2 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:40:14.73 ID: pPUzLdfW0
太陽が真南に上がり、その光がほのかな温かさとともに地表に降り注ぐ。
本来なら、その明るさが地表のものを照らしてくれるはずなのだが―

( ^ω^)「ちょwwwwwwwwマジ煙てえwwwwwwwww」
  _
( ゚∀゚)「はんぱねえwwwwwwwwwwwwwwwwwwww」
  _
( ゚∀゚)( ^ω^)「ゲホゴボガホッ!!ゲホガホッwwwww!!」

(´・ω・`)「木炭がかなり痛んでるね、まあ火がついただけでも幸いかな」

ξ;゚听)ξ「いやでもこの煙じゃ食材焼けないでしょうに・・・」

(´・ω・`)「燻製っぽくなっていいんじゃないの?
      ていうかこのくらいじきに気になんなくなるでしょー、多分」

彼らの周囲に立ち込める煙が局所的ながら光を妨害する。

( ^ω^)「これが煙草ってやつの味かwwwwwwwwwwwwww」
  _
( ゚∀゚)「大人先取りwwwwwww魁アダルティーwwwwwwwww」

ξ;゚听)ξ「あんたら何か別人格入ってない?」

( ^ω^)「あれ?」
  _
( ゚∀゚)「ハッ!」

 

 

3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:41:23.13 ID: pPUzLdfW0
ドラム缶を縦に切ったものに、四本の足。
中には多量の木炭、そして金網と食材がその上に乗っけられている。
いわゆる、バーベキューだ。肉ないけど。

( ^ω^)「魚うまいおww」
  _
( ゚∀゚)「だろwwwwwwwwwあがめろwwwwwwwwwww」

ξ゚听)ξ「調子のんな」
  _
( ゚∀゚)「さーせん」

( ^ω^)「うめめめめえwwwwwwwwwwwwwwwwwww」

(´・ω・`)「どうでもいいけど一人一匹の制限破ったらぶち殺すぞ」

ショボンは串に刺された脂の滴る魚を手に取り、齧る。
少し塩味が薄くも感じるが、新鮮な魚の風味がそれをカバーしてくれる。

ξ゚听)ξ「はい、イモと山菜もそろそろ焼けるわよ。
      焦げる前にどんどん取んなさいよあんたら」

( ^ω^)「もう先にいただいてるおー」

ξ゚听)ξ「あ、そのキノコ生焼けかも」

( ^ω^)「でもそんなのかんけーねー、お」

 

 

4 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:42:19.82 ID: pPUzLdfW0
ぎゃあぎゃあと騒ぐ声、モクモクと立ち上る煙。
その中心、彼らがいるのは『いつもの場所』。

バーべキュー道具を運んだ『箱』は、錆びた金属製の塔の頂上。
ここへ繋がる道は相変わらず草木で覆われたままになっている。

(´・ω・`)「んー。ありがとう、ジョルジュ」
  _
( ゚∀゚)「ふぁん?はんひゃよふゅうに」

口にイモやら魚やらをごちゃ混ぜに詰め込んだ状態でジョルジュが返す、
ショボンは口の中を決して見ないようにしながらさっさと飲み込むように促す。

 

 

5 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:43:17.29 ID: pPUzLdfW0
  _
( ゚∀゚)「ん、で、何よ」

(´・ω・`)「いやね、言いだしっぺ君でしょ。今日のこれ」
  _
( ゚∀゚)「言っただけだよ、だけ。
     礼なら『箱』の準備までしてくれたあいつらにしとけよ」

( ^ω^)「おっ?僕も楽しいからそれでいいお
      礼なんて固っ苦しいこと別に今するもんじゃないお」

ξ゚听)ξ「そうよそうよ。あ、そっち焦げそう」

(´・ω・`)「そうかそうか。いただき」

 

 


10 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:47:14.75 ID: pPUzLdfW0
( ^ω^)「ふいー、食ったお食ったお」

ξ゚听)ξ「それじゃそろそろお開きかしらね」

金網は焦げで黒く汚れ、木炭もほとんど真っ白け。
ブーンが水の入ったタライを取りに『箱』へ戻り、ツンは食材入れなどをしまい始める。
余った野菜のカスなどはショボンがその辺で鳥にやっている。

(´・ω・`)「ほれほれこっちこいこっちこい」

ショボンが投げた切れ端になかなか肥えた鳥が向かって降りてくる。
それが着地した途端、

 

11 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:47:52.07 ID: pPUzLdfW0

(´゚ω゚`)「かかったな!貴様が今日の晩飯だ!
     恨むなら我輩ではなくその愚かな自らを呪うがいいわ!」

豹変。その手に握った野菜用の籠を振りかざす、
  _
(#゚∀゚)「片付け手伝え馬鹿!」

しかし背後からの蹴りによって地面とキスをすることになる。
肥えた鳥が驚いて一目散に飛び去る、ああもったいない。

 

13 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:48:56.64 ID: pPUzLdfW0

(;´・ω・`)「いたた、乱暴はよくないよ。
      しかもせっかくのお肉を逃がしちゃったじゃないか」
  _
( ゚∀゚)「あんなんで捕まえられるかよww」

ジョルジュは黒ずんだ金網をショボンの目の前に投げ置き、
半切りのドラム缶の取っ手を持ち、中に注がれた水と木炭を谷底へと流し落とす。
  _
( ゚∀゚)「で、さあ。ちょっと聞きたいんだけど」

(´・ω・`)「僕のことかい?」
  _
( ゚∀゚)「半分当たり、何か元気ないみたいだしな。
     でも、どっちかってとその理由の方がな」

(´・ω・`)「別にたいしたことじゃないよ、ほんとちっちゃいことさ」

 

 

14 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:49:33.49 ID: pPUzLdfW0

出がけの父の様子、それだけ。
こんな小さいことではあるがどうも常に引っ掛かるのだ。
もちろん、特に他人に言うほどのことではない。が、
  _
( ゚∀゚)「親父さん、どうかしたか?」

急所を突くかのようなその一言に、眉が動く。
何故、分かったのか。
何故、知っているのか。

(´・ω・`)「どうして…」

頭に浮かんだ言葉が、口から漏れ出す。

 

 

15 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:50:16.31 ID: pPUzLdfW0
  _
( ゚∀゚)「超能力ですwwwwww!」

が、緊張感のない返事が返ってくる。

(´・ω・`)「ふざけてるとぶち殺すぞ」
  _
( ゚∀゚)「あれあれ?いいんですかそんな口聞いてww
     恥ずかしい過去とかも分かっちゃいますよww」

(´・ω・`)「じゃあ今僕は何を考えてるか当ててみなよー」
  _
( ゚∀゚)「えーと…、『肉もったいない』とか?」

(´゚ω゚`)「違う!正解は貴様の菊穴だ!!」
  _
(;゚∀゚)「ヒィッ!アッ!アッ!」

 

 

アッー!

 

 

17 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:51:41.75 ID: pPUzLdfW0

ジョルジュの菊穴にキュウリを挿した所で本題に戻る。
  _
(*゚∀゚)「キュウリすげえ…」

(´・ω・`)「ひくわー」
  _
(#゚∀゚)「ビキビキ」

今度こそ本題に戻る。
  _
( ゚∀゚)「いやさあ、昨日見かけたんだわ。親父さん」

(´・ω・`)「え?でも父さんは昨日の朝から―」
  _
( ゚∀゚)「いや、ここの村じゃねえ。
     ここと中央の中間くらいにある塔で、だ」

 

19 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:52:18.93 ID: pPUzLdfW0
(´・ω・`)「そりゃまあなんとも…、君は配達の帰りだったのかい?」
  _
( ゚∀゚)「ん、まあ。で、その時の親父さんの様子がな。
     ちょっと、ってかだいぶ元気が無いような感じだった」

しばらくの間を置いてから、ジョルジュが訳を尋ねようとするも。

(´・ω・`)「ごめんよ、僕も理由はよく知らない。
      もし知ってても仕事の内容はポンポンと喋れないけどね」

先読みされ、それは叶わないまま終わる。

 

 

20 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:52:58.69 ID: pPUzLdfW0

 

( ^ω^)「そっち洗いもの終わったかおー?」

少し離れたところから、ブーンが尋ねる。
隣のツンは道具などの水切りをちょうど終えたところだった。
  _
( ゚∀゚)b「まだ!」

ξ゚听)ξ「チンタラしてないで早く終わらせなさいよー!」

(´・ω・`)「そっち終わったなら手伝ってくれてもいいでしょー」

( ^ω^)「無論そのつもりだお!」

ξ゚听)ξ「いってらっしゃい」

(^ω^;)「なんという…」

 

21 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:53:41.56 ID: pPUzLdfW0

道具類の全てが『箱』に積み込まれた時には、既に夕方となっていた。

( ^ω^)「今日は楽しかったお!また今度やるお!」

ギリギリとハンドルを回しながらブーンが言う。

ξ゚听)ξ「休みが取れたらね」

(;^ω^)「あう」
  _
( ゚∀゚)「まあお前らもあんまり頑張りすぎんなよww
     息抜きしないと突然ポックリ心臓止まったりするぜ?」

(´・ω・`)「他人に説教する前に尻のキュウリを抜いたらどうだい?」
  _
( ゚∀゚)「おっと失礼」

 

22 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:54:24.19 ID: pPUzLdfW0
言いつつ彼は自身の桃尻をムキッと露わにする。
艶やかに輝くその白桃の割れ目からは緑のブツブツをたたえた棒状の物体が―

ξ;///)ξ「ちょっとあんた!!?尻なんか出すんじゃないわよ!!
        それにその真ん中のあwせdrftgyふじこlp!!!!!!!!!!」

( ^ω^)「キュウリ…ゴクリ」
  _
( ゚∀゚)「しかもこれ既にモロキュウなんだぜ…」

( ^ω^)「マヂで?超ヤベェじゃんwwwwww」

(´・ω・`)「うわきったな、死ねばいいのにNE☆」

( ^ω^)( ゚∀゚)「ですよねーwwwwwwwww」

 

 

23 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:55:25.41 ID: pPUzLdfW0

(´・ω・`)「ただいま」

暗闇であった家の中に、ランプの火が灯される。

解散した後、斜面の芋畑でいくつかのイモを掘った。
昼が豪勢だったので夜は質素なふかしイモか何かでもいいだろう。

玄関を開ければ父が温かい食事を用意している、ということはなかった。

(´・ω・`)「帰って来たら聞いてみようかなあ」

ボソリと呟き、イモの皮むきを始める。
シュッシュッ、という小刻みな音と共にタライの水の上に薄く削られた皮が飛んでいった。

ちんちんシュッ!シュッ!目指せ年間2008発!賀正!

誤爆

 

24 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:55:59.16 ID: pPUzLdfW0
  _
( ゚∀゚)「たwwwwwだwwwwwwっうぃwwwまwwwww」

ジョルジュが帰ったのは『翼手』の仕事場、兼、寮。
仕事と言ってもここで行うのは郵便物の仕分けと諸事務くらい。
『翼手』の本業はもちろんそれらの配達である。

从#゚∀从「るせえ気が散る黙ってろこの包茎野郎!!!」

(´<_` )「まあまあ、ゲームくらいでそんなにカリカリすんなよ。
      おうジョルジュ、今ちょっと戦盤やってるから」

( ´_ゝ`)「生理だから仕方ない、さっき便器に赤い汚れがあったから間違いない。
      ついでにジョルジュおかえりんこ」
  _
( ゚∀゚)「ただいまんこ」

从#゚∀从「兄者てめえあとでちょっと裏庭来い」

(*´_ゝ`)「これは俗に言う愛の告白フラグwwwwwwwwwwwww」

d(´<_` )「兄者が明日の朝日を拝めることを願っておく」

( ・∀・)「先輩ちーっす。
      ちなみに便器の赤は僕のダイナミックな切れ痔の跡ですから」

(ii´_ゝ`)「mjky…後で捨てるわ…」

(´<_` )「保存してたとは流石だな兄者」

 

 

25 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:58:29.72 ID: pPUzLdfW0

寮の広間で四人が食い入るようにしてやっていた戦盤と呼ばれるゲーム。
基本は将棋やチェスのようなものだが、四人で乱戦することもできる。

見たところ、弟者と兄者がハインを挟撃してその隙にモララーが兄者にこそこそ攻撃しているようだ。
たまにリアルファイトに発展することもあるがそこはご愛嬌。
  _
( ゚∀゚)「ありゃ、ヒートは?」

( ・∀・)「なんかまた中央に配達があったんで朝早く出ましたよ。
      ていうか朝飯の時にいないの気付かなかったんですか」
  _
( ゚∀゚)「寝坊してんのかと思ってた」

( ・∀・)「先輩じゃあるまいし」

 

26 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 22:59:44.20 ID: pPUzLdfW0
( ´_ゝ`)「弟者、俺の陣地が背後からジリジリ削られてる件について」

(´<_` )「その分ハインの陣地乗っ取ればいいんじゃね?」

( ´_ゝ`)「お前マジ頭いいな、おりゃ」

从#゚∀从「てめえらああああああああああああああ!!」

ちなみにこの後もリアルファイト勃発。

 

27 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:00:36.22 ID: pPUzLdfW0

塔の横の小屋。
窓からぼんやりとした明かりを漏らすそのドアをノックする。

( ^ω^)「こんばんはだお」

('A`)「あん、どうしたおまえら」

ξ゚听)ξ「ん、前にもらったガラクタの『箱』があったじゃない。
      あれのブレーキがどうも調子悪いのよ。工具と予備の歯車貸してくんない?」

('A`)「歯車は消耗品だから有料だぞ、買取な」

ξ゚听)ξ「んじゃあお父さんの給料から」

('A`)「うむ」

(;^ω^)「これはひどい」

 

29 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:02:12.32 ID: pPUzLdfW0

ξ゚听)ξ「いいのよ、ちょっと体の為に禁酒するとか言ってたから。
      今月分の酒代から持ってくれば一石二鳥じゃない」

('A`)「あいつに禁酒は無理だろ…。
   そもそもさっきも仕事終わりに芋焼酎ガブ飲みしてたぞ」

〜〜〜〜

(,,゚Д゚)「監視いなくて飲み放題うめえwwwwwwwwwwwwww」

〜〜〜〜〜〜

ξ゚听)ξ「そういう時は谷に落としてやっていいから」

('A`)(俺が勧めたなんて言いにくいよな…)

 

31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:03:02.54 ID: pPUzLdfW0

怯えている、震えている男が一人。
両膝を床につけ、許しを請うように頭をひっきりなしに上下させる。

(;゚Д゚)「す!すまん!つい!出来心で!
    気が緩んだだけなんだ!ドクオにちょっと勧められて!」

(*゚ー゚)「ちょっとって量じゃないよね、この匂い」

(;゚Д゚)「いいいいいややや、かなり勧められて」

(*゚ー゚)「で、飲んだの?どのくらい?」

((((;゚Д゚))))「いいいいい1合半くらい…」

(*゚ー゚)「ほんとは?」

(((((;゚Д゚)))))「すいません4合くらいいきましたああああ」

(*゚ー゚)「…」

(((((((;゚Д゚)))))))

(*゚ー゚)「貴様の酒蔵の酒を全て谷の肥やしにしてくれよう」

(((((((,,;Д;)))))))「らめえええええええええええええええええ」

 

32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:04:16.37 ID: pPUzLdfW0

('A`)b「グッナイ、ボーイ

( ^ω^)「半分でいいから布団に入れろお」

('A`)「それだとツンがあぶれるだろ、お前も一緒に冷えてやれよ。
   女の子に対する気遣いができない男とか最悪なんだぜ?」

( ^ω^)「気遣うなら布団ツンに譲れお」

('A`)「やだ」

もう家に帰るには暗くなりすぎた、と言ってドクオはブーン達に泊まることを勧めた。
だが適当な話し相手が欲しかっただけらしい。
現に、酒を好きなように飲み、好きなように話したあとは二人を気にもせずに布団にもぐりこんだ。

ξ゚听)ξ「ブーン、暖炉の前いただくわよ」

(^ω^;)「おっ!?」

見ればツンは既に何枚かの防寒着を毛布代わりに自分の寝床をキープしていた。

(;^ω^)「まだ防寒着の余りは…」

ξ゚听)ξ「ないわよ」

 

33 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:05:37.01 ID: pPUzLdfW0

('A`)「よしいいこと思いついたお前ツンと一緒に引っ付いて朝まで寝てろwwww」

ドクオの顔に炎を纏った木の枝が飛んでくる。発射点はもちろんツン。

('A`)「イケメンガード!」

なんと彼の顔から神々しい光が放たれその枝を消滅させ…

うん、普通に火傷した。

 

35 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:06:49.31 ID: pPUzLdfW0
ξ#゚听)ξ「死ねこのエロ中男!」

('A`)「生きる!神が与えもうたこの命燃え尽きるまで!」

('A`)「涅槃じゃーい!極楽じゃーい!」

('A`)「どんなもんじゃーいwwwwwwwwwwwwwwwww」

ドクオはそのまま布団に倒れこんで意識を失った。
享年37である、生きてるけど。

(;^ω^)「防寒着を一枚でいいから分けてほs」

ξ--)ξ「んーやだ、さむい」

暖炉の前でぬくぬくと丸々ツンを羨ましく思い、
布団をその身に絡めとって繭のようになるドクオを憎たらしく思う。

 

 

37 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 訂正 投稿日: 2008/01/17(木) 23:07:50.47 ID: pPUzLdfW0
ξ#゚听)ξ「死ねこのエロ中年!」

('A`)「生きる!神が与えもうたこの命燃え尽きるまで!」

('A`)「涅槃じゃーい!極楽じゃーい!」

('A`)「どんなもんじゃーいwwwwwwwwwwwwwwwww」

ドクオはそのまま布団に倒れこんで意識を失った。
享年37である、生きてるけど。

(;^ω^)「防寒着を一枚でいいから分けてほs」

ξ--)ξ「んーやだ、さむい」

暖炉の前でぬくぬくと丸々ツンを羨ましく思い、
布団をその身に絡めとって繭のようになるドクオを憎たらしく思う。

 

 

39 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:09:34.43 ID: pPUzLdfW0

塔の方に確か古い防寒着があったような気がしないでもない。
が、外の冷え込みは辛い。正直出たくない。

(;^ω^)「…凍えるよかいいお」

焚き木の中から太く持ちやすい枝を一本とり、ドアを静かに開け外に。
背を丸め、できるだけ火からの熱を全身で受けるようにして進む。

塔の鍵を開け、どのあたりで古着を見たのかを思い出そうとした時、
不意に、突然に、響いた。
ガラガラといった音ではない、
まるで笛がはるか彼方で鳴っているかのような、おぼろげながらもはっきり聞こえる音が。

 

 

41 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:10:52.17 ID: pPUzLdfW0

暗闇の谷の中を進む一つの光点。
紛れも無く、『箱』である。

(;^ω^)「…?」

硬直したままブーンは『箱』を見つめる。
あの『箱』が走っているのは通常のワイヤーではない、
中央から蜘蛛の巣状にめぐらされた非常用の路線だ。

―しかも、あの走行音。

 

42 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:11:53.67 ID: pPUzLdfW0

さまざまな予想、憶測がブーンの頭の中で渦巻く。
寒さすら忘れその場に佇むブーン。しかし、

(;^ω^)「あつっ!!」

焼け落ちた焚き木の燃えカスが手の甲を焦がす。
慌てて振り払い手の甲を舐めるも、既にピンク色の肉が数ミリほど剥き出しになっていた。

(;^ω^)(ついてないお…)

多少落ち込みながらも塔へと入り、防寒着を探す。
ロッカーや物置、挙句の果てに待合室まで漁った。

見つけたものはネズミに齧られ、綿が飛び出た貧相なコート一着。

( ;ω;)(泣かないお。朝まで筋トレしてればきっと暖かいしすぐ夜も明けるお)

無茶なことを考えつつ小屋へと戻る。

 

43 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:13:17.21 ID: pPUzLdfW0

( ^ω^)「!」

ツンが何重にも身をくるませていた防寒着が一着転がっていた。
一着だけだが、この小屋にあったものの中では最も質のいいものだった。

一見、無造作に放っぽられていた、ツンが寝返りの拍子に落としたのかもしれない。
が、袖先に至るまで温さが染み渡っている。

ξ--)ξ「…zzz」

ツン、気付いてないフリしておくけど、さっきと防寒着の巻き方が変わってるお。

( ^ω^)「ありがとうだお」

こっそりと呟き、おそらく暖炉で暖められたであろう防寒着を寝袋代わりに身をくるむ。

ξ--)ξ「……フン」

それもまた、呟くように聞こえたような気がした。

 

44 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:15:10.89 ID: pPUzLdfW0

一際見事な、塔。
そしてその上部に佇むのも、さらに見事な、『箱』。

その二つと同じ平地に建てられたスレスト村の役場。
無論、ここも切り拓かれたものではあるのだが。

―そして、夜が明けないうちからそこに光が灯る。

ミ,,゚Д゚彡「あー、ゴホン。『架師』組合代表のフサギコだ。
      今回の現場はかつてないほど厳しいものとなるだろうが、決して不可能ではない。
      これまでの経験を生かし、くれぐれも安全第一で頑張って欲しい。以上、あと頼むわ。じゃ」

形式ばったあいさつを済ませるとフサギコは椅子に座り直し、いそいそと書類やら何やらに筆を走らせる。
既に先のスーツから、着慣れた普段着に着替えている。

 

46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:15:43.96 ID: pPUzLdfW0

(;`・ω・´)「…アバウトすぎじゃありませんか?」

ミ,,゚Д゚彡「もう現場に出れん老いぼれが現場に言うことはない。
      そっちのことはお前やこいつらに任せることにするよ」

この場に集まっている人々。

それは大規模な現場経験のある『架師』であったり、
必要物資の補給を担う商人であったり、
あらゆる地質に精通した学者であったり、

これまでの、どんな現場の人員よりも充実していた。

 

47 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:16:15.75 ID: pPUzLdfW0

フサギコは既に現役を引退した、元『架師』だ。
現役の頃の仕事ぶりについてはいろいろと逸話があるが、多分酒の席での出任せがほとんどだろう。

垂直の崖に一人で道を通したとか、
50mの谷に一晩で橋を架けたとか、
あまりの毛深さに全裸で作業してても誰も気付かなかったとか、

だが、それらを除いてもやはり優れた人物であることに変わりはなかったらしい。
実際、引退して『架師』の組合代表となってからもその腕は発揮されている。
補給や工程に無駄がなく、現場の指揮官を介して的確に指示も飛ばす。

今、必死に筆を走らせている先の書類。きっとあれもどこかへ指示を出すための―

ミ,,゚Д゚彡「『56歳独身♪高収入で包容力のある男です。
      気立てのよい家庭的な女性からご連絡待っています☆』」

結婚相談所への自己アピール書類だった、
とりあえず殴ったら動かなくなったんで彼抜きに話を進めることにした。

 

49 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:17:48.27 ID: pPUzLdfW0

(`・ω・´)「えー、話を引き継ぎまして、現場指揮官代理のシャキンです。
      この度はこのスレスト村で工事が行われるとなり、
      この土地に馴染みのある私が当面の指揮を行うことになりました。
      もちろん、あくまで代理なので途中交代も有り得ますが。
      それでは、今回の概要を―」

予めまとめておいた書類が役に立つ。
最も、ほとんどはビロードややワカッテマス、フサギコらの言葉だが。

時折質問や反論が飛ぶ、しかし、自分でもある程度は予測しておいた。
優秀な書類に助けられつつも、なんとか言を終える。

 

51 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:18:51.23 ID: pPUzLdfW0
ミ,,゚Д゚彡「よし、各自理解したな?
      そんじゃ何日後からは忙しくなるからこっからは自由だ。
      役場の奥にもう布団は敷いてあるから寝たい奴は寝てもよし。
      腹減った奴はどっかの飯屋でも行くか自炊しろ、奥に食材と台所あるから。
      ちなみに俺は郵便物届けにいくからしばらくいなくなる、用があるなら今のうちだ」

いつの間にか目覚めていたフサギコが締める、
抱えた大量の封書の中に一つだけ派手派手ファンシーな封筒があるが気にしないでおこう。

ミ,,゚Д゚彡「んじゃ、お前は飯屋の案内でもしてやってやれ。
      着工予定の場所とかも見たい奴がいれば頼む」

(`・ω・´)「とりあえず後者を優先しておきます」

 

52 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:20:16.41 ID: pPUzLdfW0

ふと、窓の外を見ると日は既に昇りきっていた。
遠くの谷を『箱』が進んでいくのも目に映る。

―ああ、いい天気だ。

ぼんやりと眺めていたかったが、数名の『架師』に案内を求められる。

(`・ω・´)「ああ、それじゃあ行こうか」

幸い、着工予定地の近くには塔がある。
いや、というよりも物資補給の面からそういう場所を選んだのだろう。

 

55 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:21:43.67 ID: pPUzLdfW0

 

 

(;^ω^)「あら?いつの間に帰って来たんですかおシャキンさん?」

(`・ω・´)「いや、まだ帰ってないよ。ずっと仕事中さ」

(;^ω^)「??」

(`・ω・´)「ふふ、まあ近いうちゆっくり話すさ。ショボンも一緒にね」

静かに笑う。
まだ不安を掃えたわけでもない、しかし、肩に掛かる重荷はなかった。

自分はただ、自分にできることをやればいい。

(`・ω・´)「それじゃ、よろしく頼むよブーン君」

( ^ω^)「お!了解ですお!」

 

 

56 名前: ◆FEvaeH3GGA Mail: 投稿日: 2008/01/17(木) 23:22:29.81 ID: pPUzLdfW0

―それから一月後、スレスト村にて本格的な工事が開始された。

 

 

 

 

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