっ…いあ…あああ…………!」

謝ろうと、何度でも謝ろうと。
彼が例え、前のように友人として付き合ってくれなくとも。
自分を向いてくれるまで、謝ろうと。

それでも、触ろうと手を近づけると、逃げられる。

( ^ω^)(こわいのかお…また、殴られると思ったのかお…)

そんな兄者に、ブーンは自分のしたことの愚かさを呪う。

 

214 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 01:16:34 ID: XkwYAy+a0

ブーンはベッドに身を乗り出し、兄者を抱きしめた。

( ;ω;)「ごめんだお兄者…!もう、もう疑わないから…!
      そんな目でブーンを見ないでくれお……!」

( ;_ゝ;)「や…いや……!あああああっ…!ああ!!」

友を失う悲しみ。それも、自分のくだらない嫉妬心のせいで。
さっきまで一緒に笑いあっていたのに。
なのに、今は自分を見て、泣いている。

( ;ω;)「ごめんだお…ごめんだお……!」

自分を拒絶する。
恐怖に力の入らない腕で、それでも、拒絶する。

ブーンは自らの腕に力を込めた。
強く、強く。友達を無くしたくなくて。

(; _ゝ )「ひあっ!ああっ…!やぁあっ……!」

兄者はブーンを拒むかのように、身をそらして何度か痙攣したのち、気絶した。
ブーンは兄者を抱きしめたまま打ちひしがれる。
何度もごめん、ごめんと呟きながら。

 

217 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 01:22:37 ID: XkwYAy+a0

涙で濡れたブーンの肩に、弟者が優しく手を置く。

(´<_` )「すまんが……」

( ;ω;)「…ごめんだお……」

ブーンは涙を腕で拭い、兄者から離れた。
くたりと、兄者がベッドに沈む。

ゆっくりと、重い足を引きずりながらブーンは歩き出す。

(´<_` )「待ってくれ…こいつを……」

弟者は未だに隣のベッドで寝ているドクオを叩き起こすと、
寝ぼけ眼の彼をブーンに引き渡す。

( ;ω;)「うんだお…」

('A`)「うんだお…」

寂しく、扉が閉まった。

 

223 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: だが裏切る 投稿日: 07/09/20(木) 01:34:15 ID: XkwYAy+a0

不規則、かつ規則的な音が教室に響く。
その音が流れはじめると、今度は一斉にさわさわと教室全体がなり出すのだ。

ξ゚听)ξ「…あいつら、いつまで戻ってこないのよ…」

誰にも聞こえないほどの呟き。
ツンは大きな瞳を伏せる。心配で仕方がないのだ。

ξ゚听)ξ(あんなブーン見たことない)

少なくとも、いや、全てにおいて。
ブーンは温和で、争いごとなんて嫌いで。
殴られたことはあっても、殴り返したことなんてないはずなのだ。

それが、あんな行動にでるなんて。

ξ゚听)ξ(何があったっていうのよ)

沈んだ音をたてて、教室の後ろの扉が開いた。

 

226 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 01:40:26 ID: XkwYAy+a0

( ^ω^)「遅れて申し訳ないですお」

('A`)「この保健委員、ドクオ。ただいま戻りました」

一斉に教室の視線が集中する。
さきほどの暴行を生徒達に見られていたのだ。
視線がブーンを責め立てる。

( ^ω^)「……」

「あー…。とりあえず座りなさい」

教科担任が、目を合わせないように二人を促した。

 

228 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 01:44:32 ID: XkwYAy+a0

ξ゚听)ξ「ブーン……」

通りがかった際、小声で彼の名を呼んだ。
ブーンは目線だけで、ごめん、と伝える。

彼らにとって、殆ど意味の成さない授業が続いた。
まだ、あと暫くある。

もう少し時間をつぶしてくればよかった。と、ブーンは思った。

早い気もする。長い気もする。
時間間隔すら狂う。

 

231 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 01:50:29 ID: XkwYAy+a0

チャイムがなって、担任に呼び出されて、
生徒指導室の中、もう一度チャイムがなって、6時間目。

( ´∀`)「えーっと…クラスの人に聞いたのだけれど、本当のことモナ…?」

( ^ω^)「…はいですお」

( ´∀`)「うーん、モナ、まだ何も言ってないモナ」

( ^ω^)「でも言おうとしていることはわかりますお」

横目で見た。

ソファーに二人、男子高校生が座っている。
一人は、もう一人を支えるように。
一人は、もう一人にしがみつくように。

たとえ彼らがいなくても、わかりきったこと。

 

232 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 01:55:05 ID: XkwYAy+a0

モナーは心底残念そうに、裏切られたという表情で

( ´∀`)「そうかモナ…じゃあ…裸踊りをしながら、
      兄者クンの顔に射精したっていうのはほんとなモナね…」

ブーンの目を見た。

(;゚ω゚)「!」

(;´_ゝ`)「!?」

(´<_`;)「?」

君がそんなことをする人だとは思わなかった。とか
成績は悪いけど、優しい子だと思っていた。とか

そんなモンは耳に入らない。

 

236 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 02:07:40 ID: XkwYAy+a0

(;^ω^)「ちょ、先生wwwwwはやまるなおwwwwwww
      そんなことしてないおwwwwww誰にきいたおwwwww」

(;´∀`)「え?皆口を揃えてそう言ったモナよ?」

(;^ω^)「意味不明だおwwwwwwwwwそんなことしてないおwwwwww」

(;´∀`)「ええええ!?じゃあ、何をしたんだモナ!?」

(;^ω^)「そ、それは」

自分で言うのは流石にはばかられる。
兄者が慌てた口調で

(;´_ゝ`)「こっ…とっ…ぁく…っ!」

意味不明なことを言った。
その後に、苦しそうに咳をする。

(´<_` )「とにかく、先ほども言ったように、
      兄者は、内藤のことは、蚊にさされたと思って気にしない。と言っているので」

(;^ω^)「蚊、かお…」

(;´∀`)「よ、よくわからないけど、そんなことはしなかったモナ?」

(;´_ゝ`)「…れあっ…さ…るぁ…!」

(´<_` )「↑誰がされるか!」

 

238 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 02:16:18 ID: XkwYAy+a0

( ´∀`)「うーん…よくわからないけど、弟者クンがそう言うなら」

(;´_ゝ`)「?」

普段の行いからあっさりと信用される。
何で俺じゃなくて弟者なの?と、兄者は疑問の瞳をモナーにぶつけた。
が、気付かれない。

(´<_` )「そのかわり」

弟者は静かにブーンに向き合った。

(;^ω^)「なんだお?」

(´<_` )「罰として>>240」

 

240 : 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/09/20(木) 02:17:42.46 ID:hshsVhtU0

メイド服登校

 

244 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 07/09/20(木) 02:26:30 ID: XkwYAy+a0

(;^ω^)「お…おお……!おおお…!!!」

ブーンは後ずさった。
何を言い出すんだ。この男は。鬼畜か。

(;^ω^)「でも、ブーンはメイド服なんて持ってないお!」

そうだ。物がなければ行動にうつせない。

(´<_` )「なあ、確か兄者持ってたよな?」

(;´_ゝ`)「い…じゃ用…かっ…ぁから…ケホッ…サイ……わな…ゲホッ」

(´<_` )「別に良いだろう、誰も着るもんでもなし」

(#´_ゝ`)「なんっ…っー!…っガッ…!」

(;^ω^)(おお、神よ…)

ブーンは両手で顔を覆った。
これで自分の高校生活も終わりなのだ。

この無表情の仮面の下は、どんな悪魔なのか。
想像しただけでブーンは泣きそうだった。

 

 

 

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